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多国籍なスウェーデンの学校の職場とスウェーデン語の習得

 旧ブログの中でも、何回かスウェーデン語の習得に関して書いていました。私はスウェーデンに住み始めて20年以上になるし、仕事をしていることもあって、スウェーデン語はそれなりにできますが、完ぺきなスウェーデン語ではないですし、間違いも多いです。今日は、そんなスウェーデン語習得と多国籍なスウェーデンの学校の職場についてです。 1.多国籍なスウェーデンの学校  スウェーデンは、もう50年以上前から、労働移民や難民を多く受け入れてきた歴史を持っており、学校は本当に多国籍です。生徒たちには、移住してきたばかりの子もいれば、2世、3世という子どももいます。職員もしかりで、いろんな国籍の人、いろんな外国の背景を持つ人々と一緒に働いています。 2.スウェーデン語を話す  多国籍になると多言語になり、聞こえてくる言葉は、いろいろあります。生徒たちが話す言葉はともかく、職員間では、「学校ではスウェーデン語を話す」というルールがあります。個人的には、このルールが明確に書面で書かれて出てきたときは驚きましたが、実際に教師をしていると、スウェーデン語を話してほしいと思う現場に直面することもあり、必要なルールなのだと思います。 3.言語も文化も違う  言語も文化も違う同僚たちと働くことは、いろいろ学びがあります。スウェーデン語の習得もしかり。私は、性格的なものや、おそらく文化的なものもあり、10年前とかは、どちらかというと、あまり発言しないし、無駄なことは言わないようにしてました。しかしながら、徐々にスウェーデン語ができるようになり、だんたんともともとの性格に戻っていったような印象があります。これが、人によっては、スウェーデン語の習得かかわらず、おおらかな人もいて、見ていて清々しい。特にアシスタントなどは、話すことが中心なので、読み書きに苦労してきた私とは少し違うなと感じることもあって、いろんな人のスウェーデン語の習得の過程を見ながら、人それぞれでいいなあと思います。 4.スウェーデン語習得を振り返って  自分のスウェーデン語の習得を振り返り、いろんな同僚を見てきて思うのは、スウェーデン語を使って何をしたいかによって変 わるし、言語はスウェーデン語に関わらず、使って磨いていかないと錆びるということです。昔の先生の同僚に、2世の人がいたのですが、彼が自分のスウェーデン語について完ぺきではないという...

生徒アシスタントと働くスウェーデンの学校 

 旧ブログの内容をリライトしながら、春学期最初の1週間を振り返りたいと思います。 1.穏やかな春学期のスタート  金曜日の今日はどうなるかわかりませんが、とりあえず、穏やかな春学期のスタートを切れてうれしく思います。秋学期は新しい生徒も入ってくるし、新年度だし、バタバタするのは当然なのですが、それに比べると春学期は、少し手直しながら再スタートを切る感じです。この穏やかな学期に重要なのが、やっぱり一緒に働く同僚です。ということで、今日は生徒のアシスタントと働くスウェーデンの学校についてです。 2.様々な職種が働くスウェーデンの学校  20年ほど前に 日本で養護学校の講師をしていたころは、学校の中には、教員免許を持った人が中心に働いていました。養護教諭や宿舎の人、事務員のような方もいました。最近では、補助員や看護師、介護士などがいたりと日本でも変わってきているようです。 こちらスウェーデンでは、基本的に学級には、 クラス担任が一人(二人制のところもある)、 そのほかに生徒アシスタントが何人かつきます。基礎学校であると、1人とか、半日、数時間というのもありますが、支援学校であると、3名とか5名とか生徒の人数とぞのニーズに合わせて、その数が決まります。 2022年7月16日に、初の単著 「医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム」 を刊行。是非ご一読を😊 3.チームワークが重要、スウェーデン語が重要、ソーシャルスキルが重要  様々な人と連携、協力しながら、学校教育を行うのは日本でも同じですが、教室の中から、それをしていく必要があり、とてもチームワークが重要になります。私は、3名のアシスタント、木金は4名、来週からは仕事復帰のトレーニングに来る人が入るので、5名の同僚たちと学校教育に当たります。そこには、教員としてのリーダーシップに加えて、チームのリーダーとしてまとめていく力が必要になりますし、スウェーデン語はとても重要です。そして、ソーシャルスキル。働きだした18年前は大変でしたが、今は、まあ、こんなものかなと思えるまでにはなりました。アシスタントになる人は、移民の背景を持つ人が多いので、スウェーデン語はいろんな意味で重要です。日本も今後なっていくと予想されますが、スウェーデンでは、すでに外国からの移民がいないと医療...

専業主婦がいない男女平等の国、スウェーデンの女性たち

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 この投稿は、旧ブログの 投稿をリライトして投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著「 医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム 」を刊行。是非ご一読を😊  学校も休みに入り、1週間。友達に会ったり、出かけたりと楽しく過ごしている反面、やらなければいけないことがなかなか簡単に終わる内容でない今年の冬は、心は少し焦ってし舞う感じです。とりあえず対策として、FacebookとTwitter を休止しました。文章を書く練習も考えるとブログを残すことにしました。それにブログは、だらだら時間を費やすことはなのでよいのですが、Facebookなどは、どうしても逃避行動増えてしまう、弱い私です。  さて、今日は、旧ブログから、専業主婦とスウェーデン関係の投稿を読見直すと、同僚たちと話した内容など興味深いなあと思います。タイトル通り、スウェーデンには、専業主婦という選択肢はありません。男女平等が当たり前であり、女性も男性と同じように働いて、税金を納めて一人前という国です。今日はそんなスウェーデンの専業主婦事情についてです。  1.昔は、スウェーデンにもいた専業主婦  スウェーデンにも専業主婦がいた時代があります。だいたい、今60代になるくらいの世代の方は、「母親が専業主婦だった」というのは珍しくありません。もう少し上の方だと、「私は専業主婦だったけど、働き始めた」というような話をされる方もいます。その時代には、専業主婦が存在し、家事を家庭内労働として行い、税金の控除もありました。この制度は無くなり、「いつ無くなったのか」という友人の説明をそのまま訳すると、 「政府が主婦も外で働くべきだと思ったときになくなった。」 とのことでした。専業主婦だったという人の話を聞くと、あの頃はよかったという印象を受けるので、福祉国家というと聞こえはいいけれど、みんなが働き納税するという基本姿勢がそんなに簡単物でもないということを感じます。これに関連して、やっぱり選択肢があれば、家にいたい人はいるんだなあと感じることはあります。 3.中立国と戦争と専業主婦  第2次世界大戦後、ヨーロッパの多くの国々が国内の復興に力を注いでいた時期に、スウェーデンは、中立国であったために、国内の工場などはそのまま残っており、戦後すぐ...

2か月弱の夏の休暇でも、なり手がいないスウェーデンの教員不足問題

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 この投稿は、旧ブログの教員不足問題に関する投稿と共に、新たに書いて投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著「 医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム 」を刊行。是非ご一読を😊  教員のなり手がいない、担任なしで4月スタート、教員採用試験の倍率が過去最低といった声が日本から届きます。「 解説!スウェーデンの学校の先生の労働環境~8週間弱の夏の休暇の秘密 」だけ読むと、教員はさぞかし人気のある仕事だろうと思われた方もいるかもしれません。しかし、スウェーデンも日本と同様に、教員のなり手がいない、教員不足の国です。教員のなり手の減少は、おそらく世界的な流れではないかと想像しており、その要因は様々なものが考えられると思います。今日は、旧ブログの教員不足に関すると投稿と共に、2022年夏のスウェーデンの教員不足についてです。 スウェーデンの教員不足はいつから?  旧ブログを始めた時には、既に教員不足に関して書いていたので、2008年には報道されるほどの問題になっていたと思います。2010年の学校法改訂と学校改革により、教員免許制度が導入され、教員不足問題は、「教員免許有資格者不足」というより明確な問題となり、現在の日本の状況に似ていると思います。 なぜ、スウェーデンで教員は人気がない職業なのか?  複数の理由があると思います。スウェーデンでよく言われる理由を以下にまとめます。 スウェーデンで教員になっても儲からない、もとが取れない。 スウェーデンでは、大学の授業料は無料ですが、学生は、生活費や教科書代などを学生支援金と共に、学生ローンを組んで自分で支払います。18歳になると成人となり、基本的に親が面倒を見るということはなくなる文化です。教員はプログラムにもよりますが、3年半から5年半かかり、その間に背負うことになるローンに見合うお給料が、先生になってももらえないという状況でした。同じくらいの期間学ぶ、例えばエンジニアとか法律家に比べると格段にもらえるお給料が少なかったのです。今は少し改善されています。 労働環境が厳しい 。夏の休暇は長く素晴らしいのですが、学期中の労働環境は厳しく、事務仕事も増え、成績や評価、特別な支援や付加的調整、保護者対応、いじめや差別、不登校などへの対応など、勤務時間内に仕事を...

解説!スウェーデンの学校の先生の労働環境~8週間弱の夏の休暇の秘密

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この投稿は、旧ブログの2010年4月2日と2012年6月1日のものを更新して、再投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著 「医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム」 を刊行。是非ご一読を😊  8週間弱(7週間と6日)あった夏の休暇も、残り2日半になりました。ということで、今日は、スウェーデンの学校の先生の労働環境を解説!8週間弱の夏の休暇編です。  今日解説するのは、スウェーデンで私のように 「先生」 をしている人に適応される労働形態の話になります。学校で働いていても、教員ではない場合は、雇用形態が異なります。 1.スウェーデンの教員の雇用形態  スウェーデンの教員で最も一般的な雇用形態は、 「Ferieanställning (フェーリエアンステルニング=ホリデー雇用」 です。この雇用形態は、基礎学校と高校の先生のように学校がある学期中に仕事が集中する職業に適応されます。公立の学校の先生は一般的にこの雇用形態ですが、民営の学校の先生や先生以外の学校で働く人の雇用形態は、スウェーデンの労働者の主流である「Semesteranställning (セメステルアンステルニング=休暇雇用」の場合が多いです。 2.基本週45時間労働をするスウェーデンの先生  具体的な労働時間は、 週45時間 労働をしています。(スウェーデンのフルタイムは、週40時間。職種によって組合と雇用主の合意で、40時間以下の場合もあり。)教員は、このフルタイム労働を年度(8月10日くらいから1年間)で計算し、 年間1767時間 働きます。(組合の合意によって多少差がありますが、1800時間は超えません。)この、1767時間を、最高194日(1年)で働きます。 1767時間のうち、1360時間は学校で仕事をする決められた労働時間、授業時間や会議、準備などで週35時間が一般的です。このうち、月1回程度で入る全職員会議が夕方にあるので、この時間を除いて、34時間くらいになっている場合が多いと思います。  残りの407時間は、週に換算すると10時間を少し切るくらいになり、教員が家や学校などで、好きなように使える労働時間となります。この労働時間の内容は、何をどこでいつしたか、 報告義務は無い(管理職は聞いてもいけない...

スウェーデンの学校局が出した教員の労働環境対策

 日本のコロナウィルスで学校休校というニュース、スウェーデンでも話題になっています。日本全国の地方自治体がどのような対応をするのか気になるところで、その対応によって地方自治体の力というのが垣間見れる気がします。今日は、スウェーデンの学校局が今週出した教員の過重労働をいかに減らすかという対応策について書こうと思います。このブログ、その時の思いつきで書いているので、この内容の続きが聞きたいなどあれば、コメント、もしくはメッセージくださればと思います。じゃないと、次書きますとか書いてあるのに、次がない記事多いですよね。すみません。  教員の最も重要な仕事って何でしょうとスウェーデンの学校局に聞けば、「授業をすること」と返ってくるでしょう。授業をするということは、その準備をし、授業をし、評価などのフォローをし、次につなげていくという一連の作業を意味します。ただ、単に授業を行っている時間のみをさすのではありません。このブログを読んでくださる方はきっとこんな説明する必要ないのですが、このあたりなかなか理解されないことがあります。スウェーデンの先生たちも日本の先生同様に労働環境の悪化について問題としており、ここ数年は、教員のなり手を探すのが難しくなっています。その対策として学校局が出した策は、学校という組織の中に、教員以外の職種、 「先生のアシスタント」 とかを増やし、現在教員が行っている仕事を分担することにより、教員の資格を持っている教員がよりよい労働環境で授業に集中できるようにというものです。これに対する先生方の反応をSNSで見ていると、 そんなことをするよりも、教員を増やせ、クラスの生徒数を減らせ これによって、より一層1週間の授業時間数が増えるのではないか などといった声が上がっており、すんなりとこれらの対策を良しとはしていないという感じを受けます。では、具体的な策を見ていきましょう。対策は6分野に分かれています。 1.落ち着いて安心して学習できる環境  スウェーデンの学校は、一昔前の日本で「学級崩壊」という言葉がありましたが、そんな言葉が必要なクラスがあるくらい、もちろん程度にもよりますが、落ち着いて安心して学べる環境ではない学校もあるのが事実です。その対策として、先生のアシスタントなどに個別指導やグループ指導、休み時間の指導や、給食の時の巡回な...

実り多い夏の休暇に

 昨日は、スウェーデンの三大祭りのひとつ、夏至祭がありました。例年になく、好天に恵まれ、楽しい夏至祭となったことでしょう。私はというと、雑草の花粉が体に合わず、アレルギーで苦しんでおりました。あと1週間ほどの辛抱です。  6月12日に無事に卒業生を三名送り出し、いろいろあった今年度も終わり、水曜日から夏の休暇に入っています。夏の休暇前は、もう仕事をこなすのが大変で、これは私の性格のせいなのか、、、何なのか。。。こんな忙しい時期に、転職活動をこなしていて、かなりの数のインタビューを受けたのに、結局、条件に合わず、転職しないことに。おそらく、ふざけるなというような条件だったんだろうけど、私にとっては重要な条件がいくつかあり、今回は転職しないことに。  忙しいときはいろいろと重なるもので、この夏は、とんとんといくつか仕事のお話を頂きまして、うれしい限りです。仕事と書くと語弊があるかなと思うのですが、お金儲けの意味合いでの仕事ではないのですが、いろんなことを経験できることはよいことだと思い、母と叔母が来る二週間、スイスの学会に行く1週間の3週間を除いてすべて仕事をすることにしました。日本の方からすると3週間休めば十分って感じもしますが。。。そして、今年こそは、会社を立ち上げる予定で、いろいろと準備を進めています。ここ2年ほど構想にはあったのですが、いろいろと家庭の事情も重なり伸ばし伸ばしに。しかし、今年ことは、と思っており、ホームページもできればいいなあと思っているので、夏の終わりにはここで紹介できることを目標としてここに書いておきたいと思います。あと、書いている原稿があり、それらが出るときにも紹介できればと思います。  こうして、書いておくと、逃げられないぞーと自分に言い聞かせております。何せ、もとがダラダラとゴロゴロをこよなく愛する人間なので、有言実行で頑張らないと。。。年のせいにもさせていただけるならば、そうさせていただきたい。。。私だけかもしれないが。。。  ということで、コーディネートや通訳、教育や福祉などに関するリサーチなどのご依頼がありましたら、いつでもご連絡ください。メールアドレス:swedenpedagog@yahoo.co.jp  

スウェーデンの教員、有資格者率低下止まらず

 毎年出ているスウェーデンの学校の統計結果により、スウェーデンの教員の有資格者率が下がったという報告書がでてました。スウェーデン、教員資格を持った人はかなりいるんだと思います。でも、ほかの仕事についている人、結構多いんです。日本もそんな傾向になりつつあるようなこと聞きましたが、教員の資格を持たない先生が増えることは様々な問題を生み出すので、学校局、組合とも、問題視をしています。当然ですが。。。  数字で見れば、全体の有資格者率は昨年度の71.4%から、70.5%に下がったとのこと。義務教育の小中学校が減り、高校は多少増えたとあります。290あるコミューンでみると、179のコミューンで減ったとあるので、かなりのコミューンが有資格者を雇用するのに苦労しているのでしょう。ちなみに有資格者が最も少ないのは、特別支援学校の義務教育の部分である、小中学部。有資格者率は20%切っています。問題ですよねえ。。。最も有資格者率が多いのが0学年、就学前クラス。幼稚園教諭の資格を持った先生が幼稚園で働かず、ここに流れているので80%を超えており、有資格者が多いです。  この流れを重く見て、今から対処に当たらないと、数年後には、有資格者率がさらに減り、教育格差がさらに広がる危機感を各所明記しており、協力して何とかしなければという話がされています。よく言われるのが、資格ない人のほうがいい先生だった、教えるのが上手だったという言葉。もちろん、先生も個人差がありますし、医師免許持った医師すべてが名医でないのと同じで、教員も資格があれば、大丈夫というわけではありませんが、資格を得るために学んだ基礎がない人が職員の半数を占めれば、教育が成り立たなくなるでしょう。。。どんな対応策がされるか、興味深いところです。

スウェーデンの教員組合

 今週の水曜日は、教員組合の会議がありました。スウェーデンの教員は以下のどちらかの教員組合に所属します。日本で教員組合というと何をやっているのかよくわからない団体で、参加するとあまりよくないというイメージがあり、私が日本で働いていた3年弱の間かかわることはありませんでした。周りで入っている先生もいなかったような。。。  しかし、ここはスウェーデン。労働環境にはとてもうるさく、教員組合もとても重要な役割を果たしています。学校関係の組合で主なものは以下の通り。 Lärarförbundet(教員組合 ) 幼稚園教諭から成人教育、教会での教員、学校や就学前学校(幼稚園)の校長など、ほぼすべての「教員」が組合員になれる教員組合で、国内最大の教員組合。教員免許などの資格がなくても、学校で教員の職を得ていればいいため、幅広い学校関係者が組合員となっている。 Lärarnas Riksförbundet(全国教員組合) 上記の組合との最大の違いは、大学卒の有資格者のみで、校長などの管理職グループは入ることができない組合。 私は教員組合に入っていますが、一時期全国教員組合にもはいっていました。組合を変えた理由は、私の利用している銀行と提携を結んで、とてもいい住宅ローンを提示したので、主人と相談して組合を変えてローンを組みなおしました。この理由を教員組合に話した半年後くらいに同じ住宅ローン提携を結んだので、元の組合に戻りました。 このほかにも、 Friskolornas riksförbundet:私立の学校の先生の教員組合がありますし、校長たちには校長たちの組合もあります。保育士や生徒アシスタントなどは、Kommunalという組合になります。 私の印象ですが、生徒アシスタントなどの高卒の職業グループは、労働組合活動に熱心な人が少ないです。そのため、うちのようにかなり組合に入れる人はいるけれど、参加している人は少なく、何か職場で問題が起きると組合に連絡できないので、ちょっと残念化と思います。 教員組合は、教員の過重労働や給与問題、教員不足問題など、様々な問題を解決しようと努力していることもあり、教員のほとんどが加盟しています。私は就学前学校で働いていた時に転職をすることが決まっていた時期に給与交渉があり、園長のやり方を不審に思い組合に連絡したら、親...

2学期制か3学期制か

 明日はクリスマスイブ、こちらスウェーデンは、全国でホワイトクリスマスになりそうで、クリスマス一色となっています。私は、金曜日のお昼に仕事納めをし、のんびりとした毎日です。2週間ちょっとの休みはのんびり、読みたい本をたくさん読んで過ごす予定です。  さて、2学期制か3学期制か。。。日本の甥っ子姪っ子の通う学校は、岐阜の地方の小学校ですが、2学期制になったとかで、秋に1週間ほど、名前は忘れたのですが、休みがありました。長らく3学期制だった日本の義務教育も2学期制が増えているのでしょうか。アメリカ、日本、フランス、イギリスなどが3学期制の代表国ですが、スウェーデンは、2学期制を貫いてきました。そんなスウェーデンですが、ここ数年、3学期制にして、夏休みを短くしようという声があります。3か月弱に及ぶ夏休みを短くし、3学期制にして休みを分散することにより、学力を伸ばそうというものです。日本で2学期制となる声を聞きながら、こちらで3学期制の動きを聞くというのは、大変興味深いところです。  そんなことを考えている冬休み、年末です。やってみる価値はあるだろうが、今後、これが先生の労働時間や環境、仕事量にどのように影響を与えるのか、学力向上にいかに有効なのかなど、かなり議論が必要でしょうね。私立の学校とかで導入されそうな感じはしますが。  みなさんも、良いクリスマスを!

組織再編というスウェーデン文化

 あっという間に12月も半分過ぎ、今日は、第3アドベントです。スウェーデンのクリスマスについて、 スウェーデン企業スカニアのサイト に書きましたので、興味のある方は、ぜひ、ご一読ください。今学期も残り4日間、今年は仕事は金曜日まであるので、1週間しっかり働いたら、冬休みです。  組織が変わることは、スウェーデン文化といっても過言ではないかと思います。何年かに1回、何かしら組織が変わったり、名前を変えてみたり、ということをします。なので、「組織がかわったから」ということを理由にすれば、割と周囲の理解が得られるのです。そんなうちの学校も、またまた、組織が変わりました。😂😂😂  2年ほど前に、小学校の低学年の学校と一緒になっていたのを、特別支援学校だけの組織にし、新しい校長が着任しました。しかしながら、特別支援学校の高等部、高校にあたるところは、コースや教科の経営が難しく、1年半たち、分離され、高校と統合されることに。おそらくこれはよいことだと思われますが、しかしながら、高等部でありながら、私の働いているところはそのまま残ることに。こういった再編に振り回されるのは、慣れっこになってきましたが、やっぱり、疲れます。。。一応、高等部の第一教諭というふうだったので、来学期からはどうなるのかわからないし。まあ、いいのだけど。慣れるようで慣れないスウェーデン文化ってところかなと思っています。  あと1週間がんばろっと。。。

シリア人の同僚

 今年度、うちの学校には、5人のシリア人の同僚がきました。多分、政府の政策で、(って、こうやって書くと結構わかっていないことに気づく。。。😅😅😅)職業訓練とSFIが半分半分になっているそうです。スウェーデンに来て数年の方が中心で、いろんな職場に派遣?されてるようです。私にも一人シリア人の同僚ができました。うれしいです。その方に今日質問をされました。 「何年くらいで、すらすらスウェーデン語書けるようになった?」 と。結構難しい質問です。はっきり覚えてないし。。。パソコンだといいのだけど、結構手書きもあって、そういう時は綴りとか、いまいちだったし、前置詞もいまいちだったし。そのたびに同僚に聞いては教えてもらい、前置詞なんかは、同僚たちが議論し始めてしまって、結局どっちでもいいのかとなったり。今では楽しい思い出です。 質問には、 「もう17年住んでいるから、8年目くらいからかな、楽になったの」 と答えました。この方も働きだした8月ごろは、スウェーデン語が分からなくて大変だったけど、今は、理解はよくできると話してくれました。少しずつでいいと思うと話しました。聞けるようになって、話せるようになって、読み書きが最後のような気がします。 私は、スウェーデン人がほとんどの職場で働き続けているので、いろいろと学ぶことがあって、興味深いです。スウェーデン語が分からなくても、本当によく頑張っていると思います。学校で働いて、そのあと、夕方から学校でスウェーデン語を学ぶそうで、ほとんどの方が家族がいるので、そういう中で、みんなよく頑張っていると思います。

人生は取捨選択

 私の職場で、今一番ホットな話題は、ズバリ職員の配置です。この話題に、私は辟易しております。このことを考えると、もしも転職するならば、同僚が休んでも、あまり仕事に支障がない仕事に就きたいと思うくらいです。少し詳しく書くと、 スウェーデンでは、子どもの病気看護休暇や病気休暇が一般的で、同僚が時折休む。 学校という場所は、子どもは毎日登校してくるので、同僚が休むと、代わりの職員を準備するか何かしないと回らない で、就学前学校で働いていたときなんかは、代わりの先生に連絡してきてもらうというのが一般的だったのですが、特別支援学校は、かなりの数の職員がいるし、その上、生徒が時折、病気や病院や福祉器具センターに行ったりして、学校を休むので、そうなると職員の配置換えが前日や朝に行われるのです。これが、問題でして、ここ数週間いつも以上に悩まされております。。。  私の生徒たちは、どちらかというと休みがちなほうで、そうなると私の同僚は、違うクラスや違う学校に移動しなければならず、それをあまり好まない方がいるわけです。お隣の学部では、逆に子どもが小さい職員が多くいて、やはり休みが増え、そうなるとそっちに移動してもらうのですが、まあ、それがいろろある。。。で、こっちには嫌な顔され、あっちでは感謝され。。。時々は逆で、あっちに嫌味いわれ、こっちでは喜ばれ。。。ま、どっちにしても、両方喜ぶことはないわけで。。。人生は、何を選択するかだと本当に思います。取捨選択、、、両方手に入れることができることはめったになく、賢い選択をしたいと思うのですが、結構な確率で外しています。 と、日常を書いてみました。

スウェーデンといえば、これです

 木曜日に終了式があり、今年度が終わりました。生徒たちは夏休みに入り、私も昨日はのんびり会議の日で、月曜日に一つ会議を終えたら、夏季休暇に入ります。今年度は、今まで働いてきた中で、最もカオスな年だったように思います。私は、2月に同僚を失ってから、なんとか走り続けて今学期を終わらせたけど、最後のほうは、息切れ状態でした。それでも、何年か前のように、スウェーデンで働くのはいやだーというような感情よりは、まだまだ学ぶことがたくさんあると思いながら、今年度を終えれたので、よしとしましょう。  スウェーデンといえば、これですって、何がって、感じですが、スウェーデンを知る人ならば知っていると思われる、組織替え。スウェーデンでは、システム変更、よくあります。うちのコミューン、学校もしかり。。。私は今の学校9年働いていますが、働き始めたときは、特別支援学校は一つの組織でした。数年たって、小学校と一緒の組織にされて、この秋から、また、特別支援学校だけの組織に戻されます。上が変わればとかそういうものでもなく、ほんとによくある、この組織替え。振り回される現場は大変です。😓この組織替えに伴い、校長選択なども滞り、どうなることかと思いましたが、何とか新しい校長先生が決まりました。そして、バタバタする中で、やっと小中学部の移転先も見つかりました。この一連の状況を見ていて、こうなるんだなーと、妙に感心してしまった私です。    それでも、昨年のようにバタバタいろいろ動き回るのではなく、それぞれの立場の人がそれぞれの仕事をするべきであるという姿勢でのぞむと、動かないところもあるけれど、何とかなるから不思議です。職員の愚痴も増えるし、不満も増えるけれど、それぞれが何とかしようと努力し始める感じです。それなりにうまく回っている時とは違い、誰から見ても、どうにもならないくらいカオスだと、不満がお互いに向かないというのもあるかとも。  今回の組織変更がどうなっていくのか、今後が興味深いです。新しい校長先生も楽しみだし。長らく、私を支えてきてくれた副校長が定年退職を迎えたことは大変感慨深く、泣けてきました。一緒に行った日本の姉妹校訪問を思い出します。人生とは移りゆくものであると感じた1年でした。    今年の夏の休暇は、結婚して初めて、一人で1か月日本に帰ります。落ち込んでいた私に、主...

夏の計画

 日本週間が終わり、イースター休暇も終わるという頃になって慌てたのが、日本行きをどうするかでした。本当は、主人と主人の親友を一緒に日本に行くことになっていたのですが、人生いろいろあるのが常なので、結局、予定は変更され、なんと私だけ、1ヶ月も日本に帰ることになりました。1ヶ月も日本に帰るのは、ものすごく久しぶりです。結婚してからは最長3週間だったので、しかも、1回3週間帰ったら、主人がこれからは2週間でいいと言ったので、その後は常に2週間。一人で1ヶ月って、何すればいいんだろうかと思ったくらいです。  とりあえず、バタバタしながらも飛行機のチケットを買いました。そこで、まず、大満足。これで終わってはいけないと、思いついた人々に帰国しますよメールを送りつけ、なんと、嬉しいことにみなさん返事をくださる。。。ありがとうございます。せっかく1ヶ月も帰るので、日本を離れて長く、もう現状がわからない日本の特別支援教育の勉強ができないものかと考え、ツイッターやフェイスブックで情報収集、恩師や、同級生にもメールでアドバイスをお願いし、現在計画を立て中です。    私はどちらかというと日本の夏よりもスウェーデンの夏が好きで、家でダラダラ過ごすのが一番と思っているのですが、今年は日本にそろそろ帰らないとと思っていました。理由は、自分の日本人としてのアイデンティティの確認が必要かと思ったから。スウェーデンで長く暮らし、職場がスウェーデン人だらけで、その社会に染まっていると、大抵のことはうまく流れるし、いいのだけど、今年はいろいろあって、自分が周りのスウェーデン人とはちょっと違うとかなり自覚し、(当然なのだけど、でも日々忙しいと気がつかない。)自分のルーツに帰りたいと思った次第です。特別支援教育に関しても、日本人といえば、日本のことを聞かれるし、比較してとか質問されますが、日本を離れて15年も経つと浦島太郎で全くわからない。。。  例えばだけど、未だに慣れないスウェーデン文化が、あのイースターとかちょっと長い休み明けに繰り返される「挨拶のセレモニー」。 休み明け、同僚たちと、ハグをし、 「休みどうだった?」 「楽しかった」 「元気?」 「元気よ」 この一連のセレモニーを何人とも繰り返します。疲れる。。。私はこの人という人ならいいけ...

生徒アシスタントと先生アシスタント

 愛犬ヨッシーがぎっくり腰になり、驚きの週末です。フレンチブルドックには、よくあることらしいけど、突然泣き叫ぶお犬様にオロオロするばかりです。痛めどめを飲んで、食欲も戻り、あとは無理をしなければ良くなるはずなので、それを願うばかりです。  ツイッターを覗いていると、スウェーデン、ついに1000万人に人口がなったようです。おめでとう、スウェーデン!そして、アメリカでは、トランプ大統領誕生しましたね。大統領の就任演説、ここまでしっかり聞いたの、初めてかも。。。アメリカの情勢にイギリスのEU脱退、世界情勢の不安定とグローバル化の歪みは、将来の不安を通り越してして、理解の範疇に無くなりつつあります。。。  今年は日本週間できないのではと、知人に聞かれるくらいゴタゴタしている学校ですが、今年も日本週間します!まだまだ、ボランティア募集していますので、興味のある方は、ぜひ!詳細は こちら を。  先日まで、冬休み中に書けなかった大学院の課題をこなしていました。母たちが来る前に仕上げようと思っていたのに、検査局の書類が舞い込み、ほぼ書き上げた!という時に、コミューンの担当者からさらなる質問が。。。そんなこんなで予定以上に時間がかかりました。今回の課題は、権力のプロセスと配分について。私は、自分の職場の中から、Elevassistent(生徒アシスタント)として働く人たちの権力プロセスと人生の選択について書きました。生徒アシスタントは、このブログでも何度か取り上げているけど、うちの学校では、私のような教員に生徒アシスタントが数名ついて、生徒の教育に当たっています。私には、現在4名のアシスタントがいて、その方達と一緒に日々の教育に当たっています。特別支援学校の場合、この生徒アシスタントが最もグループとしては大きくなります。  生徒アシスタントになる人たちの多くは、女性です。フルタイムでも働けますが、学校のある時間に合わせて75%との場合も多く、労働時間も8時くらいから16時くらいと子供がいても働きやすい時間になっていることもあり、女性が大半を占めています。年齢層はばらつきがありますが、小学校などのアシスタントは若い人が多く、特別支援学校では、年齢が上がって来るように思います。学歴で見ると、高卒の方が多く、保育士さんや准看護師のような介護士系の資格...

カオスな学校

 あっという間に12月になりました。今学期も残り2週間半になり、普通のならホッとしていてもいい時期なのですが、今年は違います。職場である学校は大騒ぎで、カオスです。理由は、、、なんと、学校の一部の床下と壁に黒カビが繁殖しているということがわかり、小学校の6クラスと特別支援学校の1クラスが避難しなければならないという事態に。。。これまでも、うちの学校は、アレルギーを訴える先生が結構いて、私は、あんまりそういうのに敏感じゃないので感じないのですが、敏感な人は、建物の中で使えない部屋まで出てきていたのです。そのため、大規模な検査が行われ、今回の結果が出ました。  私が日常使っている教室は、他のところより少し遅く建てられたこともあり、あまり問題ないのですが、特別支援学校の1クラスが、高等部のすでに満杯の狭い教室に入り込み、どうやって学校運営をするか、話し合いが。。。小学校は、親が大騒ぎで、説明会も行われ、来週の半ばに避難することが決まり、子供達は遠足に出かけ、その間に全てを動かすことになっています。  どこまでブログで書いたか忘れたけど、今年の1月から雇われた新しい校長は、すでに辞めていて、代わりの校長が10月半ばにやってきたんですが、校長代理と教頭で、この非常事態に対応しており、てんてこ舞いです。  これだけだって十分なのに、次々と長期の病気休暇のアシスタントが出て、その数現在、4名。。。これに子供の看護だの風邪だとかで職員休むので、職場はすごいことになっています。ここまでくると、開き直りで、私は割と余裕があるのですが、毎日、同僚の1名は、パニクって、ぎゃあぎゃあ騒ぐので、それに付き合うのも大変です。そんなこんなのうちに、なんだか、私たち高等部も引っ越すかもしれないということで、春学期、一体どこで授業を行っているのか。でも、車椅子の生徒が多いので、リフトがないと授業ができません。そのため、きっとそんなに早く引越しにはならず、おそらく来年度からでしょうね。街の中心部に移動できるといいなあ、と同僚とワクワクして話しております。  私が一人で焦っているのは大学の課題で、1冊目の本の内容が難しく、解読するのに、通常の3倍ほどかかり、それでも、内容理解したかどうか怪しい。。。もう少し落ち着いて勉強できるといいのですが、なかなかそうもいかない毎日です。質問や問い...

批判だらけの政府の教員給与政策:Lärarlönelyftet

 秋休み中です。雪が少し降って、なんだか冬らしくてとてもいいと思うのは、勤務先が家から近く、車に乗らなくていいわたしだけで、多くのスウェーデン人たちは、大慌てで冬タイヤに変えています。同僚が、「このあたりは、スウェーデンでも冬タイヤにする必要がなかったんだよ」というので、「その車は、馬という動力を使っていたのか」と返すと、大笑いでしたが、本当にストックホルムあたりで冬タイヤを強制するようになったのは結構最近のことらしいです。  年度始めは毎年バタバタしますが、今年は校長が病気になり変わったり、他にも理由があって、ドタバタ感が満載でした。それでも、秋休みになると、山を超えた感じがします。書きたいことがいくつかあるのですが、とりあえず、批判だらけの政府の教員の給与政策について書こうと思います。 「 Lärarlönelyftet 」と呼ばれている政府の教員の給与政策、目的は、教員免許を持っているなど、ある一定の能力のある教員、幼稚園教諭、学童教員のお給料を上げるというもので、今年の7月に始まりました。一番の目的は、教員という職業のお給料をあげることで職業をより魅力のあるものとし、多くの人が教員になろうと思ってくれる、教員を続けようと思ってくれることと、学校の教育成果を伸ばすことにあります。この考えは悪くはなかったのですが、30億のお金を約6万人の先生にわける方法が、どうも問題だったようです。わたしにもこの情報は7月に開始されるということで、その頃にメールで「こんな人がもらえます」みたいな条件を書いた紙が送られてきました。結構な条件が書いてあり、例えば、教員免許を有することや週に何%以上生徒に授業をしていることなとが上がっていました。 この給与対策、ものすごく批判が集中していて、フェイスブックや教員情報メールでは、旬の話題といった感じ。もらえた人はいいけれど、もらえなかった人が不平等だと仕事を変えたり、職場を変えたり、教員やめたり。。。スウェーデンらしいのが、うちの職場では話題にならないこと。仲の良い先生とチラッと話すことはあっても、もらえなかった人がいることがわかっているので、あえて話題にしない。。。 何が問題かを整理していくと、 コミューンのトップが政府に申請してもらえるお金なので、スウェーデン中のコミューンで条件が違う。これにより、申請し...

外国で仕事をしていると実感する瞬間

 喜怒哀楽の激しかった新年度も徐々に落ち着きを取り戻したかと思いきや、アシスタントの一人が、車椅子の生徒が多い私のクラスでは腰が痛くてやっていけないと言い出し、数週間のうちにメンバー交代の予定。さすがに9年目にもなるとこんなこともへっちゃらになり、「はい、そうですか。」と言える自分を褒めてあげたい。  バタバタの毎日に嬉しいニュースが入ってきて、姉妹校の交流でうちの学校を訪問してくれた広島の学校の生徒さんが大学に受かったというメールが届きました。自分のことのように嬉しくなりました。スウェーデンに来てくれた時も、広島を訪れた時も、いろんな話をし、努力している姿に学ぶことが多くありました。このニュースとともに、姉妹校のプロジェクトが思い出されました。  今日が9月11日。アメリカのワールドトレードセンターのテロがあった日ですが、この日の数日前にスウェーデンに到着した私は、このニュースを知り合ったばかりの友人たちから聞いて信じることができずにいたことを思い出します。あれから、早15年。スウェーデンで働くようになってから、もう10年以上が経ちますが、ここに来て、久しぶりに外国で働いているんだと実感することが多々。。。  なんとなく、こちらでのアイデンティティを確立し、それとなく過ごせている時もあれば、そのアイデンディティに、自分の中ものものと外のものとのズレが生じ、「ここは、外国だなあ」と思わされる時があります。あんまり詳しく書けないけれど、ふと、思うんですよね。例えば、上司から頂いたアドバイスとか。面白いので書いてしまうと、働き始めた頃にもらったアドバイスが、 そんなに頻繁に「ごめんなさい」と言ってはいけない でした。深刻な感じじゃなく、アドバイスよーと。「förlåt」は言うべきじゃないと。確かに口から出る回数多いし、実際にはそんなに思ってないからね。 今回頂いた面白いアドバイスが、 あなたにしか言わないけど、もっとエゴイスティックになるのよ! でした。他の人には言えないけどと、念を押されましたが、どうなんだ、このアドバイス。。。ま、学ぶことの多い毎日です。  生徒の一人が、思わぬ変化を見せており、その対応を悩んでいます。毎年同じような感じになりそうでならないのが教師という仕事の醍醐味だと思い、頑張ろうと思います。  ...

ストレス軽減を目的とした新しいスウェーデンの労働環境法

「 増加の一途をたどるストレスによる病休 」と「 病気でも仕事をするスウェーデン人増加中 」の続きです。2016年3月に施行された新しい労働環境に関する法律があります。この法律ができるぞ、できたぞっという時は、私の職場でも話題になりました。今までよりも、雇用主の義務が厳しくなるので、管理職は不安そうだったし、職員は、ストレスフルな労働環境に対する文句が溜まっていたので、今だという感じでした。  どんな新しい決まりができたかというと、 仕事の責任や量に関して:雇用主は仕事内容とそれに対する条件を整えることと。例えば、仕事の量を減らす、優先順位を変える、仕事の内容に変化をつける、人員を増やす。 労働時間:雇用主は、仕事の計画段階で健康に影響を与えないように配慮しなければならない。休養/回復の可能性を含んだものとする必要がある。 いじめ:雇用主は、職場での差別的、虐待的な行為を許さないことを明確にし、揉め事やいじめなどが起きないように対策をしなければならない。 というものです。スウェーデンには、こうした労働環境に関する文書が80ほどあり、その中の一つになります。ストレスによって病休を取る人が増え、特に長期で取る人が増え、その経済的なコストが政府の予算を圧迫してきているために、雇用主がもっと責任を持って対策を打たないと、長期病気休暇の際の雇用主の負担も増やすぞと半ば脅しをかけながらの今に至ります。  この法律が学校関係で、どのように影響を与えるかというと、学校は毎年度生徒が変わるし、労働の条件が変わってくるので、上記の項目を一度見直したらおしまいというわけではなく、常に見直していく必要性があるとあります。雇用主に対する義務が明確になったわけですが、もちろん働いている人々にも不満や心配ごとを感じた時に上に伝える必要があるともあります。相互関係が重要ですし、学校などは上は現場の状況を逐一知ることはできないので、何かあれば、伝えることが重要であると思います。  こういった法律によって、どのくらい職場が改善されるものか興味があります。確かに組合関係の人は上に強く言う場面はありますが、どのくらい効果を発揮するんだろうかと。今回の記事では、違反の場合については書かれていないので、今まで通り、労働環境の問題は労働環境局に訴え、その後罰金という...