スウェーデンの学校の生徒アシスタントの配置を考える Specialpedagogが見直した勤務シフト
新年度が始まって、また、1週間が過ぎました。今回の1週間は、アシスタントの勤務シフトと、学校・学童・高学年放課後福祉支援の職員配置を見直すことです。
少し解説を加えると、スウェーデンの学童は、(少し古いですが、こちらの投稿をぜひ!)カリキュラムがあり、学校教育の一部となっています。勤務校は9年生まで通っているので、12歳を超えると学童ではなく、LSSというスウェーデンの福祉法に基づいて、「短時間保護・余暇支援活動」といううものに切り替えられ、学校で放課後の支援を受けます。なので、12歳際を境に、朝と放課後の支援の法律が変わることになります。これについては、また詳しくご紹介できればと思います。
始まりは、とてもとてもシンプルな問いを複数の先生やアシスタントからもらったことでした。
「授業が始まっても生徒アシスタントが足りない(これは知ってました)」
「学校が終わっても、生徒アシスタントからの質問が続く、授業の準備ができない」
「生徒のアシスタントの数が足りない。」
「時間になったら、私一人だった」
などなど。一つ一つは、小さな問題に見えるかもしれないのですが、先生が授業の準備を放課後できないというのは大きな問題ですし、詰めるところ、勤務シフトとコミュニケーションの問題であると分析しました。
学校という組織は、同じようなことをしているようで、毎年異なった生徒やグループが存在する「生き物」であり、こうした「小さなうまくいかない」が積み重なることで、先生やアシスタントの負担が増えていき、子どもたちの学びや安心に影響をしたりします。
そこで、今回は、Specialpedagogとして、「人が足りない」という問題を、単純な人数の問題だけではなく、学校の仕組みという視点から考えてみました。
朝8時、まだ生徒アシスタントがそろっていない
実は、生徒アシスタントの勤務シフトについては、以前から先生たちの間で問題になっていました。私自身、勤務校で2年前までクラス担任をしていたので、その大変さは、非常によくわかっています。学校は朝8時10分から始まります。ところが、その時点ですべてのアシスタントが出勤しているシフト表ではないのです。
授業が始まってから、少しずつ職員が教室に入ってくるのです。
もちろんこれには理由があって、朝6時半から午後17時半までの学童及び放課後の活動福祉支援を含み、職員を配置することや、全員が100%で働いていないこ都などがあります。
それでも、担任や授業をするものとして、また生徒たちが安心して毎朝学校での学びをスタートするためには、
「授業が始まる時間に、アシスタントがそろっていてほしい」
と思います。特に重度の生徒たちのクラスでは、授業をするためにはアシスタントなしではできません。これは、実際に担任をしていたからこそ、よくわかることです。
「人が足りない」のではなく、「配置」が問題なのでは?
そこでまず行ったのは、実際に人が足りないのか?ということを検証することでした。
すべてのアシスタントが朝8時から勤務できるわけではないのですが、可能な限り8時出勤にした場合に、午後の配置が足りるかという検証です。
勤務時間には、契約条件、個人の事情など、いろいろあります。17時過ぎまで勤務する職員は可能な限り、朝の8時半ごろの出勤を残しつつ、朝8時前までに必要な人員との兼ね合いを見ていきました。
朝8時までに必要な人員と夕方に必要な人員をどう配置するか
生徒の帰宅時間と残っている生徒の人数とニーズに合わせて
「アシスタント人数は足りるのか」
「アシスタントが適切に配置されているのか」
を見ていきました。言い直せば、
「職員が足りない問題と職員が適切に配置されているかという問題は必ずしも同じではない」ということです。
もちろん本当に人数が足りない場合もあるので、慎重に検証する必要があります。でも、今いるアシスタントの数で、必要な時間と場所に配置されているかを見直すことで、改善できることもあるのです。
私は「組織構造」を見るのが得意かもしれない
私は時間割の作成もしたので、アシスタントのシフトを考えているうちに、「私はこういう組織構造を考えるのが、意外と得意なのかもしれない」と思いました。
誰が、いつ、どこにいるのか。そこで何をするのか。
どこに人が必要なのか。
どの仕事を担っているのか、どの仕事が重なっているのか。
何が原因でどこに負担が出ているのか。
そんなことを分析していくことが興味深く、一つの問題だけを見るのではなく、学校全体、組織全体を構造的に見ること、これにより、それまで別々に見えていた問題が、実はつながってることがあります。
これも、Specialpedagogとして自分が持っている強みの一つかもしれないと感じました。
スウェーデンの学校では「みんなが決定に参加する」ことが大切
今回のシフト変更で、意識したことがあります。日本であれば、学校の管理職が、こうした勤務シフトの変更などは決定事項としてつたえるのかなと想像しています。
スウェーデンの学校では、長年働いてきて、
「何を決めたか」だけではなく、「その決定に職員がどのように参加したか、関与したか」
が非常に大切にされます。今回もいきなり新しいシフトを作って発表するということはできないので、段階として水曜日の午後のアシスタントの会議で話し合いました。話し合いの中心は、主にどの生徒がどこで放課後を過ごすかの確認(放課後は3つのグループに分かれています)、そして、どの時間にこれらのグループを統合していくのかなどという問題です。
生徒の数とそのニーズに合わせて、アシスタントの数を決めていきます。
話し合いの決定後、更に調整をして、金曜日に新しいシフトを公開できるように動きました。
シフトを変えると、やっぱり問題も起こる
とはいっても、そう簡単にはいきません。
急いで何かを変えようとすると、どうしてもどこかで問題が起こります。そして、勤務シフトを変えるということは、誰かの働く時間、その人の日常を変えるということでもあります。
当然、全員が「いいね」というわけではありません。誰かや学校にとってよいことが、別の誰かの都合の悪いことになることもあります。
だからこそ、時間をかけて話し合うこと、そして職員が自分たちの意見を言える場を作ることが大切なのだと思います。
今回の反省点としては、あれを確認しておけばよかった、聞いておけばよかったということがいくつかあります。でも、やってみなければわからないこともあります。
今回の経験から学んだことを、次の仕事につなげていく、これが大切であると思います。
このシフト表の見直しが中心だった1週間、ここから、Specialpedagogとして、今一度考えてみると、今回のことは単にシフトを見直したという話ではありません。
なぜ、こうした問題が起きているのか、
先生やアシスタントの声に耳を傾け、
どうしたら、改善できるのか、
であると思います。次回は、今回の経験を少し離れたところから振り返りながら、Specialpedagogの「予防的・促進的な仕事」について考えてみたいと思います。
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