2015年12月30日水曜日

スウェーデンで紹介された日本の幼稚園

 「幼稚園」という教員組合から出ている雑誌をずっと購読して読んでいたのですが、今学期は時間がなくて、まったく読めず、購読をやめてしまいました。ちょっと残念なんだけど、溜まっていくばかりの雑誌や本に、ストレスを感じるくらいなら、購読やめようかなと。この幼稚園の雑誌に日本の「ふじようちえん」が紹介されていた記事を見つけました。スウェーデンの幼稚園を見学したい、研究しているという方からの連絡を時々もらいます。その逆パターン、日本の幼稚園から学ぶスウェーデンということで、興味深いなあと思いました。

 東京にあるふじようちえん、児童数がとても多いことが、まず注目されています。ここに通う児童は3歳から6歳までの600人。確かにスウェーデンの規模から考えると多いように思います。記事には取り上げられていなかったけど、私が気になったのが、クラスの人数。一クラス35人なんだそうです。働いている職員は54人で、そのうち、42人が幼稚園教諭だそうです。話を戻せば、スウェーデンの幼稚園は、だいたい、五クラスとして、各クラス15人いるとすれば100人に満たないので、多くの幼稚園は、100人前後だろうと思います。前に200人という幼稚園の記事を読み、その時は、確かかなり大きな幼稚園と書いてありました。

 次に大きく取り上げられているのが、幼稚園の園舎です。ユニークな建物で、平屋で円の形になっていて、真ん中が中庭、屋上も遊べるようになっていて、屋上から滑り台で中庭に降りてこられるようになっていたり、屋上に登る階段があったりと、とても遊び心のある建物になっています。賞も貰っているようですし、多くの見学者が訪れる有名な幼稚園のようです。記事では、この建物と児童数を兼ね合わせて、子供達をしっかり見ていられるのかというような質問が投げかけられていました。園では、活動時間を区切ることによって、子供達が一度に外に出ないようにしてあり、各クラス、1日1時間の園庭での遊び時間があるそうです。スウェーデンでは、園庭での自由遊びの時間が、かなり確保されており、子供の年齢によって1グループの人数は変わりますが、大人は3人いるので、単純計算では、日本よりも大人の目が行き届いていると言えます。

 はっきりと書いてあって面白いと思ったのが、「偏見ですが、日本ではもっとビシッとやっているのかと」とあったところ。日本の子供達もスウェーデンの子供達と同じように、たくさんの笑顔と笑い声が響き合い、走り回って遊んでいることに驚いたと。ま、私もよく言われる内容だと思いました。日本というと、とにかく子供はしっかりしつけられているというようなイメージがあるようです。あとは、記事の中でも書かれていて、私も気になったのが、音。これだけの子供がいて、各クラスは、いわゆるパーテーションで区切る感じの移動式の壁であると理解したので、音がきになるのではないかと。特に、音に敏感な子供や障害を持った子どもたちはどうしているのかなあと。記事の中では、「なれれば大丈夫、子供はこうした音の環境の中で育つもんだ」とありましたが、慣れることができない子は日本にはいないのかなあと思いました。子どもに与える音の悪影響や、音の環境、働く側は、子供が生み出す音による労働環境問題がよく取り上げらるスウェーデンとしては、きになるだろうと思いました。


 日本の幼稚園が紹介されることは嬉しいなあと思います。日本の幼稚園には、スウェーデンの幼稚園が学ぶとよいだろうところが沢山あるように思いますし、お互いの国のよいところを取り入れて、よりよい幼児教育ができていけばと思います。


読んだ記事:Förskolan 10/13


2015年12月28日月曜日

スウェーデンの登校拒否の実態

 前回ゲームに夢中になってしまう若者について書きました。ここ数年、スウェーデンでは、「hemmasittare(家で座っている人)」という言葉がよく聞かれるようになりました。学校に行かないようになり、家で座っている人、引きこもっている人というスウェーデン語の言葉です。ただ、この言葉、学校関係の間では問題を適切に表した言葉ではないということで、学校局の定義では「Elev med lång ogiltig frånvaro (長期にわたって適切な理由がないのに欠席をしている生徒」とされています。こういった登校してこない生徒の理由の中のひとつに先のhemmasittareがあると考えられています。

 では、こういった生徒がどのくらいスウェーデンに存在するのかというと、2010年の統計で、2008/09年度に適切な理由なしで1ヶ月以上学校を休んだ生徒は、1650人とあります。男女比はそれほどなかったということです。学校を長期にわたって休む生徒の多くは、神経の衰弱や不安、社会性不安障害などの精神的な問題を抱えている場合が多くあるとあります。

 記事の中で登場するアダムくん。学校に初めて通った時から、無駄なことが多く行われていると思ったそうです。自分のそういった考えを人に話すこともなかったし、周囲の大人も誰も彼の様子に気がつかなかったと。友達もいたし、先生との関係も良好、得意な教科は算数と、いわゆる普通の子だったようです。しかし、2011年1月17 日、6年生の時に、学校に登校しなくなった。そして、「hemmasittare(家で座っている人)」とあります。

 登校拒否というと、いじめにあったなど大きな出来事がきっかけと思いがちですが、実際には、こんな感じで学業に対するやる気や意味を失い、学校に行かなくなる子ども、多いのではないかと思いました。現在16歳になるというアダムくんは、その当時のことを、一時的な神経の衰弱状態と未熟、学業に対するやる気の欠如が原因であったと述べています。親はしかるというようなことはなかったそうですが、とても悲しがったようで、それが辛かったとあります。最初のうちはなんとか学校にいってもらおうと努力したようですが、そのうち、それもなくなり、結局4年もの間学校に行くことなく過ぎて行きました。4年間、部屋に閉じこもり、パソコンでゲームをやって過ごしたそうです。


 学校は何をしたかといえば、週に何回か、生徒のアシスタントが家にやってきて、算数を見てくれたそうです。でも、今振り返れば、学校にはもっと責任があったのではないかと彼は言います。もっと手助けをする必要があったのではないかと。こういった登校をしてこない子どもに対して、学校が十分な支援や援助を行わなかったということで、学校検査局が検査をして、最終的に罰金をとられた学校もあり、この辺りの支援援助は未だに不十分である場合が多いのが現状です。興味深いのは、彼がこうなったのは教師のせいではないけれど、なにかしらできたことはあったのではないか」というところ。おそらく登校拒否になるというのは、教員のみの責任という場合は少なく、複合的な要因である場合が多いように想像します。それでも、教師という職業的な責任から、子どもたちにできることは多くあるのだと感じます。

 
 友達が成績の話をするようになったころ、彼も学校に戻って成績をと思ったようですが、さすがにそれから成績をとるのは難しく、結局家の中に閉じこもったままだったそうです。そんな彼を助けたのは、こういった状況に置かれた子どもたちに対する治療プログラムで、2名の男性が家を訪問して彼の話を聞くようになり、彼との関係を徐々に気づき、散歩に連れ出したり、レストランに行ったりするようになったそうです。そうして、部屋の外に出られるようになり、今は、義務教育の単位をとるための高校に通って勉強しているとあります。


 やるべきことがわかっているのに、やる気が起きないできないという辛い気持ちを抱えながらの4年間、辛かっただろうと思います。スウェーデンでは、こうした子どもたちを援助するためのプロジェクトチームがコミューンで作られるようになってきました。今後、これらの動きがどのような成果をだすのか、興味深いところです。




2015年12月27日日曜日

テレビゲームに夢中になる若者

 冬休みになり、ちょっとブログを更新しようかなと思いました。冬休みに入り、すぐにヨーテボリに行ってきた時に、ホテルで読んだ新聞記事で気になったのが、「Kunskap viktig för föräldrarna(保護者にとって知識が重要)」です。

 冬休みに入って喜んでいる子どもたちとは対照的に、テレビゲーム漬けになることを心配している保護者がたくさんいるといるそうです。スウェーデンでは、こうした若者のゲーム中毒が社会問題となっており、国のメディア機関がノルウェーの同様の機関と協力して保護者向けの新たなガイドラインを発表しました。記事にあった現状を見ていくと、

毎日、もしくは週に何回かテレビゲームをする割合は、

  • 9歳から12歳で61%
  • 13歳から16歳で48%
  • 17歳から18歳で35%

男女差を見ると、圧倒的に男子の方がテレビゲームをしており、最も差があるのは、13歳から16歳で男子が47%なのに対して、女子は6%。この13歳から16歳の若者の4人に1人は、普通の日に3時間以上ゲームをしている。

9歳から18歳の子どもを持つ保護者の実に35〜40%が、テレビやインターネットでのゲームをする時間が長く、子どもたちが社会から疎外されることを心配している。11〜17%の保護者は、既に子どもが社会から疎外されていると感じているとあります。

私も、これらの問題を口にする保護者と接する機会が多くあり、身近な問題であると感じます。学校が休みになると、ゲームをする時間も増え、問題が深刻化する可能性はあります。ゲームが好きで日常生活とバランスを取れて楽しめているうちは良いのですが、そうで無くなると問題です。

危険信号としては、
  • 家族や友達と距離を置くようになる
  • 重要な活動を行わなくなる
  • 夜中にもゲームをするようになり、昼間に寝るようになる
  • 学校に行かなくなる
というようなものがあります。ガイドラインによれば、まず大事なのが、どのゲームが人気があって、なぜ熱中しているのかなど、知識を得ることとあります。同時に、ゲームをすることに関して、話し合うことも重要であると。頭ごなしに偏見を持ってみたりして怒るのではなく、自分も知りたいという姿勢で信頼関係を保ちながら話をすることが大切なようで、これは何につけても共通のように思います。

 記事の中で指摘されているのが、現代の子どもたちは、良くも悪くもオンライン状態にあり、これに関して、大人が積極的話し合うということが少ないと調査結果でも出たそうです。親世代が子どもの頃には、インターネットがまだ普及しておらず、我が子には、自分が受けてこなかったしつけや会話をしなくてはならないのだから、なかなか大変です。


 テレビやネットのゲームに夢中になっても、きちんと学校に行ったり、友達と遊んだりする若者もいるのですが、中には、学校に行かなくなってしまったり、家に閉じこもったりするようになる若者もいて問題は深刻です。こういった場合は、本来の問題は、別のところにある場合が多く、その問題をなんとかしなくてならず、ここ半年ほど、この問題に関して取り上げられることが多くなりました。そんな話もまた書けたらと思います。


読んだ新聞の記事:Kunskap viktig för föräldrarna, 2015-12-20, Göteborg posten

2015年12月11日金曜日

ルシア祭を終えて、久しぶりの更新

 前回ブログを書いたのが秋休みでした。今日は、私の働いている学校でルシア祭があり、来週には冬休みに入ります。この間、ブログの更新できず。。。残念です。忙しかったのかと聞かれれば、その通りで、小忙しい毎日を送っています。

 ルシア祭、無事に終わって本当に良かったです。私の学校には、音楽療法士の先生がいて、音楽全般の授業を受け持っているのですが、この秋学期は休んでいたのです。でも、ルシア祭の時だけは、出てきて演奏をしてくれる予定だったのに、急遽来れないと連絡があったのは、2週間前。それからが大変でした。どうしようかという話になり、なぜか、ピアノが弾けるという理由で私が弾くことに。。。生徒の一人と一緒にならということで、伴奏を始めました。

 ここで、気がついたことが一つ。日本で授業などでピアノを弾いたり、伴奏をしたりするときは、必ず楽譜があり、それに沿って弾いでいたのですが、スウェーデンでは、歌う時の音階?に合わせて弾いてほしいとのこと。しかしながら、そんなに音楽が得意でもなんでもない、ちょっとピアノが弾けるだけの日本人には、音階を直す作業は容易ではなく、直して持って行き、弾いてみると、もっと低くとか、少し高くとか。。。ああ、そんな簡単に私はできないし。。。と嘆きながら、ピアノを弾く毎日。だいたいクラスが複数あり、あっちのクラスは、高くしたりこっちは低くとか、無理だし無理だしと思いながら、どうしようかと思っていた私。

 で、なんとか、ルシアもなりそうだとなったところに、一緒に弾いていた生徒が弾く音が、他の生徒にとって耳ざわりとなり、急遽彼を外すことに。。。今までピアノの横に座って楽しそうにしていたのに、他の席に座らさられて、かわいそうに。。。

 そんなこんなで迎えた今日。なんとか、無事に終わりました。横に座っていた生徒も途中でふらっと立ってぐるっと回って、結局ピアノの隣に座って一緒に弾くことに。予想できていた展開なので、他の先生やアシスタントにも事前に、もしも生徒が動いたら、好きにさせてやってほしいと伝えておき、一応、椅子もピアノの横に用意しておきました。一緒に何曲か弾けてよかったと思った私です。忙しい中、見に来てくださった保護者の皆さんとお茶をして、楽しいルシアでした。


 病気休暇続出の秋学期後半、毎日の職員配置にどれだけ気を使ったことか。。。11月の半ばには、日本から幼稚園の先生が学校訪問をしてくださり、音楽の授業をしてくださりました。楽しかったと大好評!いろんなことがあった秋学期も残り1週間、風邪などひかず、なんとか乗り越えれたらと思います。


 

2015年10月30日金曜日

「Kristina från Duvemåla」に見るスウェーデンの移民の歴史

 スウェーデンは秋休みに入っています。私は、月曜日と火曜日にアシスタント向けの研修を受け持ち、水曜日は、学校統一の研修を受けてきました。アシスタント向けの研修の準備は大変でしたが、好評だったので、詳しく書いてもらったアンケートなどを読むのが楽しみです。水曜日は、今スウェーデンの学校で注目されている、「lågaffektiv bemötande(感情に注意を払った対処の方法)」の研修でした。うちの特別支援学校では、もう3年ほど前から取り入れているんですが、春先に出た小学校向けの本をもとにした研修が行われました。感情に注意を払った対処方法を書きましたが、子どもたちが持っている成長過程での感情に表出に注目し、その感情の波を周りの大人の対処法によって緩和する方法で、私は、効果の高い方法であると思っていて、今までも自分の生徒に多く取り入れてきました。

 前置きが長くなってしまったのですが、秋休みということで、ずっと見たかったミュージカルを見てきました。スウェーデンに移住した頃、親友がこのミュージカルのCD3枚組をプレゼントしてくれて、その当時、よく聞いていました。いつかこのミュージカルを見たいと思っていたので、とっても感慨深かったです。

 ミュージカルの名前は、「Kristina från Duvemåla」で、1995年にABBAのBenny Anderssonによって音楽が作られました。とにかく音楽はその才能を感じるもので、移住したばかりでスウェーデン語がわからなかったのに、ものすごく気に入って何度も何度も聞いていました。ミュージカルの元は、スウェーデンの有名な作家、Vilhelm Mobergの「Utvandrare(移民)」シリーズ。現在多くの移民、難民を受け入れているスウェーデンですが、国が貧しく多くの人々が国から逃げて行ったのは、そんなに遠くない昔の話。そんなスウェーデン人が、生活の厳しさから、他の国を目指して行った話であるこのミュージカル、難民問題を抱えるスウェーデン社会に一つの考えをもたらすものであるとテレビやニュースでも取り上げられました。

 以下のサイトで、ヨーテボリオペラでの映像が見れます。
https://www.youtube.com/watch?v=g1JMY_XVABk


 何と言っても、この「Guldet blev till sand(金が砂になった)」は印象的で、テレビやラジオで聞くことも多い曲の一つです。大事な親友をなくし、金を替えたお金は偽札でと、心からの叫びが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Xn8h-03hrTY

 あとは、こちら「Du måste finnas(あなたはいるはず)」今よりも、キリスト教が生活に色濃く出ているのが印象的で、神はいるはずだというクリスティーナの声が印象的です。子供を貧しさで亡くし、何度もの妊娠や流産により、命を落とす主人公の悲しみが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=6CfjxZ9JQjQ


 移民、難民と言っても、実際の生活のイメージがつかみにくく、その立場を想像するのは容易ではないと感じています。このミュージカルが、その部分を見せてくれるということではないのですが、それでも、その昔、スウェーデンの人々が苦しみ、他の国に人生の望みを託して国を去り、辛い現実と向き合いながらもたくましく生きていく様子は、見る価値があると思いました。もう少し値段が安ければ、あと数回見たいところですが、CDを聞いて楽しもうと思います。

 秋休み、課題に追われていますが、楽しみたいと思います。皆さんも良いお休みを!

2015年10月24日土曜日

スウェーデンで起きた学校襲撃事件

 もう直ぐ秋休みだと生徒も教員も楽しみに過ごしていた今週の木曜日に、スウェーデンに、スウェーデンの学校社会に大きな衝撃を与える事件が起きました。なんてことはない普通の日が、一瞬にしてスウェーデンの歴史に残る闇の日となりました。

 事件が起きたのは、スウェーデン第2の街、ヨーテボリから北に少し行ったところにある「トロールヘッテン(Trollhätten)」という街の学校でした。トロールヘッテンといえば、スウェーデンの車会社サーブがあった街として有名です。6歳児教育のクラスから9年生まである「クローナ学校」に、覆面をし、仮装した21歳の若者が刀のような刃物を持って現れ、教員と生徒を襲いました。スターウオーズのキャラクターによく似た格好で現れたため、ハロウィンが近いこともあり、冗談だと思った生徒が犯人と一緒に撮った写真は、世界中に配信されることとなり、この写真を撮った後に、刃物で生徒アシスタント1名と生徒1名を殺害し、2名に重傷を負わせました。


 事件から数日たち、背景や動機などが少しずつ明らかにされています。2名の尊い命を奪った21歳の若者は、警察によって発砲された2発のうちの1発が胸に当たり、搬送された病院で数時間後に亡くなりました。犯行の動機は、移民排斥と人種差別であることが明らかになり、ここ数日続いている難民のための施設放火事件と重なり、難民や移民の問題が深刻であることを明確に表しています。この学校は生徒の半分ほどが、移民の背景を持つということで、殺害された2名も肌の色が白くない教員と生徒であったということでした。目撃情報によれば、犯人は、肌の白い生徒には危害を加えることなく通り過ぎたということに加えて、動機などを書き記した文書を残しており、そこにも人種差別、移民に対する感情が書かれていたとあります。

 
 スウェーデン語で「PK」と言葉があります。意味は「Politisk Korrekthet」、「ポリティカル ・コレクトネス、政治的に正しい」で、スウェーデン人たちが、よく使っています。この間、研修があったのですが、その時にも話し合いの際に、担当者が「PKである必要は無い」と付け足していましたが、この言葉が会話に出てくるたびに、私はスウェーデン社会にある表と裏が象徴されているように感じます。毎日やってくる大勢の難民を受け入れる、人道的に助けるのが人として正しい、PKであるのだという裏には、難民受け入れに実は消極的な考えがあるのだろうと想像してしまう時があります。


 今回のような学校での事件は、すでにアメリカやフィンランドで起きていますが、スウェーデンでは近年起きておらず、国中が大きな衝撃を受けています。学校で起きた事件としては、1961年にダンスの授業中に起きた事件があるそうで、その時は生徒1名が亡くなったそうです。無差別ではなく、特定の生徒を狙って起きた事件は幾つかあります。こういった事件を起こす人物にありがちな問題や家庭の問題などを、今回も探しているようですが、ごく普通の家庭で、両親は離婚しておらず3人兄弟で2人姉妹がいて、目立つタイプではなかったという21歳の若者。スウェーデンで起きた事件では珍しく、顔写真も名前も事件発生とともにネットに出回り、テレビでも公開されました。



 この事件と連日続いている放火事件と合わさってか、昨日は、難民に対するビザの制限が発表されました。今まではシリアからの難民など特定の人々には永住ビザがすぐ出るなど、他の国と比べると緩やかであったスウェーデンですが、今回の合意により、例外を多く含みますが、永住ビザではなく、期限付きのビザが出されることになりました。これにより、スウェーデンを選ぶ難民が多少なりとも減ることを狙っているのですが、効果は薄いであろうとすでに報道されています。しかしながら、今まで全面的に難民を受け入れる姿勢であったスウェーデンが、受け入れに対して一線を引いたことは大きなことであると思います。

 
 スウェーデンの学校は、伝統的に地域の中でオープンであり、学校に校門や柵などはない場合が多いのですが、今回の事件では、学校の安全性についても大きく取り上げられています。被害にあった学校は、カフェと図書館が併設しているそうで、常に外部の人が出入りをしていたそうです。この事件は、事件発生直後から大きく報道され、スウェーデン中の子供達が何らかの形で情報を得たとも言われ、全ての子供達が安心して学校に通うことができるように各学校で話し合いがもたれていることと思います。子供達が安心して学べる学校があり、そこでは、お互いを尊重できる心を育てていかなればならないと心から思います。




2015年10月17日土曜日

やっと一息、検査局への改善案

 秋休みまで残り1週間になりました。今週末は、学校の仕事は少し落ち着き、他の仕事をせっせと片付けております。ここまで、大変だった。。。

 このブログでも何度か書いているように、うちの学校に検査局が来たのが5月のこと。その報告書が夏休みの終わりにメールで届き、ふーんと思ったのもつかの間。学校が始まり、学校検査局に報告会議に行き、改善案を提出しなければならないので、その仕事に取り掛かりました。ああ、これって私の仕事なんだなと思いつつ、小中学部と高等部では、学校形態が変わり、管理文書も違うので、2つに分けて改善案を提出しなければならず、結構な負担が。。。

 代理の校長は、組織内の2つの小学校の方で手一杯で、私ともう一人の特別支援担当は、ほとんど自分で行うことに。ということで、私も6プラン?改善案作りました。この案をもとに来週校長、副校長ともう一人の第一教諭との会議をし、その後他の先生方と半日会議をします。それで、決まったものを秋休みの間に2回アシスタントに行う研修で話します。なんとかそこまでやってしまえば、後は、まとめの文書をつけて検査局に提出し、通ればいいけど、通らなければ、さらに改善案の改善を行うことに。うまくいくことを願うばかりです。

 どういう風にやろうか悩んだのですが、新しい生徒が2名入り、バタバタしている上に、小中学部と高等部に分けて話し合いをすることも難しく、結局自分で下案を作ってから話し合うパターンにしました。これが吉と出るか凶と出るかはわかりませんが、(というのももう一人の先生は、話し合ってから案にするパターンにしたので)、そんなことも楽しめる余裕が少し出てきました。アシスタントには、色々決めるすぎるとか、ああだこうだと言われ、めげる日もありましたが、受け持ちの生徒の一人が、初めて自分の名前を言えたことに感動し、持ち直しました。この生徒の名前、長いんです。だから難しいかなと思っていたけど、偶然、本当に偶然撮影もできて、何度も見ては感動を噛み締めてしまいました。高等部に入った生徒がどのくらい言語的に伸びるのか未知数ですが、可能性がある限り、頑張って教えていきたいと思いました。

 

2015年10月11日日曜日

スウェーデンの就学前クラスの義務化

 気がつけば、10月も半ばに入ろうとしています。2週続けて土曜に仕事が入っていたので、久しぶりにゆっくりしている週末です。今週は、うちの学校に日本から訪問客があり、3人の日本人の方がいらっしゃいました。再来週も違う方がくるので、結構な頻度だなあと思います。

 この間、就学前クラスに関する調査結果が出たので、それについて書こうと思います。就学前クラス、0年生と呼ばれる6歳児が主に通うクラスがスウェーデンにはあります。幼稚園と学校の間みたいなので、前々から、この1年間の0年生をなくして、義務教育を10年生にするかどうか議論されてきました。現在、スウェーデンの6歳児の96%がこの就学前クラスに通っています。4%はどうしているかというと、1%くらいの6歳児は、1年早く小学1年生をしており、1%くらいは、もう1年幼稚園で過ごしているということで、どこにも所属していない子供は、約2%くらいと考えられます。

 今回の調査では、就学前クラスの形式はそのまま残し、義務化だけを導入するのが良いだろうとなりました。就学前クラスを小学校の中に組むこむとなると、学習時間の調整や到達目標の見直しなどが学校法自体を大きく変更する必要性があるようで、そこまでするよりは、現在の形を残したまま、義務化のみを導入したほうが良いとなった模様です。この点、理解できます。スウェーデンの学校は、大きな改革をしてまだ数年なので、ここでまた、変わるとなると大変だろうと思います。それよりは、義務化のみを導入して様子を見た方が賢いかと。この調査と同時進行で、就学前クラスのカリキュラムの見直しも行われていたはずなので、その程度でいいんじゃないかと思います。


 今回の調査では、高校入学の単位が取れていない生徒には、9年生の後に1年間学校に残って勉強することができるようにしたら良いとか、8年生と9年生で単位が取れない可能性のある生徒には、休みの間の補習授業を提供するとかいう案も含まれていました。


 今後どのような決定がされていくのか興味深いところです。

2015年9月20日日曜日

難民問題とスウェーデンのカリキュラム

 白樺の木が黄色くなり始め、木の葉が舞い落ちるようになりました。私は、夏も好きですが、「楽しまなくてはいけない」というプレッシャーにかられる夏よりも、夏が無事に終わり、冬がやってくる感じがとても好きです。


 ここ数週間、ヨーロッパの難民受け入れ問題が大きく報道されています。スウェーデンでも連日報道されており、見聞きしない日はありません。かなりの数の難民がここ数週間でスウェーデンにも登録されました。そんな中、ストックホルムに到着しても難民登録申請をしない難民が多くいるということに驚きました。スウェーデンを通過してそのままフィンランドやノルウェーに行く人も多いときき、それならいいのだけどとちょっと思いました。難民として登録してどこかの国から援助を受けてくれるといいのですが、そうでないと少し心配です。


 複雑な難民問題はいまだに解決の方向が見えていませんが、スウェーデンでは、積極的に難民を受け入れるという姿勢が政府、国民から見られます。私が関わる人々は数が限られていますが、批判的な言葉は聞きません。うちのコミューンでは、このくらい受け入れるとか、準備が進んでいるということもききます。こういうスウェーデンの人々の姿勢には感心させられます。デンマークが難民受け入れに消極的なイメージがあり、それに対してデンマーク国民が行った「積極的に難民を受け入れよう」というデモに、デンマーク人に対するイメージが少し変わりました。お隣フィンランドでは、このタイミングで財政危機を乗り越えるために大きな改革が行われることになり、国民がストライキを行っているとかいう報道があり、そういう国ではどうやって難民受け入れるのかなとか思ってみたり。。。

 
 先日、職員の休憩室で小学校の先生が嘆いていました。生徒が「難民なんかおいかえせばいい」といったらしい。7歳に子供がいうことなので、当然家で大人が言っているのを聞いたのだろうという話になりました。うちの学校では、子供権利週間がもうすぐあるので、今年のテーマは難民です。


 そんなときにふと思い出したのが、スウェーデンのカリキュラムの一部分。小学校のカリキュラムの第1章「学校の理念と使命」の中に「理解と思いやり」という部分があります。その中に、
Det svenska samhällets internationalisering och den växande rörligheten över nationsgränserna ställer höga krav på människors förmåga att leva med och inse de värden som ligger i en kulturell mångfald. Medvetenhet om det egna och delaktighet i det gemensamma kulturarvet ger en trygg identitet som är viktig att utveckla tillsammans med förmågan att förstå och leva sig in i andras villkor och värderingar. Skolan är en social och kulturell mötesplats som både har en möjlighet och ett ansvar för att stärka denna förmåga hos alla som arbetar där.
という部分があります。私がつたない訳をすると、
「スウェーデン社会の国際化と増加し続ける国境を越えた動向は、人々にそういった社会で生きていく能力を要求しており、自分が生きている世界は多文化なのだという理解をせずには入られません。自分自身の文化に対する意識とともに共通の文化遺産への参加の理解は、他の人の生き方や考え方に対する共感と理解を生み、確かな個人のアイデンティティーの確立をもたらします。学校は、文化的かつ社会的な出会いの場であり、そこには、それらの能力を全ての人々が高めるという可能性とともに責任がそこで働く全ての人にあるのです。」


 学校法の中で、国際化や多文化していくことに対して、理解と思いやりで学校の使命として取り上げていることを大変興味深く読んだことを思い出します。今回のこのような難民の受け入れは、こうした人々が当然のこととして受け入れられる基盤があり、加えて、今までも多くの難民を受け入れてきた経験からなのだろうと思います。難民の方達が少しでも落ち着いて暮らせることを願い、難民問題の解決と問題がおこっている地域での平穏が戻ることを願うばかりです。

 





2015年9月6日日曜日

スウェーデンの学校の宿題事情

 新学期が始まって2週間ほどたち、金曜日は学校総出で近くの島に遠足に行ってきました。雨が少し降りましたが、たいしたことはなく、楽しい1日になりました。夜は、姉妹校の先生が遊びにくるということで同僚たちと食事にと盛りだくさんです。

 今日はスウェーデンの宿題論議について。夏前に新聞で宿題についての特集が組まれました。私は特別支援学校で働いているため、宿題に関しての議論に実際に参加することは少なく、併設する小学校の先生方の話を聞きながら頷く程度です。うちの小学校では、昨年だったかに宿題を学校で行う時間を設けたので、その時はかなり白熱していました。

 宿題についてスウェーデンの法律などではどうなっているかを見ると、

  • 宿題に関して記述した法律やルールなどはないが、学校法には、義務教育は土日や祝日に学校活動を行うことを禁止しています。また、授業日であっても1日8時間以内と定めています。(低学年は6時間まで)
  • 「宿題」といってもいろんな形があり、定義はなく、いわゆる復習型と予習型に加えて、遅れを取り戻すためのものの3種類くらいが一般的。
  • 昨年教育庁の方から宿題に関する指針が出された。


 スウェーデンの宿題に関する議論で私がスウェーデンらしいなあと思うのは、宿題は「平等でない」という点。生徒の家庭環境は様々なので、宿題を手伝ってもらえる子供もいれば、全く手伝ってもらえない子供もおり、それが学校の成績に影響するのは不平等であるという点。これはその通りで、


  • 宿題を自分でできる子供は、親も気にしないし、子供も気にしない。おそらく学校の勉強もついていけている
  • 家庭で宿題を見てもらえる子供は二通りあり、やりたがらない子供に苦戦しているかしていないかで変わってくるが、それでも、見てくれる親がいるだけよくて、学校の勉強にもなんとかついていけているだろう。。。
  • そして、宿題を自分ですることができず、家庭でも見てもらえない子どもたち。この子たちが宿題によって受ける不平等は計り知れないだろうと思う。そんな宿題によって成績が左右されてしまう。。。

新聞のシリーズは何回かに渡ったのですが、その中でも研究者たちの言葉にあった、
「宿題の質と内容をしっかりと議論することが重要だ。」

という点。ありがちなのが、宿題を出さなければいけないような感じだから出すというもの。授業を聞いていればできると思われる復習型の宿題でも、授業自体についていけていない子どもにとってはものすごく苦痛で、家で見てくれる大人もいない場合、翌日学校にくるのだって気が重いと思います。教員として、宿題を出す以上はそこに意味がありそれなりの質を考えなければと思った次第です。


 シリーズの中では宿題を無くした学校の例と、宿題をうまく取り入れた学校の取り組み例が紹介されており、どちらも大変興味深い内容でした。特に宿題を全く出さないと決めた学校の方は、教員の授業だけで教えなければならないという気持ちと、生徒のこの時間で学ばなければという思いが重なりあい、授業時間が密なものになっている印象を受けました。一方で宿題をうまく取り入れている学校では、教員間で連携をして宿題が分散して出すようにしたり、学校に自習時間を設置し、宿題でわからない点や家庭で行いにくい生徒を助けるシステムが取り入れられていました。家庭教師のような家庭での補助教育が多少増えてきたスウェーデンですが、塾はなく、子供達の教育は義務教育が担っている部分が大きいです。そこをいかに平等にするかという点で議論が行われるスウェーデンは、私にとって興味深いもので、「そういう考え方もあるなあ」と思わされます。


 特別支援教育と宿題という観点から考えると、子どもがADHDというお母さんが宿題はとにかく大変と話していました。学校に行って帰ってくるのだってやっとな子どもたちにとって、家で宿題と格闘するのは大変であろうと想像します。障害が有る無しにかかわらず、宿題が生徒たちの健康に与える影響に関しても書かれており、あって当然のように思っていた宿題ですが、今後さらに研究が進んでいく必要があると痛感しました。


2015年8月17日月曜日

日常を楽しむ、には。。。

  先週の木曜日から勤務が開始し、長かった休暇が終わりました。6月中旬に日本へ向けて出発した日から、まるっと2ヶ月職場を離れていたからだけではないと思うのですが、初日2日間で現実を見せられたような。。。「ああ、こんなふうに働いていたなあ」と実感しました。夏の休暇が7週間ほどあると話すと言われる言葉が、「仕事もどれないんじゃないか」というもの。そうかもしれないなあと思いながら、この日常を楽しむことを考えようと思う月曜の朝です。

 スウェーデン各地の学校では、今週始まるところが多くあり、私の働いている学校は、木曜日が始業式になります。なのに、教室何も入っていない。。。夏休みの間に改装されることになっており、大変綺麗になっているけど、完成していないので、まだ引っ越せません。この引越しを今週行います。受け持ちの生徒は前もったことある子が中心なので、あまり心配していないのですが、高等部は授業形態を変えるので、他の先生との連携が難しい。時間がないので、なかなか決まらない。気長に行こうと思いつつ、他の人のストレスに巻き込まれ、自分のストレスに他人を巻き込み。。。

 こんな日常だったかなあとぼんやり思いながら、でも、今の学校8年目になり、役職もついていると、勤務開始前に届いていた校長からのメールが、学校検査局からの報告書について。ちょっと問題があったのですが、これ、私に送られてくるんだなあと思いながら読み、会議に行かなければいけないので、予定表に書き込み。。。中間管理職まではいかないけれど、教員とアシスタントという役割がはっきりしているスウェーデンの特別支援学校では、それなりの立場にいるんだなあと思いました。なんとなーくここまで来てしまったものとしては、不安いっぱいですが。。。


 次の休暇も楽しめるように、日常をしっかり楽しみたいと 思います。笑顔が一番、今週もがんばります。ブログでは、いつか書こうと思っていた宿題について書けたらと思っていますので、お時間あれば、また、お立ち寄りください。

2015年7月28日火曜日

育児休暇中の兄妹の保育園通園時間

 日本滞在中に気になったニュースに「埼玉県所沢市の育児休暇取得により、0から2歳児は保育園退園」というものがあります。そんなに詳しく読んだわけではないのですが、スウェーデンにも似たようなきまりがあるコミューンが多くあるなあと、興味深くニュースを読みました。確かこの問題では、裁判も起こされたように記憶しています。
 
 コミューンによって多少違いがありますが、保護者が育児休暇を取得すると、幼稚園(保育園)に通っている兄妹姉妹は、無料で通える時間数が制限されます。大体の場合、週15時間となっており、 毎日3時間もしくは、週3日間で1日5時間というパターンが多いです。

 スウェーデンでは、3歳から5歳までの子どもは、無料で年間525時間までと幼稚園に通うことができます。どこででも525時間とあるから、多分政府の法律で決まっていると思うのですが、原文を読んで確認してはいません。これが、日数換算とかすると、1日、1日3時間となるらしい。私の住んでいるコミューンは、多分めずらしいほうで、この15時間が30時間となっています。

 この決まり、私が幼稚園で働いていたころは批判多かったです。今はどうなんだろうか。働いている側の批判としては、この週15時間しかこない子どもは、通園時間が短い関係で予算が少ないので「子ども半分」と計算され、職員3人で標準24人の子どもを担当するとなると、この15時間通園の子どもがいると、ほとんど行う事務仕事や教育的仕事は一緒なのに、担当する子どもの数が増えていったのです。しかも通園してくる時間は一緒なので、結局職員3人で例えば28人とか見なくてはいけなかったり。

 親側からの批判は、やはり、兄弟姉妹が生まれて大変、子どもは幼稚園に慣れていて通いたがっているのに、下の子が生まれた途端に1日3時間もしくは週3日間しか通えなくなるのはどうだというものでした。ただ、スウェーデンでは、子どもが1歳半くらいまで育児休暇をとるのが一般的で、3歳から5歳は最低限度の通園が保証されているため、退園するという話はあまり聞いたことがないです。


 無料の時間が決まっているのだからお金を払えば、それ以上通えるかというとそうでもないようで、育児休暇手当をもらっていると、ダメだという話でした。おそらくたくさん例外はあると思うし、ケースバイケースだとも思います。あと、この15時間保育は、親が家にいる場合、例えば失業中などでも適応されるはずです。これもまた、福祉のお金を二重で出さないためです。


 スウェーデンがこのような時間を保証しているのは、日本でいう幼稚園の概念と保育園が混じっているからかと思います。保育園の場合は、働く人のためという考えに重きがおかれますが、幼稚園は幼児教育に重きが置かれます。そうすると、親が家にいるということで子どもの教育がなくなるのはおかしいとなります。

 日本も共働きが増え、待機児童が増加している現状を考えると、なんらかの対策が必要なのでしょうね。難しい問題だと思いました。



2015年7月20日月曜日

適切な教育を受けていない職員が多いスウェーデンの幼稚園

 久しぶりにスウェーデンの幼稚園について。スウェーデンで幼稚園に当たるのは、「Förskolan(フォースクーラン)」と呼ばれ、学校の前にいくところになるので、日本では「就学前学校」と書かれることが多いようですが、私は幼稚園としてきました。行っている内容からすると、保育園って感じなのですが、管轄が教育関係であり、教育要領にあたる文書もあるので、幼稚園ということで。

 前置きが長くなりましたが、そんなスウェーデンの幼稚園で働く職員のうち、実に4人に1人(21%)が、幼稚園教諭の免許/資格を有しない、高校で子どもに関する勉強をしてきていないということが、学校局の調査で分かりました。これが民営の幼稚園に限るとなんと37%。子どもについて関心のある人が働いていると思うのですが、教育を受けていないということは、幼児教育に対する敬意と理解が欠如しているように思います。

 スウェーデンの幼稚園で働いていて、日本とは異なった保育と幼児教育のあり方に、同僚の中でもきちんと教育を受けてきたかに差があったことを思い出します。また、それによってやる気に大きな差があったのも事実です。やる気のある先生は、あんまり園の状況がひどくなると、大学に勉強しに行ったり、新しい仕事を探してかわっていってしまうので、ひどい園は本当にひどいのだろうとも。


 最近は、幼稚園教諭養成コースは人気を回復していると聞いていて、先生とともに幼稚園教諭も不足している職業なので、有資格者が増えると良いと思います。スウェーデンの幼稚園教諭コースは、小学校の低学年を教えることができる資格を兼ねているものもあり、また、小学校に就学前クラスという6歳児のクラスがあり、そこも幼稚園教諭が教えるので、お給料が多少良くなり、勤務体制にも差がある小学校での勤務を希望する人も多くいます。そうなると本来の幼稚園に有資格者が減ってしまいます。規定で幼稚園教諭の資格を持った職員の配置が決まっており、大抵の場合は、3人職員がいるとしたら2名は幼稚園教諭、1名を保育士さんという形です。(コミューンの方針に違いがあります。)


 子供達がよい幼児教育をうけることができ、資格のある人がそれに見合ったお給料をもらってよい環境で働くためにも、こういった現状を考えていくことは重要であると思います。


読んだ新聞記事:Förskolepersonal saknar utbildning, Dagens samhälle 2015



 

2015年7月19日日曜日

教員志望者が増加傾向に!

 ヨーロッパを旅行して帰ってきたのですが、ある諸事情により現在もホテル住まいです。6月中旬に日本へ出発してから現在まで自宅で暮らしたのは7日のみで、さすがに家が恋しいです。

 春頃からものすごく仕事が忙しく、あまりブログに本来の目的であった新聞記事ネタを書くことができなかったので、これから増やしていけたらと思っています。今日は、ちょくちょく話題になっているスウェーデンの教員採用事情について。

 スウェーデンに教員免許制度が導入されて、2015年6月30日までは移行期間とされていましたが、(特別支援学校は2018年まで)この秋学期からは、免許を有しない先生が成績を独自につけることができなくなります。これについては、また改めて書こうと思います。そんな諸事情もあり、教員免許を有した先生の争奪争いが。。。

 5月の終わりの新聞には、教員免許を持った先生は、すごく有利に職場を変えることができると。小学校の先生で引っ越すので仕事を探していた先生は、簡単に仕事が見つかっていました。この間読んだ新聞では、お給料を数年でかなりあげた先生がいて、その方法は学校を変わったためというもの。手っ取り早くお給料を上げるには、学校/職場を変わることなので、私も時々考えてしまいます。

 もちろん、これらの新聞記事とともに教員不足を心配する記事が多く見られ、推定では、2022年には6万5千人もの教員が不足すると言われています。こんなスウェーデンの教育界に朗報があるとすれば、教員志望者が増加傾向にあるということ。なり手がいないことを心配し、報道が過熱したおかげもあり、教員を第一志望として志願した人が6%増えたそうです。今後、定年退職などにより不足する教員の数を見込み、職にこまらないというのも魅力なのでしょう。

 加えて、教えられる教科を増やすためや、教員免許を持たないけれど大学を卒業している人が教員資格を取りたいといった人を対象にした、大学のコースが少しずつ整備され、それらを希望する人も増えているそうです。


 こうして教員志望者が増えていくことは、現場のものとしても嬉しい限りです。やる気のある同僚が少ないと学校運営は難しいので。。。


 最後に、もしもコメントを下さった広島もみじさんが読んでくださっていたら。。。いただいたコメントを誤って消してしまいました。旅先から何度も返信を書いてみたりしていたのですが、ごめんなさい。声をかけていただき、うれしかったです。また、いつかお会いできるのを楽しみにしております。


読んだ新聞記事: Lärarutbildningar drar fler studenter, Dagens samhälle nr 19, 2015, Behöriga lärare hett byte för skolor, DN 20150530 など

2015年7月6日月曜日

姉妹校訪問を終えて

 終業式が終わり、年度末の仕事も残る中、日本の広島県にある姉妹校を同僚10名とともに訪問しました。訪問は、大変素晴らしいもにとなり、一緒に行った同僚みんなとても勉強になり、楽しかったようです。

 国は違っても、同じ職業、特別支援教育に関わるものとして、学ぶところがたくさんあったようです。百聞は一見に如かずといいますが、今まで送ってもらう映像や写真で見ていたものをその場で観れるというのは本当に大きなことであると思いました。また、互いの現場を見ることで自校のよいところを見直す機会にも恵まれ、様々な角度で物事を見て、今後のアイデアがたくさん生まれたようです。来年度が楽しみです。


日本最終日は、京都での観光でした。金閣寺、清水寺、高台寺を見学し、祇園を抜けてスウェーデン人同僚たちの目に留まったのが、ビアホール🍻!京都の夜、日本の夜の締めくくりは、ビール飲み放題!その後は、カラオケボックスでアバ熱唱‼️ホテルでの睡眠はおそらく4、5時間で空の人となったのでした。本当に楽しかった姉妹校訪問でした。

 一期一会という言葉を姉妹校の校長先生が話してくださいました。本当にその通りで出会いの大切さを実感しました。日本でお世話になった皆さん、本当にありがとうございました。


2015年5月24日日曜日

学校検査局のインタビュー

 いよいよ数週間後に迫った日本の姉妹校訪問と卒業させる2名の生徒の準備、年度末の仕事と忙しくしています。そんな忙しい5月、うちの学校に学校検査局の訪問がありました。スウェーデンの学校では、たいてい5年に1回くらいの割合で、この学校検査局が回ってきて、ちゃんと学校運営がされているか検査されます。日本の教育委員会の主事訪問とかに似ていると思います。(今もやっているかとかは不明ですが。。。)今後は3年に1回となるようです。

 まず、何月くらいに来るかという話があり、その後、日にちが決まってきます。毎回、わざとかなと思うくらい、ぎりぎりにしかこの訪問の日程がわかりません。事前に提出する書類は山のようにあり、私が関わるのは生徒の個人年間発達計画表くらいで、普通に学校運営が行われていれば、提出書類に慌てる必要はありません。が、毎回、何かしらの書類が足りない。。。学校全体への訪問になるので、うちは、小学校3年までの学校が2校、それぞれに学童があり、特別支援学校は3つに分かれており、学童があるので、学校運営計画表一つとっても9?くらいあります。

 学校規模によりますが、私の働いているような小規模の特別支援学校の高等部は午後の授業見学と教員へのインタビューのみです。インタビューが可能な生徒がいる場合は、生徒へのインタビューなども入ります。私も授業を見せ、案内をして、インタビューを受けました。前回の訪問の時は大学に入っていたので、今回は、なんと初インタビュー。問題点も含めて、色々と話をしました。それぞれの先生の考え方もわかり、たのしかったです。

 小中学部の義務教育よりも緩やかになっている高等部は、質問内容もそれほど圧迫感なく、ゆるりと終わり、時間も早めに終わりました。さらに必要な書類の提出などがあれば、それを求められ、その後最終的な判断がくだされ、改善点などが提示されます。コミューンの学校運営の場合、責任はコミューンにあるので、最終的な改善点などはそっちに回されます。そして、またそれが降りてきて、改善点をいついつまでに直すようにとかいわれ、その改善方法や案、経過を報告したりします。

 今回はどんなところを指摘されるか興味があります。そういうところを直しながら、より良い学校にしていければと思います。



2015年5月3日日曜日

女性が動かすスウェーデンの政治




 気がつけば、5月になっていました。スウェーデンの学校の5月は、行事に終われる月なので、私も毎週のように行事が入っており、その計画と準備で忙しくしています。日本の姉妹校訪問も近づき、準備も佳境に入ってきています。

 つい最近ふと思ったのが、前政府の連立4政党の党首が全て女性になって、政権を握ったら、スウェーデンはどんな国になるんだろうかというもの。

 もうご存知の方も多いと思うのですが、つい最近キリスト教民主党の党首に、こちらの女性がなりました。エッバ・ブッシュ・トール(Ebba Busch Thor)さん。彼女、今までも時折若手のエース的存在で取り上げられてきており、今回、党首交代となったときに、現在妊娠中であることが党首になることへの問題にはならないという発言をしたことでも話題を呼びました。

写真:キリスト教民主党のホームページより


 そして、前にブログでも紹介した中央党の党首、アニー・ローブ(Annie Lööf)さん。こちらも4月の半ばに現在妊娠中で秋頃お母さんになることを発表しました。


写真:中央党のホームページより

 前首相の後をついで、穏健党の党首になったのが、こちら。アンナ・シンバリィ・バトラー(Anna Kinberg Batra)さん。女の子のお子さんがいるお母さんです。

写真:穏健党のホームページより

連立で組んでいくかどうかは別問題としても、残りは自由党のみ。こちらも党首交代といわれているので、例えば、この方、ブリギッタ・オルソン(Brigitta Ohlsson)さんなんかがなれば、いよいよ女性の党首がそろいます。彼女は、しばらく育児休暇をとっていて、4月に政治に復帰したばかり。
Birgitta 2013
写真:自由党のホームページより

こんな女性の党首が4人そろって野党として活躍したら、スウェーデンの政治はどんなふうになるのかなあと思います。どの方も、家庭を持ち、子供を産み、育てている(育てようとしている)ところもすごいなあと思います。そんな日が来るか来ないかはわからないけれど、こうして年齢、性別に関わらず、活躍できるというのは良いことであると思います。


2015年4月9日木曜日

スウェーデン最年少の大臣が目指す、学校教育とは

 スウェーデンの現政府の最年少の大臣がこの方、

※写真は、政府のプレス写真をお借りました。
アイダ・ハディジアリッキ(Aida Hadzialic)氏です。

 28歳の若さで現政府の「高校・教育イニシアティブ大臣(Gymnasie- och kunskapslyftsminister)」に就任しました。スウェーデンの教育をなんとかしたいという現政府の思いから、教育関係の大臣に加えて、今回の政府ではこの大臣も設けられました。彼女のインタビューが新聞に載っていたので、興味深く読みました。

 彼女は、見た目からお気付きの方もいるかと思いますが、スウェーデン人ではなく、5歳の時に家族とともにスウェーデンに移民してきました。生まれは、昔のユーゴスラビア、現在のボスニア・ヘルツェゴビナで、内戦が激化した頃にスウェーデンに難民として渡ったようです。そんな彼女が、スウェーデンで家族とともに歩んだ道は決して簡単なものではなく、インタビューではあまり触れていませんが、ほかのところで読んだ内容によれば、難民の施設から、スウェーデン南部のハルムスタード(Halmstad)に移り住んだそうです。

 スウェーデン語を習得し、勉強をかなり頑張ったようで、高校では国際バカロレアの教育終了もしています。また、そんな頃から、社会民主労働党の若者の会で政治活動を始めました。大学で法律を学んだのち、地元ハルムスタードのコミューンの市議会議員として活躍してきました。こんな彼女の生い立ちは、教育というものの可能性を自ら感じてきただろうと思うし、教育にかける思いも、特別なものがあるのではないかと思います。


 スウェーデン至上最年少の大臣としても騒がれた彼女、高校を出てからまだ9年ということで、インタビューでもどの人よりも現場をわかっている大臣であることが利点であると答えています。若い人が活躍するスウェーデンの政治は、興味深いものがあり、彼女がどんな風に教育を考えているのか、今後変えていくのか、気になります。彼女がスウェーデンの学校システムで変えたい項目5つというのが載っていました。

1、教師に投資する
2、学校間の差をなくす。
3、教師の事務仕事を減らす。
4、一般社会(職業)との関係を強める。
5、発明、創造性、企業家精神を強めていく。芸術教科の充実


厳しい目でみれば、あまり代わり映えのない5項目とも言えますが、かといって、新しい内容を出せばいいというものでもなく、今後彼女がいかにこの5項目を実行していくかが重要であると感じます。特に2番目の学校間の差をなくし、どの学校もよい学校としていくということは、彼女の生い立ちを振り返っても重要な点であるように思います。

教育大臣の方は、小学校低学年の教育の充実を打ち出しているので、彼女の分野である高校と住み分けをしているのかと思いましたが、両大臣で協力して、スウェーデンの教育をよい方向に導いていって欲しいと思います。

読んだ新聞記事:"Hon vill vända trenden för den svenska skolan" DN 20150405

2015年4月8日水曜日

ビタミンD不足と自閉症児が生まれる危険性

 イースターの休暇も半分が過ぎました。のんびりしつつも課題を一つこなし、ほっとしたところです。思った以上に時間がかかってしまいましたが、とりあえず終わったのでよしとしましょう。。。

 ちょっと興味深い内容が新聞に載っていました。スウェーデン在住のソマリア人のビタミンD不足に関する研究結果についてです。だいぶ前にこの研究が行われるというニュースを読んだので、あの結果が出たんだなあと思いました。私がこの研究に着目していた理由は、「ソマリア人に自閉症の子どもが多い。」という事実がスウェーデンにあり、私が関わっている分野では話題になることがあるからです。今回の新聞記事でも、この点について少し書かれており、ビタミンD不足はそのほかの関連要因とともに自閉症が生まれる危険性があるとあります。スウェーデン在住のソマリア人の自閉症児発症率は、他と比べて3〜4倍高くなっています。

研究結果の概要のまとめとしては

  • 123人の妊娠中の女性が研究対象で、そのうち52人がソマリア人。
  • 90%の人がビタミンD不足だった。そのうち3分の1の人が測定不可能なほどビタミンD不足であった。
  • スウェーデン人女性の半数がビタミンD不足であったが、それほど低い数値ではなかった。
  • 黒人で体を覆う服装を日常的にしている人は、日光から得られるビタミンDが不足している。

インタビューに答えたソマリア人の女性は、ビタミンD不足について指摘されたが、なんでビタミンDを取らなくてはいけないのかわからず、取らなかったとあります。スウェーデンという季節によって日照時間が著しく減る国で、独自の文化や宗教に基づいた服装をしていると、こういう問題も怒るんだなあと思いました。こういった研究結果とともに幅広く知識が広がっていくことを願うばかりです。

 
私も、移住して数年後、体調を崩したことがありました。病院にかかるとビタミンDの不足を注意され、錠剤で摂取するようにと言われました。太陽にあたることがスウェーデン人ほど好きではありませんでしたし、それ以来、ビタミンDを錠剤で摂取するようにしています。スウェーデン人でも、多くの人が秋になると錠剤を摂取すると聞きます。ビタミンD不足は、他にも多くの影響を与えると聞いています。日光にあたる時間を持ちつつ、錠剤も併用しながら、健康に暮らしたいものです。



2015年3月30日月曜日

落ち込む時もあるさ。。。

 今週は、3日間のみの出勤なので、ちょっと気が楽です。前回のブログにも書いたのですが、日本週間も終わりだと思った矢先に、ちょっとした出来事があり、滅入っています。起きた出来事については詳しく書けないのですが、土曜日は撃沈し、日曜日は1日書類書きに専念しました。(出来事がおきると、書類は重要なのです。。。)起きてしまったことは仕方がないのですが、周りのみんなの慰めのような「防ぎようがなかった」という言葉に、私は納得できず。。。本当に防ぎようがなかったのだろうかと。

 私が受け持っているような重度の障害を持った生徒の場合、彼らは全てを周りに依存しており、周りの大人が全権を握っているといったらおかしいですが、全て周りが決める中で動いています。なので、何か起きると私はものすごく心が痛みます。特に生徒が批判されるような状況になるとなおさらです。今回はそんなことはなかったのですが、後回しにした仕事の結果が、今回の出来事につながったという後悔をしています。忙しいと、どうしても先延ばしにしていることがあり、「しまった」と思った時では遅い。。。「もっと強くいっておけばよかった」というのも、よくある私の後悔。アシスタントを統括する立場にあるので、さじ加減がたまに難しい。。。いらっときて、失言をしてしまったことも後悔につながっている。。。ああ。。。


 あまりの落ち込みように、周りも慰めてくれましたし、主人は毎日、花にお菓子に、プレゼントにとしてくれますが、気持ちも沈み気味。。。あと2日間働いたらイースター休暇なので、少し学校と距離を置けるのはよいかと思っています。こういう出来事には慣れっこなのに、「ああしておけば、よかった」と思う心が今回は大きくて、落ち込みが大きいのだろうと思っています。



 そんな落ち込む私にちょっとした喜びを与えてくれるのも、生徒。ある生徒が、写真を介してコミュケーションをとるのですが、意思が通じて理解してもらえた時に、ものすごく喜んで小躍りしたのです。あまり意思表示をしない生徒だっただけに、「ああ、この子もやっぱり、通じればうれしんだなあ」と私も嬉しくなりました。

 辛いこともあるけれど、楽しいこともあり、喜びもある毎日を楽しめる余裕をもっていたいと思いました。続けたいと思って頑張ってきたスウェーデン語のコース、やっぱり、時間的に無理だとあきらめました。諦める勇気も必要と慰め。。。日本行きを約2ヶ月後に控え、卒業を迎える2名の生徒、今回の出来事にもう一つのコース、他に抱えた仕事と、どう考えても無理かなと。毎日友人に電話して愚痴もできず、ブログで一人反省会をする夜でした。落ち込むときは、ぐっと落ち込み、また、がんばります。


2015年3月28日土曜日

日本週間無事終了

 無事に今回の日本週間も終了しました。今回は、例年よりもばたばたし、昨日はちょっとした出来事があり、私は本当に疲れました。ああ。。。

 参加してくださった日本人の方は、月曜日が2名、火曜日が3名と、今回もボランティアにもかかわらず、手伝ってくださった方には大変感謝します。4回目になる今回の日本週間、子供たちから、「前にやったあれをしたい」という声が出たり、飲めなかったお茶が飲めるようになっていた子がいたりと、やっぱり、回数を重ねるって重要だなあと思いました。

 今回の日本週間は、日本文化とスウェーデン文化を掛け合わせ、また、6月の日本訪問に向けて、プレゼントを作成したりと内容盛りだくさんでした。また、今までは、私が中心となって行ってきた計画も、他の先生に移行し、それぞれの先生が各コーナーを受け持ちました。

 姉妹校が広島県にある特別支援学校なので、送られてくる写真などに「ピースキャンドル」がよく写っていました。そこで、今回は、ピースキャンドルも作りました!準備は大変だったようですが、出来上がった時の喜びは大きく、また、思う以上に簡単に子供達が参加してできるのも良かったように思います。私のクラスの子供達も楽しそうに行っていました。


 それにしても、ここ数週間、いろいろと学校であり、疲労困憊しております。。。今週はゆっくり休みたいと思います。みなさんも、良い週末を!

 日本週間に参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。


2015年3月21日土曜日

スウェーデン人同僚に鍋を試してみるの巻

 驚くほどに忙しい毎日が過ぎていき、ブログの更新がまた滞ってしまいました。ちょっと振り返ると、先週の月曜日と火曜日は、久しぶりに通訳しました。私の勤務体系では、学校のある日に仕事を引き受けた場合、お給料が出ないため、ほとんどこういった仕事を引き受けないのですが、今回は、久しぶりにやってみました。こういう仕事は、引き受けないか、引き受けるならば定期的にやる必要があると実感しました。

 学校を休むと仕事がたまるため、残りの週はあっという間に過ぎていき、土曜日は久しぶりに日本人補習学校へ。数年前に小学2年生の時に担任したクラスの生徒と親さんが謝恩会によんでくださいました。久しぶりに会う人も多くて大変楽しい時間を過ごさせていただきました。ああいう会の準備は大変だっただろうと思いました。で、問題は、さあ帰ろうと車のトランクを開けると、なんとまさかのインロック。「ありえなーい」と叫びたくなる瞬間でした。って、叫んでいましたし、一緒に帰ることにしていた友人には申し訳なくって。ああ。。。私のドジには慣れている主人が、はるばる鍵を持ってきてくれて、なんとか帰宅。。。


 で、今週は何をやっていたかというと、鍋をスウェーデン人同僚に食べさせるベく、奮闘。前から食べて見たいという人がいたのと、日本行きに向けてダンスや歌の練習をすることになっており、じゃあ、と鍋を。で、数週間前からいろいろ準備。友人に鍋を借りたり、材料を買い出したり。

 こんな時期でも欠席者なしの、全員参加でいざ、鍋を。中身は、サーモンなどの海鮮鍋にし、一番ニュートラルな水炊き風にしました。味も質素で食べやすいし、何より、醤油の味と箸に慣れてもらわないとと。

 7割の先生は、平気でしたが、やはり、一部はダメですねえ。それに、スウェーデン人、野菜を食べない。特に白菜はああして煮て食べる習慣がないせいか、あんまり減らず。しらたきや豆腐も興味津々だけど味見程度。うどんもふーんってな感じ。

 今回は、時間省略もかねて、味ぽん酢を使ったのですが、これは美味しかった模様。不思議なのが、魚を入れてはそれだけ食べてしまうんだなあ。それでも、 スウェーデン人鍋奉行が現れ、おおーと驚き。。。

 最後にお雑炊にしたら、みんな少しずつ味見をし、なんで最後にご飯を食べるのかと聞かれました。やっぱ、日本人だしと適当に答える日本人がそこに1名。


 でも、食事に文句をつけた1名と翌日から病気になった方は、日本行きをもう一度考え直した方がいいのではないかと、影で思う私でした。はあ、疲れた。。。


 来週はいよいよ日本週間です。日本人の方、今回も数名参加してくださることになっており、本当に助かります。興味がある方、当日参加も大丈夫なので、ぜひ、ご連絡をくださいね。

よい週末を。

2015年3月4日水曜日

大量のメールに悩まされるスウェーデンの教員・校長

 スウェーデンの学校におけるメールの位置付けは、年々高くなり、私が働き始めた頃に比べると、活用度は深まる一方です。そんな時代を反映する問題が起きているという記事がありました。

 スウェーデンの校長先生や教員は、毎日大量に送られてくる保護者からのメールの対応に追われて、通常業務に支障をきたしているとあります。私の働いている特別支援学校は、生徒数が他の学校に比べて格段に少ないので、私にメールが山のようにくることはありませんが、校長は小学校の校長を兼任しているので、メールの対応に追われると聞いたことがあります。メールに加えて大変だなあといつも思うのが、電話。携帯電話になり、電話が全て転送されるようになり、校長たちは、電話対応にも追われている感じがします。SMSというショートメッセージでもくるらしい。。。

 記事でインタビューに答えていた校長先生、1日に100件から150件ほどメールがくると。すごいねえ。その対応だけで、数時間はとられそうです。簡単に答えられる案件ばっかりじゃないだろうしねえ。親が学校教育に関心を持ってくれるのはうれしいが、それでも、学校組織や運営に関わるような内容や授業の仕方や内容に関する細かい点などを、いちいちメールで指摘してくる保護者に対して、もう少し学校を信用してまかしてほしいという気持ちもよくわかります。


 私も職員室というほどの部屋でもありませんが、学校に小学校の先生と一緒に使う部屋があります。そこで、仕事をしていると、小学校の先生が時々保護者からきたメールの話をしてくれます。学校休みますという連絡メールから、宿題の内容に関して幅広く来るメール。先生方、そんなに早くメールの返事をかけない、余裕がないと。


 この記事のもう一つの重要な内容が、労働環境。ストックホルム地域の公立と私立の学校のうち、10校中9校までが、労働環境に問題があるという指摘がされているそうです。日本よりも厳しいと思うのが、こういった労働環境のチェック。うちのコミューンでは、改善が見られず、罰金が出た例も。。。リスク判定や改善項目、対策やドキュメンテーションなどいろんな項目でひっかかってくるらしい。

 教員の場合は、ストレスが多いのと仕事の量が多いことがよく問題にあがります。これを改善するために、うちの学校も一時期エクセルシートによる労働時間の記入を求められました。最近あまり聞かないけれど。


 メールは、都合の良い時に親が送れる反面、素早い対応が求められ、ストレスの温上になってしまう可能性の多い媒体であるようにも思います。簡単に答えられる内容ならまだしも、文面になって残ってしまう分、書く内容にも十分配慮する必要があります。


 今後、こういったメールの対応を含む労働環境がいかに改善されていくのか、関心の高いところです。


読んだ新聞記事:Lärare och rektorer drunknar i e-post från arga föräldrar, DN, 20150129


2015年3月2日月曜日

子供にとってもっとも危険な場所は・・・

 子供にとって最も危険な場所は、どこなんだろうか。スウェーデンでは、1970年代と比べると交通事故などで亡くなる子どもの数は激減し、その当時の約400人から、現在ではここ数年年間70人ほどにとどまっています。これは、多くの対策がとられた証であると思います。

 これに対して、怪我などで緊急病院にかかる子供は、年間約17万人。重い怪我などで入院を必要とするようなものは減っているそうですが、10人の1人割合で緊急病院に駆け込んでいるそうです。これらの子どもの怪我はいったいどこでおきているかというと、最も多いのは、家庭で、上記のうち、約5万4千件が家庭で起きているそうです。道路などで起きるた件数は、1万9千件、暴力などにあったのは1600件とあります。

 家庭での事故は、保護者や周りの大人が注意することで防げるものも多くあり、記事の中には、対策も幾つか上がっていました。

  • 年に何回は、家庭の環境を点検し、危険がないかチェックする。
  • 幼児、子供は、常に目を離さない。
  • 階段には柵をつける
  • 電気のコンセントはカバーをつける。
  • 手や足などを挟む可能性があるところは、防ぐ。
  • 窓止め。
外では、側溝や井戸、プールなど危険性のある箇所をチェックすることとあります。

 子どもの危険というと、外で知らない人に連れ去られるとか思い浮かびますが、こういった家庭内でのちょっとした事故もたくさんあるんだろうなあと思いました。大きな怪我にならないとは限らないこういった事故、防げるものなら防ぎたいと思います。

 スウェーデンの学校では、学校環境に関して様々な面で毎年チェックが行われます。会議でも「労働環境」は大きなテーマ。年に数回ある上司の話し合いで、この環境について話が出ると、最初のうちは何をいっていいのかよくわからなかった私ですが、最近ではだいぶ慣れてきました。いろんな意味で環境、大事にしたいですね。


読んだ新聞記事:Hemmet farligaste platsen för barn, DN. 20150228

2015年3月1日日曜日

小学1年から当たり前に成績をもらう国、フィンランド

国によって違いがある成績のあり方」の続きです。読んだ感想を先に書けば、目新しいことはなく、フィンランドとスウェーデンの教育を比べた場合に浮き彫りになる問題点が書かれていると思いました。一つ一つ見ていきたいと思います。

 本題に入る前に簡単にスウェーデンとフィンランドの成績の違いをもう一度。フィンランドでは、小学校に入学した1年生から成績が普通に出ます。最初の3年もしくは4年は、記述のみの成績評価で、その後、数字による段階のある評価が出ます。これに対して、スウェーデンでは、6年生から成績がでます。また、今回試験的に最高100校までで、成績が4年生からでます。これについては、こちらの記事を。


  • 成績が議論に上がり続ける国スウェーデン:スウェーデンでは、秋頃なんか、ものすごく成績が議論されてきました。これに対して、フィンランドでは、成績は当たり前で、しばらく議論になっていないとあります。
  • 教育が政治と深く結びついている国スウェーデン:必ず指摘されるのが、ここ。教育がとにかく政治と結びつき過ぎており、政党の政策に一喜一憂されすぎていることが上がっています。これに関しては、私も何回も取り上げてきました。政治家がその度その度教育をえさにしているというと聞こえは悪いですが、有権者の興味関心の高いところであり、うまく利用しているという感をたまに受けます。
  • 学校が市場化している国スウェーデン:学校選択の自由化を導入し、学校が市場化したことにより、生徒と保護者がお客様になったスウェーデンでは、常に「お客様」に学校を選んでもらえるように動く傾向があり、成績も深く影響を受けています。良い成績をとる子どもが多くいれば、その学校に子供を通わせたいと思う親が増えます。そのため、成績が平等に正確につけられなくなっているという現状も。フィンランドでは、小学校のレベルではほとんど民営の学校はないそうで、スウェーデンのように、公立小学校でも市場化の影響を深く受けている国とはやはり大きく事情が異なります。学校選択の自由化は、子供にあった学校を選べるという利点もありますが、やはり弊害のないシステムはないのと同じで、問題も幾つか上がっています。


 インタビューに答えていた子どもの返答が大変興味深いです。記者がスウェーデンで成績が出る学年を伝えると、
「それはちょっと遅いねえ、中学生になってから自分の状況知っても、改善するには遅いねえ。」
続けて、スウェーデンのシステムの方がいいかと聞くと、
「いいえ」
と、みんなが口を揃えて答えました。成績は、優劣をつけるものというよりは、その子それぞれの今の現状を伝えるものであってほしいと思っている私は、フィンランドの子供達の言い分よくわかります。評価の仕方も少しずつ研究がすすみ、有名な研究者も何人か出てきました。成績や評価をうまく利用していくことで、持っている力を最大限に伸ばせる教師、教育、学校であってほしいと思います。

 
 記事の最後には、フィンランドもスウェーデンの学校に見習いたいところはあり、例えば、フィンランドは、教師が前に立って授業を行う形式がまだまだ多く、スウェーデンのように議論を増やすのはフィンランドの学校でも必要だとあります。スウェーデンの教育にもたくさんいいところがあり、この国らしい教育があるように思います。

 それにしても、フィンランドの教育は興味深いですねえ。1冊読みたい本があり、置いてあるのですが、なかなか時間に余裕がでません。。。

 読んだ新聞記事:Inga strider om betyg redan i ettan, DN, 20150228

2015年2月28日土曜日

国によって違いがある成績のあり方

 先日「4年生から成績を出すと教育がどう変わるかという事件を行う国」を書きました。まだ、読んでいない方は、そちらもぜひ!
 
 今日の新聞に小学1年生から普通に成績をもらっている国、お隣のフィンランドの話が載っていました。興味深い内容だったので、早速書いておこうと思います。同じ記事に、各国の成績のあり方が載っていたので勉強がてら見ていきたいと思います。

スウェーデン:6年生から成績が出されます。試験的に100校まで4年生から成績を出すことができるようになりました。

フィンランド:小学校1年生から成績があり、最初は記述での成績のみで、3年もしくは4年生から数字による段階的な成績が出ます。

ドイツ:最初から最後のクラスまで成績があり、1がもっともよく、6が不可。ドイツでは16の地方自治体が教育を取り扱っており、その州によっては、最初の2年間は記述での成績評価にしているところもあるそうです。教育はよく取り上げられるそうですが、成績に関してはそうでもないとあります。

イギリス:北アイルランドは4歳、その他の地域は5歳から義務教育が開始され、それと同時に成績もつけられるそうです。いわゆる段階的な成績は、11歳になって中学校にあたるような学校に行くようになってで、A* というのが一番よく、Gまであり、Uが不可になるそうです。北アイルランド、スコットランド、ウェールズにはそれぞれのシステムがあり、イギリスの教育議論の中心は、成績ではなく、子供達の知識の状況についてとあります。

イタリア:イタリアでは小学1年生から成績がつき、年2回渡されます。1から10までの段階で6までが 合格となるようです。。1年生に出される成績は、子供を不可にすることが目的ではなく、早めに支援援助を開始することが主旨で行われ、成績は、書式で親に渡されます。学校が近代化していれば、インターネットにパスワードを入れて読むこともできると。

アメリカ:州によって差があるが、基本的には、成績はA-Fでつけられている。開始学年にも地域差があるが、多いのは、5年、6年、7年で、高校入学の数年前というのが多いとあります。アメリカの教育議論の中心は、全国統一の知識の段階評価の導入に関してだそうで、すでに州によっては導入されているともあります。

フランス:つい最近パリであったテロ事件が影響を与えたとあり、他の国と比べると書かれている内容が少し違います。低学年の成績評価をなくす動きがあったようですが、あのテロにより風向きが変わったとあります。


国によって成績のあり方も違うことがわかりますが、短い記述の中にも、その国流れがわかり、大変興味深いです。次は本題のフィンランドの話を書こうと思います。

読んだ新聞記事:Inga strider om betyg redan i ettan, DN, 20150228

2015年2月27日金曜日

問題を抱えた親のもとに生まれた子どもたち

 だいぶ日が長くなってきたスウェーデン、ストックホルム。今日は天気もよく、散歩に何回も行きました。もうすぐ春がやってくるなあと感じる日でした。
 スウェーデンにも薬物中毒問題やアルコール中毒問題があります。そういった問題を抱えた親のもとに生まれて育つ子どもは、約8%。この数字ですが、統計上のことなので、問題を抱えて治療を受けた親のもとに育つ子どもとなります。そうなると、現実にはもっとたくさんの子どもたちがそういった問題を抱えた親と生活をしていると考えられます。また、この8%の中の3%の子供たちは、家族の世話をするために週に最低1回は学校を休んでいるとあります。この事実が子供の将来に与える影響は、思っている以上に深いと思います。
 8%を実際の子供の数に置き換えると、最低でもスウェーデン国内に6万人の子供がそういった状況で生活をしていることになり、事実が重く感じられます。親と書きましたが、どちらかの親が問題を抱えている場合に統計に上がっているそうで、両親である場合もあるかと思います。また、これはつい最近出された統計の結果で、1973年から1978年に生まれた人から集めた結果であるとあります。

 親が問題を抱えていると、子供は自分の問題と向き合うことができず、例えば、親が死んでしまうのではないか、入院してしまうのではないか、家族が一緒に暮らせなくなるのではないかといった心配事を抱えて生活していかなくてはなりません。そして、兄弟がいれば、兄弟の面倒をみて、家事をして、時には問題を抱えた親の世話までして暮らしていると。
 こんな環境で育つ子供は、普通の家庭で育った子供に比べて約7倍、親と同じ問題を抱えるリスクがあるそうです。また、義務教育を不完全な状態で終える危険性も、倍以上。宿題があっても、親が見てくれる可能性は低く、宿題を落ち着いてやれる環境にもない。余暇活動に充てる経済的な余裕もなければ、時間もない。交友関係を深める余裕も時間もない。親を残して、仕事や勉強のために引っ越すこともできない。。。そんな中で人生の重要な時期である幼児期から成人期までを過ごす子供が6万人もスウェーデンにいることに、危機感を感じずにはいられません。

 こういった子供たちに対する対策が強化されていく必要が有ります。新聞には、すでに子供と家族のためのプロジェクトが始まっているとあり、中毒症と保護者のありかたといった内容で、関わる人々に研修等行われているようです。まだまだ数は少ないようですが、コミューンでも力を入れ始めているようです。できる限り早くこういった問題を抱えた人に援助や治療が行われ、そこで暮らす子どもたちが、できる限り健全に暮らせることは、とても重要なことであると思います。

 読んだ新聞記事:Barn tillmissbrukare tvingas hjälpa sina föräldrar; DN, 20150205

2015年2月22日日曜日

4年生から成績を出すと教育がどう変わるかという実験を行う国

スポーツ休暇に入り、ちょっと一休みです。といっても、たまっているスウェーデン語の課題をこなし、学校以外の仕事をこなしていると、一週間はあっという間に終わってしまいそうです。

 2月11日に、現政府は元政府との和解案として、実験的に最高100校までの学校で4年生から成績を出すという決定をしました。この決定、驚きました。こういう案が出てくることに驚きました。スウェーデンらしいなあとさらに思ったのが、導入される学校について。政府が選ぶのではなく、学校側の主導であること。学校側が導入の意思を見せた場合に保護者を含めて導入されるか検討され、早いところではこの秋から導入が始まり、5年後の2020年に見直しをするということでした。
 もともと4年生からの成績には反対の声が強く聞かれ、現場もさることながら、研究者側からも声があがっていましたし、組合も強く出ていました。一時期はかなりテレビでも討論が行われましたが、この決定後はピタッと声が聞こえなくなりました。新聞の記事も対して出ていなくって、忙しいついでに書くのを待っていたけれど、特に目立った動きなし。

 昨年12月に再選挙がなくなり、「12月の合意」が出された後、いつだったかに、教育分野でも対話を増やし合意をしていくということがニュースになりました。やっときたかと思ったのもつかの間、出たのがこの案で、こういうのありなんだと思いました。本格的に話が進んだのは2月初旬のようです。結局のところ、スウェーデン民主党の力を借りれば、なんとか4年生からの成績を国会で可決することができる野党側のことを考慮して、折衷案?ではないが、前政府に花をもたせたような形だと理解しました。

 今後、この4年生からの成績導入にどのくらいの学校が手をあげるのかが気になるところです。私としては、せっかく行うのならば、研究者を巻き込んでしっかりデータをとってほしいと思うのですが、そこまで組織的に動くには、2月で今年の秋導入って早すぎる気がします。こんな実験的なことやってもいい国ってすごいなあとも思います。だいたい、生徒の出入りが激しいスウェーデンの学校で、これによってどのくらい明確なことがわかるのか、とも思ってみたり。続きがで次第、また報告したいと思います。

 最後に、3月の終わりに予定されている日本週間、日本文化系の内容は、今のところ月曜日と火曜日に予定されています。詳しい内容は以下から。興味のある方、是非、ご連絡くださいね。