2019年6月25日火曜日

スウェーデンの学校、携帯電話禁止となるか

 スウェーデンの教育関係の最近の話題で外せないのが、携帯電話の使用に関してです。学校での携帯電話の使用を禁止するという動きがあり、どの学校区分で、どの程度禁止とするのかなど、その禁止の度合いについて話題となっています。


 この携帯電話禁止もしくは使用の制限に関しては、前々から時折出ていたので珍しい話ではないのですが、本格的に議論される大きな理由は、現政府の組閣にかかわって、社会民主党と環境党が、中央党と自由党の支援を受けるために受け入れたいくつかの条件の中の一つに、この内容があったというのが大きいかなと思います。もともとは、もちろん、学力低下と教室での学習環境の悪化があり、そこを法をもって何とかしようという政党の考えが、この携帯電話禁止の方向に動いています。


 私が見聞きする範囲では、特別支援教育関係者は、やはり携帯電話がもたらす恩恵の方に目を向け、支援機器として考えると、法で禁止する方向は反対の姿勢を示している反応を見受けます。法できっちり禁止すること自体があまりスウェーデン的でない印象を私も受けるので、やはり同じようにそこまでしなくても、現場が決めていけばいいというような意見も多々。最初にこの話題が出たころに比べれば、議論が進み、徐々に緩和されたというか、寄り添った案となりつつあり、好意的な意見を述べる人も増えてきた気がします。

 
 個人的には、デジタル化教育の推進を掲げ、カリキュラムも改定したのに、携帯電話の禁止を学習環境を整えるためという理由であっても導入するのは、時代の流れに反する気がします。今後デジタル化社会は進んでいくのであり、そこに生きていく子どもや若者を育てていくのですから、それにあった知識を与え、教育を行うべきであると思います。禁止をしなくても、やり方はいろいろあるように思うのです。こういった議論が行われることは大変良いことで、これにより、いくつかユニークな試みが行われました。そんな動きもご紹介できればと思います。




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