2018年12月29日土曜日

スウェーデンの学童保育の現状

  日本でも学童保育が一般的になってきました。社会の変化に合わせてシステムが変わっていく、作られていくことは重要であるので、日本の学童保育の今後が気になります。スウェーデンの学童保育も、時代とともに変化をしています。


 そんな学童保育について学校局が行ったアンケートをまとめたレポートが発表されたので、それについて少し書こうと思います。学童保育に関しては、2年ほど前に新しいカリキュラムが導入されましたので、現状はどうなっているのか気になります。来年からは、学童保育の職員にも免許制が導入されますし、スウェーデンの学童は職員の専門性を促進し、より学びを中心としたものに変わっていくことになります。

 レポートによれば、予想はついていましたが、現状は新カリキュラムを実行できるような状態ではないということで、特に自然科学系、デジタル化に関しては、それに対応できるだけの状況にはなっていないところが多いようです。ここ数年学童保育の状況は、あまりいい声が聞こえてこず、どこもかなりの人数の子どもを少ない職員で見ていると聞いています。

 4人に3人は、準備時間が週に数時間と答えており、十分な準備をする時間がないことは、就学前学校同様に大きな問題のようです。こういった問題はすぐには解決しないので、こうしたレポートや研究、地道な校長との話し合いなどをつんでいくことにより少しずつ改善されていくものであると思います。


 学童保育も私にとって大変興味のある分野の一つで、調べてみると、大変興味深いと思っています。特に特別な支援を必要とする子どもの状況や、うちのような学校の学童などもどういう状況なのか気になるところはたくさんあるので、いつかやってみようと思う今日この頃です。

2018年12月28日金曜日

スウェーデンでも多い孤独死

 スウェーデンのクリスマスは、日本のお正月に似ていて、家族でお祝いする人が多いです。そのためか、クリスマスを一人で過ごすこと、一緒に過ごす人がいない人は、かわいそうな人というイメージがあります。私の周りも、一人になりそうな人には、お互いに確認しあうような雰囲気があります。こんな時期だからか、新聞で孤独死の特集がありました。知り合いに孤独死で親類をなくしたという方もいます。私は子どもがいないので、いつか孤独死をするかもしれないと旦那に話すと、笑われましたが、他人ごとではないと感じます。


 スウェーデンは、個人主義の国といわれますし、家族はいわゆる核家族が基本で、親や兄弟とあまり連絡を取らないという話も聞きます。もちろん、多くの人は家族親類と適度な距離をとって関係を気づいていますが、どの家庭にもそれなりに問題があるというは、否めません。新聞によれば、二日に1人くらいの割合で孤独死が見つかるということで、思った以上に多い印象を受けます。多いのは、女性よりも男性で、40代から60代くらいの無職だったり、早期退職した人など、仕事に行かないために、出勤してこないから発見というようなこともないような方たちが多いようです。郵便受けがあって、手紙があふれるとかあれば、発見も早いのでしょうが、玄関に直接ポストがあり、投入される形だと郵便ポストがあふれることもなく、発見が1年半も遅れたケースも。匂いが問題になってもよさそうなのですが、場合によってはそれも問題にならないことが。

 孤独死の辛いところは、そんなに長い間誰からも必要とされなかったという現実であると思います。家族や友人以外にも、医療機関や税務局などが連絡をとっているが、死亡の発見がされないという社会システムにも問題があるとも。日本よりも社会システムがすっきりしており、隣近所との付き合いも少ない場合が多いので、システム的に見直す必要もあるかと思います。付き合いが少ない人の多くは、一緒に住んでいた人を亡くした悲しみから社会との交流がなくなったり、何かしら精神的な病気を抱えていたりする場合も多くあり、そういう人々を支える交流があれば、半年も発見されないという状況は改善されるのではないかと思います。ただ、孤独死というのは、定義の問題もあるとおもうのですが、誰もが誰かに最後を看取ってもらえるものではなく、前に老人ホームでの一人での死も問題となっていて、人間は、一人で生まれて一人で亡くなるものであるとも思ってみたりします。この年になると、人の死を身近に感じ、生に感謝をする年末です。

2018年12月26日水曜日

ヘルパーさんとアシスタントの質

 休暇はいいなあと、毎日ダラダラして、好きな本や記事を読みながら暮らしています。だいぶ体も疲れが取れたような取れていないような。。。数か月前に生徒のトイレ介助中に腰か背中をやられ、理学療法士のところに通っていました。おそらく椎間板ヘルニアだろうといわれ、トレーニングプログラムをさぼりながら、(かなりさぼりながら)やっています。愛犬も同じ病気なので、お互いにトレーニングです。よくなるというよりは、筋肉をつけるのが一番よいようです。というときに、職場のクリスマスプレゼントで、Anders Hansen氏の「Härnstark」をもらい、読んでいます。読めば読むほど、追い詰められていくような。。。日常的な運動がいかに脳に良い影響を与えるか。。。という、なんとも今のダラダラ生活には耳が痛いお言葉で。。。明日からジムが開くので行こうと思います。

 夜遅くから、藤田正裕さんの「99%ありがとう」を読み、人の運命とはと考えさせられ、泣けてきました。ALSやMSのような病気になると徐々にできていたことができなくなっていく悲しみは、想像を絶するものであると思いました。主人の親友に、徐々に視力を失うという難病に侵されている人がいて、彼や生徒のおかれている状況と類似点が多くあり、泣けて。。。

 本の中に、「ヘルパー」という題の内容がありました。一部を書きます。

ベットに座らせるのに「失礼します、失礼します」と
40回ぐらい言いながら結局できなかった人には、
さすがにその場で帰ってもらった。

できるヘルパーはほかの患者が離さない。
本当のヘルパーが足りない。
ヘルパーの重要性を理解して、
給料や資格の難易度を
高める必要がある。

神経質でせっかちな自分には、
今まで自分の手や足や声でできたことを、
すべての他人にやってもらうのに慣れるは、想像以上に大変なことだ。

きっと、一生慣れないまま終わると思う。
人間は、そうやって生きるようにできていないからね。
(藤田正裕さんの「99%ありがとう」140頁より)


同じような内容の話を数日前にしたことを思い出しました。生徒の親と個人懇談をし、泣きながら、いろいろあった今学期を振り返り、泣かれてしまうと、こちらもたまらず、泣けます。そのときに、個人アシスタントの質について話をしたのですが、このヘルパーさんの記述に似ている。個人アシスタントといういい制度があるのですが、資格もいらなければ、学歴もいらないこの仕事は低賃金で、生徒によっては成人になった時に、個人アシスタントがついたほうがいいと思われる生徒もいますが、どんな人がつくかわからない、つねにアシスタントを探し続けなければいけないなど、多くの問題があり、結局、選択肢にならない場合があります。生徒の場合は、やってきたことができなくなっているわけではなく、最初からできないことが多いので、藤田さんとは状況が違うのですが、できたことができなくなっていく悲しみは老人福祉の分野でも読みます。ヘルパーさんやアシスタントの質の向上、賃金の向上、労働待遇の改善などは、今後の大きな課題であると思います。




 

2018年12月23日日曜日

2学期制か3学期制か

 明日はクリスマスイブ、こちらスウェーデンは、全国でホワイトクリスマスになりそうで、クリスマス一色となっています。私は、金曜日のお昼に仕事納めをし、のんびりとした毎日です。2週間ちょっとの休みはのんびり、読みたい本をたくさん読んで過ごす予定です。

 さて、2学期制か3学期制か。。。日本の甥っ子姪っ子の通う学校は、岐阜の地方の小学校ですが、2学期制になったとかで、秋に1週間ほど、名前は忘れたのですが、休みがありました。長らく3学期制だった日本の義務教育も2学期制が増えているのでしょうか。アメリカ、日本、フランス、イギリスなどが3学期制の代表国ですが、スウェーデンは、2学期制を貫いてきました。そんなスウェーデンですが、ここ数年、3学期制にして、夏休みを短くしようという声があります。3か月弱に及ぶ夏休みを短くし、3学期制にして休みを分散することにより、学力を伸ばそうというものです。日本で2学期制となる声を聞きながら、こちらで3学期制の動きを聞くというのは、大変興味深いところです。

 そんなことを考えている冬休み、年末です。やってみる価値はあるだろうが、今後、これが先生の労働時間や環境、仕事量にどのように影響を与えるのか、学力向上にいかに有効なのかなど、かなり議論が必要でしょうね。私立の学校とかで導入されそうな感じはしますが。


 みなさんも、良いクリスマスを!

2018年12月17日月曜日

年末には寄付して音楽をリクエスト?!

 スウェーデンの年末年始に欠かせないのが、募金。年末年始に限らず、スウェーデンでは、年から年中募金しており、ちょっと前は、癌のだった気が。。。その中の一つに、先週の10日に始まり、昨日終わった、Musikhjälpen(音楽で支援)というのがあります。今年のテーマは「Alla har rätt att funka olika」で、意味を簡単に訳するならば、みんな違ってみんないいという感じで、「誰にでもその人なりに生きる権利がある。」と、貧しい国の障害者をテーマにしています。


 このMusikhjälpenは、2008年に始まったもので、毎年、クリスマス前に行われており、毎年テーマを設けて、プロジェクトのためのお金を集めるということを目的としています。もともとは、Serious Requestという番組だったようです。毎年場所が変わり、今年は、南の学生の町、ルンドでした。ルンドの大広場にガラスでできた建物が置かれ、その中に、番組の進行係が3名、24時間6日間ぶっ通しで、テレビとラジオ放送を続けるというもので、記憶が正しければ、絶食?して行うとかだったと思います。視聴者から寄付を募り、寄付して、そのお礼というわけではないけれど、好きな音楽をリクエストできるというもので、今年一番リクエストが多かったのは "Shallow" とありました。

 年によってテーマが異なるのですが、今年は、障がいがある人をテーマとしており、うちの学校でもクリスマスマーケットの収益の半分を寄付しました。金曜日に市にある銀行までいって、寄付をしてきました。1400krでした。また、就労型の施設が市内に3か所あるのですが、そこもかなりがんばって寄付を募り、集まった寄付金をルンドまで届けにいったそうです。日本の24時間テレビに近いイメージの番組です。サイトによれば、5055万204クローネ集まったとのことでした。サイトでは、いくら寄付すると何になるか知ることができて、例えば、うちの学校の1400クローネは、車いす1台分だそうです。いろんなプロジェクトで世界の多くの障がい者のために使われることを願います。



2018年12月16日日曜日

組織再編というスウェーデン文化

 あっという間に12月も半分過ぎ、今日は、第3アドベントです。スウェーデンのクリスマスについて、スウェーデン企業スカニアのサイトに書きましたので、興味のある方は、ぜひ、ご一読ください。今学期も残り4日間、今年は仕事は金曜日まであるので、1週間しっかり働いたら、冬休みです。

 組織が変わることは、スウェーデン文化といっても過言ではないかと思います。何年かに1回、何かしら組織が変わったり、名前を変えてみたり、ということをします。なので、「組織がかわったから」ということを理由にすれば、割と周囲の理解が得られるのです。そんなうちの学校も、またまた、組織が変わりました。😂😂😂


 2年ほど前に、小学校の低学年の学校と一緒になっていたのを、特別支援学校だけの組織にし、新しい校長が着任しました。しかしながら、特別支援学校の高等部、高校にあたるところは、コースや教科の経営が難しく、1年半たち、分離され、高校と統合されることに。おそらくこれはよいことだと思われますが、しかしながら、高等部でありながら、私の働いているところはそのまま残ることに。こういった再編に振り回されるのは、慣れっこになってきましたが、やっぱり、疲れます。。。一応、高等部の第一教諭というふうだったので、来学期からはどうなるのかわからないし。まあ、いいのだけど。慣れるようで慣れないスウェーデン文化ってところかなと思っています。

 あと1週間がんばろっと。。。