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NPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援

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  新年あけましておめでとうございます。今年は、できる限り定期的な更新を心掛けていきますので、是非引き続き、足を運んでいただければと思います。今年もよろしくお願いします。  2025年初の投稿は、私が理事をしているNPO団体について紹介したいと思います。私は、日本とスウェーデンで、いくつかの団体に所属しており、日本のこの団体で理事、スウェーデンのコミュニケーション団体で会計をしています。この他にも会費を払う形で参加している団体もあり、どの団体の活動も私がかかわりたい、応援したいと思っている団体ばかりです。理事は、もう2年ほどはしていると思うのですが、団体の活動には、団体設立の直後くらいからかかわっており、真摯な活動を行っている団体であると思います。団体の名前は、「 NPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援 」といいます。団体の事務所は東京にあり、昨年夏に帰国した際に、初めて訪問することができました。事業内容は、主に以下になります。 外国につながる子どもと保護者への支援:個別に発達の支援をしたり、地域でグループでの支援を行ったりしています。  発達支援に関わる施設・専門家に対する助言や情報提供:  一般市民を対象とする外国につながる子どもの発達支援に関する研修・情報提供 、調査研究など 居場所づくりなど  私とこの団体の出会いは、本当に不思議な縁でして、コロナのころに「クラブハウス」というアプリが流行った記憶がある方がいると思うのですが、そこで、この団体の代表である東谷先生の関わっているインドネシア、バリ島の学校の校長先生である方が、私がスウェーデンに住んでいるということで、興味をもって話しかけてくださったのです。この方のお兄さんがスウェーデンにいらっしゃるということで話が弾み、話していくうちに、今度は私の方がインドネシアで学校の校長先生をしていることに大変興味を持ちました。そして、彼女がどうしても引き合わせたい人がいると紹介してくださったのが、代表の東谷先生でした。縁とは本当に不思議なもので、繋がる縁は必ずつながり、切れる縁は切れていくと感じられずにはいられません。あれから、もう4年、5年とたちます。その間に何度か私もスウェーデンの事情について話をさせていただく機会があり、日本とスウェーデンにおいて、外交につながる子...

児童心理療育施設とは

 普段フルタイムで働き、勉強もしていると、なかなか隅々まで掃除ができないので、夏の休暇中は大掃除をするようにしています。スウェーデンでも、クリスマス前に大掃除をしたり、イースター前に掃除したりする習慣はあるのですが、私は、夏の休暇中が一番時間もあって気分がよいので、この時にやるようにしています。ということで、昨日は、キッチンとバスルームの大掃除。きれいになりました。  今日は、日本で見てきた施設や学校の中から、児童心理療育施設について書こうと思います。私は岐阜県出身で、今回見てきた施設は、岐阜県関市にある 社会福祉法人、桜友会の児童心理養育施設、桜学館 です。  この施設は、2005年6月に岐阜県内初の施設として建てられました。児童心理療育施設ということで、心理的な要因により、学校生活になじむことができず、不登校やひきこもりや、いじめなどの問題を抱えた子どもたちが、一時的に、親元から離れて施設で暮らしながら、心理治療と生活指導を受けることができる施設です。近くの小学校と中学校の分級という形で、正規の義務教育を受けることができるように設置された特別支援学級が敷地内に併設されており、子どもたちは、衣食住を一体化させた総合環境療法というものを受けているとのことです。  私はこういった施設があることを知らず、前回帰国したときに大学時代の友人から聞きました。2005年にできたとあるので、私がスウェーデンに渡った後にできた施設ということで、時代の流れの中でできてきた施設なのであろうと思います。県内唯一のこの施設、全都道府県に作られるように国から指示があったということですが、いまだにないところもあるようです。  施設内の印象は、家庭的な雰囲気が漂っていて、病院のような感じはせず、温かみを感じました。3回建ての生活棟には4ユニットあり、各ユニットは12人定員ということでした。ただ、12人だと少し多いと感じるようで、状況に合わせて定員よりも少ない人数の場合が多いそうです。今回もだいたい8人程度ということでした。部屋は、個室2部屋二人部屋2部屋4人部屋一部屋になっており、2人部屋を一人部屋に直したりして、できる限りプライベートを重視していることもわかりました。部屋には漫画などもあり、少し物が少ない普通の子どもの部屋という感じでした。浴室は3部屋あり、自分で入り、洗濯も...

日本の放課後等デイサービス見学

 今回の日本への帰省中に何をするか、スウェーデン人の同僚たちに話すと「ああ、仕事しに行くのね。」と言われいたくらい、いろんな学校などを見に行きました。せっかくなので、見たものをまとめていこうと思います。振り返ると、いろいろ思い出して、また、勉強になります。  まず、訪れたのが、 「放課後等デイサービス 」ということを行っているところです。私が日本で働いていたころには、こんなところはありませんでした。もちろん、数十年前ですが。。。  放課後等デイサービスは、スウェーデンでいうところの学童保育に似ており、もらったパンフレットには、 「放課後等デイサービスは、障がいのある、主に6歳から18歳の就学児童、生徒(小学生、中学生、高校生)が、学校の授業終了後や長期休暇中に通う施設」 とあります。スウェーデンの場合、学童保育は障がいの有無にかかわらず、12歳まで(オープンな学童保育は13歳まで)、その後は、障がいがある生徒の場合はLSSという法律のものとにサービスが展開されます。うちの学校で放課後行われているような感じのものかと、勝手に想像していました。こういった放デイと呼ばれるものが増えているようで、特別支援学校をいくつか見学に行きましたが、そこにも、放課後デイの方が迎えにきていたり、話題にあがったりしていました。  放課後デイの利用には、市町村が発行する「障害児通所受給者証」というものが必要だそうです。今回の日本で訪問で、私の理解が追い付かなかったのが、こういった、受給者証、障がい者手帳といった様々な証明や手帳についてです。なんと、複雑なシステム!と思ったのは、私だけでしょうが、わかりにくいです。地元岐阜県、愛知県、東京都、広島県といろんなところを回ったこともあり、名称が微妙に違うことも、理解を難しくさせました。話がずれましたが、こういった放課後デイでは、問題や難しさを抱えた親と子どもが相談をすることができ、その後、わかりにくい手続きもサポートしてくれて、サービスの開始となるようです。  利用料が発生しますが、世帯年収に応じた金額になるようで、他の多くの障がいがある方への福祉サービスが1割負担だったので、おそらく1割負担かなと想像しています。また、利用回数に関する制限についても、私が理解した限りでは制限がないようでした。この辺りがスウェーデンとは違う...

スウェーデンで紹介された日本の幼稚園

 「幼稚園」という教員組合から出ている雑誌をずっと購読して読んでいたのですが、今学期は時間がなくて、まったく読めず、購読をやめてしまいました。ちょっと残念なんだけど、溜まっていくばかりの雑誌や本に、ストレスを感じるくらいなら、購読やめようかなと。この幼稚園の雑誌に日本の「 ふじようちえん 」が紹介されていた記事を見つけました。スウェーデンの幼稚園を見学したい、研究しているという方からの連絡を時々もらいます。その逆パターン、日本の幼稚園から学ぶスウェーデンということで、興味深いなあと思いました。  東京にあるふじようちえん、児童数がとても多いことが、まず注目されています。ここに通う児童は3歳から6歳までの600人。確かにスウェーデンの規模から考えると多いように思います。記事には取り上げられていなかったけど、私が気になったのが、クラスの人数。一クラス35人なんだそうです。働いている職員は54人で、そのうち、42人が幼稚園教諭だそうです。話を戻せば、スウェーデンの幼稚園は、だいたい、五クラスとして、各クラス15人いるとすれば100人に満たないので、多くの幼稚園は、100人前後だろうと思います。前に200人という幼稚園の記事を読み、その時は、確かかなり大きな幼稚園と書いてありました。  次に大きく取り上げられているのが、幼稚園の園舎です。ユニークな建物で、平屋で円の形になっていて、真ん中が中庭、屋上も遊べるようになっていて、屋上から滑り台で中庭に降りてこられるようになっていたり、屋上に登る階段があったりと、とても遊び心のある建物になっています。賞も貰っているようですし、多くの見学者が訪れる有名な幼稚園のようです。記事では、この建物と児童数を兼ね合わせて、子供達をしっかり見ていられるのかというような質問が投げかけられていました。園では、活動時間を区切ることによって、子供達が一度に外に出ないようにしてあり、各クラス、1日1時間の園庭での遊び時間があるそうです。スウェーデンでは、園庭での自由遊びの時間が、かなり確保されており、子供の年齢によって1グループの人数は変わりますが、大人は3人いるので、単純計算では、日本よりも大人の目が行き届いていると言えます。  はっきりと書いてあって面白いと思ったのが、「偏見ですが、日本ではもっとビシッとやっているのかと」とあったところ。...

日本の教育がスウェーデンの教育より優れている点

日本の教育がスウェーデンよりも優れているところ、たくさんあります。その中の一つに、 病院付属の院内学級、 特別支援学校の訪問学級 この二つがあげられると思います。 先日の新聞にスウェーデンでは、現在、 232人 の子どもが学校に登校していないそうです。その理由の多くは、 病院に入院している子ども 宗教的な理由で家庭での教育が行われている子ども (ただし、スウェーデンでは、家庭での教育は認められていません。) この二つの理由が一番多いようです。病気で入院している子ども、特に長期入院の子どもには、院内学級に通う可能性がある日本と比べ、スウェーデンにはそういった教育形態がなく、登校していない児童として上げられてしまっているようです。 家庭での教育については、認められている国もあるのですが、スウェーデンでは、そういった教育が認められておらず、これも大きな理由になっているようです。 そして、もうひとつ。 複数の障害をもつ生徒(多くの場合が、障害に加えて社会的な障害、薬物問題などを抱えている) がその障害に会う適切な教育を受けることができず、学校に登校していないという場合です。 登校をしていない子どもの中には、日本で言う、登校拒否の子どももいるとは思いますが、この232人の子どものうち、何人かは、日本のような教育形態があれば、救われるのではないかと思います。 これから、スウェーデンでは、この232人の子どもたちにあった教育の形態を模索していく予定だそうです。一人でも多くの子どもにより適切な教育が行われることを望むばかりです。 あと、うちの学校でも長期入院をする場合があります。その場合、一応学校法では、2週間の病気だった場合、家庭への訪問教育を行うことが記されていたはずです。以前、受け持つの子どもが大手術をした場合、なかなか学校にもどれず、しかし、教育を受けられるほどの体力も回復しておらず、結局訪問教育をおこなわず、学校への登校を待ちました。そして、学校登校の時間を減らし、半日登校をすることで、徐々に学校へ復帰してもらいました。 スウェーデンは、人口密度が低いこともあり、また、そういった学校を運営することが市にとって大きな経済的負担になることに加えて、お国柄が...