スウェーデンの学校システムの中でも、最も重要な問題の一つではないかと思うのが、校長先生不足です。うちの学校も御多分に洩れず、数年前(多分2年前くらい)に校長がやめてから、代わりの校長先生が来て、新しい校長先生が雇われたけど、その校長が半年くらいでやめてしまったので、また、代わりの校長先生が来て、その代わりの校長先生もやめて、代わりの代わりの校長先生が来ました。この代わりの校長先生というのは、あくまでも代わりなので、民営の人材派遣会社からやって来て、本採用が決まるまで、期限付きで雇われます。現在、新年度から本採用で働いてくれる校長先生を募集していますが、どうなることか。。。
代わりの校長先生は、大抵、定年退職した校長先生で、65歳から70歳くらいの人が多く、その需要はものすごいものがあると今の校長先生が話していました。スウェーデンもその昔は、日本の学校と同じように、都道府県単位?のような感じで雇われ、やめることがあれば、代わりがちゃんと来たそうです。しかし、現在はそんなことはないので、教員もですが、学校が次の人を見つけることになります。
次の人を選ぶのも、実はたいへん。募集をかけるのですが、関係組合が関わり、その条件などを詰めていき、募集の文面などを考えます。その後一定期間募集をかけ、候補者が出たら、その中から、上が何人か選びます。その後、管理側の面接、職員側の面接、組合の面接、生徒の面接と、様々な面接が行われ、その後、話し合いが行われ、決まります。
プロセスが長い。。。こんなにかけてやっても、半年とかでやめられたら、たまったもんじゃなく、また一からやり直し。今回の募集に関しては、みんなやる気半減している感が否めず。。。
学校に校長先生が不在というのは、会社に社長がいないのと同じ感じで、とにかく話がまとまらない。学校の教育の発展とか、ないない。。。ありえない。。。1日を動かすのに精一杯。子どもたちのことを考えたら、このシステム、少し考えた方が。。。ここ数年教員のお給料が上がっており、校長先生になってもあまりお給料があがらないというのも原因の一つのようです。なり手がいないので、とりあえず選べば、またすぐやめていくという悪循環。前に研修であった他の学校の先生に聞いたら、そこは3年で7回変わったって。それよりは、まだマシかと思ったのですが、なんとか、校長先生決まるといいです。
スウェーデンの首都ストックホルムの公立基礎特別支援学校で教員、主任教員として働く毎日からお伝えする、スウェーデンの教育と特別支援教育、福祉の最新情報。スウェーデンの特別支援教育士資格有り。「医療・福祉・教育・社会がつながるスウェーデンの多様な学校~子どもの発達を支える多職種協働システム」出版。
2017年5月13日土曜日
2017年5月1日月曜日
スウェーデンの就学前学校カリキュラムの改訂
春学期はお休みがたくさんあって嬉しいなあと思う、メーデーの祝日の今日。天気も良くて、のんびりできました。最近、スウェーデンの教育情報をあまり載せていない、このブログ。ということで、少し、最新情報を。
スウェーデンの就学前学校のカリキュラムが改訂されることになりました。スウェーデンの就学前学校のカリキュラムが最初に出されたのは、1998年のこと。それまでは、厚生労働省に当たるような政府機関が管轄していたのですが、カリキュラムが出された1998年に文部科学省に当たる政府機関に管轄が移されました。あれから、もうすぐ20年ということで、そろそろ見直しが必要だろうということだそうです。2011年に義務教育の他の学校のカリキュラムが大幅に見直されましたが、就学前学校は2016年に少し改訂があったのみだったので、時期的には、そろそろ見直されてもよい頃かもしれません。これから、現場の意見も取り入れながら、改訂を進め、2018年3月23日までに行うとのことです。
改訂の主な点は次の通り。
教育と授業の違いを明確にする
保育的ケアが就学前学校の中心的な部分となりますが、改訂されるカリキュラムでは、その定義をより明確にするそうで、教育的な内容、授業のようなものの定義、誰が行うかなどもより一層明確にしていくそうです。と言っても、「遊び」が最も重要な部分であることには変わりはないとのこと。子どもにとって、遊びは学びの基礎であ理、この部分には変更はないが、それでも、学びの部分の定義を明確にし、今まで以上に教育的な色合いが出てくるのではないかと想像されます。
ITを活用した教育
以前より課題となっているITを活用した教育をどのように就学前学校で行なっていくかが取り入れられるようです。
上記の2点が今のところ、発表されている主な変更点のようです。今後、どのようにカリキュラムが見直されていくのか興味深いところです。
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