2020年5月11日月曜日

スウェーデンのコロナの年の特別支援学校の卒業は?


 今日は、フランスが長い閉鎖生活から解放され、日常生活を開始したというニュースが流れました。スウェーデンも、罹患者数、死者数とも徐々に減少傾向にあり、コロナウィルスの第一波は収まりつつあるという雰囲気にあり、人々の心も徐々に緩みつつあるとかないとか。。。
 
 スウェーデンは、6月の頭が卒業シーズン。私が働いている学校も卒業の日があり、卒業式というと日本のをイメージしてしまうのですが、毎年、卒業を祝います。今年は3名の卒業生がいる私の学校でも、このコロナウィルスの影響で、どのような形で卒業を祝うか、イースター明けから議論が続いておりました。私は今年卒業生を受け持っておらず、久しぶりにのんびりとした年度末を送っています。昨年は3名卒業生を受け持っていたので、それはそれは忙しく。。。今年は隣の先生が3名受け持っており、大変そうですが、コロナの影響で、就労支援センターへの引継ぎなどはなくなり、実習はなくなったので、昨年よりは楽かなと想像しています。

 その代わりに、大変なのが、卒業のお祝いへの対応。うちの生徒たちは、知的障害があるので、リスクグループに入り、生徒の半分以上が自宅学習を行っています。この自宅学習も色々思うことがあるのですが、また、別に書くことにし、卒業の話に戻すと、二転三転し、結局、オンライン、もしくは映像とプレゼントでお祝いするということになりました。最初は、何かしらの形でお祝いをしていいかと聞き、それにオッケーが出たので、外でのお祝いから、体育館でのお祝い(広い体育館に生徒3名と保護者数名)というお祝いから、やっぱり、外でとなり、結局リスクグループだからと振り出しに戻って中止に。(だったら、最初から中止にしろよ、と心の中で叫ぶ😭)私は、自分の生徒が入っていないこともあり、傍観者で多少意見を言う程度だったのですが、隣の先生疲労困憊。。。わからないでもない。。。

 こういうとこに、文化を感じます。何度も何度も話し合い、ああだこうだと、どの辺がちょうどいい当たりかを探す感じで、疲れることも多々。。。今回みたいなのだと、うちの生徒は命にかかわるので、結局まわりまわって中止って落ちがいまいち。。。

 で、いまだにはっきりとは決まっていないという。。。オンラインでするか、もしくは映像を送るか。。。自分の生徒が卒業生にいないので、徹して傍観しようかなと今回は決めている次第です。このコロナで、こういう対応の難しさが世界中で経験されているんだろうなあと想像している月曜日です。

 オンライン座談会、1回目を土曜日にしました。ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。大変興味深いお話をすることができ、有意義な時間を持たせていただきました。また、2回目よろしくお願いします。



2020年5月1日金曜日

コロナウィルスで亡くなったスウェーデンの教師

 スウェーデンの義務教育の学校と幼稚園は、コロナウィルスによる休校や閉鎖処置をとっていません。そんな中、スウェーデン北部の町で教師がコロナウィルスによって亡くなりました。医療関係者や公共交通機関の運転手が亡くなるという話は、他の国でも聞きますが、多くの国で学校は閉鎖しているので、教師が亡くなるという話はあまり聞きません。今回のニュースは、教師が亡くなったという悲しみに加え、学校での感染の事実が報道されたことに驚きました。といっても、報道のされ方は、予想以上に控えめでしたが。。。

 亡くなったのは、スウェーデン北部のフェレフティオ(Skellefteå)という街の基礎学校(0年から9年)で教師をしていた60歳くらいの方。コロナウィルスに罹っていると診断されたのちに亡くなったそうです。先生がコロナウィルスで亡くなったというのは、この方だけではないのですが、この学校の76人の職員のうち、18人の陽性反応が出たということで、亡くなった職員がいることと陽性反応の出た職員の多さから、報道発表がされました。この学校、4月21日から欠席の職員が多いということで、既に休校閉鎖されていたようで、今も閉鎖されているようです。

 教員が一人亡くなり、陽性反応の出た教員が18人というと、集団感染がおこったということがわかりこの報道になったのでしょう。ストックホルムの学校でも学校の先生が亡くなったのですが、亡くなったのがその先生だけだったので、報道もあまりされず、学校も閉鎖されず、学校の消毒もされなかったということでした。今回の上記の学校は、とても例外的だといわれていますが、生徒は未だにテストされていないとあります。500人くらいの生徒が通っているようなので、症状も出ていない子どもたちをテストしないのでしょうかね。

 学校を閉鎖しないスウェーデン、賛否両論ありますが、こうして亡くなった先生が出たことは、衝撃といえば、やはり衝撃です。感染リスクを心配する教員は多くいますし、他国が学校を再開した時のような明確な対策はあまりとられておらず、教室の中の子どもと子どもとの距離をしっかり開けるということは難しいという声も聞きます。今回亡くなった先生に持病があったのかなどは、個人情報で報道されることはありませんし、珍しいケースとして取り扱われて終わっていくようですが、もう少し、教員を守る対策が取られてもよいのではないかとも思います。地域差はあると思うので、しっかり対策しているところもあるかもしれませんが。といっても、ずっと学校を閉鎖していくわけにもいかないので、遅かれ早かれ、このような事態がどこかで起きても不思議ではないのかもしれないと、複雑な思いを抱く5月1日でした。