「ラッテマッマ」という言葉が、スウェーデンで聞かれるようになったのはだいぶ前ですが、私が聞くラッテマッマは、どちらかというと批判される場合が多いかなと思います。「ラッテマッマ」とは、主に育児休暇中の親が子どもをベビーカーに寝かしながら、カフェで、カフェラッテを飲みながら、お茶をするというもので、子どもの成長に遅れが出る可能性があるとかないとか。。。この言葉がはやったのはだいぶ前なのですが、なんで今頃こんな話をするかというと、
ストックホルムの就学前学校の育児休暇中の保育時間が40時間から30時間に戻される可能性が本格化した
というニュースを読んだためです。スウェーデンの就学前学校は、もともとが働く親のためのものですので幼児教育より保育が主できていて(だいぶ流れが変わってきていますが)、親が何らかの理由で家にいる場合は、基本的に子どもは就学前学校に来ることができません。例えば、兄弟が生まれ、親が育児休暇を取っている場合は、保育時間が短縮されます。4,5歳児は基礎学校入学に備え、保障された保育時間がありますし、多くの場合、15時間から30時間を保障しています。保護者が夜勤勤めだったり、学生、失業中だったりする場合も、保育時間が問題になる場合がありますが、詳しくはまた今度。
こういった親の状況にかかわらず、どの子にも40時間の就学前学校での保育時間を提供したストックホルムコミューン、親受けはよかったようですが、現場は大変だったようです。スウェーデンの就学前学校は朝6時半から18時までという場合が多く(この時間は必要に応じて短かったり長かったりします)たいていの子どもは、8時くらいから16時くらい、上記のような短縮保育の子どもは、9時から15時くらいの場合が多いので、それに合わせて職員の勤務時間も組まれています。子どもの保育時間を延ばせば、職員も必要になるのですが、どうも、そちらへの配慮はなかったようで、現場は大変だったようです。それに加えて、育児休暇の親がラッテマッマだったりして、優雅?な様子で子どもを17時とかに迎えにくると、さすがにイラっと来る方がいらしたようです。。。
そんな話を知人などから聞き、いつかかわるかなと思っていたのですが、これ、今回の選挙でも公約の中に入っていた党もあったようです。ストックホルムが行うことは、首都ということもあり、どうしても、ほかのコミューンへの影響が大きく出ます。各コミューンが自治を行っているといっても、やはり、規模が大きいストックホルムの影響力は大きく、フェイスブックのグループでも活発な討論が行われていました。気になるスウェーデンぽい意見が、育児休暇中の保護者の
「40時間預けることがで来ている親がいるのに、同じように預けられないのはおかしい、不平等だ」
という意見。ほかのコミューンは15時間のところもあるし、数年前は30時間だったんだし、その時その時で変わるのは普通だとおもってしまうのですが、平等じゃない、おかしいという意見があることは、スウェーデンらしいなあと思います。
子どものいない私からすれば、せっかく育児休暇で家にいるのだから、就学前学校に10時間余分にいるよりは、家で親と過ごせばいいのにとおもいますし、子どもが小さい時間は長くないのだしとか思います。多くの経費は税金なんだし、育児休暇も税金なんだし、湯水のようにあるわけではないので、有効に使うことは重要だと思うのですが、興味深い議論です。
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