2019年1月3日木曜日

2019年ここが変わる、スウェーデンの教育1

 安定な政治情勢で、いまだに組閣ができていないスウェーデン。2019年1月16日が一区切りで、その結果次第では、4月に再選挙がされることになります。この移行期の予算は暫定政府予算案が否決され、穏健党とキリスト教民主党の合同予算案が通りました。これにより、どうなるかわからない点もありますが、2019年のスウェーデンの教育の変更点を少しずつまとめておこうと思います。今回は、

「学校長」の配置を義務化

スウェーデンでは、コミューンという地方自治体が公立学校運営の最高責任を負っています。コミューンにおける学校運営の組織はまちまちで、そのコミューンの人口や生徒数、学校数などによって、その地域にあった運営がされています。組織としては、たいていの場合は「子どもと教育課」とか「教育課」というような名前がついていて、この課の長がいます。その下に複数の部署があり、「就学前学校」、「基礎学校」、「高校と成人教育」、「音楽、文化学校と余暇活動」、「生徒の健康」などがあります。このあたりの区分は、その時々によって組織替えされたり、コミューンの大きさによって違い、これといった国での統一はありません。地方にあった形で行われているという点ではよいと思うのですが、やはり、きちんと行われていないところもあるようで、少しずつ、国の手が入るような形になってきているという印象を受けます。

 法律の改定は、昨年7月1日に行われ、施行は今年の1月1日からで「Skolschef」という名前で「学校の長」を最低1名は置くことが義務化されました。この学校長の役割は、コミューンの責任者の補佐として、国の法と規定に従って学校運営をしていく手助けをします。学校法にとどまらず、差別の禁止法や労働法など、あらゆる法律に関してとあり、何かしらの違反や不備が見つかった場合には早急に改善し、コミューンの責任者に連絡する義務があります。おそらく、どこのコミューンにもこれに似た役職はあったと思われるので、それほど大きな変化ではない気もしますが、今回の改定では、「どの教育機関にも」というところがポイントだと思います。義務教育の学校はたいてい長がいたけれど、学童や成人教育、文化学校などのすべての分野には配置されていない、もしくは明確な責任者が設定されていない場合もあったので、どの教育分野にも明確な長が配置されるのは大きいかと思います。(誤解のないように、各コミューンによって異なりますし、基礎学校の中に学童、成人教育と高校、部署がくっついている場合があり、その場合は、そこで一人の長になり、各分野に一人の長がつくわけではありません。規定では、最低1名とあるので、小さなコミューンなら一人ですべてというのもあるかもしれません。)


 うちのコミューンでもこれに合わせて、組織改革が行われ、長が増えました! 私の働いているコミューンの場合は、「子どもと教育課」の長がいて、その下に義務教育学校長がいて、その次にうちの学校の校長がいて、私たち職員という流れになります。この変更がどんな効果をもたらすのか、興味深いところです。ちなみに、ちらっと職員間できいたのは、組合も含めて、生徒数とコミューンの大きさの割に、長が増えすぎて、そっちにお金が回りすぎるんではないかというのがありました。まあ、上の人たちはお金もかかるので、あまり上が大きくなりすぎてもってことなんでしょうね。

 また、違う変更点をご紹介したいと思います。


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