2019年6月2日日曜日

スウェーデンで増えている発達障害の大学生

 スウェーデンでは、発達障害でありながら大学で学ぶ学生が増えているという記事がありました。大変喜ばしいことです。発達障害の場合、知的障害がない場合は、適切な支援と援助を受ければ、持っている能力を生かして活躍していくことができます。その障害ゆえに、失敗経験を重ね、二次障害を抱えてしまうと、本来の力を出すことなく、精神的に不健康な状態になってしまう場合も多く、適切な支援援助を早期に行うことは大変重要です。

 スウェーデンの大学では、日本と同様に各大学に「支援援助センター」みたいなところがあり、そこに特別支援教育専門教員などが配置されています。特に入学から1年ほどをめどに集中的に支援援助を希望する学生におこなっています。障害に関する証明があれば、テストの際の配慮(時間や場所)、読み上げ機能や音声文書の利用、文章の書き方の指導、勉強の仕方、デジタル機器による支援などいろいろな支援をおこなってくれます。昨年このような支援援助を希望した学生は、1万7千人とあり、数年前に比べるとかなり増えているとあります。

 増加の要因としては、なんといっても障害に対する偏見が、一昔前に比べると各段に減ったというのが大きいでしょう。特に発達障害に限れば、ここ数年、子どもに限らず、大人でも障害判定がおり、隠さずに話す人も多くなり、障害に対する認知、知識が広がったというのが大きいかとも思います。これは大学教員間にもいえることですし、ほかの学生にしても、多様な人が存在することがそんなに珍しいことではなくなったということでしょう。また、デジタル機器の普及により、支援援助の多様化と簡素化が図られたことも大きいと思います。

 義務教育のみでなく、高校、成人教育、大学などで、より一層、こうした支援援助が広がっていき、多くの人々が持っている力を最大限に生かせる社会を目指していければと、特別支援教育にかかわる人間として願わずにはいられません。

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