2016年7月16日土曜日

他の先生から批判が多いキャリアップ制度

 前回の「スウェーデンの教員のキャリアアップ制度、第一教諭の現状」の続きです。キャリアアップ制度が導入されてから数年たち、六千人の先生に対して制度をどう思うかアンケートが行われました。その結果が教員組合の新聞にちょこっと載っていたので、紹介します。


  • 半分以上の先生が、キャリアアップ制度に対して、とても批判的、多少批判的である。
  • 半分以上の先生が、キャリアアップ制度は第一教諭や講師になった人のみに利益があると思っている。
  • 多くの先生は、キャリアアップ制度は、お給料に大きな差が出るので、教員のグループには良くないと思っている。


 やっぱり、他の先生はあんまりよく思ってないんでしょうね。その理由には、やっている内容が不透明で、他の先生にあまり伝わっていないというのも大きいように思います。コミューンの教育担当科や管理職がしっかりと目的を持って第一教諭などを有効に使っているかというとそうではないところが多いので、上からも不透明で、下には伝わっていないという現状があるように思います。このキャリアアップ制度は、役職に就いた人には手当が出るので、こう言った役割とお給料が直結したタイプの改革はあまり良くないとも言われています。

 個人的には、スウェーデン社会にある平等意識が深く関わっており、同じ仕事なのに、数名の人がキャリアを積み、お給料もグンと上がることに対して、よく思っていない人が多いのだろうと思ってしまいます。たまに同僚から言われる言葉に、深くは傷つきませんが、勘ぐってしまうのも事実だし。

 このキャリアアップ制度がうまく浸透しなかった理由は幾つかあると思うのですが、その中でも、特に実際に働いている第一教諭側から聞かれる大きな問題を次で取り上げたいと思います。


読んだ記事:"Kritik mot förstelärare", Lärnarnastidning, nr.2 2016

1 件のコメント:

  1. 面と向かって言う人は少ないですが、思っている人多いと思います。今年も、ちょっとしたプロジェクトに参加して、インタビューに答える予定ですが、こういった制度は、すべてが認められてくるまでに時間がかかるんでしょうね。この秋から出された先生の給与を上げるのも似た感じで、(Lönelyftetの事です)免許持ちのこういう先生だけ、給与が2500クローネから3500クローネ上がるとかで、すでにうちではぐちぐちとなっています。全員にとかならないとこが、この平等意識の高い国には合わない気がしてなりませんが。。。

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