病気休暇というシステムが確立されているスウェーデンだからこそ、できる調査だなと思った記事があります。見出しは、「病気でも仕事に行く理由」。「体調が悪いので、病休を利用して仕事を休むべきだ」と思いながら出勤したことが、ここ12ヶ月で1回もしくはそれ以上ある人の割合が載っていました。
男性 女性
2007年 67% 73%
2009年 66% 69%
2011年 68% 73%
2013年 67% 76%
2015年 66% 75%
数字自体にそれほど推移が見られませんが、女性の方が高いです。スウェーデンは病休が日本よりも取りやすいですし、文化もシステムも違うので比べることなどできませんが、結構、みんな無理して仕事に行っているんだなあというのが私の印象。。。みんなもっと、パッと休んでいるのかと思っていました。もちろん、偏見です。。。こっちで働くようになり、朝出勤して、あの人病休、あの人看護休暇なんて、聞かされてきたので、みんなよく休むなあという思いが染み込んでいます。。。
しかしながら、統計では、10人に7人は体調がイマイチでも出勤していますし、10人に4人は休みの日でも上からの連絡には対応できるように求められていると感じているとあります。また、多くの人が、できる人であり、生産性のある人であることを求められていると感じているようです。病休は30〜49歳の女性に多く、これらの人々の8人に10人は、病気でも仕事に行ったことがあると答えています。これらの女性は、幼稚園や学校、学童で働いていることが多く、そうすると、職場で病気をもらってくることが多いのが原因ともあります。医療関係や老人福祉関係で働いている人も多いですし、小さな子どもがいる年齢でもあると思うので、仕事と家庭の両立をしながらというのは容易ではないと想像できます。
病気でも仕事に行く理由幾つかあるのですが、その一つ目が、自分がいないと代わりが必要になる仕事というのがあります。病院や学校の先生などもそうがそうです。ある一定の役職についている方は、病気で休むと仕事が滞ったり、代わりが見つけにくかったりするため、とりあえず、出勤するという人が多いそうです。うちもこれあるかも。生徒一人に職員1名なので、誰か休むと代わりの職員を準備しなければならず、その度に予定を変更したりと大変で、結構なストレスになっています。
二つ目の理由としては、経済的に余裕がないためとあります。病休のシステムがあると言っても、全額お給料が保証されるわけではありません。スウェーデンの場合、休んだ初日はお給料が出ず、二日目から約80%のお給料が出ます。ノルウェーは、聞いたところによると、一日目からお給料が何%か保証される代わりに医師による診断書が必要だと聞いたことがあります。(スウェーデンは医師による診断書は2週目からになります。)そのため、たとえば1週間仕事を風邪で休んだ場合、給料にもよりますが、数万円の損失になります。この損失ができるような経済的な余裕がないために病気でも出勤するという人も多いようです。
記事の中では、関わっている人が、なぜこういう状況なのかを考えることが重要だとあります。病気で出勤することは他の人への感染を意味しており、よくないことではあるので、休めない理由が職場のしきたりなのかそれとも上からの指示が不明瞭なのかなど、しっかりと考えて見直す必要があるのだろと思います。仕事でのストレスが原因で長期の病気休暇が増えている今、小さなことからしっかり見ていく必要があるのかもしれないなあと思いました。
読んだ新聞の記事:"Därför går många till jobbet när de är sjuka", DN, 2016-06-15
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