2022年7月17日日曜日

本「スウェーデンに学ぶ ドキュメンテーションの活用 子どもから出発する保育実践」白石淑江編著

  夏の休暇も1か月が過ぎました。今年は、本の出版、大学の勉強、仕事など、忙しくしていて、夏の休暇の予定を立てることなく休暇に突入。日本は飛行機のチケットも高いし、友達に聞く限り、いろいろ面倒で早いうちに断念。ということで、メインは「のんびりすること」、「したいと思うこと」をすること。そして、多くの時間を読書に😍。家にある読もうと思っていた本を読みながら、オーディオブックを片っ端から聞いています。もう何冊聞いたかわからないほど。読んだ本、全てについて書くことは難しいので、こちらの本について今日は書きたいと思います。



スウェーデンに学ぶ ドキュメンテーションの活用 子どもから出発する保育実践

新評論 白石淑江編著

 そんなにたくさんスウェーデンについて書かれた本を読んだことはないのですが、この本は、丁寧にスウェーデンの現実を書いていると思いました。私は、スウェーデンの公教育にもう長くかかわっているので、どうしても、現実の問題点を考えてしまい、あまりにも素晴らしく、美しく、きれいな部分だけを書いているものを読むと、現実を知っているけど書かなかったのか、本当にしらないのかと思い、疑問が残ります。しかし、この本は、両方の面を実に丁寧に書いていて、感動しました。

 白石淑江さんは、お名前は何度も聞いたことがあるのですが、お会いしたことはなく、この本も、彼女が行った長きにわたる研究実践を丁寧にまとめたものであると感じました。編著ですので、ご想像の通り、複数の方によって書かれています。スウェーデンで幼稚園教諭(就学前学校教師)をされているウェンドラー由紀子さんは、その昔お子様を補習校で担任したことを思い出します。森のムッレで知る人ぞ知る高見幸子さんに加えて、スウェーデン人の方が3名加わり書かれています。そして、日本からも。そうした方々の培われてきたものが、ぎゅっと詰まった本でした。

 手に取って、是非読んでもらいたいのですが、スウェーデンの就学前学校で行われている教育ドキュメンテーションについての知識が得られるというのは、もちろんですし、日本での実践の様子も大変興味深いです。加えて、2点、私が深く共感し、同感したことを以下に簡単にまとめます。

 ウェンドラーさんが書かれた「第4章保育者にとっての教育ドキュメンテーション」は、スウェーデンの就学前学校で働いた経験がある私には、実態をとても鋭く、的確にまとめていると感動しました。問題点の取り上げ方も、日本への思いも、共感できることばかりです。実践例も大変興味深いもので、真摯に教育と向き合う彼女の姿勢が読み取れました。高見さんのムッレの部分も興味深いです。

 スウェーデン人の方が書かれている部分で、日本の保育園や幼稚園を見学した時に感じた日本の保育士さんの姿勢、態度が書かれている部分。ウェンドラーさんなど他の方もかかれていますが、私も同感です。日本の保育士や幼稚園教諭として、現場で働く皆さんの子どもに接する態度には、スウェーデンの人々が学ぶべきものがたくさんあると感じます。学校もしかりです。保育や教育の質と発展にとって、最も重要なのは、職員・教師・保育者であると言われます。他の部分を少しずつかえていくことで、スウェーデンも日本もより良い保育や教育にしていけると思います。


 と、語りだしたらきりがないので、興味のある方、ぜひ、ご一読ください。また、この本、私は、スウェーデンのストックホルムで古本を売り買いして、その売り上げを日本に寄付している方たちがいるのですが、そこで購入させていただきました。こうした社会貢献についてもまた書けたらなあと思います。


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