スウェーデンのSpecialpedagogは何をする? 問題対応だけではない予防的・促進的な支援

  前回の投稿では、生徒アシスタントの勤務シフトを見直したことについて書きました。

 「人が足りない」という声から始まったのですが、実際に状況を見ていくと、単純な人数の問題だけではなく、職員の配置や情報共有、共通理解など、学校の組織そのものに関わる問題が見えてきました。今回は、その続きを書きたいと思います。

「シフトを作る人」と「教育を担う人」では、見えているものが違う

 私の学校には、事務の仕事をしている人の中にシフト表を作る担当者がいます。その人には、その人の視点があり、長年やってきた経験があります。勤務時間、契約、職員数、学童のじかんなどなど。

 一方で、教育や授業を行う側から見ると

「この時間には、この場所に、職員が必要」

という別の視点があります。どちらが正しいということではありません。

見ているものが違うのです。

だからこそ、これらの違いをつなぎ合わせていくことが大切であり、それを理解しあうことが大切であると思います。

学校という組織では、一人一人が自分の担当する仕事だけを見ていても、全体としてうまくいかないことがあります。

  • 教育的な視点
  • 職員配置の視点
  • 子どもの視点
  • 学校という組織全体の視点

私は、今回これらをつなげていく役割を少しになったのかなと思います。


Specialpedagogは、「問題が起きたら対応する人」ではない

 Specialpedagogというと、スウェーデンでも「問題のある生徒」や「授業がうまくいかない」、「特別な支援が必要な生徒がいる」、そんなときに相談する専門家、というイメージを持つ方が今でもいます。

 もちろんそうした問題に対応することもSpecialpedagogの大切な仕事です。

でも、それだけではありません。特に重要だと言われており、私が大切にしているのが、予防的・促進的な活動です。

つまり、問題が起きてから対応するだけではなく、そもそも問題が起きにくい環境をどう作るかを考えることです。


今回のシフトの見直しは「生徒への支援」なのか?

 ブログを書きながら、振り返り、今回私がしたことは、生徒への直接支援ではありません。教室で個別に指導したわけでもありません。

 やったことは、主に職員の配置と勤務シフトの分析と見直しです。でも、私はこれもSpecialpedagogの仕事につながっていると思っています。例えば、


  • 朝、授業が始まるときに必要なアシスタントがいることで、生徒たちは毎日学校生活を安心してスタートできる。
  • 先生が授業前と後に授業の準備や後片付けの時間をしっかり確保できる
  • アシスタントの仕事に対する意識が高まる
  • より充実した、生徒のニーズに応じながら、学びが深められる
など、こうした教育的環境が整うことにより、先生やアシスタントの意識が変わり、授業が変わり、生徒の学びが変わります。シフトの見直しの先にいるのは、生徒たちなのです。

大人が働きやすい環境を作ることが、結果として子どもたちの学びや安心につながる。

これもまた、特別支援教育の大事な一つの側面であると思います。

「あなたの仕事ではないけれど。。。」

今回、副校長からは、「あなたの仕事ではないけれど」と言われました。確かに、シフト作成して管理することそのものが、Specialpedagogの仕事いうわけではありません。だから最初は「そうだな」と思いました。

 でも、今回こうして振り返りながら、「まわりまわって、やっぱり私の仕事の一部なのかもしれない」と思うようになりました。

 もちろんSpecialpedagogが学校のシフトを作る必要があるという意味ではないのですが、実際に起こった問題を分析していくと、案外こうした職員配置が原因ということは多いのです。

 教育的な視点から学校の環境や組織を見て、必要なところに助言する

これも、Specialpedagogの役割なのではないかと思います。


「問題対応」よりも「問題が起きにくい学校」を考える

Specialpedagogとして働いていると、どうしても、目の前にある問題への対応が多くなります。もちろん、こうした相談には一つ一つ向き合っていく必要があります。それと同時に常に、

「なぜ、この問題がおきているのだろう?」

という視点でも考えることが重要です。そして、

「同じような問題が起きないためには、何を変えればいいだろう?」

と考えていく。

  • 朝、アシスタントがいない
  • 先生が授業準備できない
  • 動きが共有されていない

など、そうした問題が起きてから、その都度対応するのではなく、最初からできるだけ問題が起きにくい仕組みを作る、これが、予防的なSpecialpedagogの仕事の一つなのだと思います。


学校を変えていくというのは、大きな改革などをすることではなく、日々の中にあるちょっとしたうまくいっていないことにも目を向け、なぜそうなっているのかを考えて改善する、やってみて、うまくいかなければ、また見直す、そんなことの繰り返しによって変わっていくのかもしれないと思ったのです。

昨年日本の大学生の方たちが障害者施設でともに描いた絵と共に








コメント

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *