まず、結果を見ていくと、スウェーデンの15歳の生徒たちは、OECD加盟国の平均をどの分野でも上回っており、この結果が2006年の結果と同じ水準に戻ったということです。ご存じの通り、PISAの学力テストは、読解力、数学、自然科学の3分野で行われます。
読解力:2018年は506ポイント、2015年500ポイント、2012年483ポイントで、わずかですが、2015年の結果よりも上昇しました。OECD加盟国の平均値は487ポイント。ちなみに日本は504ポイント、お隣フィンランドは、520ポイントでした。
数学:2018年は502ポイント、2015年494ポイント、2012年478ポイント。OECD加盟国の平均は489ポイントでした。数学は日本がトップで527ポイント、フィンランドが507ポイントでした。デンマークは509ポイント。
自然科学:2018年は499ポイント、2015年493ポイント、2012年485ポイント。OECD加盟国の平均が489ポイントでした。こちらも日本は高く529ポイント、フィンランドが522ポイントでした。
男女間の学力差が見られたのですが、こちらも多少回復したようです。しかしながら、北欧の国々の中では、最も教育システムに平等さが欠けているという結果となり、こちらに関しては大きくその後も話題となっています。
また、最も大きな問題とされているのが、学力テストから除外された生徒のパーセンテージ。PISAの学力テストは、以下の条件に当てはまると、テストを除外され、統計から外されます。その条件とは、
- 中度、もしくは重度の永続的な肢体不自由がある場合
- 認知行動的、もしくは、情緒的な障害がある場合
- スウェーデン語を母国語としない、スウェーデン語の知識に限界があり、スウェーデン語の授業を1年受けていない場合
この条件により、テストから除外された生徒が、今回は、約11%と、平均的な4%をかなり上回っているのです。この理由として、2015年に難民をかなり受け入れたことが挙げられています。平均値よりもかなり上回っていることに、今回の結果が、前向きなものであるとしながらも、その問題点を指摘する声が後を絶ちません。
今回は、この説明でもなんとか乗り切れるだろうが、3年後に同じ説明はできないため、今後更なる抜本的な改革をさらにしていく必要があると思われます。学校間の差をいかになくしていくか、という大きな課題に対する、教育大臣の考えを次回はまとめてみたいと思います。