2022年7月22日金曜日

スウェーデンの学童保育って、どう?!

 この投稿は、2018年7月7日のものを更新して、再投稿しています。  
2022年7月16日に、初の単著「医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム」を刊行。是非ご一読を😊


 スウェーデンの学童保育の紹介をします。主な内容は、

  • スウェーデンの学童保育の名称
  • スウェーデンの学童には、何歳から入れる?
  • スウェーデンの学童保育、有料、無料?
  • 特別支援学校にも学童はあるの?
  • 学童の時間はどうなっている?
  • 学童で働く人って、だれ?
  • 学童保育のカリキュラム?
  • 学童保育の教員免許

スウェーデンの学童保育の名称

 スウェーデンの学童保育は「Fritids、Fritidshem」と呼ばれ、発音は「フリーティース、フリーティスヘム」となります。スウェーデン語の意味は「自由な時間」みたいな意味なので、「余暇、学校がない自由時間の時の家」みたいな感じになります。

スウェーデンの学童には、何歳から入れる?

 スウェーデンの学童保育は、義務教育になるとは入れます。義務教育は6歳からはじまるので、それまでは、就学前学校(日本の幼稚園・保育園などにあたる)に通い、基礎学校と呼ばれる小学校に入学すると、希望すれば学童に入れます。夏休みが終わる直前、新学期が始まる前の場合が多いように思いますが、6歳で初めて学校にやってくる子ども向けの学童の受入日があり、多くの新入生がその日にやってきて、学童に通い始めます。対象年齢は、12歳までになります。

スウェーデンの学童は有料?無料? 

 スウェーデンの学童保育は、有料です。各基礎自治体が定めた「最高額で払う金額」が決まっており、収入に応じて、利用料を払います。各自治体によって多少差がありますが、支払うとしても最高で日本円2万円くらいが一般的なようです。収入がない、低い場合は、支払いは生じません。

特別支援学校にも学童はあるの?

 特別支援学校にも学童保育があります。基礎学校同様に学校内にあり、学校の規模によりますが、基礎学校とは別のチームで運営している場合が多いです。同じ学校内にあるので、子どもの人数が減る時間や特別な日の学童では、合同という場合もよくあります。特別支援学校の学童は、学童保育の対象年齢に当たらない児童生徒もいて、その場合は、異なる社会福祉法によって、学童を利用します。この辺りはまた別に紹介したいと思います。

スウェーデンの学童保育の受け入れ時間は?

 スウェーデンの学童保育は、保護者のニーズに合わせて時間が決まります。たいていの場合、朝6時、もしくは6時半くらいから始まり、夕方18時もしくは、18時半までとなっています。保護者が働いている、もしくは勉強している時間しか、子どもは学童には通えません。求職中の保護者も預けることができます。日本よりも朝早く働き始める人が多いスウェーデンでは、朝起きて、子どもを就学前学校や学童に預け、子どもは学校で朝食を食べるのも一般的です。朝食は朝7時から7時45分の間くらいです。学校は8時から8時半に始ます。放課後は、学年によって異なりますが、6歳児であれば12時半とか、1年生から3年生が学童に通うことが多いのですが、早ければ12時半、遅くても14時には学校が終わり、学童に行きます。
 学童では、おやつの時間が14時とかにあり、16時過ぎに果物の時間があることが多いです。夏休みや冬休みなどには、ランチも出ます。

スウェーデンの学童で働く人って、だれ?

 スウェーデンの学童保育は、学校に併設されています。例外としては、民営の学童で学校のそばにあり、保護者がそちらを選ぶという場合もありますが、数は少ないです。そのため、職員も学校と学童の両方で働いています。この職員には、私のような教師は含まれません。スウェーデンの学校は、教師のほかに生徒や教師のアシスタントや学童の職員がいて、そういった職員が学童で働きます。日中、学校がある時間は、クラスに入って補助をしたり、休み時間の指導をしたりと活躍してくれます。この学校と学童を組み合わせることで、学童の職員もフルタイムで働けます。

義務教育のカリキュラムに学童の項目が追加

 今まではすべての学校に当てはまる、カリキュラムの1,2章が学童にも適応ということにされていましたが、2016年7月1日より、就学前教育/6歳児きょいくとともにカリキュラム第4章に学童保育が加えられました。これにより、学童保育は、放課後に子どもたちがただ遊ぶ場所というだけでなく、学びの場であるということが明確になりました。

学童の先生にも教員免許

 スウェーデンの学童の先生の資格で一般的なのは「Fritidspedagog」になります。大学で3年間勉強するととれる資格ですが、今まで教員免許がでませんでした。このことは問題として取り上げられることがあり、ほかの教員が免許を持っているかいないかでお給料が変わってくることや専門性に対する敬意などもあり、学童の先生にも免許をという声が強くありました。これを受け、2018年8月より免許法が改正され、学童保育の先生にも免許が出るようになり、2019年7月1日より、学童に有資格者を置くことが義務付けられることとなりました。


 スウェーデンでは、両親共働きの家庭がほとんどであり、学校の授業時間も12時から14時で終了する場合が多いので、子どもたちが学童で過ごす時間が長いです。その時間をいかに学びの場として子どもたちの健やかな成長に活用できるかは大きなカギであると思います。今度は、どんなふうに学童が運営されているのか、民主主義を学べるスウェーデンの学童の紹介もしたいと思います。

夏のストックホルムの旧市街





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