2024年12月8日日曜日

秋学期を振り返る

  皆様、お久しぶりです。最後の投稿を見ると「3月」ということで、夏の休暇中にも更新をしなかったのだと思いながら、自分でも驚いています。振り返れば、3月のあのころから、大変いろんなことがあり、春も夏も落ち着くことなく、秋学期に突入しました。秋学期は、大変忙しく、3年間のプロジェクトの最終年ということで、プロジェクトの発表を10月に3回行いました。準備と発表の練習に明け暮れた秋学期前半でした。また、その間、大変数多くの仕事のご依頼も頂き、お断りさせていただいた方には、大変申し訳なく思いました。そんな忙しかった秋学期ですが、残り2週間になり、やっと落ち着いたと感じ、ふと、ブログでも更新しようかと思った次第です。忙しく、本や論文を読むという時間もなければ、そんな気にもなれず、このまま、インプットもアウトプットも減っていくのかと思っていたのですが、少しずつ、忙しい中にも読書の時間をとれるようになり、やっと、アウトプットの時間も取れるようになりました。

 同じ世代である中山美穂さんの休止を、妹たちからのラインで知り、大変驚きました。特にファンということではなかったのですが、それでも、同世代であり、常にテレビで拝見してきた方ですので、あまりにも早い死に驚きを隠せません。私は、ここ数年大事な人々を亡くすことが多くなり、年齢的に当然かとも思うのですが、改めて自分のやりたいことをやっていき、1日1日を大事にしながら、出会いを大切に生きていきたいと思いました。

 このブログも、更新は少ないですが、今まで何とか続けてきており、今年もこのブログより、ご連絡をくださる方が何名かいらっしゃり、何とか、再開していきたいと思っていたのです。冬休みにもなりますし、少しずつ更新をしていきたいと思いますので、ぜひ、引き続きお付き合いくださればと思います。

夏には5年ぶりに日本に帰省しました。東京スカイツリーからの眺めは美しく、久しぶりの日本を満喫できました。また行きたいです。


2024年3月3日日曜日

見逃し配信で!スウェーデンのインクルーシブ教育を

  皆様お久しぶりです。2月29日に行いましたオンラインセミナーの見逃し配信が2か月間自由にご覧いただけます。スウェーデンのインクルーシブ教育について、知りたい方、是非、ご覧ください。また、講演資料もダウウンロードいただけます。

見逃し配信はこちらより:


ページの下の方にこんな感じで見逃し配信があります。

資料のダウンロードはこちらより。

※当該資料の二次利用や転用、関係者以外への共有はお控えください。


事前に申し込みをしていない方も自由に見れますので、ぜひ、お知り合いの方でインクルーシブ教育に興味関心のある方にも情報をお伝えいただければと思います。

2024年1月17日水曜日

多国籍なスウェーデンの学校の職場とスウェーデン語の習得

 旧ブログの中でも、何回かスウェーデン語の習得に関して書いていました。私はスウェーデンに住み始めて20年以上になるし、仕事をしていることもあって、スウェーデン語はそれなりにできますが、完ぺきなスウェーデン語ではないですし、間違いも多いです。今日は、そんなスウェーデン語習得と多国籍なスウェーデンの学校の職場についてです。

1.多国籍なスウェーデンの学校

 スウェーデンは、もう50年以上前から、労働移民や難民を多く受け入れてきた歴史を持っており、学校は本当に多国籍です。生徒たちには、移住してきたばかりの子もいれば、2世、3世という子どももいます。職員もしかりで、いろんな国籍の人、いろんな外国の背景を持つ人々と一緒に働いています。

2.スウェーデン語を話す

 多国籍になると多言語になり、聞こえてくる言葉は、いろいろあります。生徒たちが話す言葉はともかく、職員間では、「学校ではスウェーデン語を話す」というルールがあります。個人的には、このルールが明確に書面で書かれて出てきたときは驚きましたが、実際に教師をしていると、スウェーデン語を話してほしいと思う現場に直面することもあり、必要なルールなのだと思います。

3.言語も文化も違う

 言語も文化も違う同僚たちと働くことは、いろいろ学びがあります。スウェーデン語の習得もしかり。私は、性格的なものや、おそらく文化的なものもあり、10年前とかは、どちらかというと、あまり発言しないし、無駄なことは言わないようにしてました。しかしながら、徐々にスウェーデン語ができるようになり、だんたんともともとの性格に戻っていったような印象があります。これが、人によっては、スウェーデン語の習得かかわらず、おおらかな人もいて、見ていて清々しい。特にアシスタントなどは、話すことが中心なので、読み書きに苦労してきた私とは少し違うなと感じることもあって、いろんな人のスウェーデン語の習得の過程を見ながら、人それぞれでいいなあと思います。


4.スウェーデン語習得を振り返って

 自分のスウェーデン語の習得を振り返り、いろんな同僚を見てきて思うのは、スウェーデン語を使って何をしたいかによって変わるし、言語はスウェーデン語に関わらず、使って磨いていかないと錆びるということです。昔の先生の同僚に、2世の人がいたのですが、彼が自分のスウェーデン語について完ぺきではないという話をしていたのが印象的でした。私から見ると、不自由なく読み書きでき、話もしているように見えますが、本人は、幼少期に過程ではスウェーデン語を話してなかったことによる2世家庭の難しさを感じているようで、その話は大変勉強になりました。


 多国籍な職場は、いろいろと問題が起こることもありますが、楽しいことも多いですし、学びも多いです。チームワークで、多少の誤解も乗り換えながらやっていける仲間に今学期は恵まれたように思うので、充実した春学期になればと思います。また、ブログは、日本語維持のためにもと思って復活させたので、立ち寄ってくださる皆様、つたない文章ですがお付き合いくださり、本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

 

2024年1月16日火曜日

スウェーデンの学校がもらえる国の補助金制度

  スウェーデンの学校教育の中で問題があり、改善する必要があると思われるのが、学校がもらえる国の補助金制度です。私はこの制度自体は、利にかなっていると思っているのですが、教育システム全体から見ると、「入れ替わりが激しいスウェーデンの学校の校長先生」にも書きましたが、組織が脆弱であると、利用しにくいシステムであると感じています。基礎自治体の教育課のトップがそれなりにしっかりしていれば、多少校長が変わっても申請を見逃さなかったり、自治体の方針として何かしらの補助金申請を行い研修をしたりしていますが、国内の学校教育の均一性が取りにくい原因の一つであることは確実であると思っています。


1.どんな補助金があるのか

 毎年、各学校が基礎自治体を通じて申請してもらえる補助金がかなりあります。例えば私が特別支援教育士になるために、学校を週1で休んでいた時に出たお給料なんかもこの補助金の申請をしてもらいます。私個人がするのではなく、学校がするので、私は何もしていないのですが、組織として計画的に動く必要があります。いろいろある中で昨年より私が申請したいなあと個人的に思っているのが、「特別支援教育を学びに」というもので、学校庁にある研修サイトを利用して、学校中で特別支援教育をいかに普段の教育に取り入れるかというところを理論から実践まで1年かけて行うもので、その研修を受け持つ先生の労働時間に対する補助金が出るものです。他にもたくさんあるので、各学校が何を発展成長させたいかによって、申請するものを決めます。


2.使い道や金額が決まっている

 これら補助金は使い道が決まっており、国家予算の中で、方針が決まり、それが使われます。なので、当然ですが、せっかく予算計上したのに、半分も使われなかったということでニュースになることもあります。もらえる金額や、使い道もきちんと明記されており、それに沿って、来年度の研修年間計画などを立てて利用します。ちゃんと目的に沿って使われるように、例えば、年間で時間数でこれだけ行う場合は、この金額といったような感じで決まっており、それらは人件費に回すことなども決まっている場合も多いです。


3.実際に使われているのか

 使っているところは使っていると思いますし、学校で話題になることも多いです。ストックホルム市は教員向けのサイトがあるし、支援学校は支援学校の関連サイトがあるので、それに情報が流れてくることも多いです。ヘッドティーチャーなので、そういう情報を見ながら、校長たちに相談することもあります。学校庁のサイトに情報もありますし、オンラインでの情報提供会もあります。また、使用後の報告義務もあります。


 この補助金制度、じゃあ、どう改善するとよいのかと聞かれると、なかなか回答が難しく、このままの方法がやっぱり妥当なのかなとおも思います。限られた予算をばらまいても、各学校にはそれぞれの事情があるので、お金は国が意図しないところに使われてしまうだろうしと思います。これ以外にも、様々な基金が出しているところにお金を申請していくといったこともすることがあります。

2024年1月15日月曜日

教員不足の各国の状況 スカンジナビア編

  スウェーデンも教員不足が問題となって、もう長いです。私が先生をするようになったことから聞こえていたことなので、かれこれ、15年とかになります。様々な対策が打たれており、多少改善したといわれていますが、それでも、やっぱり、足りません。しかしながら、教員のお給料が上がったことにより、わざと有資格者を雇わない学校も出たりと、問題は多いのが現実です。今日は組合のメールにあった、各国の状況を見ながら、考えてみたいと思います。


1 フィンランド

 ここ数年減っていた、教員養成課程の希望者が増えてきた。有資格の先生を田舎の学校や低年齢の教育で見つけることが難しい。


2.デンマーク

 有資格の先生の不足が、就学前教育と基礎学校で予想される。高校は、教科によっては有資格の先生に問題がないが、足りない教科もある。


3.アイスランド

 高齢化していく教員と教員養成課程入学者の減少の影響により、ここ10年で、約半数の教員不足が見込まれる。


4.ノルウェー

 教員養成課程入学希望者の減少と、新しい教育法の導入により、有資格の教員の必要性が高まる見込み。


5.スウェーデン

 国は、現在教員免許なしで教えている先生が数年後には、有資格になると見込んでいる。


とまとめています。どの国も教員不足の傾向はあるようですね。需要と供給がきっちりと会うことはないので仕方がないと思うのですが、教育の中で最も重要なものの一つが、教員の教える力、教員の能力によるので、教員不足の抱える問題は、多岐にわたると思います。


スウェーデンは特に北部などのある一定の地域での有資格者不足が長らく言われています。私が働くストックホルムなどは、公立学校だと100%有資格者というのは、珍しくないのですが、やはり郊外や地方では難しいというのも理解ができます。これに関して、組合としては、国が責任を持つべきであるという声を上げています。一時期のように、学校教育の管轄を国にという声は、今は下火に見えますが、国による教員への研修制度の見直しや、国の中での教員配置の何かしらのシステムなどが案としては聞こえてきます。