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アッカ・プラッタ Akka-Plattaというスウェーデンの車椅子で乗れる乗り物

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 この投稿は、旧ブログの2011年9月16日のものを更新して、再投稿しています。 2022年7月16日に、初の単著「 医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム 」を刊行。是非ご一読を😊  今日は、この乗り物「アッカ・プラッタ」をご紹介します。旧ブログで、複数の方からご連絡をいただき、おそらく日本でも使用している発達支援センターなどがあると思います。残念ながら、そうしていただいた方とその後連絡が取れていないので気になるのですが、もしも、この投稿を読まれた方で、「見たよ、知っているよ」という方、ご一報くださると嬉しいです。  「 Akka-Platta アッカ・プラッタ というのはなんだ?」と思われた方は、簡単に説明すると、車椅子に乗っている子どもたちが自分の意思で自由に動くことができる機械という感じの乗り物です。どこにでも自由にいけるのではなく、床に張ってある黒いテープを読み取り、そこを自由に動けます。今は「アッカ・スマート(AKKA Smart)というものに進化しています。スウェーデンでは、知る人ぞ知る有名な乗り物です。 こちらが、最新型の 「AKKA Smart アッカ・スマート」です。会社のホームページは、こちらから。 写真のとおり、ただの平たい板に車輪が付いており、タッチボタンもしくは、ジョイスティックで動かすことができ、床に張り巡らされた黒いテープに沿って動くのです。この平たい板の上に車椅子などをしっかりと固定することにより、子どもたちは、自分でタッチボタン・ジョイステックを押して動くことができます。 この様子を見たい方は、 販売会社のホームページから、いろんなビデオ が見れます。この乗り物、すごいのです。たとえば、視覚、聴覚、触覚などに関するものをいろんな形でこの乗り物が通る部分に準備して、しかけておくと、子どもが好きな場所に自分で立ち止まって遊んだり、触ってみたりすることができます。そうした中で、子どもの自主性を養え、その子の興味関心が分かり、コミュニケーションの基礎を教えていくことができます。そんなこと、という、そこの方、これがなかなか難しいんです。重度の障害児で、車椅子に乗っており(車椅子に乗っていない子ども場合は、直接アッカ・プラッタに座ってもよい)自主的に何かするというのが難し...

ハビリテーリングの特別支援専門教員

   前回から間が空きましたが、ハビリテーリングの特別支援専門教員の話を少し。ハビリテーリングの仕事は、実は私もいつかついてみたいなあと思っている仕事の一つ。その昔は人気があって、なるのが難しい仕事でした。しかし、ここ数年、教員の給与があがり、同じ専門職でも、学校で働くか、ハビリテーリングで働くかでかなりの給与格差が出るようになり、最近はなり手が少ないという話。このことは、フェイスブックのグループでも話題になって、下手すると5000クローネから10000クローネくらい変わってくるので、そうなると、なかなかなる人がいないらしい。  で、あるハビリテーリングでは、特別支援専門教員を配置無しことにしたとか。なんど、募集をかけても、応募はあっても、給与で折り合いがつかないので、ついに雇わないことにしたと。日本の都道府県区分にあたるラーンスティングはお給料が良くないことで、とにかく有名。ハビリテーリングもその管轄なので、今後も給与が上がる見込みは少ない。残念だなあ。  これに輪をかけるような裏事情を教えてくれたのですが、給与が担当件数、訪問件数に比例するらしい。何件受け持って、何件訪問したか。でも、これって、不平等だと思う。うちのあたりを担当する場合、行きかえりに2時間かかってしまうために、1日に回れる件数に限りがあり、そういうことで給与が変わるって、どうなんだろうか。なんだか、彼らのおかれている状況の大変さをおもうと、同情してしまいました。それでも、心理学者にソーシャルワーカー、PT、OTなどが集まった専門集団で働くことは魅力的であると、働きたいというかたも大勢いると。こういう専門職は、うちの生徒たちにとって、とても重要なので、なんとかそれに見合う給与と労働環境をと願うばかりです。

コミュニケーション福祉センターでの会議

 先日、コミュニケーション福祉機器センターへ会議があって出かけました。受け持っている生徒にアイトラッキング(視覚を利用して、目でコンピューターを動かしたりして会話する)を利用している子がいて、そのパソコンを車いすに固定する器具を付けることになり、会議がありました。2週間前にも同様の内容で会議がありました。今回はその時に決まった車いす3台に固定器具を取り付けるということで、まずは、朝8時に学校で使っている車いすを届けました。8時少し前に着くと、対応してくれたのは、以前、子どもたちの施設で長をしていた女性ではありませんか!私はどこかで見たことがある人だなくらいに思ったのですが、彼女はすぐに私のことが分かったようで、懐かしく、いろいろと話をしました。今はこのセンターの長だそうです。  一度学校に戻り、午後再度出かけました。2時間にわたる会議では、この器具が付いたことによる事故などの危険性に関する判定などが行われ、使い方の説明や設定などをしました。生徒と保護者、施設の職員にハビリテーリングの作業療法士もきて、みんなでわいわい。何度か会っているので、話もしやすいです。生徒にかかわる人々が集まって、いろいろと話ができる時間は大変貴重です。  2時間にわたる話し合いが終わり、生徒は施設の職員と共に福祉タクシーで帰宅し、私は、たまたま方向が一緒になったハビリテーリングの作業療法士さんと一緒にバスで帰宅。で、ラフな話をしだすと、いろいろとハビリテーリングならではの悩みも教えてくれて、興味深い。普段は、電話してはいろいろとお願いするのですが、やっぱり大変そうです。そこで聞いた興味深い話は、また次に。

問題のある生徒を救う携帯やパソコン

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その昔、日本人補習学校で努めていたときに、そこで学ぶ子どもたちを見ながら、日本語の文章はパソコンで書ければいいんじゃないかと思っていました。日本を離れて10年以上になり、私の日本語はかなり怪しくなりました。こうしてブログを書いたり、ちょこちょこと書かせていただいている観光ガイドを書いたりしなかったら、私の日本語力は、とうの昔に地に落ちていただろうと思います。そんな私を救ったのは、やはり、パソコンなどの技術です。  今日の新聞をちらちらっとめくっていて、こういった様々な技術が問題のある子どもたちを救っているいう結果が出ていました。時間の管理や記憶、注意力に多少問題のある生徒が、パソコンやスマートフォンなどのカレンダー機能や文章を読み取る昨日のあるマウスといった技術の利用を促した結果、欠席率が減り、73%の生徒の成績が良くなったという結果が出たそうです。この調査には、不安定な体に対する援助としてボールの入ったマットみたいなものも用いられたそうです。写真を探したのですが、見つからなかったので、説明を少しすると、ボールが入った布団みたいなのがあり、多くの自閉症の方などが夜寝るときなどに使用しています。不安定さを和らげるために、普通の布団よりも多少重みがあるほうがよいとされ、効果があります。ボールよりも重いものとなると、鎖の入ったものもあり、うちの生徒でも使用している子がいます。  この調査で使われたのは、そういったボールの布団の小さいタイプで、膝掛けくらいの形のものではないかと想像しています。値段は高いのですが、前々から、うちの学校にあればと思うのがこちら。  同じような考えで、座るとちょうど肩とおなかのあたりにちょっと重さのあるカバーをして座ることで、不安定な気持ちを和らげ、体を落ち着かせる効果があります。こういった補助器具を他のものと同様に使用したそうです。  障がいを持たない子どもが、早期にこういった様々な支援技術によって、少し問題がある程度の頃に手だてをうつというのは重要であるように思います。今後、より多くの研究がされることによって、多くの子どもたちが早期に様々な支援機器を使用できるようになればよいと思うばかりです。