この投稿は、旧ブログの2009年6月25日のものをリライトして、再投稿しています。
2022年7月16日に、初の単著「医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム」を刊行。是非ご一読を😊
私は、スウェーデンの就学前学校(スウェーデンの学校システムについてはこちらを)で、3年ほど幼稚園教諭として働いていました。もう10年以上前の話です。その時に見学した就学前学校の写真を紹介します。同僚たちと夕方18時とかにストックホルム郊外の園に見学に行ったことを思い出します。
その当時は、「Genuspedagogik」という「ジェンダー教育」が注目されており、それを見学研修に行きました。
壁の一面に棚がとりつけられており、そこにありとあらゆるおもちゃが写真と共に整理して並べられていました。おもちゃの中には、お人形から、レゴまでなんでもあり、男女を意識させないように、同じ箱にいれられていました。
これを、昼食後の休み時間になると、まず、お話を読む休憩時間があり、その後、写真をつかって、どれで遊ぶかを決めさせているそうです。その際に、
- 昨日遊んだものとは遊ばないように、
- だれとあそぶか、
- 一度決めた遊びは、少なくとも一定の時間は遊び、後片付けもさせている。
ということでした。こうしてシステム的に行うことによって、女の子も車で遊び、男の子も人形で遊ぶことが1週間のうちにあるということでした。
この幼稚園、環境教育、算数、言語にも力をいれていたし、幼稚園の中もかなりくふうされていました。そんな写真も順番に公開していこうと思います。
写真の棚に並んでいるのは、月曜日から、金曜日の箱です。昼食前のサークルタイムのときに使います。それぞれの箱にテーマに沿った歌や手遊びなどが、それを象徴するものと共に入っています。
こんな袋やヨーグルトの容器を再利用した、サークルタイムで使うお話や歌の人形などが入ったものもありました。子どもは同じものを何度も聞いたりやったりするのが好きなので、こうしたちゃんと考えて選ばれたものを繰り返して行うというのは、良いシステムだと思いました。
これは、1-3歳児用のクラスだったと思うのですが、積み木が種類ごとに分けて整頓してありました。写真でどこにどれをもどすかわかるようになっており、自分で片付けもでき、算数の図形の基礎にもなるようです。
こちらが、3-5歳児用のクラスでみた図形についての掲示でした。ここの幼稚園は、幼稚園児のための算数の基礎を自然に取り入れようとしていました。
こんな作品もありました。
スウェーデンでは、勉強の基礎となるものをいかに遊びとくっつけておこなうかというのが大切で、遊びの中で自然に子どもたちが学ぶには、保育者側のしっかりとした考えと計画が必要であると思います。
最後に、これ、トイレットペーパーで作った一人ひとりのお手紙入れだそうです。こちらの幼稚園では個人用の棚に手紙をくっつけたりする場合が多いのですが、落ちて紛失したりいろいろ問題があるので、このようにすることで手紙がはいっているとすぐわかりよいということでした。2022年の今は、多くの保護者への情報は、アプリやデジタル機器を使うことが多いです。
この園を見学したのは2009年で、もう13年も前になるので、今はきっと大きく変わっているだろうなあと思います。日本からの見学者も受け入れていたので、行かれたことがある方もいらっしゃるかもしれません。また、今のスウェーデンの就学前学校も紹介したいと思います。
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