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スウェーデンのコロナの年の特別支援学校の卒業は?

 今日は、フランスが長い閉鎖生活から解放され、日常生活を開始したというニュースが流れました。スウェーデンも、罹患者数、死者数とも徐々に減少傾向にあり、コロナウィルスの第一波は収まりつつあるという雰囲気にあり、人々の心も徐々に緩みつつあるとかないとか。。。    スウェーデンは、6月の頭が卒業シーズン。私が働いている学校も卒業の日があり、卒業式というと日本のをイメージしてしまうのですが、毎年、卒業を祝います。今年は3名の卒業生がいる私の学校でも、このコロナウィルスの影響で、どのような形で卒業を祝うか、イースター明けから議論が続いておりました。私は今年卒業生を受け持っておらず、久しぶりにのんびりとした年度末を送っています。昨年は3名卒業生を受け持っていたので、それはそれは忙しく。。。今年は隣の先生が3名受け持っており、大変そうですが、コロナの影響で、就労支援センターへの引継ぎなどはなくなり、実習はなくなったので、昨年よりは楽かなと想像しています。  その代わりに、大変なのが、卒業のお祝いへの対応。うちの生徒たちは、知的障害があるので、リスクグループに入り、生徒の半分以上が自宅学習を行っています。この自宅学習も色々思うことがあるのですが、また、別に書くことにし、卒業の話に戻すと、二転三転し、結局、オンライン、もしくは映像とプレゼントでお祝いするということになりました。最初は、何かしらの形でお祝いをしていいかと聞き、それにオッケーが出たので、外でのお祝いから、体育館でのお祝い(広い体育館に生徒3名と保護者数名)というお祝いから、やっぱり、外でとなり、結局リスクグループだからと振り出しに戻って中止に。(だったら、最初から中止にしろよ、と心の中で叫ぶ😭)私は、自分の生徒が入っていないこともあり、傍観者で多少意見を言う程度だったのですが、隣の先生疲労困憊。。。わからないでもない。。。  こういうとこに、文化を感じます。何度も何度も話し合い、ああだこうだと、どの辺がちょうどいい当たりかを探す感じで、疲れることも多々。。。今回みたいなのだと、うちの生徒は命にかかわるので、結局まわりまわって中止って落ちがいまいち。。。  で、いまだにはっきりとは決まっていないという。。。オンラインでするか、もしくは映像を送るか。。。自分の生徒が卒業生にいないので、徹して傍観しようか...

コロナウィルスで亡くなったスウェーデンの教師

 スウェーデンの義務教育の学校と幼稚園は、コロナウィルスによる休校や閉鎖処置をとっていません。そんな中、スウェーデン北部の町で教師がコロナウィルスによって亡くなりました。医療関係者や公共交通機関の運転手が亡くなるという話は、他の国でも聞きますが、多くの国で学校は閉鎖しているので、教師が亡くなるという話はあまり聞きません。今回のニュースは、教師が亡くなったという悲しみに加え、学校での感染の事実が報道されたことに驚きました。といっても、報道のされ方は、予想以上に控えめでしたが。。。  亡くなったのは、スウェーデン北部のフェレフティオ(Skellefteå)という街の基礎学校(0年から9年)で教師をしていた60歳くらいの方。コロナウィルスに罹っていると診断されたのちに亡くなったそうです。先生がコロナウィルスで亡くなったというのは、この方だけではないのですが、この学校の76人の職員のうち、18人の陽性反応が出たということで、亡くなった職員がいることと陽性反応の出た職員の多さから、報道発表がされました。この学校、4月21日から欠席の職員が多いということで、既に休校閉鎖されていたようで、今も閉鎖されているようです。  教員が一人亡くなり、陽性反応の出た教員が18人というと、集団感染がおこったということがわかりこの報道になったのでしょう。ストックホルムの学校でも学校の先生が亡くなったのですが、亡くなったのがその先生だけだったので、報道もあまりされず、学校も閉鎖されず、学校の消毒もされなかったということでした。今回の上記の学校は、とても例外的だといわれていますが、生徒は未だにテストされていないとあります。500人くらいの生徒が通っているようなので、症状も出ていない子どもたちをテストしないのでしょうかね。  学校を閉鎖しないスウェーデン、賛否両論ありますが、こうして亡くなった先生が出たことは、衝撃といえば、やはり衝撃です。感染リスクを心配する教員は多くいますし、他国が学校を再開した時のような明確な対策はあまりとられておらず、教室の中の子どもと子どもとの距離をしっかり開けるということは難しいという声も聞きます。今回亡くなった先生に持病があったのかなどは、個人情報で報道されることはありませんし、珍しいケースとして取り扱われて終わっていくようですが、もう少し、教員を守る対策が取...

スウェーデンのコロナウィルス対策、10のポイント

 スウェーデンのコロナウィルス対策が、世界でもユニークなので、なんと世界中でスウェーデンが、1週間で6000記事にもなったとかならないとか。。。北のヨーロッパの果ての国が、こんなに注目されることって、恐らくめったにないので、それだけでもこの政策は何かしら意味があったのかと思わされます。日本でもスウェーデンのコロナウィルス対策が話題になっているようで、母が教えてくれます。  ということで、教育と関係ないけれど、私が思う、スウェーデンだからこそ、この対策が成り立ったという10ポイントを、ここにまとめておこうと思います。誰にも聞かれてないけど。。。ちなみに、成功しているかという面では、今のところ判断をしかねます。が、おそらく、どんな結果になろうとも、何らかの形で、例えば、「国民の健康」という総合的判断とかで、この対策は成功であるという見方がされるという気はしています。 ポイント1:病気で仕事を休むことに慣れている人々と社会 少しでも風邪の症状(咳、喉の痛み、熱、鼻水)があったら、仕事や学校を休み、自宅で待機するというのが、スウェーデン対策の中心核なのですが、政府がすぐに病気休暇の際の初日の自己負担日をなくしたし、普段から病気休暇でお給料の約80%くらいを保障されているスウェーデンでは、病気で仕事休むことに抵抗が少ないのです。スウェーデン人、休む方も、休まれる方も、変に「慣れている」ので、確かに今回は大量に休んで大変なのは確かですが、それでも、慣れはあるかなと。ただ、初日の自己負担は全額保障ではなく、その額が少ないと波紋を呼んでいます。。。 ポイント2:子どもが休むことにも慣れている人々と社会 幼稚園や学校も少しの風邪の症状でも休むことになっているのですが、こちらも、もともと看護休暇が普及しており、社会の理解もありますし、約80%くらいがもらえるので、抵抗が少ない。こちらも、この制度や習慣がない国で、突然導入することは難しいでしょう。ちなみに、幼稚園や学校に来ても、風邪の症状が少しでも見られれば、親に迎えに来てもらい、帰宅となります。どのくらいで風邪とみるかという、このあたりの判断は難しく、幼稚園や学校がお迎え要請を頻繁に出すことになり、問題にはなりましたが。。。 ポイント3:もともと人口が少ない。 もともと人口少ないんですよね。ニューヨークとか...

スウェーデンの学校でのコロナ感染リスクは?

 イースター休暇も終わり、スウェーデンの学校はいよいよ夏休みを目指して、ラストスパートの時期に入ります。この投稿は1週間くらい前に書き始めて、うろっとして忘れてしまったものを手直ししてあげています。職場は生徒が2名しか登校してこなくなったので、少ない職員でも穏やかに回っていたのですが、イースター休暇には2日間職員不足で出勤しました。なので、今週は火曜日のみ出勤し、2日間勉強を家でして、1日は代休をとっています。火曜日には、久しぶりに出勤してきた同僚たちと、とても楽しい時間を過ごせました。今日かかってきた同僚の話では、すでに2名咳がとまらないということで病気休暇をとっているということで、唯一全員揃った火曜日でした。😭  今日は、学校に感染リスクについての、スウェーデンの教育界での意見を少し。高校と大学はオンラインもしくは通信に切り替えられましたが、義務教育の学校と学童、幼稚園が閉鎖されていないスウェーデン、 学校では感染リスクはないのか 、という単純な疑問が、もちろん、保護者間、教員間職員間でされています。3月半ばごろからの感染拡大を受けて、周りと距離を置くように、自宅勤務ができるならするようにと言われているのですが、実際問題として、学校は難しいですよね。。。学校が閉鎖されないかぎり自宅勤務にならないし、子どもや生徒に距離を置くといっても限界があります。イースター前によく話題に上っていたのが、リスクグループの職員への対応と閉鎖されている高校での問題点。高校の問題点は、生徒が登校してこないのに、職員は学校で仕事をしなければならなかったところが多くあり、先生も自宅勤務を望むという声が聞こえていました。これに加えて、通信やオンラインでは職業系の実務授業が難しいことや何らかの支援援助を必要とする生徒への対応が不十分ということで、学校庁が方針を少し変えました。昨日あたりに高校の先生の自宅勤務も認められるようになったような文章を読みました。  基礎学校や幼稚園の職員の中のリスクグループの職員への不安は当初から言われており、不安な職員は病気休暇を自主的に取っており、この場合お給料の80%程度がもらえます。これに関して教員組合が何とかしようと動いていて、リスクグループと学校での感染リスクに関して、公衆衛生庁の国家疫学者の見解は、 リスクグループは、70歳以上、特に85歳...

スウェーデン学校閉鎖を可能に

 スウェーデンも新型コロナウィルスによる社会と経済混乱が顕著になっております。今週に入り、ヨーロッパ諸国が学校閉鎖や国境閉鎖、外出規制や禁止など、多くの対策をとています。スウェーデンとともに学校を閉鎖することがなかったイギリスが学校閉鎖を決定したことにより、スウェーデンの独自路線が浮き彫りになり、国内での不安の声にとどまらず、隣国をはじめ他国からの疑問の声も聞こえるようになっています。  高校と大学は、通信、デジタル通信教育を推奨するという公衆衛生庁の方針により、水曜日からほとんどの学校がデジタル教育に代わっています。初日は少しネットの通信状態に問題があったという声も聞こえますが、概ね予想以上にスムーズにデジタル化に移行できているようです。学校関係者にはすでに1~2週間ほど前から、自宅学習ができる準備をするようにという方針は来ていたので、恐らく多くの学校が準備自体はしていたし、もともとデジタル化が進んでいる国なので、高校以上のレベルなら問題は少ないようにも思います。今回のことによって期待されるスウェーデンの教育における変革もあり、こちらはまた別の時に書きたいと思います。  そして、昨日、スウェーデンでも、学校閉鎖を可能とする法律が昨日可決されました。デンマークが学校閉鎖を早く決めた理由に、数年前に学校を閉鎖した経験があるため、法律が違うという理由があります。法律が可決されるとすぐに、首相の記者会見で「今のところ義務教育である基礎学校と就学前学校を閉鎖しない」と発表しました。今回の法律では、学校の責任者(私立学校の運営責任者や地方公共団体の長)が、予期せぬ事態が起こった場合に就学前学校、学童保育やそのほかの教育関係の施設を閉鎖することができるというもので、その際には、医療従事者などの社会の重要な職業についている子どもや障害児など何かしらの支援援助を必要とする子どもや生徒の親には、就学前学校や学童などの保育を提供する義務を明確にしました。そして、この法律で、今まで法的に可能でなかった「国が一時的に学校機関を閉鎖すること」ができるようになり、その際にも上記と同様に地方公共団体に主要職業についている子どもや生徒の親には保育の場を提供する義務があります。この法律は明日3月21日より施行されるので、早ければ、月曜日にも学校を閉鎖することが可能となっています。現在、どの...

学校を閉鎖しないスウェーデン

 新型コロナウィルスにより、デンマークやノルウェー、ベルギーにフランスと、ヨーロッパの多くの国で学校が閉鎖されています。そんな中、スウェーデンは3月14日現在、学校を閉鎖しないという方針を取っています。今日は、そんなスウェーデンのコロナウィルスに対する学校関係の話をまとめてみました。  日本でコロナウィルスが広まり始めた2月中旬、スウェーデンではまだまだ、対岸の火事といった感じで、スポーツ休暇前までは、のんびりしたものでした。その後、スポーツ休暇で北イタリアなどにスキー旅行に行った人々などがウィルスを持ち帰ったことにより、罹患者が少しずつ増え、それまでは、スウェーデンで広がることはないというような声もあったのですが、予想を裏切り、少しずつ広がっていきました。ストックホルム地域のスポーツ休暇が終わる直前に、子どもはコロナウィルスを広めないと国の健康局より発表され、イタリアや中国などに旅行に行った子どもでも、症状の出ていない元気な子どもは学校に行くことと発表されました。これがまだ2週間前の話です。その後、感染の危険度が上がり、現在は感染リスクは非常に高いとされ、先ほど外務省のほうから外国への旅行を控えるようにと発表されました。死者1名、感染者は500人を超えたあたりで、医療従事者とリスクゾーンの人を中心とした一定の人を除き、テストはしないということで、本日14日で死者2名、感染者は1000名に近くなっていますが、実際には、数に数えられていない感染者が多くいるとみられています。  WHOが今回の状況をパンデミックと発表し、イタリア、フランス、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、ラトビアが学校閉鎖をしていく中、スウェーデンも12日の木曜日の夜、文部科学大臣にあたるAnna Ekströmが記者会見を行いましたが、スウェーデンは今のところ学校を閉鎖しないという発表をしました。主な理由は以下の通りです。 学校を閉鎖すると、医療関係など重要な仕事についている親が仕事に行けない。 リスクゾーンである高齢者の祖父母が子どもの面倒を見ることになる危険性がある。 家庭に居場所がない子どもにとって、学校はとても重要な場所であること。 現状では、国の健康局の判断では、学校閉鎖による感染減少の効果は少なく、他のよくない影響のほうが大きい。 国内の感染状況には差がある。 ...