2020年12月6日日曜日

子どもがないということは孫もできない:生殖補助医療法成立

 子どもがいないということは、孫もできない。

 これは、不妊治療していた時に読んだ本や記事の中で一番心に残っているもの。ある人の手記を読んで、子どもがいないさみしさを乗り越えると、次に孫がいないさみしさがやってくると。きっと、いつか私も体験するのだろうと思います。

 つい先日、日本で、生殖補助医療法が成立しました。法律の文面上に旧優生保護法を思い出させるような部分があるということで、私も気になってみていました。結局その部分は変わることなく、法律は成立しました。成立に至った経緯を含めて、あまり詳しくないので、このあたりは、もっと勉強してから、また書けたらと思います。

 思い出していたのは、数年前に不妊治療をしていたころのスウェーデンの事情。スウェーデンで、卵子提供が可能になったのは、2019年1月1日なのです。もっと早くからやっていそうなイメージがある方、多いのではないかと思います。

 私が不妊治療していたころは、卵子提供は国内では可能ではなく、望む人はデンマークやロシアなどに行っていたと思います。代理母はインドとか。あの時期は、スウェーデン転換期だったのだろうと思うのですが、精子提供を受けれる人の枠を拡大する議論、卵子提供の議論、養子縁組の縮小、代理母の議論と、この分野は議論の真っただ中でした。体外受精や顕微授精をしてくれる医療機関も少なく、1年から2年待ちでしたので、順番待ち解消のプロジェクトがあったくらいです。あの当時と比べると、現在は、民営化が進んだこともあり、かなり落ち着いている印象を受けます。

 スウェーデンの場合は、国の医療保健の対象でできる体外受精は、男女共に18歳以上40歳までとなっており、40歳を超えると、自費で行うことになります。体外受精も何回もできるわけではなく、今までの成功率から計算して、卵子の採取3回までで、可能な体外受精の回数としているレギオン(日本の都道府県レベルにあたる)が多いと思います。私が受けたときは、医療保健適応で税金で行うということで、私たち夫婦の希望というよりは、以下に効率よく行うかに重視が置かれているという印象を受けました。もちろん、無償に近い形でできることは素晴らしいことなのですが。

 

 子どもがないということは孫もできない。たまに思い出すんです。私たちは夫婦の意思で最終的に子どものいない人生を選びました。卵子や精子提供は可能であったとしても受けなかったし、事情により養子縁組もしなかったので、聞かれれば、私たちは、子どもを望みましたが、自分たちの意思で子どものいない人生を選びましたと答えるでしょう。でも、時々、思い出しますし、考えます。もしも子どもがいたらと。一番つらかった時期は、子どもの愚痴をいう知り合いや、同僚、友人の言葉を聞くもつらかったし、今のように落ち着いて話せるということはなかったので、少しずつ時間がいやしてくれるもの、自分が受け入れられるものもあると思います。


 今回、日本でこうした法律が成立し、このことに関して、倫理的にどうとか、そういうことを言うつもりは全くありません。世の中が発展していき、技術が開発され、人々の意識も少しずつ変わっていく中で、子どもをどのように持つか、産むかということまでも、自分で選ぶことが可能になるという社会において、自分で知識を獲得し、取捨選択していくことは、とても重要です。法律が変わり、可能でなかったことが可能になり、私たちは、選択の可能性が増えるとともに、それを自分で決定する力が必要になります。そして、私たちはそうした選択の力をこれからの世代に何らかの形で伝えていくことが重要であると思います。


 そこには、ただ、卵子提供が可能だという知識ではなく、自分の体について、女性と男性の体について、妊娠について、いわゆる性教育といわれるものから、人権までを、教えていくこと、自分で知識として獲得することが大切であると思います。法律は、今後の変化の一端であり、出自を知る権利や代理出産、出生前診断などなど、多くの課題や問題を社会で考えていく必要があるでしょう。


 孫がいないのですが、私は幸いなことに、甥っ子姪っ子には恵まれ、今日もかわいい甥っ子がライン電話で話をしてくれました。ないものを悲しむよりも、あるものに感謝して、日々生きていければいいなあと思う日曜日です。

2020年11月30日月曜日

学校の予算、削減削減。。。

 先週は金曜日が研修の代休で休みだったので、3連休でした。オンラインの研修やセミナーに参加して、本を読んでと、ゆっくりできました。そして、今日、月曜日。学校で大騒ぎになっていたのが、

来年度の予算、大幅削減

のニュースでした。スウェーデン、教育と福祉は地方自治体が責任を持っています。医療は、都道府県レベルでレギオンといい、教育は、コミューンといいます。で、このコミューンが、来年度の予算をものすごくカットしたという話。昨年度は前に勤務していたコミューンが同様のことをしてました。校長曰く、どこのコミューンも軒並み、予算削減で、傾向は変わらないと。この点は、私も同感。おそらくスウェーデン中同じ傾向のような気がする。


スウェーデンの学校は、学校法が適応されており、外枠の部分は国が法律を通して担っているのですが、中身の予算やどうやって運営するかなどは、各地方自治体と学校に任されており、国からの支援予算は、地方自治体に降り、それが地方自治体で市内の学校に細分化されるという仕組みになっています。そうなると、求められることと、できることの間にギャップが大きくでき、この溝が毎年毎年大きくなっているように感じます。今回の大幅削減も、国の学校への特別予算を組み込んであるはずなのに、それがコミューンを通したら、もらえなくなったとならなかったとか。これに加えて、特別支援学校は生徒が6名卒業するので、大幅に生徒が減ること、近くの私立の学校が新しいクラスを作るので、恐らくそこに生徒が流れてしまうことなども関り、来年度は大変な予算削減に。


どうなるのかなあ。とりあえず、各労働組合が動き出し、今後の対応が決まっていくのですが、あまり期待できそうになく。。。


先週、私立の学校に配布される生徒一人当たりの予算を10%前後とかで削減し、公立学校のほうが多く配分されるようにしたらという案がでていました。これも、実際に働いていると、見える実態に、私立はやはり生徒を選ぶ傾向があり、公立は全ての生徒を受け入れなくてはならず、私立に行ったけどついて行けなくて戻ってくる子もいるし、様々なバックグランドの子たちに対応していくのは大変だし、年によって生徒数も変わるし、様々な面で多少予算が変わってもいいかなあと。この陰にはやっぱり私立の学校が利益を計上しているというのも大きいとは思うけど。

今後の私立の学校に関する展開は見逃せないところです。


2020年11月23日月曜日

スウェーデンの義務教育が5歳からになるかも

 スウェーデンでは、就学前学校(日本の幼稚園や保育園にあたる)の義務化に関する調査がされていたのですが、その報告が今日のニュースでありました。調査開始当時は、3歳からの義務化が検討されていましたが、5歳からの義務化が本格的に議論されていく模様です。

 現在のスウェーデンの義務教育開始年齢は6歳で義務教育期間は10年。6歳になったのは2018年なので、まだつい最近です。なので、今回の変更が実現すれば、短期間に義務教育が11年になることになります。

 この背景には、スウェーデンの子どもたちの学力の低下、特に言語能力の低下があります。今日のこのニュースと共に大きく報道されたのが、移民の多い地域の子どもたちの6歳児教育開始時の言語能力が十分ではないというものでした。

 スウェーデンでは、共働き家庭が多く、みんな就学前学校に通っていると思われがちですが、約6%(22000人ほど)の子どもが就学前学校には通っておらず、通っていない子どもの半分は、外国にルーツを持つ子どもたちなのです。同年齢で比べると、外国にルーツを持つ子どもは83%、スウェーデンの子どもは95%が就学前学校に通っています。この差は、スウェーデン語の習得に大きな影響を与えていると思われます。

 家庭でスウェーデン語を聞くことも話すこともなく、就学前学校にも通わず、6歳児教育に通いだせば、他の子どもとの差はとても大きいというのは、想像に難くありません。就学前学校に通うとよいと思われる子どもたちが、実際には通っていないという現実があり、義務ではない現在は、強制することはできません。就学前の段階で、自然な形でスウェーデン語に触れることは、この国で教育を受けるとなれば、とても重要なことであると思います。

 この調査では、5歳からの義務化、コミューンが積極的に就学前学校に通っていない子どもを見つけてコンタクトを取ること、3歳になった子どもは全員就学前学校に登録するということなどが提案として挙がっています。

 夜のニュースでは、移民の多い地域の子どもが、移民の子ばかりの就学前学校に通い、子ども同士はスウェーデン語を話さず、職員も有資格者でなかったり、スウェーデン語がしっかり話せなかったりしても、義務化することに意味あるのかというようなインタビューがされていました。それでも、集団で日常を過ごし、教育を受ける、保育を受けるというのは、子どもの言語発達や基礎発達に大きな影響を与えるだろうと思います。


 この調査は、今後関係省で話し合われ、国会に法案提出となれば、2022年もしくは2023年には現実化しそうです。どうなるかな。


2020年11月21日土曜日

スウェーデン学校自治体ランキング

  久しぶりにブログを書こうかなと思った土曜日です。学校を変わり、教える生徒の障害の程度が変わり、コロナの感染状況が悪化し、バタバタしていた毎日、ちょっと落ち着きました。この間に、Youtubeチャンネルを始めたりと、新しいことに挑戦しつつ、改めて、ブログを書くことも力を入れようと思っています。とりあえず、文章は短くてもいいので、更新回数を増やすことを目標にしたいと思います。😅

 スウェーデンの教員組合が毎年行っている、スウェーデン学校自治体ランキングがこの間発表されました。スウェーデンには、コミューンと呼ばれる地方自治体が290あり、このレベルが教育と福祉を担っています。都道府県レベルにあたるレギオンは21あり、こちらが道路や医療関係を担当しています。290ある地方自治体を様々なバロメーターで見ていき、順位を毎年出しているのです。

ランキングの下になっているのは、教員組合独自の調査や統計、国の統計局の統計、学校庁の統計などになります。それをもとに、以下の10の指標で見ていきます。

  • 生徒一人当たりの教員配置数 
  • 有資格者率
  • 授業への職員数
  • 生徒の学力成績
  • 教員の病気休暇率
  • 教員の給与(公立)
  • 就学前学校の子ども率
  • 9年生の高校入学の関わるメリット値
  • 9年生の高校入学最低基準到達値
  • 高校課程修了率

順位は以下の通り。

上位5自治体

  1. Övertorneå
  2. Vadstena
  3. Vilhelmina
  4. Arvidsjaur
  5. Ovanåker
下位5自治体
286. Vansbro
287. Haninge
288. Borlänge
289. Gnesta
290. Tierp

どこもあまり有名なところではないので、有名な自治体を見ていくと、
ストックホルム:100位
ウプサラ:216位
ヨーテボリ:180位
マルメ:144位

という感じです。このランキングなんのためかというと、その自治体が前年度と比較し、成長度などを比べたり、教員が働く自治体を選ぶ時の指標にしたり、保護者が学校選びの際の指標にしたりとします。こうした比較は、いろいろ問題や課題もありますが、一つの目安としては、よいのではないかと思って、毎年眺めています。ちなみに、私が住んでいる自治体もはたらいている自治体もあまりランキングはよくなく、救いは、前年度と比べるとよくなっているくらいでしょうか。

と、今日は学校自治体ランキングを紹介しました。


2020年8月29日土曜日

インクルーシブ教育公開研究会に参加して

   オンライン座談会に参加してくださった方から、東京大学大学院教育学研究科付属のバリアフリー教育開発研究センターのインクルーシブ教育公開研究会というのがあるよと教えていただきました。ということで、今日参加して思ったこと、考えたことを書き留めておこうと思います。オンライン開催は、海外在住者にとって、大変ありがたいです。参加したのは以下です。続編が9月26日に行われ、内容は、日本国内のコロナ禍とインクルーシブ教育となるようですので、興味ある方はぜひ。

第11回 インクルーシブ教育公開研究会

コロナ禍のインクルーシブ教育――世界の学校でいま問題となっていること 

講師:崔栄繁

講師は、DPI (Japan National Assembly of Disabled People`s international)日本会議の崔栄繁さんでした。前半は、そもそもインクルーシブ教育とはという概論の話でした。この部分は新しい内容はなく、大学で勉強した内容に一致するものでした。日本語で日本の状況と照らし合わせながら話を聞けるというのは、勉強になりますし、ユネスコの最新のグローバルエディケーションモニタリング(GEM2020)を取り入れて話してくださるのは、大変勉強になります。GEMレポート2020の中では、

私たちがみんな共通して持っているものは「違い」

であると。その違いには、ジェンダー、年齢、移住地、貧困、ハンディキャップ、民族性、先住民性、言語、宗教、移民や避難民という立場、性的思考や性自認、性表現、投獄経験、信念、態度などがあり、この「違い」を認識し、目を向けるというのは、スウェーデンでは重要な点として伝えられており、「違いは、互いを豊かにする」といわれます。私は、「スウェーデン人と同じようにすること」に努力を図ってきましたが、パートナーに、そんな無駄なことに時間を使う必要はないとよく言われました。私が持っている違いを良さとして、まず自分が捉え、そして、自信をもって生きていくことで、その違いは、多様性として、互いの人生を、社会を豊かにするのでしょう。

正常と異常、特別

ここも重要な点であると感じます。よく大学で議論したなあと思いだして話を聞いていました。何を正常とし、異常とするかは、社会や文化にあり、そこを作っているのは、生きている私たちであり、変えていくことが可能であるという発想が昔はなかったのですが、スウェーデンで暮らすようになり、この点をいかに意識して個人が生きていくかは重要であると感じるようになりました。話の中では、特別なニーズという概念から、参加と学びへの障壁という概念に置き換えることで、変化を生み出していけるのではということでした。

インクルーシブ教育は多様な目的を果たす

ここ、重要であると思います。インクルージョンはプロセスという話もあり、ローマの道は1日にしてならずなのですが、往々にして、結果を求めがちで、そうなると、この多様な目的を果たす部分が見えにくくなっていると感じることがあります。ただ、場の統合をして共に学ぶことだけでは、インクルーシブ教育ではなく、インテグレーションの状態であり、インクルーシブ教育にはそこに生み出す、多様な目的、可能性を常に見ていく必要があり、そこに目を向けないと、反インクルーシブの状況が生まれてしまうように感じます。


印象的だったのは、「場の統合」が重要であるという点を強調された点。スウェーデンの最新の考え方でも、インクルーシブ教育を細分化し、そこにこの場の統合をどう見ていくかというのが議論となっており、場の統合を含んだ形を強調した数年まえからは、緩和された感を受けます。その傾向が日本でもあるのだろうと感じました。

「フルインクルーシブ」という言葉が出てきて、この言葉が使われるのは、おそらく教育現場のみであろうということでした。スウェーデンではあまり聞かない言葉です。どんな障害のある子も共に学ぶ教育となると、どうしても同業者である私は教師側の負担を考えてしまいます。その子その子の学びと発達の権利を保障しつつ、様々な障害がある子どもを同じ教室で教育するというのは、やはり教師の考え方や技量が試されます。学校や校長の方針も大きく関わります。まじめな先生ほど苦しむのではないかとか考えてみたり。ただ、実際にそういう場にならないと現場が変わらないというのも事実なのですが。

あとは、年齢のことも印象的で、話の中に同年齢の子と学ぶという話が出てきており、これも、飛び級などがない、ギフテッドクラスなどがないからこそ、言えることであり、ここはスウェーデンも似ているのですが、諸外国によっては、このあたりの発想も違いが出そうに思いました。

後半はコロナ禍におけるインクルーシブ教育の話が出て、アメリカや韓国の事情が報告されました。報告内容は、スウェーデンで聞くオンラインによる教育の難しさに通じるところがあり、課題点は似ていると感じました。といっても、スウェーデンは、義務教育と特別支援学校の高等部は閉鎖されなかったのですが。

思ったことはいろいろあるのですが、私が特別支援教育に関わるようになったきっかけは、中学2年生の時に同じクラスにいた、おそらく脳性麻痺であった同級生との出会いがあります。どんな障害がなど、気にしたことはなく、聞いたこともないのですが、三輪車型の自転車に乗った彼は、足が不自由で、話が多少不明瞭な以外は、同じ同級生で、私と彼と他の同級生3人の5人で仲良くしていたことを思い出します。球技大会で、バレーがあって、彼が参加すると優勝はできなかったけど、みんなで楽しかったことを思い出します。そんな出会いを思い出し、インクルーシブ教育とはと考えた2時間半でした。何度も言われていたのが、考え議論していくことの重要性。同感です。この点が、恐らくスウェーデン、スウェーデン人は長けているように感じます。対話をしていくこと、考えていくこと、続けていきたいと改めて思いました。


2020年8月2日日曜日

モンゴルの自閉症の男の子の絵ー才能と生きる力とは

 春からオンラインで話をする会を企画し、最初は不安でしたが、自分の考えを言葉にする機会となり、多くの方とのつながりを生み出してくれました。今日は、そんなつながりが繋いでくれた、モンゴルの自閉症の男の子の絵を紹介したいと思います。

 オンラインの会に参加してくれたのは、その昔私の学校に見学に来てくれた方。青年海外協力隊としてモンゴルに派遣される前に勉強したいと訪れてくれました。何ができるかわからないけれど、誰かの役に立ちたいと話す彼女の姿を思い出します。日本での経験を活かし、私の生徒たちに授業をしてくれました。あれから数年たち、オンラインでの会に参加してくれ、デンマークのアートプロジェクトの写真をみて、このモンゴルの自閉症の男の子の絵を送ってくれました。

 この男の子は、モンゴルでアートのイベントを開き、テレビやニュースでも話題になったとのことです。彼女を通じて、写真の紹介の承諾をいただきました。モンゴルの障害がある子たちも療育を受けているとのことで、その中で、彼の絵の才能を見つけるに至ったとのことです。まだまだ、これからということが多い、モンゴルの障害児の療育・教育事情、いつか詳しく聞きたいです。






大変魅力的な絵です。色使いや構図など、とても素晴らしいと感じます。そして、何より、「生きる力」を感じます。人にはそれぞれ、苦手なこと、得意なことがあり、どんな人にも才能があります。そこに、障害の有無は関係ないのです。彼の絵を描くという才能は、「生きる力」となり、絵から放たれていると感じます。

教育、特別支援教育に関わるものとして、こうしたその子が持つ才能や得意なこと、好きなことを、たくさん見つけてあげて、その子が生きる力をもって生きていける、その生きる力を分け合いながら生きていけるように手助けをできればいいなあと思います。


障がい者の絵の力を信じ、ビジネスとして展開している会社を思い出しました。クリエイターである障がい者と支援員であるアトリエリスタが共同で作品を制作し、市場価格で商品として売っていこうというもの。「RATTA RATTARR」というチャレンジドジャパンという会社が運営していて、話をお聞きしてから、もう何年もたっています。一度、連絡を取ってみたいなあと思った日曜の夜です。

2020年7月30日木曜日

デンマークの特別支援教育とは

 あっという間に7月も終わりになり、おっかしいなあと思っている今日この頃。スウェーデン人の大親友が子どもを連れて遊びにきてくれ、その後、ボロースとヨーテボリに旅行に行って帰ってきました。楽しかったです。

 今日は、デンマークの特別支援教育についてのご紹介。この間の投稿でもご紹介した、デンマークの特別支援学校で働く私の友人が、ブログにデンマーク事情を書きましたので、そちらをご紹介します。

ブログ名は、FISCHSUPPE 魚スープ
ドイツで暮らす、デンマークの友人のブログで、たまに彼女も書いているブログです。ドイツ事情もデンマーク事情も分かるブログです。そこの以下の投稿でデンマークの事情が読めます。

私のことも紹介してくださっています。恐縮です。

デンマーク事情も気になりますし、北欧各国の事情も気になります。勉強、勉強の毎日です。頑張ります。


2020年7月19日日曜日

デンマークのアートプロジェクトの写真

 昨日は、「デンマーク×アメリカ×スウェーデン 特別支援教育を語る会」をしました。最終的に16名の方が、お忙しい中ご参加くださり、本当にありがとうございました。2時間で3か国、そして、カナダから参加してくださった方にも、カナダ事情を伺いながらとなり、表面的な話になってしまったかなと思いつつも、各国の事情を聞くということで、大変興味深かったです。

 最後の部分でお話をしていただきました、デンマークでご活躍の方が行われた、3歳から8歳までの重度の自閉症の子どもを対象とした、アートプロジェクトの写真をご紹介します。このプロジェクトもとには、あの時のお話にあったように、すごく綿密な子どもたちへのアセスメント、状況把握を行い、その結果と共に、教室の構造にも配慮したうえで、文字の獲得を促すいうものでした。絵が描ける子どもであれば、文字をかけるようになるという仮定のもとに、障害の重さにとらわれず、可能性を信じた彼女の取り組みに、私はとても心を動かされました。

 そして、この穏やかな色合いの絵に、子どもたちがアートを好きになるという気持ちがよくわかります。そして、文字を学んでいるということに、この子たちへの教育の可能性を感じます。
 


こうした、手順の視覚化、室内の構造化などの準備がされています。

*写真は彼女よりご提供いただいたものです。


 世界のどこかで、私と同じように、文化と言葉の違いを感じながらも、障害がある子どもたちと向き合っている友人がいるというのは、本当に心強く感じます。ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました。また、いつかお話しできる日を楽しみにしております。





2020年7月12日日曜日

全国障害者問題研究会オンラインの夏の大会

 いまいちな天気が続いているこちら、スウェーデン、このまま夏が終わってしまわないことを願うばかりです。


 先日お知らせました、「デンマーク、スウェーデン、アメリカの特別支援教育を語る会」引き続き、募集しておりますので、お時間許す方、ぜひ!言語は日本語で、3人とも実際の現場で働いていますので、現場の話と皆様からの質問などをもとに話ができればと持っています。詳細は火曜日あたりに、このブログでもお知らせしたいと思います。

 今日は、全国障害者問題研究会の夏の大会のお知らせをしたいと思います。本来なら、北海道、旭川で行われる予定だった大会ですが、コロナウィルスの影響を受け、今年はオンラインで行われます。北海道に9月に行くことは大変難しかった私ですが、いつか参加してみたいと思っていた全国大会に、こんな形で参加できることになり、皆様にもご紹介させていただければと思ったのです。

 全国障害者問題研究会、通称全障研は、1966年に結成の呼びかけがなされ、その後、1967年に、障害の種類や程度、また職業や立場を超えて、障害者の総合的権利保障を目指し活動する研究会として結成大会が東京で開催されました。障害者の権利を守り、発達を保障するために、理論と実践を統一的にとらえた自主的民主的研究活動を発展させることを目的としています。(全障研ホームページより

 私も数年前から、北欧の研修ツアーの際に関わらせていただくなど、お世話になっており、その活動を知れば知るほど、その真剣で地道な取り組みに、こうした会の力というのは大変大きく、重要であると感じています。

 今年の夏の大会は、例年と比べると、ぎゅっと凝縮された感じになると思うのですが、会の活動を知っていただくには、ほんとうによい機会なのではないかと思います。(と参加したことがない私が言うのもなんですが。)

 詳細は、全障研のホームページからになります。

日時:2020年8月9日(日) 13時から16時

内容は全大会とミニ学習会の2部 (以下大会案内頁より)

全大会
全障研全国委員長 越野和之あいさつ
北海道大会準備委員長 二通 諭あいさつ
基調報告 常任全国委員会
     *基調報告(案)をご参照ください
北海道大会特別公演(予定)演劇「どんぐりの学校」紹介
特別報告
 乳幼児期=福祉広場(京都)「子どもも大人も楽しく笑顔になる療育実践」
 学校教育=大島悦子(大阪)「自我を育てことばをはぐくむ」
 放課後・地域生活=村岡真治(東京)「コロナ禍のなかでの放課後デイのとりくみと課題」
 青年期・成人期=高野貴弘(北海道)「北の大地の仲間たち2020」
全障研紹介

ミニ学習講座
伊藤修毅(日本福祉大学)「ゼロから学ぶ障害のある子ども・若者のセクシュアリティ」
細渕富夫(川口短期大学)「障害の重い子どもの発達と生活」
参加受付は、7月25日までで、参加費は、会員は無料になります。年会費は、3000円で、詳しくはこちらのページをご覧ください

2020年5月11日月曜日

スウェーデンのコロナの年の特別支援学校の卒業は?


 今日は、フランスが長い閉鎖生活から解放され、日常生活を開始したというニュースが流れました。スウェーデンも、罹患者数、死者数とも徐々に減少傾向にあり、コロナウィルスの第一波は収まりつつあるという雰囲気にあり、人々の心も徐々に緩みつつあるとかないとか。。。
 
 スウェーデンは、6月の頭が卒業シーズン。私が働いている学校も卒業の日があり、卒業式というと日本のをイメージしてしまうのですが、毎年、卒業を祝います。今年は3名の卒業生がいる私の学校でも、このコロナウィルスの影響で、どのような形で卒業を祝うか、イースター明けから議論が続いておりました。私は今年卒業生を受け持っておらず、久しぶりにのんびりとした年度末を送っています。昨年は3名卒業生を受け持っていたので、それはそれは忙しく。。。今年は隣の先生が3名受け持っており、大変そうですが、コロナの影響で、就労支援センターへの引継ぎなどはなくなり、実習はなくなったので、昨年よりは楽かなと想像しています。

 その代わりに、大変なのが、卒業のお祝いへの対応。うちの生徒たちは、知的障害があるので、リスクグループに入り、生徒の半分以上が自宅学習を行っています。この自宅学習も色々思うことがあるのですが、また、別に書くことにし、卒業の話に戻すと、二転三転し、結局、オンライン、もしくは映像とプレゼントでお祝いするということになりました。最初は、何かしらの形でお祝いをしていいかと聞き、それにオッケーが出たので、外でのお祝いから、体育館でのお祝い(広い体育館に生徒3名と保護者数名)というお祝いから、やっぱり、外でとなり、結局リスクグループだからと振り出しに戻って中止に。(だったら、最初から中止にしろよ、と心の中で叫ぶ😭)私は、自分の生徒が入っていないこともあり、傍観者で多少意見を言う程度だったのですが、隣の先生疲労困憊。。。わからないでもない。。。

 こういうとこに、文化を感じます。何度も何度も話し合い、ああだこうだと、どの辺がちょうどいい当たりかを探す感じで、疲れることも多々。。。今回みたいなのだと、うちの生徒は命にかかわるので、結局まわりまわって中止って落ちがいまいち。。。

 で、いまだにはっきりとは決まっていないという。。。オンラインでするか、もしくは映像を送るか。。。自分の生徒が卒業生にいないので、徹して傍観しようかなと今回は決めている次第です。このコロナで、こういう対応の難しさが世界中で経験されているんだろうなあと想像している月曜日です。

 オンライン座談会、1回目を土曜日にしました。ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。大変興味深いお話をすることができ、有意義な時間を持たせていただきました。また、2回目よろしくお願いします。



2020年5月1日金曜日

コロナウィルスで亡くなったスウェーデンの教師

 スウェーデンの義務教育の学校と幼稚園は、コロナウィルスによる休校や閉鎖処置をとっていません。そんな中、スウェーデン北部の町で教師がコロナウィルスによって亡くなりました。医療関係者や公共交通機関の運転手が亡くなるという話は、他の国でも聞きますが、多くの国で学校は閉鎖しているので、教師が亡くなるという話はあまり聞きません。今回のニュースは、教師が亡くなったという悲しみに加え、学校での感染の事実が報道されたことに驚きました。といっても、報道のされ方は、予想以上に控えめでしたが。。。

 亡くなったのは、スウェーデン北部のフェレフティオ(Skellefteå)という街の基礎学校(0年から9年)で教師をしていた60歳くらいの方。コロナウィルスに罹っていると診断されたのちに亡くなったそうです。先生がコロナウィルスで亡くなったというのは、この方だけではないのですが、この学校の76人の職員のうち、18人の陽性反応が出たということで、亡くなった職員がいることと陽性反応の出た職員の多さから、報道発表がされました。この学校、4月21日から欠席の職員が多いということで、既に休校閉鎖されていたようで、今も閉鎖されているようです。

 教員が一人亡くなり、陽性反応の出た教員が18人というと、集団感染がおこったということがわかりこの報道になったのでしょう。ストックホルムの学校でも学校の先生が亡くなったのですが、亡くなったのがその先生だけだったので、報道もあまりされず、学校も閉鎖されず、学校の消毒もされなかったということでした。今回の上記の学校は、とても例外的だといわれていますが、生徒は未だにテストされていないとあります。500人くらいの生徒が通っているようなので、症状も出ていない子どもたちをテストしないのでしょうかね。

 学校を閉鎖しないスウェーデン、賛否両論ありますが、こうして亡くなった先生が出たことは、衝撃といえば、やはり衝撃です。感染リスクを心配する教員は多くいますし、他国が学校を再開した時のような明確な対策はあまりとられておらず、教室の中の子どもと子どもとの距離をしっかり開けるということは難しいという声も聞きます。今回亡くなった先生に持病があったのかなどは、個人情報で報道されることはありませんし、珍しいケースとして取り扱われて終わっていくようですが、もう少し、教員を守る対策が取られてもよいのではないかとも思います。地域差はあると思うので、しっかり対策しているところもあるかもしれませんが。といっても、ずっと学校を閉鎖していくわけにもいかないので、遅かれ早かれ、このような事態がどこかで起きても不思議ではないのかもしれないと、複雑な思いを抱く5月1日でした。

2020年4月30日木曜日

スウェーデンのコロナウィルス対策、10のポイント

 スウェーデンのコロナウィルス対策が、世界でもユニークなので、なんと世界中でスウェーデンが、1週間で6000記事にもなったとかならないとか。。。北のヨーロッパの果ての国が、こんなに注目されることって、恐らくめったにないので、それだけでもこの政策は何かしら意味があったのかと思わされます。日本でもスウェーデンのコロナウィルス対策が話題になっているようで、母が教えてくれます。

 ということで、教育と関係ないけれど、私が思う、スウェーデンだからこそ、この対策が成り立ったという10ポイントを、ここにまとめておこうと思います。誰にも聞かれてないけど。。。ちなみに、成功しているかという面では、今のところ判断をしかねます。が、おそらく、どんな結果になろうとも、何らかの形で、例えば、「国民の健康」という総合的判断とかで、この対策は成功であるという見方がされるという気はしています。

ポイント1:病気で仕事を休むことに慣れている人々と社会

少しでも風邪の症状(咳、喉の痛み、熱、鼻水)があったら、仕事や学校を休み、自宅で待機するというのが、スウェーデン対策の中心核なのですが、政府がすぐに病気休暇の際の初日の自己負担日をなくしたし、普段から病気休暇でお給料の約80%くらいを保障されているスウェーデンでは、病気で仕事休むことに抵抗が少ないのです。スウェーデン人、休む方も、休まれる方も、変に「慣れている」ので、確かに今回は大量に休んで大変なのは確かですが、それでも、慣れはあるかなと。ただ、初日の自己負担は全額保障ではなく、その額が少ないと波紋を呼んでいます。。。

ポイント2:子どもが休むことにも慣れている人々と社会

幼稚園や学校も少しの風邪の症状でも休むことになっているのですが、こちらも、もともと看護休暇が普及しており、社会の理解もありますし、約80%くらいがもらえるので、抵抗が少ない。こちらも、この制度や習慣がない国で、突然導入することは難しいでしょう。ちなみに、幼稚園や学校に来ても、風邪の症状が少しでも見られれば、親に迎えに来てもらい、帰宅となります。どのくらいで風邪とみるかという、このあたりの判断は難しく、幼稚園や学校がお迎え要請を頻繁に出すことになり、問題にはなりましたが。。。

ポイント3:もともと人口が少ない。

もともと人口少ないんですよね。ニューヨークとかロンドンとかと比べたら、少ない少ない。。。人が密集するというイメージがあるのは、3都市くらいかも、ストックホルム、ヨーテボリ、マルメ。どこも、中心地から30分も出れば、森が広がる田舎が見られるような感じだし。。。自宅勤務できるところを自宅勤務にすれば、人の流れはかなり抑えられるという感はある。。。

ポイント4:広い国土

東京の人口より少ない人々が、日本の国土よりも広い大地に分散して住んでいる国、スウェーデン。私が住んでいるとこも、ストックホルム中心部まで1時間以内ですが、周りは牛がいる田舎で、出歩いてもソーシャルディスタンス取ることに、何ら問題は感じません。スーパーと職場のほうが問題かも。。。

ポイント5:核家族が基本

核家族が基本であり、複数世代も住んでいるのは、移民の背景を持つ人が多いです。そのため、残念ながら、移民の多い地域では、亡くなった方が多いのも事実で、最近は、そういった家族のための避難アパートが提供されるようになりました。核家族であれば、高齢者と同居していないので、コロナウィルスの初期症状であるかもしれない風邪症状で家で休養するようにというのも問題が少ない。

ポイント6:独り身が40%

国の統計では、スウェーデン全土の世帯のうち、約40%が独り身であり、基本的に、ソーシャルディスタンスが保たれている? 別居婚もありだし、実際にはわかりませんが、初期症状で自宅で休養しても、感染しないであろう世帯が40%というのは大きいかも。この中には、高齢者の元気な一人暮らしも入っていると思われます。

ポイント7:基本はきれい好きかも

日本と同様に玄関で靴を脱ぐ習慣があり、北欧といえば、デザインも有名だし、家の中も整っているとこも多そうなので、基本的にきれい好きな国民なのかもしれない。といっても、これが手洗いをきちんとするという意味でのきれい好きかどうかは定かではないのですが、個人差は多そうだけど、政府が早期にかなり大きなキャンペーンをしたことで、手洗いの重要さは伝わったような気はします。。。

ポイント8:もともと迷走気味な医療制度

もともとスウェーデンの医療は問題山積みで、迷走気味で、私も移住当時は慣れるに時間がかかりました。ちょっとしたことで医者にかからない、風邪などは休養して自力で治す、病名は事前に自分でつけてから医者に行くという😅習慣がすでにあるスウェーデン人たちは、この対策でもあまり問題を感じないよう。といっても、さすがに未知のウィスルなので、政府が専用の電話回線を開設したし、24時間常に電話できる医療相談の電話番号もあるし、オンラインの医者も普及しているので、人々の不安はその辺りで対処されているかもしれないが、これもやっぱり、国によっては無理かも。。。

ポイント9:異なる死生観

無宗教の人が多く、日曜日には教会ではなくIKEAに行く国という冗談があるくらいのスウェーデン、コロナウィルスが問題となり始めた3月中旬に、早々と医療を受ける優先順位の倫理規定を発表し(もともとあったらしいが)、増える死体の安置上にはアイススケートリンクをと、着々と対策を立てていく姿には、死生観の大きな違いを感じました。無理に延命治療をするという考えはあまりなく、呼吸器をつけても耐えられないと予想されるしとか、コロナに罹らなくても亡くなったかもしれないとか、コロナと共に亡くなったとか聞くと、うんうんとうなずくだけの私がいます。。。

ポイント10:やっぱり、基本、コレクティブな国

社会民主主義の国で、社会主義の色も見え隠れするスウェーデン、限りある医療資源・財源をいかに有効に使うか、個人の権利を強く尊重する反面、コレクティブな考えも根強く、今回のコロナウィルス対策でもを至るところで感じます。この個人主義の強さとコレクティブな考えの基盤が時折ジレンマとなっている様子が、この国らしいなあと思ってみたりしております。

ということで、10ポイントまとめてみました。数学者によれば、最終的に、8000人から20000人の死者が出るとも言われており、どうなるのだろうかと不安が隠せません。自分にできることをしながら、終息の日を願うばかりです。

2020年4月16日木曜日

スウェーデンの学校でのコロナ感染リスクは?

 イースター休暇も終わり、スウェーデンの学校はいよいよ夏休みを目指して、ラストスパートの時期に入ります。この投稿は1週間くらい前に書き始めて、うろっとして忘れてしまったものを手直ししてあげています。職場は生徒が2名しか登校してこなくなったので、少ない職員でも穏やかに回っていたのですが、イースター休暇には2日間職員不足で出勤しました。なので、今週は火曜日のみ出勤し、2日間勉強を家でして、1日は代休をとっています。火曜日には、久しぶりに出勤してきた同僚たちと、とても楽しい時間を過ごせました。今日かかってきた同僚の話では、すでに2名咳がとまらないということで病気休暇をとっているということで、唯一全員揃った火曜日でした。😭

 今日は、学校に感染リスクについての、スウェーデンの教育界での意見を少し。高校と大学はオンラインもしくは通信に切り替えられましたが、義務教育の学校と学童、幼稚園が閉鎖されていないスウェーデン、学校では感染リスクはないのか、という単純な疑問が、もちろん、保護者間、教員間職員間でされています。3月半ばごろからの感染拡大を受けて、周りと距離を置くように、自宅勤務ができるならするようにと言われているのですが、実際問題として、学校は難しいですよね。。。学校が閉鎖されないかぎり自宅勤務にならないし、子どもや生徒に距離を置くといっても限界があります。イースター前によく話題に上っていたのが、リスクグループの職員への対応と閉鎖されている高校での問題点。高校の問題点は、生徒が登校してこないのに、職員は学校で仕事をしなければならなかったところが多くあり、先生も自宅勤務を望むという声が聞こえていました。これに加えて、通信やオンラインでは職業系の実務授業が難しいことや何らかの支援援助を必要とする生徒への対応が不十分ということで、学校庁が方針を少し変えました。昨日あたりに高校の先生の自宅勤務も認められるようになったような文章を読みました。

 基礎学校や幼稚園の職員の中のリスクグループの職員への不安は当初から言われており、不安な職員は病気休暇を自主的に取っており、この場合お給料の80%程度がもらえます。これに関して教員組合が何とかしようと動いていて、リスクグループと学校での感染リスクに関して、公衆衛生庁の国家疫学者の見解は、

リスクグループは、70歳以上、特に85歳から90歳だ。それ以外のリスクグループは、明確なデータがないので判断しにくいと。糖尿病もそれほど高いリスクになっていないし、呼吸器官系の問題が過去になかったかなど、担当医と相談して、個々によって判断するしかない。学校での感染リスクは少ない。子どもは大きな感染影響を受けているという報告はない。

といった感じでした。


 私は基本的に学校を閉鎖しないことには肯定的で、特に特別支援学校を閉鎖しないのは賢明であると思っています。ですが、当初より気になっていたのが、やっぱり、上記の職員の中にいるリスクグループの方たちのこと。同僚にも明らかにリスクグループという人もいますし、家族にリスクグループの人がいる人もいますし、退職が近い同僚もいます。当人はあまり危機感を感じていない人も多いようなのですが、スウェーデン、当初無症状感染者に関する情報や知識がない人が多くて、いいのかなあと思っておりました。教員組合には、これに関する問い合わせが多かったようで、組合が積極的に動き、その努力が功を奏して、政府側がリスクグループの人は、お給料を全額もらい休める方針を出し、4月21日に詳細を発表するということになりました。詳しく発表されないとどの程度のリスクが対象になるのかなどはわかりませんが、もともと妊娠後期など、リスクが増えると仕事を休める保険制度があるので、その制度を拡大して適応することになるということでした。
教員組合に載っていた幼稚園教諭の意見が印象的で、社会経済のために自分の健康が犠牲になっていると。興味深いのが、

本当に子どもと接することが危険ではないのなら、なぜ、祖父母が面倒を見てはいけないのか。という質問。確かに。。。

これに対する回答は、高齢者には、いかなる危険も回避したいと。3月の頭は認めていなかった、集団免疫獲得に関して、このごろは明確に押し出しているので、やはりある一定の人々が免疫を獲得することが重要であるのはわかるのですが、やはり、学校や幼稚園、特別支援学校などは、接触を控えることはできても、なしにすることはできないし、子どもは重病にはなる場合が少ないといっても、感染させる可能性はあるさらしいということで、社会を支える重要な職業をしている学校、幼稚園の職員の中で、リスクが高い持病などを持っている職員は、配置換えでもなんでもいいので、保障してもらえるとよいかと思います。核家族がほとんどで、家族にリスクグループがいる人は、かなり少ないとは思うのですが、こちらも、当人にとっては気が気でない問題であるとも思います。

 学校での感染リスクを減らすために、様々な取り組みはされており、うちの学校はもともと感染症対策は、病院に準じで行ってきたので、あまり差はないですが、ランチルームの規制なども出され、対策は練られている模様です。この時期のスウェーデンは、日本の学校の3月みたいなもんなので、休日も多いし、恐らくこのまま閉鎖されずに夏休み突入となる気がします。

 また、学校関係のこと、書こうと思います。皆様もお体に気を付けてお過ごしください。


2020年3月20日金曜日

スウェーデン学校閉鎖を可能に

 スウェーデンも新型コロナウィルスによる社会と経済混乱が顕著になっております。今週に入り、ヨーロッパ諸国が学校閉鎖や国境閉鎖、外出規制や禁止など、多くの対策をとています。スウェーデンとともに学校を閉鎖することがなかったイギリスが学校閉鎖を決定したことにより、スウェーデンの独自路線が浮き彫りになり、国内での不安の声にとどまらず、隣国をはじめ他国からの疑問の声も聞こえるようになっています。

 高校と大学は、通信、デジタル通信教育を推奨するという公衆衛生庁の方針により、水曜日からほとんどの学校がデジタル教育に代わっています。初日は少しネットの通信状態に問題があったという声も聞こえますが、概ね予想以上にスムーズにデジタル化に移行できているようです。学校関係者にはすでに1~2週間ほど前から、自宅学習ができる準備をするようにという方針は来ていたので、恐らく多くの学校が準備自体はしていたし、もともとデジタル化が進んでいる国なので、高校以上のレベルなら問題は少ないようにも思います。今回のことによって期待されるスウェーデンの教育における変革もあり、こちらはまた別の時に書きたいと思います。


 そして、昨日、スウェーデンでも、学校閉鎖を可能とする法律が昨日可決されました。デンマークが学校閉鎖を早く決めた理由に、数年前に学校を閉鎖した経験があるため、法律が違うという理由があります。法律が可決されるとすぐに、首相の記者会見で「今のところ義務教育である基礎学校と就学前学校を閉鎖しない」と発表しました。今回の法律では、学校の責任者(私立学校の運営責任者や地方公共団体の長)が、予期せぬ事態が起こった場合に就学前学校、学童保育やそのほかの教育関係の施設を閉鎖することができるというもので、その際には、医療従事者などの社会の重要な職業についている子どもや障害児など何かしらの支援援助を必要とする子どもや生徒の親には、就学前学校や学童などの保育を提供する義務を明確にしました。そして、この法律で、今まで法的に可能でなかった「国が一時的に学校機関を閉鎖すること」ができるようになり、その際にも上記と同様に地方公共団体に主要職業についている子どもや生徒の親には保育の場を提供する義務があります。この法律は明日3月21日より施行されるので、早ければ、月曜日にも学校を閉鎖することが可能となっています。現在、どの職業がこの「有事の際の社会の重要な職業」にあたるのかリストが作成されています。

 また、学校閉鎖に関わって、スウェーデンでは、これまで閉鎖された場合に親が自宅で子どもと待機する場合の経済的保障がなかったのですが、こちらも同時に法改正が進められており、子どもが病気の際の看護休暇が一時的に利用できるようになる見通しです。これによる政府の経済支出は、週単位で莫大な額になるということで、できるかぎり避けたいという国の考えももちろん聞こえてきます。

 スウェーデンでは、教育は地方自治に任せられているので、今回の学校閉鎖の流れには、このシステムとスウェーデンの民主主義、法律や社会の在り方、福祉の考え方などが色濃く出ています。実際の現場では、教員たちが、登校してくる子どもには学校での授業を提供しつつ、並行して登校してこない子どもへの対応もしており、ダブルで行う作業は負担が大きいという声が今週に入って聞こえてきます。私の学校は小学校の就学前クラス~3年生の学校に併設しているのですが、ランチルームなどは、がらんとして椅子も下げられていないテーブルが出るほど、子どもの数は減っており、公衆衛生庁からの体調不良が少しでもある場合は仕事にいかないという方針により職員数も減っていて、実際にいつまでこの状態がもつのかという不安もあります。学校閉鎖は、学校という建物が閉鎖されるだけで、教育は継続する方針で動いており、何らかの形で教育を継続する方向で先生たちは動いています。これには、スウェーデンの教員の労働形態と環境も大きく関係しており、こちらもまた別で書ければと思います。

 特別支援学校の高等部は閉鎖の推奨対象にはならず、様々な支援援助を必要とする子どもたちには支援援助は提供される見通しですが、職員が減ってこれば、何らかの対応を迫られるため、今からどんなことを自宅でさせるか思案中です。

 スウェーデン、ヨーロッパの中でも独自路線を行く国、戦争を経験しておらず、日本のように大きな地震があるわけでもないこの国、人々の考え方や国の対応など様々な点で興味深いことが多くあります。また、少しずつ紹介していければと思い、コロナウィルスの広がりが治まることを願うばかりです。




2020年3月14日土曜日

学校を閉鎖しないスウェーデン

 新型コロナウィルスにより、デンマークやノルウェー、ベルギーにフランスと、ヨーロッパの多くの国で学校が閉鎖されています。そんな中、スウェーデンは3月14日現在、学校を閉鎖しないという方針を取っています。今日は、そんなスウェーデンのコロナウィルスに対する学校関係の話をまとめてみました。

 日本でコロナウィルスが広まり始めた2月中旬、スウェーデンではまだまだ、対岸の火事といった感じで、スポーツ休暇前までは、のんびりしたものでした。その後、スポーツ休暇で北イタリアなどにスキー旅行に行った人々などがウィルスを持ち帰ったことにより、罹患者が少しずつ増え、それまでは、スウェーデンで広がることはないというような声もあったのですが、予想を裏切り、少しずつ広がっていきました。ストックホルム地域のスポーツ休暇が終わる直前に、子どもはコロナウィルスを広めないと国の健康局より発表され、イタリアや中国などに旅行に行った子どもでも、症状の出ていない元気な子どもは学校に行くことと発表されました。これがまだ2週間前の話です。その後、感染の危険度が上がり、現在は感染リスクは非常に高いとされ、先ほど外務省のほうから外国への旅行を控えるようにと発表されました。死者1名、感染者は500人を超えたあたりで、医療従事者とリスクゾーンの人を中心とした一定の人を除き、テストはしないということで、本日14日で死者2名、感染者は1000名に近くなっていますが、実際には、数に数えられていない感染者が多くいるとみられています。

 WHOが今回の状況をパンデミックと発表し、イタリア、フランス、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ラトビアが学校閉鎖をしていく中、スウェーデンも12日の木曜日の夜、文部科学大臣にあたるAnna Ekströmが記者会見を行いましたが、スウェーデンは今のところ学校を閉鎖しないという発表をしました。主な理由は以下の通りです。

  • 学校を閉鎖すると、医療関係など重要な仕事についている親が仕事に行けない。
  • リスクゾーンである高齢者の祖父母が子どもの面倒を見ることになる危険性がある。
  • 家庭に居場所がない子どもにとって、学校はとても重要な場所であること。
  • 現状では、国の健康局の判断では、学校閉鎖による感染減少の効果は少なく、他のよくない影響のほうが大きい。
  • 国内の感染状況には差がある。

 学校を閉鎖しない代わりに、各地方自治体、学校経営者に、各地域の感染状況に合わせ、それぞれの判断で学校を閉鎖できるように法的な準備をしていると。内容は以下の通り。
  • 年度の長さを変えれる。
  • 土日に授業ができる。
  • 夏休みに授業ができる。
  • デジタル、通信授業を可能にする。
  • 教科を学ぶ時期を変えられる。
  • 休校にする。
 上記は、木曜日の夜の時点での発表で、今後、状況が変わっていけば、国中の学校を健康局の判断とともに閉鎖することもあるということでした。この記者会見を中継で見ていて、教育は地方自治の管轄なので、スウェーデンらしい判断と思ったのですが、こんな判断を290もの地方公共団体の教育関係者と私立の学校の校長がするのかと思うと、重い責任を負わせるなあと思いました。そう思ったのは私だけではなかったようで、教員組合がすぐに声を上げ、翌日には、学校閉鎖は感染症専門医とともにされた判断でと付け足されました。また、教員など職員が感染し、働く人がいないという状況になれば、必然的に学校は閉鎖される可能性はあるということで、隣同士の学校でもやっている学校とやっていない学校が出てくる状況が出てくると思われます。いろんな疑問が多く出ており、就学前学校や学童はどうするのかとか、60歳以上の職員は高リスクにはあたらないのかとか、閉鎖されたら職員はどうなるのかなど。。。

 この判断が正しいのか、正しくないのか。。なぜ、お隣の国デンマークやノルウェーと同じ判断をしないのか、などなど、人々の思うところはとどまりません。2つの教員組合がフェイスブックで行った簡単なアンケートによれば、今回の政府の学校を閉鎖しないという決定が正しいと思う人は1076人、思わない人は362人と(14日21時現在)正しい判断であるとする人が多く、政府や政府機関に対する信頼の高さも感じられます。しかしながら、感染の不安などで、学校に登校しない子ども、させない親も増えてきており、来週もどうなることかと思っております。

 気になるのが、国の健康局の専門家が、リモートワークが増えていることに関する意見を求められ、「平等ではない」と発言したこと。彼は、今回のコロナウィルスの対策本部のトップともいえる人で、その人が、「国民すべての人が自宅から勤務できるわけではない」という意味での「平等」を一つの理由としてあげたことに、私は驚き、スウェーデンの平等意識の難しさを感じ、これが学校閉鎖の考え方や感染症の対策の考え方に大きく関わっていると思うと、様々なスウェーデンの難しさの一面を見た気がしました。

 また、状況を報告できればと思います。みなさん、引き続き、よい休日を!


2020年3月7日土曜日

デンマークの人間関係とは

 スポーツ休暇が終わり、スウェーデンでもコロナウィルスが広がりを見せており、不安が隠せません。私の生徒の多くは、リスクゾーンに属するので神経質になります。今週は、先生の研修を火曜日に行い、水曜日は私を娘のようにかわいがってくれたスウェーデン人ママのお葬式に出て、大学の課題をこなし、ばたばたと週末に。昨日は、働いているコミューンの芸術クラブ?の絵画のくじ引き会で食事をし、くじ引きあたって絵がもらえました!初めて参加したけど、同僚と食事をして絵をが当たって、楽しかったです。


 さて、今日は、デンマークの人間関係について。このブログを通じて数年前から交流している、デンマークの特別支援学校で先生をしている友人のインタビューが掲載されました。ぜひ、読んでください。

「デンマークは人間関係が理由で会社を辞めない。いい職場づくり、現地のコミュニケーション専門家に学ぶ」


 登場するのは櫻井友子さん、4年前にデンマークから会いに来てくれ、いろんな話をしたことを思い出します。デンマークはお隣の国なのですが、スウェーデンとは似たところもあれば、違ったところもあり、大変興味深いです。特別支援教育の専門的な話や外国で働くということ、教員をするということなど、共通の話題がたくさんあり、いつも勉強になり、大変大切な友人の一人です。彼女も大学で勉強しており、研究の話を聞くのもいつも大変興味深いです。

 友子さんの仕事は、まだまだスウェーデンでは珍しい職業で、今後徐々に増えていくのかなと思います。今回のインタビューは、仕事の内容というよりは、デンマークの職場での人間関係が中心です。ぜひ、ご一読を!


2020年2月27日木曜日

スウェーデンの学校局が出した教員の労働環境対策

 日本のコロナウィルスで学校休校というニュース、スウェーデンでも話題になっています。日本全国の地方自治体がどのような対応をするのか気になるところで、その対応によって地方自治体の力というのが垣間見れる気がします。今日は、スウェーデンの学校局が今週出した教員の過重労働をいかに減らすかという対応策について書こうと思います。このブログ、その時の思いつきで書いているので、この内容の続きが聞きたいなどあれば、コメント、もしくはメッセージくださればと思います。じゃないと、次書きますとか書いてあるのに、次がない記事多いですよね。すみません。

 教員の最も重要な仕事って何でしょうとスウェーデンの学校局に聞けば、「授業をすること」と返ってくるでしょう。授業をするということは、その準備をし、授業をし、評価などのフォローをし、次につなげていくという一連の作業を意味します。ただ、単に授業を行っている時間のみをさすのではありません。このブログを読んでくださる方はきっとこんな説明する必要ないのですが、このあたりなかなか理解されないことがあります。スウェーデンの先生たちも日本の先生同様に労働環境の悪化について問題としており、ここ数年は、教員のなり手を探すのが難しくなっています。その対策として学校局が出した策は、学校という組織の中に、教員以外の職種、「先生のアシスタント」とかを増やし、現在教員が行っている仕事を分担することにより、教員の資格を持っている教員がよりよい労働環境で授業に集中できるようにというものです。これに対する先生方の反応をSNSで見ていると、

そんなことをするよりも、教員を増やせ、クラスの生徒数を減らせ
これによって、より一層1週間の授業時間数が増えるのではないか

などといった声が上がっており、すんなりとこれらの対策を良しとはしていないという感じを受けます。では、具体的な策を見ていきましょう。対策は6分野に分かれています。

1.落ち着いて安心して学習できる環境
 スウェーデンの学校は、一昔前の日本で「学級崩壊」という言葉がありましたが、そんな言葉が必要なクラスがあるくらい、もちろん程度にもよりますが、落ち着いて安心して学べる環境ではない学校もあるのが事実です。その対策として、先生のアシスタントなどに個別指導やグループ指導、休み時間の指導や、給食の時の巡回などを教員以外の職員に任せるというもの。その昔は校務員さんと書いたらしいですが、削減で減らされており、複数の大人の目が普通に学校の日常に存在することは有効であると思います。休み時間の指導などは既に順番で行われているところが多いと思うので、このあたり、その学校のやり方次第でいろんな工夫ができると思われます。ただ、先生一人に、各クラスにアシスタントがつくのだろうか、その予算はどうするのかはなどは不明で、実際にうまく回る学校は少ないきもしないではない。。。

2.授業の簡単な準備
授業準備の中の簡単な作業を先生のアシスタントがするというもの。これは私も生徒のアシスタントが3名いるので、できる限り計画を早めにたて、彼女たちに頼めることは頼むようにしており、例えば、コピーとか、簡単な○うちとか(私はないけど)、ラミネートとか頼めることはあるように思います。

3.教材などの管理
スウェーデンでは文房具もすべて支給されるので、その管理と注文なども先生の重要な仕事であり、このあたりはみんなで協力して、例えば、誰かが係でやっているというのも多いと思うのですが、そんな仕事も先生のアシスタントに任せられるかなと。教材なども選ぶのは教員でも注文や管理はアシスタントでもいい気がします。ただ、2と同様にこの項目も実際にはそんなに時間かからないような気もするし、ちょっと経験があり、うまく回っている学校なら問題にならない気もしますが、誰かに頼める内容であることは事実です。

4.パソコン、IT関係
これは、先生のアシスタントとかがやってくれると助かります。私は生徒4名なのでいいですが、25名もいたら、パソコンやアイパッドの準備など授業前も授業中も結構かかると思いますし、大変だという話をよく聞きます。

5.メンターの仕事
これは、どうなんだろうか。生徒の年齢にもよる気がしますが、教員であれば、自分のクラスの生徒の親とのコンタクトや生徒の健康グループとの連携など、自分で把握しておきたい気がするのですが、どうなんでしょうか。この部分を先生のアシスタントという、おそらくあまり資格がない方に任せるのはどうかと。先生のアシスタントとの連携がうまくいけばいいのですが、恐らくこういった仕事はあまり労働時間や契約期間がよいものではないので、いまいち不安感が。欠席報告や無断欠席の管理などは任せてもよい気もしますし、任せられる部分もあるとは思いますが。

6.合理的配慮や特別な支援
これも、教師側が明確に指示をすればいいのですが、まさか先生のアシスタントが考えて実行するということではないとは思うのですが(ここ批判多い部分です)、どうなんでしょうか。合理的配慮や特別な支援にも様々なやり方があり、先生のアシスタントができる部分はあると思いますが、線引きがない、難しいので、これまた、支援援助を受けられない生徒が出てくるのではないかと、すでに危惧しているのは私だけでしょうか。


これらの対策、基本的に先生のアシスタントを雇い解決することをもとに出されています。ただ、この先生のアシスタント政策も問題山積みで。またこれについて書きたいと思いますが、雇える学校はいいんです、きっと学校もそれなりに回っている可能性も高いような。ただ、時代と社会の流れと変化に合わせて、学校という組織も変わっていく必要があり、先生のアシスタントの導入のような形は増えていくように思います。

2020年2月24日月曜日

スウェーデンの特別支援教育専門員の資格について

 スポーツ休暇ですが、春の訪れを感じさせる、イースター休暇と間違えるような良い天気が続いています。今日はスウェーデンの特別支援教育の専門教員の資格についてご紹介します。スウェーデンには、特別支援教育を専門とする資格が2種類あります。両方とも、準マスタークラスになり、学士である教員課程を終え、その資格で3年働いたのちに、大学に通うことができます。

 2種類の資格は
1.Speciallärare (スペシャルラーラレ):特別教員
2.Specialpedagog (スペシャルペダゴーグ):特別教育士

です。この日本語の名称は、あまり明確ではなく、私はいつも訳に困ります。どちらも専門職です。もともとスウェーデンにあった資格は、1番の特別教員で、インクルーシブ教育が提唱され始めたころ、1992年に作られたのが2番の特別教育士。これに伴い、一時的に特別教員の養成課程がなくなったのですが、その後、2番の特別教育士のみでは、やはりうまく回らないということで、2008年にまた始まりました。こちらは、5専攻、読み書き、算数、知的障害、盲ろう、言語障害となっています。この特別教員が実際に生徒に関わって教えることを目的としているのに対して、2番の特別教育士は、コーディネーター、コーチングを主として行い、教員や組織に関わっていく点が大きく違います。といっても、どちらも不足しているため、各学校その職務はまちまちといったのが現状で、仕事内容は千差万別といったところです。

私は、日本の免許を書き換えたときに1番の特別教員の資格が認められたので、マスターをとったら、2番の特別教育士を取ろうと思っていたのですが、学校から支援してもらえるということで、急遽順番を変え、2番目の特別教育士の資格を取っています。この資格をとると15hp何かを勉強し、その後15hpで論文を書くとマスターが取れます。私は既にマスターの授業を15hp分とっているので、資格を取ったら、15hp分の論文を書けばマスターもとれます。といってもそこまで順調にいっても3年半かかり、スウェーデン人の友人には、「それで大きくなったら何になるの?」と聞かれております。まあ、趣味なのでと答えている次第です。

コースはフルタイム100%の場合は1年半、ハーフの場合は3年となり、たいていの人が働いているので、ハーフ50%を好み、仕事しながら勉強している人がほとんどです。私のコースも多くの人が50から80%くらい働いている感じです。私のように国からお金をもらっている人も多いです。私はハーフで20%お給料をもらって勉強していますので、上記の通り、3年半くらいかけてマスターまで取れればいいほうで、途中で何かあれば、さらに伸びますねえ。

大学の勉強は最初のうちは一緒に行い、途中で専攻によって分かれます。今のコースが混ざっていて、それはそれでいろんな話が聞けて興味深いところです。また今度今の課題、最初の学期について書こうと思います。では、また。

2020年2月22日土曜日

保護者に寄り添って

 今日からスポーツ休暇です。スウェーデンにはスポーツ休暇というウィンタースポーツを推奨する休みが2月もしくは3月に1週間あります。その昔は、冬の嵩む暖房費のためだったり、風邪などの病気の蔓延を防ぐための休暇だったと聞いています。今年のように雪も少なく、南部スウェーデンのように春が訪れているとスポーツ休暇もウィンタースポーツにこだわらず、子どもたちがいろんな活動を楽しめる休暇となってきています。ここ数年は、各コミューンが様々な子どものためのアクティビティを用意しており、多くの子どもたちに参加してほしいなと思っている次第です。

 この職業だからだと思うのですが、時折、障害がある子どもの親である知り合いや友人から連絡をもらいます。友達という人もいれば、知り合いという人も。会いたいという子とで会うこともあれば、メールのみのやりとりであったり。そして、生徒の親であった人もいます。私たち夫婦には子どもがいないので、子育ての苦労ということは理解ができないのですが、できる限り、友人や知り合い、保護者に寄り添って話を聞くことができればと思い、連絡をもらうと話をその機会を大切にするようにしています。少し年をとり、若いころほど、話を聞いて私が何かしてあげようというような奢った感情は減り、話を聞くということに重きを置き、私が知っている知識で話せることを少しばかり話すようにしています。

 日本でもスウェーデンでも、障害がある子どもの親としての悩みは共通することが多く、スウェーデンにも日本にも様々な福祉制度がありますが、いかに使いこなして、自分たちの生活を成り立たせていくかは、容易なことではありません。障害があるといっても、その障害の種類や程度は様々で、いろんな人の話を聞くと、また、そこに難しさ、複雑さがあります。少し落ち着いていた子が、思春期を迎えるころに、大きく精神的に不安定さを抱えて親が悩むというのも何度も経験してきました。青年期に入り、発達というよりは、現状維持の時期に入り、容体が芳しくないというのもあります。できるかぎり、話を聞くことに徹し、できる限り、適切だとその時思われることを話すようにするのですが、自分の無力さを感じることも多々あります。保護者が抱えている悩みやつらさをすべて理解することはできないのですが、それでも、そばに寄り添い、この人に連絡をしてみようと思っていただき、連絡をいただいていることを光栄に思います。お茶を飲みながら、近況を報告し、話をしている時が何かをもたらしていると願ってやみません。

 このブログを通しても、何人もの方から連絡をもらいました。残念ながら、長年にわたり私のほうでは収拾がつかなくなっておりますが、便りがないのは良い知らせだと思うようにしております。時折もらう近況で、そうだったこの方ということがあります。また、いつか話をしたり、お会いしたりすることができることを願いつつ、皆様の健康と充実した日々を願うばかりです。

 私もこのスポーツ休暇は9連休なので、早速病院の予約をとりました。ちょっとばかし気になる痛みがあるので、見てもらいに行ってきます。あとは、大学の課題をこなすのと、スポーツ休暇明けの先生向けの会議の準備、数名の友人と会う予定になっています。楽しみです。皆様もよい週末を


2020年2月16日日曜日

スウェーデンの重度障害児の教育権保障の歴史

 入っていた予定がキャンセルになり、久しぶりにまったく予定のない週末でした。色々とあって疲れていたので、彼と一緒にゆっくりと過ごすことができ、休養ができました。学校はあと1週間でスポーツ休暇です。

 今日はスウェーデンの重度障害児の教育権の歴史に関して少し。障害児、障害者といっても、障害によってかなりその歴史は異なります。スウェーデンも盲、聾の方たちの教育はかなり早く始まりました。しかしながら、私が関わっているような重度の障害児の教育が制度化されるまでには、かなりの年数を要しました。軽度の知的障害児たちの教育義務化に数年遅れて、知的障害がある、重度重複の障害児の教育が義務化された年は1968年。しかしながら、この子たちの教育は、日本の文部科学省にあたる学校局ではなく医療の管轄化に置かれ、他の学校種別同様に学校局の管轄区になったのは1986年で、最終期限である1996年1月1日までに医療管轄から、コミューンと呼ばれる行政自治団体に移行されました。大体90年代初めに移行されているコミューンが多いようです。

 こうした医療のもとに置かれていたという歴史は、私が働き始めたころもまだ残っていて、教育を行うことの難しさを感じたものでした。この子たちの教育には、社会福祉やハビリテーリング、病院など多くの機関が関わっており、当然といえば当然なのですが、守られるだけの存在ではなく、この子たちも学べる、成長するんだという考えとその権利があると訴えていくことはなかなか簡単ではありません。

 1986年に学校局への移行が決定されたのち、1989年には、障害児者に関する社会福祉局やハビリテーリングなどの、各所の分担などに関しての調査が行われました。このあたりの経緯や結果など、もっと調べてみたいなあと思うのですが、少し気になったのがこの陰にある、財政的な部分の影響。やはり、財政的に問題があり、この調査が行われ、いかに効率化合理化するかが焦点であったようです。一文献では何とも言えないのですが、ふと、今のスウェーデンの状況が頭をよぎりました。重度の障害児のみでなく、発達障害などの生徒の予算も削減されています。これらの影響がどのように出るのか、本当に気になります。

 いつか日本との歴史の比較などもできたら、興味深いだろうなあと思う、日曜日の午後です。明日から新しい1週間の始まりです。皆様にとってもよい1週間となりますように。

2020年2月10日月曜日

スウェーデンの学校の研修システム

 先週は忙しかったので、夜もほとんど家におらず、ブログ更新とか言っておきながら、早速イマイチな感じのスタートでした。そんな週もありますよね😊。

 今日はスウェーデンの学校の研修システムについて、少し。忙しかったのは、研修で2日間会議に参加したためでした。会議の名前は、「未来の特別支援学校2020」。昨年も同じのに出たのですが、昨年の方が良かったかな、内容😥 校長と同僚2名の4人で参加したので、色々と話ができたのは楽しかったですし、それなりに収穫もありました。

 スウェーデンの研修システム、日本の先生方に聞くような、「何年目研」というのはありません。教員採用のシステム自体が大きく異なりますし、研修のシステムも違います。今回私が出席したような単発的な会議や研修は、各学校で校長などの判断により行われることが多く、一人当たり結構な値段がするので、いけると結構ラッキーみたいな感じはあります。

 このほかに校内で研修を組んで行うものもありますし、私のようなヘッドティーチャーによる研修もあります。また、学校局のサイトにも研修サイトがあり、そこを利用するのもあります。

 とここまで読むとおわかりのように、これというシステムがあるというよりは、教員の希望をもとに現場の質向上のシステムに基づき、学校、校長判断でされるというのがスウェーデン流でしょうか。簡単にいえばですが、もちろん。

 最後にカンファレンスからの写真を少し。




2020年2月1日土曜日

スウェーデンの幼稚園のおむつ問題勃発中

 妹たちの子どもが保育園に通っていた時に不思議だなあと思っていたのが、おむつに名前を書いたり、おむつをもって帰ったりしていたこと。その子たちも大きくなり、年末年始には姪っ子が3人遊びに来てくれました。その昔、といっても、なんともう10年も前!に私がスウェーデンの幼稚園で働いていた時は、園におむつがあり、それを使用していました。ということで、子どもたちが持参するということはなかったということになります。

 2019年11月にストックホルム郊外のコミューンにある民営の幼稚園が親に保育料を上限まで支払っている保護者におむつ代の負担を要求したことは、法に反しているという判決を行政裁判所が下しました。すでにおむつを支給し始めているコミューンもあるということで、そうか、スウェーデンでもおむつは支給されていないところがあったんだなあと思いました。ストックホルム、ストックホルム近郊のコミューンの多くはおむつは園で支給という形が多いようです。判決は明確で、おむつ代は不正な請求を親にしているとあり、高等行政裁判所も同様の判決をだしたとあります。最上限度まで保育費を負担している場合に、それ以上の費用を請求するのは違反と。

 あるコミューンでは、おむつ問題に注目しつつ、これまで同様におむつは持参してもらい、支給はしないとあり、やっぱり、おむつ支給されていないところが国内にはあったんだと。すっごい違和感あるのですが、私がスウェーデンの文化に慣れすぎたからかしら。フェイスブックの議論を読む限り、半々くらいかなという印象を受けます、この問題。おむつの合うあわないもあるし、持参でいいのではというかたもやっぱりいました。

 うちの学校の生徒はおむつを使用している子が多いのですが、こちらは、生徒持参です。それぞれサイズも違うし、おむつ代は別のところから出ており、年に何回かの支給型になっていたはず。また、保護者に聞いてみようと思います。

 今回の幼稚園おむつ問題は、今のところ、スウェーデンのコミューンとレギオンの組織が、判決が出たのは、上限まで保育費を負担している保護者への更なる費用請求の違反ということで、おむつ代を幼稚園がもち、支給しなければいけないという判決ではないということで、組織としての方針は出していません。このSKLは大きな力を持っているので、ここが方針でも出さない限りは、コミューンは今までの慣習に合わせていく、もしくは、コミューンの縮小財政により、親に持参させる園が増えないとよいのですが、今後どうなるか気になるところです。




2020年1月26日日曜日

呼び方に見る力関係

 あっという間に1月も終わりに。大学院に通い始めて多分もう5年。学部変えたり、大学変えたり、家庭の事情で休学したりといろいろありましたが、秋学期に復学しました。が、ここにきて、また院を休学し、春学期から、Specialpedagogというスウェーデンの特別支援教育の専門家の資格を取りにヨーテボリ大学にいっております。学校から話をもらい、援助を受け、フルタイムのうち、20%勉強に充てることができ、その上、文献も学校から出してもらえるので、いい話かなと。勉強は、今までマスターでやった内容と重なる部分も多いけど、いい仲間に恵まれて、楽しみです。勉強は半部趣味みたいなものなのだし、学べば学ぶほど、分からないことが増えていく感じで、ぼちぼちやっていければと思っております。このコースを終えて3年以内にマスター論文を書けば、マスターもとれるとのことで、数年のうちにはマスター取れればいいかなあと。

 さて、今日は、呼び方に見る力関係について。前に大学院で、教育関係における力の関係がいかに現場に影響をもたらすかみたいな勉強をしました。ちょっと自慢すれば、その時に書いた特別支援学校における生徒アシスタントの力関係に関する小論文が高評価で驚いたのを覚えています。

 スウェーデンの学校で働き、大学で学んでいると、こういった名称、どうやって呼ぶか、定義の在り方などを延々と議論したりする場面に出くわします。ツイッターで前に、日本の夫婦関係で「主人」と夫のことを呼ぶことについて書かれているのを読んで、あるよなーと思ったのですが、夫婦が同等の関係であるとすれば、確かに、主人と呼ぶのはなんだか時代に合わない気がします。こういった言葉の変化は社会の変化に伴い、時代を映すように思います。言葉一つにも、人々の意識が隠れており、その言葉を使うか使わないかによって、その人の意識が見える気がします。

 90年代に「先生」という呼び名をなくし、ファーストネームで呼び合うスウェーデンの学校。私の生徒も名前を言える子は、私のことを「Reiko」と呼びます。学校では生徒のことを名前で呼び、文書などでまとめて総称としては、「生徒」を使います。施設などはまた異なり、違う言葉があります。スウェーデン人友人や同僚と話すときにも、私のほうが言葉にうるさかったりするのですが、「支援者」という言葉、なんだかひっかかるんですよね。支援者という呼び方には、支援する側とされる側の明確な力関係があるように感じられ、支援する側、支援者にはある種の優越感があるような。じゃあ、どうやって呼ぶのかと思うとそこには、やはり専門性をもった名称がその仕事をするという名称があったほうがいいのではないかと。保育の場であれば、保育者、学校であれば、教師といったような、支援をする人の専門性がそこにあったほうが、いいように思うのですが。

 まあ、こんなことうだうだ考えているのはきっと私だけでしょうが、日本のように尊敬語や、敬語文化がある国には、目に見えない、力関係がすでに言葉の中にあり、言葉は常に使うので、それがもちろん社会に深く反映され、平等意識などの在り方に影響を与えているのではないかと考えてみたりします。

 日曜日の午後の一人ごとを少し書いてみました。みなさん、引き続き、よい休日を。

2020年1月12日日曜日

スウェーデンで子どもの権利条約が法律になった2020年元旦

 新年あけましておめでとうございます。皆様の年末年始はいかがでしたでしょうか。私は、母と姪っ子が3人日本から遊びにきてくれたので、普段とは違うわいわい、ガチャガチャの年末年始でした。母と姪っ子たちも無事に日本に帰国し、1月7日より、春学期が始まり、日常が戻ったところです。

 2020年のスウェーデン、教育情報で外せないのが、2020年元旦より、子どもの権利条約(子どもの権利に関する条約、児童の権利に関する条約)が法律となりました。20数年前、大学生の時に子どもの権利条約についてのレポートをまとめて書いたことを思い出します。あのころから、子どもの権利、障害児・者の権利には大きな関心がありました。スウェーデンで特別支援教育を学んでいると、本当によくこの子どもの権利条約が課題本の中に挙がっています。今回のコースでも。子どもの権利条約の中でも、特に基本中の基本なのがおめでとうございます。皆様の年末年始はいかがでしたでしょうか。私は、母と姪っ子が3人日本から遊びにきてくれたので、普段とは違うわいわい、ガチャガチャの年末年始でした。母と姪っ子たちも無事に日本に帰国し、1月7日より、春学期が始まり、日常が戻ったところです。


 2020年のスウェーデン、教育情報で外せないのが、2020年元旦より、子どもの権利条約(子どもの権利に関する条約、児童の権利に関する条約)が法律となりました。20数年前、大学生の時に子どもの権利条約についてのレポートをまとめて書いたことを思い出します。あのころから、子どもの権利、障害児・者の権利には大きな関心がありました。スウェーデンで特別支援教育を学んでいると、本当によくこの子どもの権利条約が課題本の中に挙がっています。今回のコースでも。子どもの権利条約の中でも、特に基本中の基本なのが、

2条:すべての子どもは差別されることなく、同様の権利を持ち、同等の価値を有する。(差別の禁止)
3条:子どもに関するすべての改善は、子どもの最善を第一に考える。(子どもの最善)
6条:どの子も命が守られ、身体的、精神的、道徳的、社会的に成長し、生きていく権利がある。(生きる権利、育つ権利)
12条:子どもには、自分の意見を表明する権利があり、子どもに関するすべての事柄について考慮させる権利がある。その際には、子どもの年齢と成熟度が考慮されるべきである。(意見表明の権利)

スウェーデンでは、1990年に子どもの権利条約を批准し、すべての法律がこれに合わさった、準したものとなっていますが、今回の子どもの権利条約を法律とすることにより、どんな変化があるのかを少し見ていきたいと思います。

学校局からのメールによれば、学校法などの法律は、子どもの権利条約に沿ったものであるが、その解釈が実際にどうなっているかはわかりにくい部分もあり、例が上がっていました。

子どもの権利条約28条によれば、すべての子どもには、教育を受ける権利があり、同様の内容が、学校法にも明記されています。上記の12条の子どもの意見表明権も明確にスウェーデンの学校法、カリキュラムに書かれています。

現在、この子どもの権利条約がいかに学校法などとあっているかなどの調査が行われており、2020年11月15日までに終え、その結果が発表されます。この子どもの権利条約が法律になったことにより、例えば、特別な支援を必要とする生徒に十分な対応がなされていない場合などの裁判にこの法律が適応されることなどが予測されており、今後が気になります。

スウェーデンに来て、子どもの権利が子どもたちに伝えられている、教えられていると思いましたが、これでも、まだまだであるというレポートを読みました。伝えすぎということはないと思うので、子どもの権利、広まっていくといいし、広めていければと思います。