スウェーデンには、Skolinspektionという政府機関があり、(直訳すると、学校検査局とでもなるのでしょうか)、学校に関することを訴えることができます。
この訴えの件数がものすごく増えているそうです。件数をみていくと、
2003年 949件
2006年 1046件
2009年 1542件 半年では、764件
2010年 2260件 半年では、1357件
2011年 半年分で 1386件
ということです。これから見ても、2年前に比べて半年の件数を比べると、2009年が764件2011年ではすでに1386件と倍に増えています。
うちの学校でも、校長と副校長が訴えられた内容を検証するために奔走する姿がたまに見られます。特別支援学校のほうではあまりないのですが、小学校のほうではよくあります。また、実際に訴えられなくても、「訴えるぞ」みたいな話が出てくることもあります。
親の影響力が強くなり、子どもの教育に関心を持つのは大変よいことで、こうした関心が学校や教育の質を向上させていくのは事実です。なので、これ自体が悪いとは思いません。
しかし、スウェーデンの状況は頭を抱える部分があります。
ここで、少し基礎知識を。スウェーデンでは、学校選択を自由化しています。これが問題を引き起こしている部分があるのです。学校選択といっても、選べるのは、割と大き目の町に住んでいる子供たちのみで、田舎に住んでいれば、そんなに選べる学校があるわけではありません。これに関してブログにも以前かいているので、参照を。
何で、これが問題かというと、何か問題がおきれば、学校を変わる子どもと、学校を変える親が多いのです。このため、教員は、親が自分の子どものための授業を買うように授業を生産するようになってきているのです。
その昔は、親が参加して学校の問題について話し合う機会があり、まあ、保護者会のようなものです。それにより、みんなでよりよい学校にしていくことができたのですが、今では、何か問題があれば、「じゃあ、学校変わります。」というような事態が。。。これでは、子どもによってもよくないし、学校にとってもよくないし、教師にとってもストレスです。
スウェーデンにも、荒れている、落ち着きのないクラスというのは、数多く存在します。たまたまそんなクラスを担任することになり、がんばってやっていても、何かしら問題がおきます。そんなときに、親から子どもの前で怒鳴られたり、校長に訴えられたり、果ては検査局に訴えられたり。。。親からの信頼をなくし、親が毎日教室の後ろに立って授業を見ているなど、そんな話もないわけではありません。
親が熱心なのはよいのですが、間違った方向に進めば問題です。それに、やはり、教師に対する敬意があってしかるべきであります。無関心な親よりは熱心な親のほうがいいですけど、バランスが大事なようにも思います。
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