2015年2月27日金曜日

問題を抱えた親のもとに生まれた子どもたち

 だいぶ日が長くなってきたスウェーデン、ストックホルム。今日は天気もよく、散歩に何回も行きました。もうすぐ春がやってくるなあと感じる日でした。
 スウェーデンにも薬物中毒問題やアルコール中毒問題があります。そういった問題を抱えた親のもとに生まれて育つ子どもは、約8%。この数字ですが、統計上のことなので、問題を抱えて治療を受けた親のもとに育つ子どもとなります。そうなると、現実にはもっとたくさんの子どもたちがそういった問題を抱えた親と生活をしていると考えられます。また、この8%の中の3%の子供たちは、家族の世話をするために週に最低1回は学校を休んでいるとあります。この事実が子供の将来に与える影響は、思っている以上に深いと思います。
 8%を実際の子供の数に置き換えると、最低でもスウェーデン国内に6万人の子供がそういった状況で生活をしていることになり、事実が重く感じられます。親と書きましたが、どちらかの親が問題を抱えている場合に統計に上がっているそうで、両親である場合もあるかと思います。また、これはつい最近出された統計の結果で、1973年から1978年に生まれた人から集めた結果であるとあります。

 親が問題を抱えていると、子供は自分の問題と向き合うことができず、例えば、親が死んでしまうのではないか、入院してしまうのではないか、家族が一緒に暮らせなくなるのではないかといった心配事を抱えて生活していかなくてはなりません。そして、兄弟がいれば、兄弟の面倒をみて、家事をして、時には問題を抱えた親の世話までして暮らしていると。
 こんな環境で育つ子供は、普通の家庭で育った子供に比べて約7倍、親と同じ問題を抱えるリスクがあるそうです。また、義務教育を不完全な状態で終える危険性も、倍以上。宿題があっても、親が見てくれる可能性は低く、宿題を落ち着いてやれる環境にもない。余暇活動に充てる経済的な余裕もなければ、時間もない。交友関係を深める余裕も時間もない。親を残して、仕事や勉強のために引っ越すこともできない。。。そんな中で人生の重要な時期である幼児期から成人期までを過ごす子供が6万人もスウェーデンにいることに、危機感を感じずにはいられません。

 こういった子供たちに対する対策が強化されていく必要が有ります。新聞には、すでに子供と家族のためのプロジェクトが始まっているとあり、中毒症と保護者のありかたといった内容で、関わる人々に研修等行われているようです。まだまだ数は少ないようですが、コミューンでも力を入れ始めているようです。できる限り早くこういった問題を抱えた人に援助や治療が行われ、そこで暮らす子どもたちが、できる限り健全に暮らせることは、とても重要なことであると思います。

 読んだ新聞記事:Barn tillmissbrukare tvingas hjälpa sina föräldrar; DN, 20150205

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