2022年7月14日木曜日

ページ「スウェーデンの特別支援学校で働きたい方へ」更新

 ページの「スウェーデンの特別支援学校で働きたい方へ」を更新しました。以下は同じ内容ですが、新規投稿もしておきますね。

「スウェーデンの特別支援学校で働くには、どうしたらよいでしょうか」という質問を時々いただきますので、少しアドバイスを書きます。さらに聞きたいことがある方は、連絡フォームよりご連絡ください。その際には、明確な質問をしてくださると答えやすいです。また、返信には多少お時間を頂くことがあります。(2022年7月修正)

1.ビザ

スウェーデンで生活し、働くためにはビザ、滞在許可証が必要です。結婚、もしくは同棲という形でビザが出ていれば問題ありませんが、そうでない場合は、ビザの問題が一番難しいかと思います。労働ビザは、学校の場合はなかなか難しいです。民営の英語で授業をする学校がありますので、そこは、英語が流暢であれば雇用の可能性はあると思います。スウェーデンでも、ワーキングホリデービザが出るようになりましたが、学校で働くことは難しいです。コロナの規制がなくなったので、今後ボランティアで学校で働くことは少しずつ可能になるのではないかと思います。

2.スウェーデン語

学校で教員をするのですから、やはり、スウェーデン語がそれなりに話せないと難しいです。私は、教員になる前、読み書きの必要が少ない他の仕事をいくつかし、スウェーデン語をある程度まで習得してから働き始めました。最初から、特別支援学校の教員を目指すのではなくほかの仕事をしながら、まずは、「日常会話のスウェーデン語」を話せるようになることが重要です。学校で教員をする場合は、読み書きできないと大変です。スウェーデン語には、「学校のスウェーデン語」と呼ばれる、学校で教えるスウェーデン語があり、それなりにできないと仕事をこなしていくことは難しいです。


言葉のできない先生に自分の子どもを預けたいという親はあまりいないように思います。言葉は重要です。生徒とはもちろんですが、同僚や保護者など、とにかく言葉ができないと仕事はこなせません。私は言語面はかなりパートナーに手伝ってもらいました。協力してくれる人がいるか、いないかは大きいかと思います。もしも、海外で学校の教員をというのであれば、英語圏の国、カナダなどは教員の受け入れに門戸を開いているようです。

3.教員免許

スウェーデンの特別支援学校で働くためには、特別支援専門教員の免許が必要になります。この資格は、幼稚園や小学校などの教員免許を習得し、最低3年の実務経験を積んだ後に大学で特別支援の専門教員の免許を取得することになります。ただ、スウェーデンは教員不足ですので、免許がなくても働いている先生はたくさんいます。免許がない場合は、継続雇用は難しいですか、代替教員や期間限定の教員になら採用される可能性もあります。日本の教員免許を所有している場合は、高校と大学の成績を大学の成績互換をしてくれる機関へ提出し、スウェーデン語が高校レベルまでとれたら、スウェーデンの大学で不足分の単位などを補い、教員免許の申請をして、スウェーデンの教員免許を取ることが可能です。スウェーデン語を習得して、スウェーデンの大学に入りなおして免許を取るということも可能です。

スウェーデンの学校には、「生徒のアシスタント」や「先生のアシスタント」という仕事があります。そういった仕事や就学前学校の保育士、休んだ職員の代わりの先生などをしながら、教員を目指すというのもよいかと思います。

4.精神力

異文化のなかで母国語でない言語を使って働くことは、思う以上に大変です。楽しいことばかりではないので、やはり、つらいことがあってもやっていける精神力と性格は必須です。悪気がないことはわかっていても、文化の違いや言葉がわからなかったりして、つらい目に合うこともあります。どんな日常であっても楽しめる、教育にかける情熱は大切であると思います。

5.社会性

日本にいても必要ですが、それなりに社会性がないとやはりつらいです。職場にもよりますが、私は今までたいてい外国人、移民は私一人という中で働いてきたので、スウェーデン人たちとそれなりに適当な会話ができないとつらいかなと。私はそんなにすごく社交的なタイプではないので、話題づくりには努力をしてきました。

6.勉強し続ける意志

スウェーデンの学校教育で17年働き、実感するのが、「勉強し続ける意志、学び続ける意志」ない人は、難しいと実感しています。教育は、常に20年後の未来を見据えて目の前の子どもたちに教えていきます。そんな中で、新たなことを学ぶ意志がない、「学ぶ」ということに敬意を払えない、努力できない方は、おそらくスウェーデンに限らず、先生をしていくのは難しいかと思います。スウェーデンに限って言えば、毎年の研修の内容や自分たちの活動計画などをみんなで決めるので、変化に応じて学び続けていくことは本当に大切です。また、スウェーデン語も磨き続けないと難しいというのもあります。


最後は、やはり、「意志あるところに道は開ける」であると思います。これがやりたいという意志をもって、努力をしていくことが重要であると思います。

私の勤務校


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