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スウェーデンの外国ルーツの子どもの支援 オンライン講演会のお知らせ

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  夏の休暇の時間に余裕がある間に、スウェーデンにおける外国ルールの子どもの支援に関して、2回に分けて、お話をさせていただきます。数年前から活動に少しずつかかわってきた、 日本のNPO団体「HATI JAPAN」 が行う、日本語教育と特別支援教育をつなぐ会の代5回と16回になります。詳しい内容と申し込みは、 こちらのリンクより。   何年か前にも一度お話をさせていただいたのですが、その時に話しきれなかった内容を今回は2回に分けて詳しくお話しする予定です。第1回目の7月8日は、新規にスウェーデンに入国してきた子どもに対する支援をお話しします。2回目の9月9日には、新規入国ではない子供たちの支援の様子をお話しする予定です。  スウェーデンの場合、特別支援教育の中に、日本語教育を含めた移民難民の児童生徒が抱える困難さも含まれています。これは、特別支援教育が、「障害」という枠の中ではなく、「その子が持っている力を最大限に伸ばすことができない状態」において行われるものであるという考えによります。  今回のオンライン講演会では、スウェーデンの教育システムをあまり知らない方にもわかりやすいようにお話ししながら、どのようにスウェーデンでは、移民や難民の子どもたちに対応しているかをご紹介しますので、興味のある方はぜひ‼

東京大学インクルーシブ教育定例研究会:1月29日開催「文科省調査、発達障害8.8%をどう理解すればよいか」

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  先日、「 東京大学バリアフリー教育開発研究センターの12月のインクルーシブ教育定例研究会 」の動画を見た感想をブログでまとめました。その時に、次回のお知らせ届いたら、ここでも紹介しますと書きました。今日、次回の開催の予定が届いたのでこちらでもご紹介します・次回は、1月29日9時から11時開催で「文科省調査、発達障害8.8%をどう理解すればよいか」というテーマで、講師は石川憲彦先生です。詳しくは、 こちらのリンク より、申し込みサイトに飛べますので、ぜひ、ご覧下さい。無料で、いつもすごく内容が濃い、おすすめの会です。今回も申し込み殺到しているようで、増席されて2000席になっています。私はライブで見れないのですが、いつもちゃんとアーカイブを送ってくださるので、海外でも安心です。是非皆さんも一緒に勉強しましょう!

東京大学バリアフリー教育開発研究センターの12月のインクルーシブ教育定例研究会

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 冬休みに私がしたいことの一つが、たまりにたまっている動画を一つずつ見ていくことです。オンラインの会で、アーカイブ配信があるものは、できる限り申し込んでおき、見れるときに見て勉強しています。その中の一つが東京大学のバリアフリー教育開発教育センターが行っているオンラインのインクルーシブ教育の勉強会です。時間が合えば、ライブでも参加しますが、時差もあり、最近は動画を後で見て勉強しています。無料でここまでの内容を定期的に行うことは容易ではないと思うので、いつも素晴らしい内容に感謝して勉強させてもらっています。まだ、参加されたことがない方は、是非試しに参加されてみるとよいと思います。次回の案内があったら、インスタとブログでも紹介しますね。  今回は、12月のインクルーシブ教育定例研究会の動画を見ての感想や思うところを少しまとめて記録しておこうと思います。12月4日に行われた会のテーマは、 「来年度からのインクルーシブ教育はどうなる?4.27通知について文科省の人に聞いてみよう」 東京大学バリアフリー教育開発研究センターのホームページより でした。この会は、4月に出された文部科学省からの「特別支援学級及び通級による適切な運用について」という通知をもとにしたもので、文部科学省の初等中等教育局特別支援教育課長の山泰造さん、障害当事者の保護者を2名のか招いての勉強会でした。思うことはたくさんあったのですが、5点、動画を見て数日たった後に書いているので、少しうろ覚えのところもありますが、記録して共有しますので、感想などあれば、是非。 1.インクルーシブ教育は「場の統合」どまり  話を聞いていて、説明が、これって「場の統合」どまりだよね、っと思うところが何回かありました。その説明では、本当にインクルーシブ教育なんだろうかとか、分離教育の考えが根強いなあと思いました。インクルーシブ教育は、理念が重要というか、基盤となる考えがしっかり理解され、共有されることが重要だと思っており、その面からもどうなのだろうかと疑問を持ちました。場の統合を考えるなら、特別支援学校は、小中学校の中、もしくは隣にするといいと思います。  あの4月の通知ですが、この通知のみしか知らないのですが、通知と同時に何かしらの手立てが打たれたのならば、説明にあったような通知の意図が理解できますが、その通知だけなら、こうして大...

インクルーシブ教育公開研究会に参加して

    オンライン座談会に参加してくださった方から、東京大学大学院教育学研究科付属のバリアフリー教育開発研究センターのインクルーシブ教育公開研究会というのがあるよと教えていただきました。ということで、今日参加して思ったこと、考えたことを書き留めておこうと思います。オンライン開催は、海外在住者にとって、大変ありがたいです。参加したのは以下です。続編が9月26日に行われ、内容は、日本国内のコロナ禍とインクルーシブ教育となるようですので、興味ある方はぜひ。 第11回 インクルーシブ教育公開研究会 コロナ禍のインクルーシブ教育――世界の学校でいま問題となっていること  講師: 崔栄繁 講師は、DPI (Japan National Assembly of Disabled People`s international)日本会議の 崔栄繁さんでした。前半は、そもそもインクルーシブ教育とはという概論の話でした。この部分は新しい内容はなく、大学で勉強した内容に一致するものでした。日本語で日本の状況と照らし合わせながら話を聞けるというのは、勉強になりますし、ユネスコの最新のグローバルエディケーションモニタリング(GEM2020)を取り入れて話してくださるのは、大変勉強になります。GEMレポート2020の中では、 私たちがみんな共通して持っているものは「違い」 であると。その違いには、ジェンダー、年齢、移住地、貧困、ハンディキャップ、民族性、先住民性、言語、宗教、移民や避難民という立場、性的思考や性自認、性表現、投獄経験、信念、態度などがあり、この「違い」を認識し、目を向けるというのは、スウェーデンでは重要な点として伝えられており、「違いは、互いを豊かにする」といわれます。私は、「スウェーデン人と同じようにすること」に努力を図ってきましたが、パートナーに、そんな無駄なことに時間を使う必要はないとよく言われました。私が持っている違いを良さとして、まず自分が捉え、そして、自信をもって生きていくことで、その違いは、多様性として、互いの人生を、社会を豊かにするのでしょう。 正常と異常、特別 ここも重要な点であると感じます。よく大学で議論したなあと思いだして話を聞いていました。何を正常とし、異常とするかは、社会や文化にあり、そこを作っているのは、生きている私たちであ...

全国障害者問題研究会オンラインの夏の大会

 いまいちな天気が続いているこちら、スウェーデン、このまま夏が終わってしまわないことを願うばかりです。  先日お知らせました、「 デンマーク、スウェーデン、アメリカの特別支援教育を語る会 」引き続き、募集しておりますので、お時間許す方、ぜひ!言語は日本語で、3人とも実際の現場で働いていますので、現場の話と皆様からの質問などをもとに話ができればと持っています。詳細は火曜日あたりに、このブログでもお知らせしたいと思います。  今日は、全国障害者問題研究会の夏の大会のお知らせをしたいと思います。本来なら、北海道、旭川で行われる予定だった大会ですが、コロナウィルスの影響を受け、今年はオンラインで行われます。北海道に9月に行くことは大変難しかった私ですが、いつか参加してみたいと思っていた全国大会に、こんな形で参加できることになり、皆様にもご紹介させていただければと思ったのです。  全国障害者問題研究会、通称全障研は、1966年に結成の呼びかけがなされ、その後、1967年に、障害の種類や程度、また職業や立場を超えて、障害者の総合的権利保障を目指し活動する研究会として結成大会が東京で開催されました。障害者の権利を守り、発達を保障するために、理論と実践を統一的にとらえた自主的民主的研究活動を発展させることを目的としています。( 全障研ホームページより )  私も数年前から、北欧の研修ツアーの際に関わらせていただくなど、お世話になっており、その活動を知れば知るほど、その真剣で地道な取り組みに、こうした会の力というのは大変大きく、重要であると感じています。  今年の夏の大会は、例年と比べると、ぎゅっと凝縮された感じになると思うのですが、会の活動を知っていただくには、ほんとうによい機会なのではないかと思います。(と参加したことがない私が言うのもなんですが。)  詳細は、 全障研のホームページから になります。 日時:2020年8月9日(日) 13時から16時 内容は全大会とミニ学習会の2部 (以下大会案内頁より) 全大会 全障研全国委員長 越野和之あいさつ 北海道大会準備委員長 二通 諭あいさつ 基調報告 常任全国委員会      * 基調報告(案)をご参照ください 北海道大会特別公演(予定)演劇「どんぐりの学校」紹介 特別報告  乳幼児期=福祉広...

スウェーデンの学校教育の歴史に触れる展示

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 スウェーデンの学校教育に興味がある方にオススメの展示が、ストックホルムのミュージアム島、ユールゴーデンにある、 Prins Eugens Waldemarsudde museum で行われています。先日、日本週間に参加してくださった方と一緒に見に行くことができました。思っていた以上に見応えのある展示で、とても楽しかったのです。残念ながら、展示は、ほぼスウェーデン語でしたので、多少なりともスウェーデン語がわかった方が、楽しいかなと思います。  「 En sagolik skola - Folkskolan 175 år  (素晴らしい学校ー国民学校175年」と名付けられた展示は、今年、スウェーデンのすべての子どもが無料で学校に通うことが決まり、国民学校が創設されてから175年たったことを記念して、教員組合(Lärarförbundetの方)と先生の財団が協力して開催しているものです。ストックホルムを皮切りにスウェーデン全土で今後、順番に展示が巡回して行くことになっています。ストックホルムは、5月21日までの開催で、その後、カルマル、クリスティアンスタード、マルメ、ウーメオー、ファールン、カールスタッド、エステルスンドと2019年8月まで開催されます。  Prins Eugens Waldemarsudde美術館は、ストックホルムにある美術館の中でも、最も美しい美術館のうちの一つに挙げられる美術館で建物を見るだけでも楽しいです。今回もテーマ展示が複数行われおり、学校教育の展示は、本館の2階にありました。映像でスウェーデンの教育の歴史を振り返った後に展示を見て行きました。展示会場は、たいへん多くの人々で賑わっており、おそらく先生をしているか、学校教育に関わっている人、関わって来た人が多いなという印象を受けました。 175年前に国民学校が始まった頃の様子がまとめられていました。当時は教会と深く結びつきがあり、教科書には聖書も使われていたとあります。体罰が行われていたことを示す展示もありました。教師の数が足らず、午前と午後に分かれていたり、上級生が下級生の面倒を見るグループなどがあった時代もあったとありました。 砂のノート。砂に字を書いて練習し、消しては使いました。順番に、 スウェーデンの学校教育がどのように民主主義の道を辿って来...

「Kristina från Duvemåla」に見るスウェーデンの移民の歴史

 スウェーデンは秋休みに入っています。私は、月曜日と火曜日にアシスタント向けの研修を受け持ち、水曜日は、学校統一の研修を受けてきました。アシスタント向けの研修の準備は大変でしたが、好評だったので、詳しく書いてもらったアンケートなどを読むのが楽しみです。水曜日は、今スウェーデンの学校で注目されている、「lågaffektiv bemötande(感情に注意を払った対処の方法)」の研修でした。うちの特別支援学校では、もう3年ほど前から取り入れているんですが、春先に出た小学校向けの本をもとにした研修が行われました。感情に注意を払った対処方法を書きましたが、子どもたちが持っている成長過程での感情に表出に注目し、その感情の波を周りの大人の対処法によって緩和する方法で、私は、効果の高い方法であると思っていて、今までも自分の生徒に多く取り入れてきました。  前置きが長くなってしまったのですが、秋休みということで、ずっと見たかったミュージカルを見てきました。スウェーデンに移住した頃、親友がこのミュージカルのCD3枚組をプレゼントしてくれて、その当時、よく聞いていました。いつかこのミュージカルを見たいと思っていたので、とっても感慨深かったです。  ミュージカルの名前は、「Kristina från Duvemåla」で、1995年にABBAのBenny Anderssonによって音楽が作られました。とにかく音楽はその才能を感じるもので、移住したばかりでスウェーデン語がわからなかったのに、ものすごく気に入って何度も何度も聞いていました。ミュージカルの元は、スウェーデンの有名な作家、Vilhelm Mobergの「Utvandrare(移民)」シリーズ。現在多くの移民、難民を受け入れているスウェーデンですが、国が貧しく多くの人々が国から逃げて行ったのは、そんなに遠くない昔の話。そんなスウェーデン人が、生活の厳しさから、他の国を目指して行った話であるこのミュージカル、難民問題を抱えるスウェーデン社会に一つの考えをもたらすものであるとテレビやニュースでも取り上げられました。  以下のサイトで、ヨーテボリオペラでの映像が見れます。 https://www.youtube.com/watch?v=g1JMY_XVABk   何と言っても、この 「Guldet blev til...