なぜ、私はスウェーデンでSpecialopedagになったのか。

 *スウェーデンには、Specialpedagog(特別支援教育の専門職)という職種があります。*

 私は、昨年度はスウェーデンの首都、ストックホルムの公立の支援付き基礎学校で50%Specialopedagとして働きながら、残りの50%で修士論文を書いていました。そして今年度から、フルタイムで、Specialopedag及びFörstelärareとしての新しい1年が始まります。

「なぜ、Specialoedagogになったのですが?」

と聞かれることがあります。日本の養護学校教諭免許を持っており、スウェーデンの教員免許状もありますし、こちらのSpeciallärareという特別教員としても長く働いてきました。なので、「なぜ?」というのもよくわかります。実は、最初からこの仕事を目指していたわけではないのです。

きっかけは、偶然から

 きっかけは、偶然でした。私はもともと修士号を取得したいと思い、スウェーデンの大学院に進学しました。その時、当時の校長から、

「Specialpedagogか、Speciallärareの資格取るコースなら、学校が援助できるわよ。」

と勧められました。スウェーデンには、特別支援教育に関する専門資格として、このSpecialpedagog(特別教育家)とSpeciallärare(特別教員)という資格があります。私は、日本の大学で小学校と養護学校教員の1種免状をとったので、せっかくスウェーデンで学ぶのであれば、日本にはない資格を習得したいと思い、ストックホルム大学のSpecialpedagogの課程に入りました。(正確にはヨーテボリ大学にまず入って、その後コロナ禍もあり、ストックホルム大学に移りました。)学校から支援を受けて、課題図書代と週に1日学業で休めるようにしてもらいました。(こちらも正確にいうと、50%で学ぶと3年間かかり、3年半の間に学校を2回変わったので、ずっと支援を受けれたわけではなく、一時的にフルタイムで働き、勉強をしていた時期も少しあります。)と、紆余曲折ありましたが、卒業でき、資格も取れました。今思えば、すべてがとても偶然であり、でも素晴らしい縁によって導かれたとも感じます。

学び、働き始めてから気が付いたこと

 働きながら学び始めて、この仕事のすばらしさや魅力、大変さを感じるようになりました。コーディネート的な役割で、コンサルテーションなどが中心となるこの仕事、先生と一緒に考えて、先生を支えながら、保護者とも関係を作り、他の専門職とも協働し、学校全体をよくしていくというのは、なかなか難しいです。インクルーシブ教育を環境的に構築していく専門職でもあり、予防促進的な内容を行いつつ、目の前で起こる様々な子どもたちの成長の過程における困難さにも担任と共に対応していく。担任をしている同僚、保護者などに感謝されると、やってきたことが無駄でなかったと思える瞬間に出会える。そんな専門職独特の難しさと喜び、醍醐味を少しずつ感じるようになりました。

学校以外でも使える専門職

 Specialpedagogに興味関心を持っていた、もう一つの大きな理由が、この資格は、学校以外の場所でも働くことができる点です。医療機関であるハビリテーリングや公共団体でも専門職として働けるので、子どもを「学校」の中だけではなく、「人生」や「社会」という視点で支えていけることができる将来性にもひかれました。

 こんな偶然と自分のアンテナが重なりあって、私はSpecialpedagogになり、今の学校で、支援学校付きの特別支援教育の専門職として働いています。今年1年でやりたいことがたくさんあり、直属の上司である副校長にも恵まれ、感謝しかありません。子どもたち一人一人が、安心して学べる環境を同僚たちと共に作っていけたらと思っています。そのために、Specialpedagogとして、私ができることを一つずつ積み重ねていきたいとと思っています。

 人生には、偶然と思えるようなことから始まることがあり、その偶然を「自分の道」にするかどうかは、誠実な思いと歩みなのかもしれないと振り返りながら、そこにあった数々の素晴らしい出会いを思い出す夏の午後です。


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