2022年12月28日水曜日

東京大学バリアフリー教育開発研究センターの12月のインクルーシブ教育定例研究会

 冬休みに私がしたいことの一つが、たまりにたまっている動画を一つずつ見ていくことです。オンラインの会で、アーカイブ配信があるものは、できる限り申し込んでおき、見れるときに見て勉強しています。その中の一つが東京大学のバリアフリー教育開発教育センターが行っているオンラインのインクルーシブ教育の勉強会です。時間が合えば、ライブでも参加しますが、時差もあり、最近は動画を後で見て勉強しています。無料でここまでの内容を定期的に行うことは容易ではないと思うので、いつも素晴らしい内容に感謝して勉強させてもらっています。まだ、参加されたことがない方は、是非試しに参加されてみるとよいと思います。次回の案内があったら、インスタとブログでも紹介しますね。

 今回は、12月のインクルーシブ教育定例研究会の動画を見ての感想や思うところを少しまとめて記録しておこうと思います。12月4日に行われた会のテーマは、

「来年度からのインクルーシブ教育はどうなる?4.27通知について文科省の人に聞いてみよう」

東京大学バリアフリー教育開発研究センターのホームページより

でした。この会は、4月に出された文部科学省からの「特別支援学級及び通級による適切な運用について」という通知をもとにしたもので、文部科学省の初等中等教育局特別支援教育課長の山泰造さん、障害当事者の保護者を2名のか招いての勉強会でした。思うことはたくさんあったのですが、5点、動画を見て数日たった後に書いているので、少しうろ覚えのところもありますが、記録して共有しますので、感想などあれば、是非。

1.インクルーシブ教育は「場の統合」どまり

 話を聞いていて、説明が、これって「場の統合」どまりだよね、っと思うところが何回かありました。その説明では、本当にインクルーシブ教育なんだろうかとか、分離教育の考えが根強いなあと思いました。インクルーシブ教育は、理念が重要というか、基盤となる考えがしっかり理解され、共有されることが重要だと思っており、その面からもどうなのだろうかと疑問を持ちました。場の統合を考えるなら、特別支援学校は、小中学校の中、もしくは隣にするといいと思います。

 あの4月の通知ですが、この通知のみしか知らないのですが、通知と同時に何かしらの手立てが打たれたのならば、説明にあったような通知の意図が理解できますが、その通知だけなら、こうして大きく話題になる理由もよくわかります。スウェーデンなら、この通知とともに、きっと、対応策も出されたような気がしてなりません。もちろん予想ですが。。。

2.児童生徒数減少にも関わらず、増える特別支援教育対象児

 これは何度もメディアなどで取り上げられていますが、児童生徒数が減少しているにも関わらず、増加しているのが特別支援教育対象児。スウェーデンでも同じ減少があり、全児童生徒数の20%を超える子供たちが支援教育の対象児となり、これは、普通教育に問題があるとされ、大きな教育改革が行われました。通常学級の教育を大きく変え、支援教育の対象児が減るようにされたのですが、日本もこの時期にあるように思います。この時の改革のことは、もう5年以上前に読んだままなので、もう一度読み直してみたいと思っています。今の日本の現状であれば、通級指導と支援学級を見直し、その分の予算や人材で、普通学級の生徒数を減らすことや、学校で教える内容を見直すなどもあるかなあと思います。

3.仲間と学ぶ大切さ

 もっと、子供たちが持っている力を信じてもいいのかなとも思いました。仲間と学ぶ大切さが議論の中でも出ており、感想の中でも書かれていましたが、近年の私がかかわっているスウェーデンの教育でも、コラボティブラーニングの価値が言われています。このコラボティブラーニングを特別支援学校レベルで研究しているかたもいて、「人間はソーシャルな生き物」という、ともに学ぶというのが、どんなに障害が重くてもあると実感しています。分けて必要に応じて教えるという通級のありかたは、スウェーデンの研究者によれば、縦つながりの社会性であり、子供たちには、横つながりの社会性がもっと必要なのかもしれないと思いました。スウェーデンでよく言われるのが、人ひとりが関係を持てる、人間関係をそれなりに築ける数というのは限りがあり、あまりにも多い人数でクラスが形成されている日本は、その母体数を減らすだけでも、異なった人間関係作りがみられるようになると思います。

4.特別支援教育が特別でなくなり、教育となる

 スウェーデンにある議論に、特別支援教育自体をなくす、特別な教育なんてなくて、教育があり、その中に、支援が必要な子供たちの教育があるという考え方で、この方針をとっている大学は、教育学部の中に支援教育関係が入っているところもあります。それとは逆に、特別支援教育を別個にしている大学もあり、ここにも考え方の違いがあります。そうした流れを見ながら、大学で学び研究していると、できる限り、教育と特別支援教育の境目が低くなり、わからなくなればなるほどよいのではと思います。理念の話に戻れば、ここは重要かなと思っており、教育に関わる人は、特別支援教育は違う人が行うという考えではなく、教育の中にあり、ある程度までは、すべての教員が知識を持つべき時代になっていると思いまし、理念や概念はしっかりと教員養成課程で学ぶべきものであると思います。


5.特別支援教育コーディネーターや支援員の活用

 私が今とっている資格は、特別支援教育コーディネーターのようなイメージの資格で、内容は「インクルーシブ教育者」に近いものであると思いますが、資格を取るためには、スウェーデンは、基礎教員免許を持ち、その資格で3年以上フルタイムで働いたのちに、入学できるコースで1年半、もしくはハーフなら3年学んでとれる資格です。そこで学ぶ内容も興味深いのですが、また別で紹介したいと思いますが、それと比べると明らかに、日本の資格は付焼刃的なイメージがあり、活用不足なのではないかと思います。支援員などの方と合わせて、学校の中の教員以外の役職や大人を有効に活用していくことが重要であると思います。

スウェーデンは、特別支援教育士などの専門職も多いですが、高卒の方が多い、生徒のアシスタントなども多くいて、教員ができる限り教えることに集中できる環境が目指されています。

と、書き出したら、きりがないので、このあたりでおしまいにしておきます。ちょっと残念なのが、当事者保護者がいつも同じ方で、ほかの人の例もそろそろ聞きたいかなあと思いました。それでも、これだけの内容をアーカイブで学べることに感謝です。


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