2016年10月8日土曜日

個人アシスタントの削減傾向

 すっかり秋らしくなり、着々と冬に近づいている、こちらスウェーデン、ストックホルム。今日は、8章まで一気に読んでしまうつもりでしたが、眠気には勝てず、結局6章どまり。明日残り読みきらなくては。。。


 先日の新聞に、一晩にして600時間の援助がなくなったという、個人アシスタントの削減に対する批判記事が載っていました。まず、個人アシスタントについて説明をすると、スウェーデン語では「Personlig assistans(パーショーンリグ・アシスタント)」と呼ばれる、パーソナルアシスタントのことで、障害を持った人に個人的に付き、その人の手となり足となり、援助をします。これは、LSSと呼ばれる「Lag om stöd och service till vissa funktionshindrade」という障害を持った人の支援援助の法律に基づいています。

 ここ数年、この個人アシスタントを不正に利用している人が増えているという報道があったり、増え続ける難民や移民に対する援助の増加により、個人アシスタントが削減傾向にあるという話をよく聞きます。不正に利用している人がいるというのは事実で、時々ニュースになりますが、増え続ける難民の援助がこれにいかに関係しているかは、私にはわかりません。

 新聞には、自閉症と知的障害を併せ持った兄弟の個人アシスタントの時間が削減されて、困ったとあります。記事によれば、2009年から新しい基準が適応されるようになり、基本的必要性が厳しく判断されるようになったとあります。自分でトイレに行けるかどうかとか、食事の介助とかの部分が、より一層厳しくなったようです。この兄弟は、歩けるようですが、一人はてんかん発作があるとありますし、自傷行為もあるようですので、目を離すことはできないのに、一気にアシスタントの時間が減ってしまい、理解に苦しむとあります。

 私の働いている学校の生徒の中にも、個人アシスタントが付いている生徒が多くいます。働き始めた頃は、子供達が保健局に出向くというようなことはなかったのですが、ここ数年は、定期的に担当者との面談があり、生徒が保護者や後見人と一緒に面談に出向きます。自宅への訪問もあるようで、親さんによれば、結構長い時間の面談をずっと本人も一緒に行うということでした。実際に生徒にあって、その必要性をしっかりと理解してもらい、正しいアシスタントの時間を割り振ってもらえればいいのですが、記事のように一気に減らされてしまったりすると、生活も一変し、大変であろうと思います。アシスタントの時間がどれくらいになるかは、本当にまちまちで、保護者の方からもいろいろと話を伺い、心を傷めることがあります。

 スウェーデンのユニークな福祉制度である個人アシスタント、必要な人がちゃんと利用できるシステムであってほしいと願うばかりです。

読んだ新聞記事:600 timmar stöd borta över en natt, SVD 20161003

 

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