新年度の学校はなぜカオスになる? Specialpedagog・特別支援教育の専門家の役割とは
月曜日から新学期が始まりました。新学期が始まると、どこの学校でも「カオス」が生れます。新しい教室、新しい先生、新しい仲間など、何かしらの変化があり、これは、スウェーデンの学校も例外ではないです。時間割が固まらない、IT機器の準備が十分ではない、子どもたちが落ち着かない、アシスタントも先生も新しいクラスと流れに慣れていない、学童との連携がうまくいかないなどなど、新年度ならではの課題をこなしながら、1週間はあっという間に過ぎていきました。
私は、先週の投稿「スウェーデンのSpecialpedagogが考える教室づくり、新年度、急遽クラスの準備をすることに!」に書いた先生が月曜日には出勤してきたので、引継ぎをしたのちにSpecialpedagog(特別支援教育の専門家)の仕事に戻りました。
新年度の支援は「話を聞くこと」から始まる
新年度の学校は、希望と喜び、緊張が入り混じっており、先生や職員は大変忙しいです。授業準備、新しい生徒の慣らし期間、学級経営、保護者対応などなど、目まぐるしく1日は過ぎていきます。私が特に意識したのは、「関係づくり」です。新しいことが多い毎日だからこそ、生徒と、先生と、アシスタントと、保護者と、よりよい関係を作っていくことが、よりよい学びの土台になります。
そのために、Specialpedagogとして重要なのが「よく話を聞くこと」です。
- 今先生やアシスタントが抱えている不安や困りごと
- 子どもの様子で気になること
- クラスの雰囲気
- うまくいっていること
- うまくいってないこと
などなど、真摯に耳を傾けることが大切であると思います。話してすっきりするということもありますし、話しているうちに解決策を見つけていくことも多いです。Specialpedagogの仕事は、「解決策を提供する」ことではなく、先生やアシスタントが、その状況を整理できるように、丁寧に話を聞くことから始まります。
「できたことを見る文化」を作る
新学期が始まると、まだ慣れてないことが多く、子どもも先生も「できないこと」に目が向きやすい時期です。それも大切ですが、始まってすぐのこの時期だからこそ、「もうすでにできていること」に目を向けたいと思います。
支援は、「できないこと」を見がちですが、実は、支援の基本は「できていること、できたことを見る」ことにあります。
- 生徒が最初の数日で既にできていること
- 生徒が昨日より既にできていること
- 先生が工夫して変えたら成功したこと
- クラスでうまくいったこと
などなど、うまくいったことを言葉にして認め合えるだけで、教室の雰囲気は大きく変わります。
できないこと探しをするよりも、「できたことを言語化して伝える」ことこそが重要なのです。新学期始まって数日でできているって、それだけですごいですよね!
IT機器や時間割などの基本の準備
私は時間割の担当でもあるので、時間割の調整をしたり、変更点を直したりという仕事があります。スウェーデンの先生は授業時間が組合で決まっている場合が多いので、その時間数を超えないように調整したり、学校の中で変更点が生じるとそれに合わせた調整をしたりと、いろいろとあります。
また、来週から行うことになっている算数・数学のアセスメントの準備を兼ねて、生徒たちのIT機器の確認もしました。このような基礎的環境作りをするのも私の重要な仕事です。こうした「環境作り」により、先生が子どもに集中し、授業に集中できるように支援をするのも大切な仕事です。
副校長でも担任でもない、Specialpedagogが学校にいる意味
副校長は組織運営で、担任は学級運営を主としています。その中で、Specialpedagogは、先生と子どもを支える支援の専門家ではないかと思います。
学校には、先生の声を受け止め、こどもの学びを多角的に分析し、教育環境を整え、必要な支援をつないでいく、橋渡しのような役割が必要であると思います。これを先生がおこなっていたのでは、先生方は「教える仕事=授業」に集中できません。
まだまだ十分認知されていない職種ですが、学校の質を支える重要な専門職としてSpecialpedagogがあると思っています。
新年度、新学期は混乱をします。でもその混乱の中にこそ、先生の強みや子どもの可能性が見えてくると思います。Specialpedagogの役割は、その可能性を見つけ、言葉にし、支え、環境を整えること、教師、保護者、アシスタント、管理職、専門職と連携をしていくことであると実感した新学期開始の1週間でした。

コメント
コメントを投稿
コメントをありがとうございます。