2020年2月16日日曜日

スウェーデンの重度障害児の教育権保障の歴史

 入っていた予定がキャンセルになり、久しぶりにまったく予定のない週末でした。色々とあって疲れていたので、彼と一緒にゆっくりと過ごすことができ、休養ができました。学校はあと1週間でスポーツ休暇です。

 今日はスウェーデンの重度障害児の教育権の歴史に関して少し。障害児、障害者といっても、障害によってかなりその歴史は異なります。スウェーデンも盲、聾の方たちの教育はかなり早く始まりました。しかしながら、私が関わっているような重度の障害児の教育が制度化されるまでには、かなりの年数を要しました。軽度の知的障害児たちの教育義務化に数年遅れて、知的障害がある、重度重複の障害児の教育が義務化された年は1968年。しかしながら、この子たちの教育は、日本の文部科学省にあたる学校局ではなく医療の管轄化に置かれ、他の学校種別同様に学校局の管轄区になったのは1986年で、最終期限である1996年1月1日までに医療管轄から、コミューンと呼ばれる行政自治団体に移行されました。大体90年代初めに移行されているコミューンが多いようです。

 こうした医療のもとに置かれていたという歴史は、私が働き始めたころもまだ残っていて、教育を行うことの難しさを感じたものでした。この子たちの教育には、社会福祉やハビリテーリング、病院など多くの機関が関わっており、当然といえば当然なのですが、守られるだけの存在ではなく、この子たちも学べる、成長するんだという考えとその権利があると訴えていくことはなかなか簡単ではありません。

 1986年に学校局への移行が決定されたのち、1989年には、障害児者に関する社会福祉局やハビリテーリングなどの、各所の分担などに関しての調査が行われました。このあたりの経緯や結果など、もっと調べてみたいなあと思うのですが、少し気になったのがこの陰にある、財政的な部分の影響。やはり、財政的に問題があり、この調査が行われ、いかに効率化合理化するかが焦点であったようです。一文献では何とも言えないのですが、ふと、今のスウェーデンの状況が頭をよぎりました。重度の障害児のみでなく、発達障害などの生徒の予算も削減されています。これらの影響がどのように出るのか、本当に気になります。

 いつか日本との歴史の比較などもできたら、興味深いだろうなあと思う、日曜日の午後です。明日から新しい1週間の始まりです。皆様にとってもよい1週間となりますように。

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