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スウェーデンの学校の宿題事情

 新学期が始まって2週間ほどたち、金曜日は学校総出で近くの島に遠足に行ってきました。雨が少し降りましたが、たいしたことはなく、楽しい1日になりました。夜は、姉妹校の先生が遊びにくるということで同僚たちと食事にと盛りだくさんです。  今日はスウェーデンの宿題論議について。夏前に新聞で宿題についての特集が組まれました。私は特別支援学校で働いているため、宿題に関しての議論に実際に参加することは少なく、併設する小学校の先生方の話を聞きながら頷く程度です。うちの小学校では、昨年だったかに宿題を学校で行う時間を設けたので、その時はかなり白熱していました。  宿題についてスウェーデンの法律などではどうなっているかを見ると、 宿題に関して記述した法律やルールなどはないが、学校法には、義務教育は土日や祝日に学校活動を行うことを禁止しています。また、授業日であっても1日8時間以内と定めています。(低学年は6時間まで) 「宿題」といってもいろんな形があり、定義はなく、いわゆる復習型と予習型に加えて、遅れを取り戻すためのものの3種類くらいが一般的。 昨年教育庁の方から宿題に関する指針が出された。  スウェーデンの宿題に関する議論で私がスウェーデンらしいなあと思うのは、宿題は「平等でない」という点。生徒の家庭環境は様々なので、宿題を手伝ってもらえる子供もいれば、全く手伝ってもらえない子供もおり、それが学校の成績に影響するのは不平等であるという点。これはその通りで、 宿題を自分でできる子供は、親も気にしないし、子供も気にしない。おそらく学校の勉強もついていけている 家庭で宿題を見てもらえる子供は二通りあり、やりたがらない子供に苦戦しているかしていないかで変わってくるが、それでも、見てくれる親がいるだけよくて、学校の勉強にもなんとかついていけているだろう。。。 そして、宿題を自分ですることができず、家庭でも見てもらえない子どもたち。この子たちが宿題によって受ける不平等は計り知れないだろうと思う。そんな宿題によって成績が左右されてしまう。。。 新聞のシリーズは何回かに渡ったのですが、その中でも研究者たちの言葉にあった、 「宿題の質と内容をしっかりと議論することが重要だ。」 という点。ありがちなのが、宿題を出さなければいけないような感じだから出すと...

スウェーデンの学校給食

長かった夏の休暇も今日が最後です。去年は主人が夏に休暇を取らなかったことに加えて、前の犬を亡くして寂しかったのですが、今年は、本当に楽しい夏休みでした。新しい挑戦に加えて学期早々大きな出来事のある今年度ですが、日々努力を重ねていければと思います。  新年度にあたり、今日は、スウェーデンの学校給食について。ちょっと前に学校給食に関して質問を受けたのですが、そういえば、そんな新聞の記事があったとごそごそ。。。  スウェーデンの学校給食は、2011年までたいした規定はなく、あった規定は一つ、 無料であること でした。無料であるということは、とても重要で、スウェーデンの学校では、お弁当をもってきてくださいと簡単にいうことができません。学校によって多少差がありますが、学期に1、2度まで、限度額も決まっている場合が多く、私たち教員には、持ってこない/持ってこられない子どものために何かしらを用意しておく必要があります。そんな学校給食ですが、2011年からはもう少し規定が増えました。どんな規定かというと、 学校給食は、栄養のあるものであること ちょっと、まってくれと思った方、そうです、この規定はなかったんです。2011年7月1日からは、学校給食は無料かつ栄養のあるものでないといけなくなり、その栄養のある給食に規定は次の通り。 脂肪分の質 繊維と全粒穀物の量 鉄 ビタミンD  この4項目が栄養の判断の基準となります。もちろん、学校で出される給食は、安全なものであり、食品をしっかりとした衛生管理の中で扱うといったような決まりはあります。 ストックホルムの学校の給食がどんな感じか調べた新聞の記事には、「良い」の判定を付ける基準を、以下のようにもう少し具体的にもうけています。 2種類以上のメニュー 週に4から5日、ベジタリアン/菜食のメニューがある 水、牛乳、パン、バター、サラダのバイキングがある 甘い飲み物やアイスクリームは、週1回以下 この基準でみていくと、ストックホルムの学校のうち、69%の学校がおそらく基準を満たしていないということでした。いろいろ問題のあると言われているスウェーデンの学校給食、やっぱり、そうなんだなと裏付ける結果になっています。 ただ、新聞の記事の中では、スウェーデンで食品衛生を扱っている省庁...

スウェーデンの学校給食

昨日も今日も秋晴れの気持ちのいい日でした。家のなかでひなたぼっこしながら昼寝という極上の贅沢を味わった週末です。木曜日と金曜日は大学の登校日だったので、とても充実した忙しい時間を過ごしました。今回の課題で出したレポートの書き方がいまいちだったということがわかり、「そうか、そういうことか。」と思いました。一応マスターレベルになっているので、論文の書き方などとても厳しいです。慰めですが、スウェーデン人の方でも同じ間違えをしていると安心している自分がいます。今のところ、なんとかついていけているのでよしとしましょう。    さて、今日は久しぶりに新聞の記事から、スウェーデンの学校給食について書こうと思います。まず、スウェーデンの学校給食の特徴をあげていこうとおもいます。 1、無料であること これ、重要なんです。新聞によれば、学校のランチを無料で提供しているのは、 スウェーデン、フィンランド、 そして エストニア のみとなっています。お隣の国、ノルウェーとデンマークは無料ではありません。デンマークは学校に行く(行かせる)義務ではなく、授業を受ける義務となっており、ホームスクールが可能なことでも有名であり、そうなるとランチの無料提供というのは考えにあがらないのだろうと思います。ノルウェーは、ランチ持参という話を聞いていて、移民でわたってきた子どもが変わったランチを持っていって恥ずかしい思いをしたというような話を聞きます。 無料であることはとても重要な点で、スウェーデンがおそらく誇りとしていることであると感じます。豊かな北欧のスウェーデンというイメージが強いのですが、貧困が問題となっており、学校で出される給食が1日の唯一の暖かいご飯だったという話を良く聞きます。すべての子どもに最低限の生活を保障する一面を今でも担っている給食というのは大変考えさせられるところです。 2、ランチの時間が10時半から12時過ぎ ランチルームで食べるため、ランチの時間にものすごく差があります。低学年のクラスは、実に10時20分頃から食べ始め、高学年になると12時過ぎというのも珍しくありません。このランチの時間を10時半以前にしないこと、11時をめどにすることという一応の目安はあるのですが、多くのところが守っていないのが現状です。早い子どもは6時半頃に学校に来て7時に学童で朝...