2015年3月30日月曜日

落ち込む時もあるさ。。。

 今週は、3日間のみの出勤なので、ちょっと気が楽です。前回のブログにも書いたのですが、日本週間も終わりだと思った矢先に、ちょっとした出来事があり、滅入っています。起きた出来事については詳しく書けないのですが、土曜日は撃沈し、日曜日は1日書類書きに専念しました。(出来事がおきると、書類は重要なのです。。。)起きてしまったことは仕方がないのですが、周りのみんなの慰めのような「防ぎようがなかった」という言葉に、私は納得できず。。。本当に防ぎようがなかったのだろうかと。

 私が受け持っているような重度の障害を持った生徒の場合、彼らは全てを周りに依存しており、周りの大人が全権を握っているといったらおかしいですが、全て周りが決める中で動いています。なので、何か起きると私はものすごく心が痛みます。特に生徒が批判されるような状況になるとなおさらです。今回はそんなことはなかったのですが、後回しにした仕事の結果が、今回の出来事につながったという後悔をしています。忙しいと、どうしても先延ばしにしていることがあり、「しまった」と思った時では遅い。。。「もっと強くいっておけばよかった」というのも、よくある私の後悔。アシスタントを統括する立場にあるので、さじ加減がたまに難しい。。。いらっときて、失言をしてしまったことも後悔につながっている。。。ああ。。。


 あまりの落ち込みように、周りも慰めてくれましたし、主人は毎日、花にお菓子に、プレゼントにとしてくれますが、気持ちも沈み気味。。。あと2日間働いたらイースター休暇なので、少し学校と距離を置けるのはよいかと思っています。こういう出来事には慣れっこなのに、「ああしておけば、よかった」と思う心が今回は大きくて、落ち込みが大きいのだろうと思っています。



 そんな落ち込む私にちょっとした喜びを与えてくれるのも、生徒。ある生徒が、写真を介してコミュケーションをとるのですが、意思が通じて理解してもらえた時に、ものすごく喜んで小躍りしたのです。あまり意思表示をしない生徒だっただけに、「ああ、この子もやっぱり、通じればうれしんだなあ」と私も嬉しくなりました。

 辛いこともあるけれど、楽しいこともあり、喜びもある毎日を楽しめる余裕をもっていたいと思いました。続けたいと思って頑張ってきたスウェーデン語のコース、やっぱり、時間的に無理だとあきらめました。諦める勇気も必要と慰め。。。日本行きを約2ヶ月後に控え、卒業を迎える2名の生徒、今回の出来事にもう一つのコース、他に抱えた仕事と、どう考えても無理かなと。毎日友人に電話して愚痴もできず、ブログで一人反省会をする夜でした。落ち込むときは、ぐっと落ち込み、また、がんばります。


2015年3月28日土曜日

日本週間無事終了

 無事に今回の日本週間も終了しました。今回は、例年よりもばたばたし、昨日はちょっとした出来事があり、私は本当に疲れました。ああ。。。

 参加してくださった日本人の方は、月曜日が2名、火曜日が3名と、今回もボランティアにもかかわらず、手伝ってくださった方には大変感謝します。4回目になる今回の日本週間、子供たちから、「前にやったあれをしたい」という声が出たり、飲めなかったお茶が飲めるようになっていた子がいたりと、やっぱり、回数を重ねるって重要だなあと思いました。

 今回の日本週間は、日本文化とスウェーデン文化を掛け合わせ、また、6月の日本訪問に向けて、プレゼントを作成したりと内容盛りだくさんでした。また、今までは、私が中心となって行ってきた計画も、他の先生に移行し、それぞれの先生が各コーナーを受け持ちました。

 姉妹校が広島県にある特別支援学校なので、送られてくる写真などに「ピースキャンドル」がよく写っていました。そこで、今回は、ピースキャンドルも作りました!準備は大変だったようですが、出来上がった時の喜びは大きく、また、思う以上に簡単に子供達が参加してできるのも良かったように思います。私のクラスの子供達も楽しそうに行っていました。


 それにしても、ここ数週間、いろいろと学校であり、疲労困憊しております。。。今週はゆっくり休みたいと思います。みなさんも、良い週末を!

 日本週間に参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。


2015年3月21日土曜日

スウェーデン人同僚に鍋を試してみるの巻

 驚くほどに忙しい毎日が過ぎていき、ブログの更新がまた滞ってしまいました。ちょっと振り返ると、先週の月曜日と火曜日は、久しぶりに通訳しました。私の勤務体系では、学校のある日に仕事を引き受けた場合、お給料が出ないため、ほとんどこういった仕事を引き受けないのですが、今回は、久しぶりにやってみました。こういう仕事は、引き受けないか、引き受けるならば定期的にやる必要があると実感しました。

 学校を休むと仕事がたまるため、残りの週はあっという間に過ぎていき、土曜日は久しぶりに日本人補習学校へ。数年前に小学2年生の時に担任したクラスの生徒と親さんが謝恩会によんでくださいました。久しぶりに会う人も多くて大変楽しい時間を過ごさせていただきました。ああいう会の準備は大変だっただろうと思いました。で、問題は、さあ帰ろうと車のトランクを開けると、なんとまさかのインロック。「ありえなーい」と叫びたくなる瞬間でした。って、叫んでいましたし、一緒に帰ることにしていた友人には申し訳なくって。ああ。。。私のドジには慣れている主人が、はるばる鍵を持ってきてくれて、なんとか帰宅。。。


 で、今週は何をやっていたかというと、鍋をスウェーデン人同僚に食べさせるベく、奮闘。前から食べて見たいという人がいたのと、日本行きに向けてダンスや歌の練習をすることになっており、じゃあ、と鍋を。で、数週間前からいろいろ準備。友人に鍋を借りたり、材料を買い出したり。

 こんな時期でも欠席者なしの、全員参加でいざ、鍋を。中身は、サーモンなどの海鮮鍋にし、一番ニュートラルな水炊き風にしました。味も質素で食べやすいし、何より、醤油の味と箸に慣れてもらわないとと。

 7割の先生は、平気でしたが、やはり、一部はダメですねえ。それに、スウェーデン人、野菜を食べない。特に白菜はああして煮て食べる習慣がないせいか、あんまり減らず。しらたきや豆腐も興味津々だけど味見程度。うどんもふーんってな感じ。

 今回は、時間省略もかねて、味ぽん酢を使ったのですが、これは美味しかった模様。不思議なのが、魚を入れてはそれだけ食べてしまうんだなあ。それでも、 スウェーデン人鍋奉行が現れ、おおーと驚き。。。

 最後にお雑炊にしたら、みんな少しずつ味見をし、なんで最後にご飯を食べるのかと聞かれました。やっぱ、日本人だしと適当に答える日本人がそこに1名。


 でも、食事に文句をつけた1名と翌日から病気になった方は、日本行きをもう一度考え直した方がいいのではないかと、影で思う私でした。はあ、疲れた。。。


 来週はいよいよ日本週間です。日本人の方、今回も数名参加してくださることになっており、本当に助かります。興味がある方、当日参加も大丈夫なので、ぜひ、ご連絡をくださいね。

よい週末を。

2015年3月4日水曜日

大量のメールに悩まされるスウェーデンの教員・校長

 スウェーデンの学校におけるメールの位置付けは、年々高くなり、私が働き始めた頃に比べると、活用度は深まる一方です。そんな時代を反映する問題が起きているという記事がありました。

 スウェーデンの校長先生や教員は、毎日大量に送られてくる保護者からのメールの対応に追われて、通常業務に支障をきたしているとあります。私の働いている特別支援学校は、生徒数が他の学校に比べて格段に少ないので、私にメールが山のようにくることはありませんが、校長は小学校の校長を兼任しているので、メールの対応に追われると聞いたことがあります。メールに加えて大変だなあといつも思うのが、電話。携帯電話になり、電話が全て転送されるようになり、校長たちは、電話対応にも追われている感じがします。SMSというショートメッセージでもくるらしい。。。

 記事でインタビューに答えていた校長先生、1日に100件から150件ほどメールがくると。すごいねえ。その対応だけで、数時間はとられそうです。簡単に答えられる案件ばっかりじゃないだろうしねえ。親が学校教育に関心を持ってくれるのはうれしいが、それでも、学校組織や運営に関わるような内容や授業の仕方や内容に関する細かい点などを、いちいちメールで指摘してくる保護者に対して、もう少し学校を信用してまかしてほしいという気持ちもよくわかります。


 私も職員室というほどの部屋でもありませんが、学校に小学校の先生と一緒に使う部屋があります。そこで、仕事をしていると、小学校の先生が時々保護者からきたメールの話をしてくれます。学校休みますという連絡メールから、宿題の内容に関して幅広く来るメール。先生方、そんなに早くメールの返事をかけない、余裕がないと。


 この記事のもう一つの重要な内容が、労働環境。ストックホルム地域の公立と私立の学校のうち、10校中9校までが、労働環境に問題があるという指摘がされているそうです。日本よりも厳しいと思うのが、こういった労働環境のチェック。うちのコミューンでは、改善が見られず、罰金が出た例も。。。リスク判定や改善項目、対策やドキュメンテーションなどいろんな項目でひっかかってくるらしい。

 教員の場合は、ストレスが多いのと仕事の量が多いことがよく問題にあがります。これを改善するために、うちの学校も一時期エクセルシートによる労働時間の記入を求められました。最近あまり聞かないけれど。


 メールは、都合の良い時に親が送れる反面、素早い対応が求められ、ストレスの温上になってしまう可能性の多い媒体であるようにも思います。簡単に答えられる内容ならまだしも、文面になって残ってしまう分、書く内容にも十分配慮する必要があります。


 今後、こういったメールの対応を含む労働環境がいかに改善されていくのか、関心の高いところです。


読んだ新聞記事:Lärare och rektorer drunknar i e-post från arga föräldrar, DN, 20150129


2015年3月2日月曜日

子供にとってもっとも危険な場所は・・・

 子供にとって最も危険な場所は、どこなんだろうか。スウェーデンでは、1970年代と比べると交通事故などで亡くなる子どもの数は激減し、その当時の約400人から、現在ではここ数年年間70人ほどにとどまっています。これは、多くの対策がとられた証であると思います。

 これに対して、怪我などで緊急病院にかかる子供は、年間約17万人。重い怪我などで入院を必要とするようなものは減っているそうですが、10人の1人割合で緊急病院に駆け込んでいるそうです。これらの子どもの怪我はいったいどこでおきているかというと、最も多いのは、家庭で、上記のうち、約5万4千件が家庭で起きているそうです。道路などで起きるた件数は、1万9千件、暴力などにあったのは1600件とあります。

 家庭での事故は、保護者や周りの大人が注意することで防げるものも多くあり、記事の中には、対策も幾つか上がっていました。

  • 年に何回は、家庭の環境を点検し、危険がないかチェックする。
  • 幼児、子供は、常に目を離さない。
  • 階段には柵をつける
  • 電気のコンセントはカバーをつける。
  • 手や足などを挟む可能性があるところは、防ぐ。
  • 窓止め。
外では、側溝や井戸、プールなど危険性のある箇所をチェックすることとあります。

 子どもの危険というと、外で知らない人に連れ去られるとか思い浮かびますが、こういった家庭内でのちょっとした事故もたくさんあるんだろうなあと思いました。大きな怪我にならないとは限らないこういった事故、防げるものなら防ぎたいと思います。

 スウェーデンの学校では、学校環境に関して様々な面で毎年チェックが行われます。会議でも「労働環境」は大きなテーマ。年に数回ある上司の話し合いで、この環境について話が出ると、最初のうちは何をいっていいのかよくわからなかった私ですが、最近ではだいぶ慣れてきました。いろんな意味で環境、大事にしたいですね。


読んだ新聞記事:Hemmet farligaste platsen för barn, DN. 20150228

2015年3月1日日曜日

小学1年から当たり前に成績をもらう国、フィンランド

国によって違いがある成績のあり方」の続きです。読んだ感想を先に書けば、目新しいことはなく、フィンランドとスウェーデンの教育を比べた場合に浮き彫りになる問題点が書かれていると思いました。一つ一つ見ていきたいと思います。

 本題に入る前に簡単にスウェーデンとフィンランドの成績の違いをもう一度。フィンランドでは、小学校に入学した1年生から成績が普通に出ます。最初の3年もしくは4年は、記述のみの成績評価で、その後、数字による段階のある評価が出ます。これに対して、スウェーデンでは、6年生から成績がでます。また、今回試験的に最高100校までで、成績が4年生からでます。これについては、こちらの記事を。


  • 成績が議論に上がり続ける国スウェーデン:スウェーデンでは、秋頃なんか、ものすごく成績が議論されてきました。これに対して、フィンランドでは、成績は当たり前で、しばらく議論になっていないとあります。
  • 教育が政治と深く結びついている国スウェーデン:必ず指摘されるのが、ここ。教育がとにかく政治と結びつき過ぎており、政党の政策に一喜一憂されすぎていることが上がっています。これに関しては、私も何回も取り上げてきました。政治家がその度その度教育をえさにしているというと聞こえは悪いですが、有権者の興味関心の高いところであり、うまく利用しているという感をたまに受けます。
  • 学校が市場化している国スウェーデン:学校選択の自由化を導入し、学校が市場化したことにより、生徒と保護者がお客様になったスウェーデンでは、常に「お客様」に学校を選んでもらえるように動く傾向があり、成績も深く影響を受けています。良い成績をとる子どもが多くいれば、その学校に子供を通わせたいと思う親が増えます。そのため、成績が平等に正確につけられなくなっているという現状も。フィンランドでは、小学校のレベルではほとんど民営の学校はないそうで、スウェーデンのように、公立小学校でも市場化の影響を深く受けている国とはやはり大きく事情が異なります。学校選択の自由化は、子供にあった学校を選べるという利点もありますが、やはり弊害のないシステムはないのと同じで、問題も幾つか上がっています。


 インタビューに答えていた子どもの返答が大変興味深いです。記者がスウェーデンで成績が出る学年を伝えると、
「それはちょっと遅いねえ、中学生になってから自分の状況知っても、改善するには遅いねえ。」
続けて、スウェーデンのシステムの方がいいかと聞くと、
「いいえ」
と、みんなが口を揃えて答えました。成績は、優劣をつけるものというよりは、その子それぞれの今の現状を伝えるものであってほしいと思っている私は、フィンランドの子供達の言い分よくわかります。評価の仕方も少しずつ研究がすすみ、有名な研究者も何人か出てきました。成績や評価をうまく利用していくことで、持っている力を最大限に伸ばせる教師、教育、学校であってほしいと思います。

 
 記事の最後には、フィンランドもスウェーデンの学校に見習いたいところはあり、例えば、フィンランドは、教師が前に立って授業を行う形式がまだまだ多く、スウェーデンのように議論を増やすのはフィンランドの学校でも必要だとあります。スウェーデンの教育にもたくさんいいところがあり、この国らしい教育があるように思います。

 それにしても、フィンランドの教育は興味深いですねえ。1冊読みたい本があり、置いてあるのですが、なかなか時間に余裕がでません。。。

 読んだ新聞記事:Inga strider om betyg redan i ettan, DN, 20150228