スウェーデンの学校教育の中で問題があり、改善する必要があると思われるのが、学校がもらえる国の補助金制度です。私はこの制度自体は、利にかなっていると思っているのですが、教育システム全体から見ると、「入れ替わりが激しいスウェーデンの学校の校長先生」にも書きましたが、組織が脆弱であると、利用しにくいシステムであると感じています。基礎自治体の教育課のトップがそれなりにしっかりしていれば、多少校長が変わっても申請を見逃さなかったり、自治体の方針として何かしらの補助金申請を行い研修をしたりしていますが、国内の学校教育の均一性が取りにくい原因の一つであることは確実であると思っています。
1.どんな補助金があるのか
毎年、各学校が基礎自治体を通じて申請してもらえる補助金がかなりあります。例えば私が特別支援教育士になるために、学校を週1で休んでいた時に出たお給料なんかもこの補助金の申請をしてもらいます。私個人がするのではなく、学校がするので、私は何もしていないのですが、組織として計画的に動く必要があります。いろいろある中で昨年より私が申請したいなあと個人的に思っているのが、「特別支援教育を学びに」というもので、学校庁にある研修サイトを利用して、学校中で特別支援教育をいかに普段の教育に取り入れるかというところを理論から実践まで1年かけて行うもので、その研修を受け持つ先生の労働時間に対する補助金が出るものです。他にもたくさんあるので、各学校が何を発展成長させたいかによって、申請するものを決めます。
2.使い道や金額が決まっている
これら補助金は使い道が決まっており、国家予算の中で、方針が決まり、それが使われます。なので、当然ですが、せっかく予算計上したのに、半分も使われなかったということでニュースになることもあります。もらえる金額や、使い道もきちんと明記されており、それに沿って、来年度の研修年間計画などを立てて利用します。ちゃんと目的に沿って使われるように、例えば、年間で時間数でこれだけ行う場合は、この金額といったような感じで決まっており、それらは人件費に回すことなども決まっている場合も多いです。
3.実際に使われているのか
使っているところは使っていると思いますし、学校で話題になることも多いです。ストックホルム市は教員向けのサイトがあるし、支援学校は支援学校の関連サイトがあるので、それに情報が流れてくることも多いです。ヘッドティーチャーなので、そういう情報を見ながら、校長たちに相談することもあります。学校庁のサイトに情報もありますし、オンラインでの情報提供会もあります。また、使用後の報告義務もあります。
この補助金制度、じゃあ、どう改善するとよいのかと聞かれると、なかなか回答が難しく、このままの方法がやっぱり妥当なのかなとおも思います。限られた予算をばらまいても、各学校にはそれぞれの事情があるので、お金は国が意図しないところに使われてしまうだろうしと思います。これ以外にも、様々な基金が出しているところにお金を申請していくといったこともすることがあります。
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