2020年11月30日月曜日

学校の予算、削減削減。。。

 先週は金曜日が研修の代休で休みだったので、3連休でした。オンラインの研修やセミナーに参加して、本を読んでと、ゆっくりできました。そして、今日、月曜日。学校で大騒ぎになっていたのが、

来年度の予算、大幅削減

のニュースでした。スウェーデン、教育と福祉は地方自治体が責任を持っています。医療は、都道府県レベルでレギオンといい、教育は、コミューンといいます。で、このコミューンが、来年度の予算をものすごくカットしたという話。昨年度は前に勤務していたコミューンが同様のことをしてました。校長曰く、どこのコミューンも軒並み、予算削減で、傾向は変わらないと。この点は、私も同感。おそらくスウェーデン中同じ傾向のような気がする。


スウェーデンの学校は、学校法が適応されており、外枠の部分は国が法律を通して担っているのですが、中身の予算やどうやって運営するかなどは、各地方自治体と学校に任されており、国からの支援予算は、地方自治体に降り、それが地方自治体で市内の学校に細分化されるという仕組みになっています。そうなると、求められることと、できることの間にギャップが大きくでき、この溝が毎年毎年大きくなっているように感じます。今回の大幅削減も、国の学校への特別予算を組み込んであるはずなのに、それがコミューンを通したら、もらえなくなったとならなかったとか。これに加えて、特別支援学校は生徒が6名卒業するので、大幅に生徒が減ること、近くの私立の学校が新しいクラスを作るので、恐らくそこに生徒が流れてしまうことなども関り、来年度は大変な予算削減に。


どうなるのかなあ。とりあえず、各労働組合が動き出し、今後の対応が決まっていくのですが、あまり期待できそうになく。。。


先週、私立の学校に配布される生徒一人当たりの予算を10%前後とかで削減し、公立学校のほうが多く配分されるようにしたらという案がでていました。これも、実際に働いていると、見える実態に、私立はやはり生徒を選ぶ傾向があり、公立は全ての生徒を受け入れなくてはならず、私立に行ったけどついて行けなくて戻ってくる子もいるし、様々なバックグランドの子たちに対応していくのは大変だし、年によって生徒数も変わるし、様々な面で多少予算が変わってもいいかなあと。この陰にはやっぱり私立の学校が利益を計上しているというのも大きいとは思うけど。

今後の私立の学校に関する展開は見逃せないところです。


2020年11月23日月曜日

スウェーデンの義務教育が5歳からになるかも

 スウェーデンでは、就学前学校(日本の幼稚園や保育園にあたる)の義務化に関する調査がされていたのですが、その報告が今日のニュースでありました。調査開始当時は、3歳からの義務化が検討されていましたが、5歳からの義務化が本格的に議論されていく模様です。

 現在のスウェーデンの義務教育開始年齢は6歳で義務教育期間は10年。6歳になったのは2018年なので、まだつい最近です。なので、今回の変更が実現すれば、短期間に義務教育が11年になることになります。

 この背景には、スウェーデンの子どもたちの学力の低下、特に言語能力の低下があります。今日のこのニュースと共に大きく報道されたのが、移民の多い地域の子どもたちの6歳児教育開始時の言語能力が十分ではないというものでした。

 スウェーデンでは、共働き家庭が多く、みんな就学前学校に通っていると思われがちですが、約6%(22000人ほど)の子どもが就学前学校には通っておらず、通っていない子どもの半分は、外国にルーツを持つ子どもたちなのです。同年齢で比べると、外国にルーツを持つ子どもは83%、スウェーデンの子どもは95%が就学前学校に通っています。この差は、スウェーデン語の習得に大きな影響を与えていると思われます。

 家庭でスウェーデン語を聞くことも話すこともなく、就学前学校にも通わず、6歳児教育に通いだせば、他の子どもとの差はとても大きいというのは、想像に難くありません。就学前学校に通うとよいと思われる子どもたちが、実際には通っていないという現実があり、義務ではない現在は、強制することはできません。就学前の段階で、自然な形でスウェーデン語に触れることは、この国で教育を受けるとなれば、とても重要なことであると思います。

 この調査では、5歳からの義務化、コミューンが積極的に就学前学校に通っていない子どもを見つけてコンタクトを取ること、3歳になった子どもは全員就学前学校に登録するということなどが提案として挙がっています。

 夜のニュースでは、移民の多い地域の子どもが、移民の子ばかりの就学前学校に通い、子ども同士はスウェーデン語を話さず、職員も有資格者でなかったり、スウェーデン語がしっかり話せなかったりしても、義務化することに意味あるのかというようなインタビューがされていました。それでも、集団で日常を過ごし、教育を受ける、保育を受けるというのは、子どもの言語発達や基礎発達に大きな影響を与えるだろうと思います。


 この調査は、今後関係省で話し合われ、国会に法案提出となれば、2022年もしくは2023年には現実化しそうです。どうなるかな。


2020年11月21日土曜日

スウェーデン学校自治体ランキング

  久しぶりにブログを書こうかなと思った土曜日です。学校を変わり、教える生徒の障害の程度が変わり、コロナの感染状況が悪化し、バタバタしていた毎日、ちょっと落ち着きました。この間に、Youtubeチャンネルを始めたりと、新しいことに挑戦しつつ、改めて、ブログを書くことも力を入れようと思っています。とりあえず、文章は短くてもいいので、更新回数を増やすことを目標にしたいと思います。😅

 スウェーデンの教員組合が毎年行っている、スウェーデン学校自治体ランキングがこの間発表されました。スウェーデンには、コミューンと呼ばれる地方自治体が290あり、このレベルが教育と福祉を担っています。都道府県レベルにあたるレギオンは21あり、こちらが道路や医療関係を担当しています。290ある地方自治体を様々なバロメーターで見ていき、順位を毎年出しているのです。

ランキングの下になっているのは、教員組合独自の調査や統計、国の統計局の統計、学校庁の統計などになります。それをもとに、以下の10の指標で見ていきます。

  • 生徒一人当たりの教員配置数 
  • 有資格者率
  • 授業への職員数
  • 生徒の学力成績
  • 教員の病気休暇率
  • 教員の給与(公立)
  • 就学前学校の子ども率
  • 9年生の高校入学の関わるメリット値
  • 9年生の高校入学最低基準到達値
  • 高校課程修了率

順位は以下の通り。

上位5自治体

  1. Övertorneå
  2. Vadstena
  3. Vilhelmina
  4. Arvidsjaur
  5. Ovanåker
下位5自治体
286. Vansbro
287. Haninge
288. Borlänge
289. Gnesta
290. Tierp

どこもあまり有名なところではないので、有名な自治体を見ていくと、
ストックホルム:100位
ウプサラ:216位
ヨーテボリ:180位
マルメ:144位

という感じです。このランキングなんのためかというと、その自治体が前年度と比較し、成長度などを比べたり、教員が働く自治体を選ぶ時の指標にしたり、保護者が学校選びの際の指標にしたりとします。こうした比較は、いろいろ問題や課題もありますが、一つの目安としては、よいのではないかと思って、毎年眺めています。ちなみに、私が住んでいる自治体もはたらいている自治体もあまりランキングはよくなく、救いは、前年度と比べるとよくなっているくらいでしょうか。

と、今日は学校自治体ランキングを紹介しました。