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スウェーデンの学校教員の秋学期、9月中旬からを振り返る

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 お久しぶりです。最後の投稿が9月18日なので、なんと2か月放置😅。最後の投稿で書いたのですが、今学期より、ヘッドテーチャーになり、大変忙しくしておりました。今日も忙しいのだけど、ふとブログのことを思い出し、更新をと思いました。というくらい、ブログのことを思い出す時間もないほど、充実した毎日を送っていました。    今週は、ストックホルムは大変な大雪に見舞われ、大騒ぎでした。そんな大雪も落ち着いたある日の夕方の様子です。私はこうした冬景色が大変好きです。    更新しなかった間のニュースを3つ。 1つ目は、うちの学校に学校検査庁が来ました。スウェーデンの学校には学校検査庁があり、その調査は、「いくよ」という連絡が突然来ます。その連絡がきたのは、私がヘッドテーチャーになってすぐのことでした。副校長との会議の際に、まだ極秘だけどと教えてもらったのが、訪問の6週間前。そこからが大変でした。提出書類は、2週間後には出さないといけないので、その準備を手伝い、訪問前の準備に、会議に、自分のクラスや授業などの日常業務をこなし、とにかく、会議をしているか授業をしているか、その準備かという日が続きました。訪問は、11月の半ばにすでに終わり、結果がおそらくクリスマス前には来るのではといわれています。 2つ目は、ヘッドテーチャーの専門分野の取り組みと会議の準備でした。スウェーデンの学校は10月の終わりに秋学期があり、うちの学校は、1泊2日の宿泊研修でした。ストックホルム郊外のスパホテルに全職員で宿泊し、研修でした。その中で研修を受け持つことになっており、その準備をもう一人の先生としていました。こちらもなんどか好評に終わりました。また詳しく書きたいと思います。 3つ目は、特別支援教育士の勉強で、今年は最終学年。ちょうど、今最終論文を書き始めたところです。9月10月と研究法を取っていて、今は一緒に論文を書くスウェーデン人の方と一緒に下書きや論文方法を考えているところです。 と、こんな感じでした。今週は大雪の中、三社懇談を行い、こちらも大変でしたが、何とか終わり、ほっとしている今日です。明日は第一アドベント、いよいよクリスマスまでカウントダウンです。  もう少し頻繁に更新をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

スウェーデン・ストックホルムの公立学校のヘッドティーチャーになる

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 この投稿は、旧ブログと過去投稿をリライトして投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著「 医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム 」を刊行。是非ご一読を😊  あんなに、ブログを頑張って書こうと思っていたのに、あっという間に1か月😅。もう少し定期的に投稿しないとなあと思いながら、書いております。足を運んでくださった皆様、ありがとうございます。  何をそんなに忙しくしていたかというと、新学期が始まったというのも、もちろんなのですが、実は、スウェーデンストックホルム市の公立の最大の特別支援学校の、ヘッドティーチャーになりました。日本だと、主任教員とかいろいろあるのかなと思います。スウェーデンには、10年ほど前に導入されたキャリアアップ制度があり、種類は、2つ。 Förstelärare:ヘッドティーチャーと私は訳をしています。手当が月5000krつきます。 Lektor :講師という感じで、こちらは、最低でもマスターを持っていないといけなくて、月10,000krつきます。  この他に、ストックホルム市は、「発展教員」みたいな名前のもありますが、これは、市独自のもので、他の市にはありません。私が今回なったのは、上記のヘッドティーチャーです。2年前まで勤めていた学校で6年間、ヘッドティーチャーをしていたので、まさかの復帰。辞めた時は、もうなるつもりなかったので、まさか2年で復帰するとは、しかもストックホルムの公立学校で、夢にも思っていませんでした。  うちの学校には、ヘッドティーチャー何人もいますが、支援学校には今までいなかったので、今回は支援学校初となり、夏前に学校内公募がありました。かなりの数の先生が応募したので、まさか私がなるとは思っていなかったので、びっくりです。同僚たちに勧められて応募したのですが、まあならないだろうというのもあって、なってみて、ちょっとびっくりすることもありました。学校組織が大きいので、仕事も多岐に渡り、既に以下の内容を行っています。 小中学校と合同の学校内の発達グループの一つ「安全グループ」のリーダーをもう一人の先生とペアーで行っています。生徒が安全に安心して学校生活を送るために活動する大変重要なグループで、小中学校と連携して、インクルーシブで多様な学校を目指してきた...

緊急告知!今週末オンラインイベント登壇!

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  昨日8月18日に、新年度がスタートしました。今年は、学校外からの生徒の転入が私のクラスはなかったので、のんびりとした初日でした。そんな、新年度開始の週末に、こちらのイベントに登壇します!告知が少しおそくなりましたが、 「 植林をエンタメに!!第29回世界マグロプロジェクト 8月20日(土)21日(日)ツナがるオンラインイベント」  私は、8月21日日曜日の日本時間16時、スウェーデン時間朝9時より登壇し、 「医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校の現場から~人間の権利、全ての子どもの権利が守られる社会をめざして」 というテーマで45分話をさせていただきます。本の内容や紹介と共に、なぜ、スウェーデンで教員をしているのかということや、特別支援教育に関わるようになったきっかけ、今後への思いなども含めて話をできたらと思っています。 参加費は、植林プロジェクトに寄付されるこのイベント、本当に興味深い様々な分野で活躍する人の話を聞くことができます。是非、ご参加ください!

スウェーデンの学校の年度始めとは:ストックホルム公立学校2022/2023年度版

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 この投稿は、旧ブログと過去投稿の年度始めの投稿をリライトして投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著「 医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム 」を刊行。是非ご一読を😊  木曜日に新年度が始まりました。ストックホルム市の公立学校は、たいていの場合、新しく採用された先生は10日にイントロダクションがあり、11日が全職員のスタートで、来週の木曜日18日より生徒が登校します。過去の投稿を読みながら、こんなことを新年度に思っていたんだなあと振り返っています。ということで、今日は、スウェーデンの学校の年度初めについてです。 2か月の夏の休暇明けの職場とは  例年の投稿を読むと、やはり2か月弱も休むと、仕事開始の前は憂鬱になり、始まると、身体が慣れるまで大変でとあります。仕事が始まる憂鬱さは、ここ数年はあまりなくなりました。同僚の先生が話していたけど、仕事が始まるとみんなに会えるというのが楽しみと。私も同感で、毎日会っていた同僚たちに、2か月全く会わないので、こうして休み明けに会えるのは本当にうれしく思います。 校長の色が出る新年度の幕開け  新年度の内容には、校長の色ともいえる、願い、教育への思いが出ると感じます。勤務した学校数はあまり多くないのですが、校長は変わっているので、結構な数の校長と働いてきました。校長がどんなふうに新年をキックオフするかは、大変興味深いです。  初日の朝は、ホールでウェルカムサンドイッチとコーヒータイム。全職員が自由に話をしてお茶を飲む時間がありました。久しぶりに会う同僚たちとあいさつをして雑談で開始しました。その後、校長の新年度に当たっての話を聞きました。5年目の今年は、今までの4年間を振り返り、どんな風に学校が成長と発達を遂げてきたのかという話を聞きました。彼女の学校への思いが伝わり、素晴らしい話でした。やはり、リーダーというのは、ビジョンを明確に伝えられるかというのが重要だなあと思いました。休憩を挟んで、各学部に分かれて話が続きました。支援学校は、新任の副校長が着任したので、彼女の話を聞き、組織についての話がありました。午後は、引き続き、各学部での会議があり、全体会議、クラス会議、教員の会議(アシスタントはアシスタント会議)とありました。 ストックホルム最高の夏日に、キッ...

2か月弱の夏の休暇でも、なり手がいないスウェーデンの教員不足問題

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 この投稿は、旧ブログの教員不足問題に関する投稿と共に、新たに書いて投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著「 医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム 」を刊行。是非ご一読を😊  教員のなり手がいない、担任なしで4月スタート、教員採用試験の倍率が過去最低といった声が日本から届きます。「 解説!スウェーデンの学校の先生の労働環境~8週間弱の夏の休暇の秘密 」だけ読むと、教員はさぞかし人気のある仕事だろうと思われた方もいるかもしれません。しかし、スウェーデンも日本と同様に、教員のなり手がいない、教員不足の国です。教員のなり手の減少は、おそらく世界的な流れではないかと想像しており、その要因は様々なものが考えられると思います。今日は、旧ブログの教員不足に関すると投稿と共に、2022年夏のスウェーデンの教員不足についてです。 スウェーデンの教員不足はいつから?  旧ブログを始めた時には、既に教員不足に関して書いていたので、2008年には報道されるほどの問題になっていたと思います。2010年の学校法改訂と学校改革により、教員免許制度が導入され、教員不足問題は、「教員免許有資格者不足」というより明確な問題となり、現在の日本の状況に似ていると思います。 なぜ、スウェーデンで教員は人気がない職業なのか?  複数の理由があると思います。スウェーデンでよく言われる理由を以下にまとめます。 スウェーデンで教員になっても儲からない、もとが取れない。 スウェーデンでは、大学の授業料は無料ですが、学生は、生活費や教科書代などを学生支援金と共に、学生ローンを組んで自分で支払います。18歳になると成人となり、基本的に親が面倒を見るということはなくなる文化です。教員はプログラムにもよりますが、3年半から5年半かかり、その間に背負うことになるローンに見合うお給料が、先生になってももらえないという状況でした。同じくらいの期間学ぶ、例えばエンジニアとか法律家に比べると格段にもらえるお給料が少なかったのです。今は少し改善されています。 労働環境が厳しい 。夏の休暇は長く素晴らしいのですが、学期中の労働環境は厳しく、事務仕事も増え、成績や評価、特別な支援や付加的調整、保護者対応、いじめや差別、不登校などへの対応など、勤務時間内に仕事を...

ジェンダー教育を行う、スウェーデンの幼稚園・保育園

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  この投稿は、旧ブログの2009年6月25日のものをリライトして、再投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著「 医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム 」を刊行。是非ご一読を😊  私は、スウェーデンの就学前学校( スウェーデンの学校システムについてはこちらを )で、3年ほど幼稚園教諭として働いていました。もう10年以上前の話です。その時に見学した就学前学校の写真を紹介します。同僚たちと夕方18時とかにストックホルム郊外の園に見学に行ったことを思い出します。  その当時は、 「Genuspedagogik」という「ジェンダー教育」 が注目されており、それを見学研修に行きました。 掲示で、ジェンダーに対する考え方や、子どもたちへの思いなどが書かれていました。 壁の一面に棚がとりつけられており、そこにありとあらゆるおもちゃが写真と共に整理して並べられていました。おもちゃの中には、お人形から、レゴまでなんでもあり、男女を意識させないように、同じ箱にいれられていました。  これを、昼食後の休み時間になると、まず、お話を読む休憩時間があり、その後、写真をつかって、どれで遊ぶかを決めさせているそうです。その際に、 昨日遊んだものとは遊ばないように、 だれとあそぶか、 一度決めた遊びは、少なくとも一定の時間は遊び、後片付けもさせている。 ということでした。こうしてシステム的に行うことによって、女の子も車で遊び、男の子も人形で遊ぶことが1週間のうちにあるということでした。 この幼稚園、環境教育、算数、言語にも力をいれていたし、幼稚園の中もかなりくふうされていました。そんな写真も順番に公開していこうと思います。 写真の棚に並んでいるのは、 月曜日から、金曜日の箱 です。昼食前のサークルタイムのときに使います。それぞれの箱にテーマに沿った歌や手遊びなどが、それを象徴するものと共に入っています。 さっきの棚の下が、こんな風に各分担、(日本で言う係りのようなものですね。)の掲示になっていました。そこに今日の子どもの写真をはっていくようです。   こんな袋やヨーグルトの容器を再利用した、サークルタイムで使うお話や歌の人形などが入ったものもありました。子どもは同じものを何度も聞いたりやったりするのが好きな...

解説!スウェーデンの学校の先生の労働環境~8週間弱の夏の休暇の秘密

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この投稿は、旧ブログの2010年4月2日と2012年6月1日のものを更新して、再投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著 「医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム」 を刊行。是非ご一読を😊  8週間弱(7週間と6日)あった夏の休暇も、残り2日半になりました。ということで、今日は、スウェーデンの学校の先生の労働環境を解説!8週間弱の夏の休暇編です。  今日解説するのは、スウェーデンで私のように 「先生」 をしている人に適応される労働形態の話になります。学校で働いていても、教員ではない場合は、雇用形態が異なります。 1.スウェーデンの教員の雇用形態  スウェーデンの教員で最も一般的な雇用形態は、 「Ferieanställning (フェーリエアンステルニング=ホリデー雇用」 です。この雇用形態は、基礎学校と高校の先生のように学校がある学期中に仕事が集中する職業に適応されます。公立の学校の先生は一般的にこの雇用形態ですが、民営の学校の先生や先生以外の学校で働く人の雇用形態は、スウェーデンの労働者の主流である「Semesteranställning (セメステルアンステルニング=休暇雇用」の場合が多いです。 2.基本週45時間労働をするスウェーデンの先生  具体的な労働時間は、 週45時間 労働をしています。(スウェーデンのフルタイムは、週40時間。職種によって組合と雇用主の合意で、40時間以下の場合もあり。)教員は、このフルタイム労働を年度(8月10日くらいから1年間)で計算し、 年間1767時間 働きます。(組合の合意によって多少差がありますが、1800時間は超えません。)この、1767時間を、最高194日(1年)で働きます。 1767時間のうち、1360時間は学校で仕事をする決められた労働時間、授業時間や会議、準備などで週35時間が一般的です。このうち、月1回程度で入る全職員会議が夕方にあるので、この時間を除いて、34時間くらいになっている場合が多いと思います。  残りの407時間は、週に換算すると10時間を少し切るくらいになり、教員が家や学校などで、好きなように使える労働時間となります。この労働時間の内容は、何をどこでいつしたか、 報告義務は無い(管理職は聞いてもいけない...