スウェーデンのワークライフバランス 夏の休暇を終えた9月に思うこと
9月も半ばに入り、スウェーデンはすっかり秋です。長かった夏の休暇や夏休みも終わり、4年に1度の選挙も終わり、街も学校も職場も、すっかり日常に戻っています。
夏の間は、休暇の空気、どこかゆっくりしていた町の空気も9月になると少しずつ変わり、この時期になると、冬の訪れを感じるようになります。
今日は、夏の休暇を終えた9月に思う、スウェーデンのワークライフバランスを、フルタイムで公務員(教員)として20年働いてきた私が考えます。
スウェーデンの夏休みは、なぜ長い?
スウェーデンでは、法律上、年間25日の年次休暇が基本となっています。年齢が上がると増えたり、職種によっては組合で合意を得た休暇日数などがあったりします。
そして、原則として6月から8月の間に、3~4週間連続して休暇をとれる仕組みがあります。もちろん、すべての人が必ず同じ時期に4週間休むということではなく、6月から8月くらいの間に分散して取ることが多いです。この取得時期は職場によって異なり、学校関係は、子どもの夏休みに合わせて、7月を中心に取ってもらうことが多いです。こちらもまた、職場の事情や労働協約などによって違いがあります。
それでも、共通していることは、夏にまとまった休暇を取ることがスウェーデンではごく自然なことです。
昔のブログを読むと、日本にいた頃の私からすると「4週間も休んだら、仕事にもどれなくなるのでは?」と思っていました。でも、スウェーデンで暮らしていると少しずつその感覚は変わりました。
4週間の休暇は「贅沢」ではなく、文化と生活の一部
日本の文化と生活から考えると、4週間の休暇は贅沢と考えられるかもしれません。教員を長くしている私は、夏の休暇は、4週間ではなく約7週間あります。そのため、昔は、夏休みを
- 1週間目は、体を休める。また頭に仕事のことが残っているので、そこから離れる。
- 2週目は、ようやく少し休みだと思える。
- 3週目から休暇を本格的に満喫
- 4から6週目はあっという間に終わる
- 7週目は少しずつ仕事に戻る心と体の準備をする
という感じです。
20年体感し、実践してみて思うのは、「休むこと」もワークライフバランスの一部であるということです。別の言い方をすれば、「休むこと」というのも意識しないと、なかなか難しいし、バランスをとるのも難しいということでしょうか。
大切なのは、仕事以外の時間をちゃんと自分の時間として意識して充実できるかということです。
日本で4週間の休暇を夏に取るというのは、文化的にも気候的にも社会的にも必要がないように思います。日本は、祝日が多いですし、夏の猛暑の間よりも他の季節の方がよいようにも思います。夏の4週間にこだわるのではなく、仕事以外の時間を自分の時間として意識して、「休むこと」を生活の一部にしていくことが大切ではないかと思います。
教師・Specialpedagogの私が感じる「仕事が終わらない」という現実
学校にいる時間に、教師・Specialpedagogの仕事が全部終わるということはありません。むしろ、自分の仕事が常に勤務時間内に終わっていると感じる職業というのはすくないのではないかと、特に、その仕事に一生懸命であればあるほど、そんな簡単に終わるものではないとも思います。
会議でよく言われるのも、「決定させることを優先するよりも議論を」というものであり、結論が決まらなくても、次の会議に持ち越し、時間になったら帰宅するというのが一般的です。これはスウェーデンというよりも、職種や内容によって異なるようにも思います。
スウェーデンだから可能、スウェーデンだから仕事が楽
という単純な話ではないと思います。ワークライフバランスという言葉を聞くと、「仕事が少なく休みが多く」みたいなイメージを受けられるかもしれませんが、私がスウェーデンの教育界でフルタイムで働き、スウェーデンで暮らしてきて感じるのは、
仕事が大変でも、仕事だけで人生がいっぱいにならないようにする
という文化、生活、個人の意識であると感じます。
スウェーデンのワークライフバランスを体感して思うこと
スウェーデンの働き方を見て、
「スウェーデン人は幸せそう」
とか、
「日本より働き方がいい。」
とか、
そう単純に言うことはできません。国が違えば、仕事の仕組みも、家族の形も、社会の制度も違います。そこにある社会規範も大きく異なります。それぞれに大変なことがあり、一面から物事を見ることはできません。
それでも、長く暮らしてきた私が感じるのは、「休むことを予定に入れる」ことの大切さです。
1年の中に仕事をしない期間を確保する
1か月の中に自分だけの時間を確保する
1週間の中に自分だけの時間を確保する
家族と過ごす時間を確保する
自分の好きなことをする時間を確保する
何もしない時間を確保する
働く時間とのコントラストをはっきりとさせて、自分の時間、家族やパートナー友人との時間を意識していく。
この時間への意識の仕方が、スウェーデンのワークライフバランスの鍵であると思います。
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