2015年3月4日水曜日

大量のメールに悩まされるスウェーデンの教員・校長

 スウェーデンの学校におけるメールの位置付けは、年々高くなり、私が働き始めた頃に比べると、活用度は深まる一方です。そんな時代を反映する問題が起きているという記事がありました。

 スウェーデンの校長先生や教員は、毎日大量に送られてくる保護者からのメールの対応に追われて、通常業務に支障をきたしているとあります。私の働いている特別支援学校は、生徒数が他の学校に比べて格段に少ないので、私にメールが山のようにくることはありませんが、校長は小学校の校長を兼任しているので、メールの対応に追われると聞いたことがあります。メールに加えて大変だなあといつも思うのが、電話。携帯電話になり、電話が全て転送されるようになり、校長たちは、電話対応にも追われている感じがします。SMSというショートメッセージでもくるらしい。。。

 記事でインタビューに答えていた校長先生、1日に100件から150件ほどメールがくると。すごいねえ。その対応だけで、数時間はとられそうです。簡単に答えられる案件ばっかりじゃないだろうしねえ。親が学校教育に関心を持ってくれるのはうれしいが、それでも、学校組織や運営に関わるような内容や授業の仕方や内容に関する細かい点などを、いちいちメールで指摘してくる保護者に対して、もう少し学校を信用してまかしてほしいという気持ちもよくわかります。


 私も職員室というほどの部屋でもありませんが、学校に小学校の先生と一緒に使う部屋があります。そこで、仕事をしていると、小学校の先生が時々保護者からきたメールの話をしてくれます。学校休みますという連絡メールから、宿題の内容に関して幅広く来るメール。先生方、そんなに早くメールの返事をかけない、余裕がないと。


 この記事のもう一つの重要な内容が、労働環境。ストックホルム地域の公立と私立の学校のうち、10校中9校までが、労働環境に問題があるという指摘がされているそうです。日本よりも厳しいと思うのが、こういった労働環境のチェック。うちのコミューンでは、改善が見られず、罰金が出た例も。。。リスク判定や改善項目、対策やドキュメンテーションなどいろんな項目でひっかかってくるらしい。

 教員の場合は、ストレスが多いのと仕事の量が多いことがよく問題にあがります。これを改善するために、うちの学校も一時期エクセルシートによる労働時間の記入を求められました。最近あまり聞かないけれど。


 メールは、都合の良い時に親が送れる反面、素早い対応が求められ、ストレスの温上になってしまう可能性の多い媒体であるようにも思います。簡単に答えられる内容ならまだしも、文面になって残ってしまう分、書く内容にも十分配慮する必要があります。


 今後、こういったメールの対応を含む労働環境がいかに改善されていくのか、関心の高いところです。


読んだ新聞記事:Lärare och rektorer drunknar i e-post från arga föräldrar, DN, 20150129


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