スウェーデンの知的障害児の研究 インクルーシブ教育とは何か?
お久しぶりです。秋学期の折り返し地点に到着し、来週は秋休みです。教員は一般的には、秋休みは月曜日から水曜日まで働きます。私は、ここまで、とても労働力が多かったので、副校長が月曜日に特別にお休みをとるようにと、火曜日と水曜日の勤務になります。スウェーデンの教員は、この秋休みに到達することが大きな目標というか、ここまでこれば、今年度もなんとか行けるという感じがするという感じです。秋休み後は、個人面談をやり終えると、あとはクリスマス休暇に向けて、成績付けなどのラストスパートに入ります。おっと、話がずれました。 今日は、スウェーデンの知的障害児の研究を振り返りながら、知的障害児にとってインクルーシブ教育とはと、少し考えてみたいと思います。今週の火曜日に、こちらの知的障害者団体が行ったオンラインの会を聞いての感想と振り返りになります。あと、うちの学校は、今年度より、学童の大きな改革をして、支援学校と基礎学校の学童を一緒にしたので、その中で思う、インクルーシブ教育の在り方を今一度考えてみたいと思いました。 1.スウェーデンの知的障害児教育の歴史を振り返る スウェーデンの知的障害児たちは、歴史的に長く「分離教育」をされてきました。優性思想も強かったスウェーデン、知的障害児・者に対する差別や迫害の黒歴史は、多くあります。年月でいえば、約150年ほど分離教育をしており、今の学校システムも、分離教育であるというのが、スウェーデンの認識です。知的障害児の中でも、特に中重度で、「学ぶことができない」とされてきた子供たちは、「医療」の一環として、長く広域行政体によって管理運営がされてきました(訳100年)。 そんな歴史を変えたのが、1968年。この年に、やっとスウェーデンのすべての子どもたちの就学の権利が確立されました。日本では1979年がよく言われますので、スウェーデンは、それよりも11年早いのですが、決してすごく早かったとか、ずっと教育を受ける権利が保障されていたということではないのです。やっと、すべての子どもが教育を受けられるようになったのですが、その教育は、医療が管轄していたこともあり、福祉と医療が色濃くでた教育でした。そして、1990年代になって、教育が基礎自治体に移ります。これもとても大きな背景であり、その影響は、今でも強く受けています。私は、「広域行政体(医療...