2025年1月4日土曜日

スウェーデンの教育関係法改正、2025年

  今年も新たな法改正がいくつか行われるので、それに関して、教育組合のサイトをもとに、まとめながらアップデートしていきたいと思います。

1.成人教育機関の職業教育の新しい法律 

昨年12月に成人教育機関の視察の仕事をさせていただき、スウェーデンの成人教育機関の素晴らしさと問題や課題を聞いてきて、この話もちらっと聞いてきました。成人教育機関の高校レベルの教育コースと特別支援学校の教育コースを、実習や現場研修を含めた職業プログラムと共に行うことができるようになります。そして、大きな変化だと視察でも聞いたのが、「最低3つの基礎自治体と連携をとって」成人のための様々な教育を提供することというものでした。ある程度大きな基礎自治体なら良いのですが、多くの基礎自治体が小さめであるスウェーデンでは、その中の成人教育をより一層充実したものとするためには、この連携の決まりを設けることは大きな意味があるように思います。これにより、この連携をとっている基礎自治体の間は、自由にコースやプログラムを選ぶことができるようになります。たいていの場合は、住民が通いやすいように、近隣の基礎自治体と連携を取ります。この成人教育機関については、2月の終わりにオンラインで講演をする予定ですので、興味関心のある方は、是非ご参加ください。詳しい日時などは、このブログ、インスタグラム、フェイスブックなどでお知らせします。(2025年1月施行)

2.学校図書館の常任スタッフ設置義務

学校図書館に関する法律は、徐々に厳しくなって、いよいよ常任スタッフがいることが義務付けられます。例外が認められるのは、同じ学校経営系列の運営する他の学校の学校図書館を生徒は利用できる(基礎自治体なら基礎自治体の公立図書館)、他の学校教育機関もしくは公立図書館に業務委託をする場合です。法文書まで確認を一応したのですが、明確な数字での義務化はされていないので、どのくらいの時間常任スタッフがいるかは、各学校に任されています。私の勤務校もこの学校図書館の整備に伴い、ここ数年いろんな形を試してきました。この法改正に合わせて、また新たな方針が出そうな感じもしますし、今現在の「図書館グループ」の4人の先生たちとその他の先生によって行われる可能性もあるかもしれません。この学校図書館に関しては、また別で書こうと思います。あと、例外の部分を加味して、新しく作られる学校や移転などに伴って、公立の図書館の分館などを学校の中もしくはそばに作る地域も出始めており、興味深いところです。(2025年7月施行)

3.基礎学校の専門特化型教育の恒久制度化

スウェーデン語で「Spetsutbildning」というのですが、エリート教育やギフテッド教育とは意味合いが少し異なり、私はスウェーデンらしいなあと思っているのですが、何か自分が得意でもっと伸ばしたいこと、学びたいことに特化して専門的な教育を受けることができる生徒が、恒久化されます。科目としては、英語、数学、現在外国語、自然科学(生物、物理、化学)、社会科学(地理、歴史、宗教学、公民)、スウェーデン語、手話になります。これらの教科の専門特化型教育を設置する学校が受けることができる補助金の制度が厳しくなり、教える先生も資格を持った人でないといけないなどの法律も厳しくなります。高等学校の専門特化型教育もともに恒久制度化されます。(2025年7月施行)


この他にも、高校の法改正が多く行われており、その内容については、また次の投稿にしたいと思います。こうした法改正なども、ブログに書くと、言葉の勉強や、どうだったかなと思うところを調べたり、あとは、書くことによって、ああここがつながっているんだなという勉強にもなり、面白いです。では、また!







2025年1月2日木曜日

NPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援

  新年あけましておめでとうございます。今年は、できる限り定期的な更新を心掛けていきますので、是非引き続き、足を運んでいただければと思います。今年もよろしくお願いします。

 2025年初の投稿は、私が理事をしているNPO団体について紹介したいと思います。私は、日本とスウェーデンで、いくつかの団体に所属しており、日本のこの団体で理事、スウェーデンのコミュニケーション団体で会計をしています。この他にも会費を払う形で参加している団体もあり、どの団体の活動も私がかかわりたい、応援したいと思っている団体ばかりです。理事は、もう2年ほどはしていると思うのですが、団体の活動には、団体設立の直後くらいからかかわっており、真摯な活動を行っている団体であると思います。団体の名前は、「NPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援」といいます。団体の事務所は東京にあり、昨年夏に帰国した際に、初めて訪問することができました。事業内容は、主に以下になります。

  • 外国につながる子どもと保護者への支援:個別に発達の支援をしたり、地域でグループでの支援を行ったりしています。
  •  発達支援に関わる施設・専門家に対する助言や情報提供:
  •  一般市民を対象とする外国につながる子どもの発達支援に関する研修・情報提供 、調査研究など
  • 居場所づくりなど

 私とこの団体の出会いは、本当に不思議な縁でして、コロナのころに「クラブハウス」というアプリが流行った記憶がある方がいると思うのですが、そこで、この団体の代表である東谷先生の関わっているインドネシア、バリ島の学校の校長先生である方が、私がスウェーデンに住んでいるということで、興味をもって話しかけてくださったのです。この方のお兄さんがスウェーデンにいらっしゃるということで話が弾み、話していくうちに、今度は私の方がインドネシアで学校の校長先生をしていることに大変興味を持ちました。そして、彼女がどうしても引き合わせたい人がいると紹介してくださったのが、代表の東谷先生でした。縁とは本当に不思議なもので、繋がる縁は必ずつながり、切れる縁は切れていくと感じられずにはいられません。あれから、もう4年、5年とたちます。その間に何度か私もスウェーデンの事情について話をさせていただく機会があり、日本とスウェーデンにおいて、外交につながる子どもたちの置かれた状況の差に心を痛めることも多くありました。私ができることは、微々たるものですが、それでも、日本とスウェーデン、また、国に関わらず、すべての子どもたちの健やかな成長と発達に何かしたいと思い続けています。

 HATIも他のNPO団体同様に、資金繰りには苦労をしており、少しずつ経済体制を整えてきました。オンラインでの講演やセミナー、会員からの会費に加えて、今まで寄付を受け付けることがなかなかできなかったのですが、この度、寄付をできるサイトを開設しました。サイトは、「Syncable」という様々な団体に寄付ができるサイトで、HATIのサイトは、こちらになります。もしも、このブログを読んでくださり、HATIの活動に興味を持ってくださったり、賛同していただける方がいましたら、寄付をしてくださると大変うれしく思います。私のように会員になっていただければ、様々な活動に可能な範囲で社会貢献をしていくことができます。もしも、質問などがあれば、お気軽にご連絡ください。