2016年7月9日土曜日

スウェーデンの教員組合の組合長のインタビューより

 前回の記事「数字で見るスウェーデンの学校教育」の元とのなっている新聞記事には、教員組合の組合長のインタビューも載っていましたし、学校の現状を変えるための案も載っていました。余談ですが、休暇も3週間目に入り、やっと教育関係の本とか読んでも、興味深いと思えるようになりました(笑)。休暇に入った当初は、転職も考えたほど嫌気がさしていましたが、家族や友人の励ましや応援、のんびりしたことで、復調しました。いろんな人の支えに感謝するばかりです。


 スウェーデンの学校教育に興味がある人ならば、珍しいニュースでもなんでもないことですが、スウェーデンではここ3年間に約9万人の教員が新たに必要になると言われています。どういう数え方をするかによって、出てくる数字が毎回違いますが、今回の新聞ではそう書かれており、パッと思ったのが、移民のためのスウェーデン語クラスや幼稚園教諭、学童などの先生を総括した数字であろうと思いました。スウェーデンには、教員組合が2団体あり、この教員組合は幼稚園などを含む、組合になる方の制限がゆるい方なので、おそらくと。

 それにしても、9万人大変な数です。いろんな要因が考えられますが、まずは人口増加でしょうね。ベビーブームと言われなくなり、その人口増加が一般化した今、年々人口が着実に増加しています。そして、移民、難民の増加。ちらっと読んだ新聞記事で、イギリスのEU離脱が決まってから、スウェーデンに帰化したイギリス人が増加したとか。今後のEU情勢により、さらにスウェーデンで移民問題が起こってくる可能性があるでしょうね。そうなると、今でも移民の教育に関わる人材が問題になっているのですから、9万人でも足りなくなるかも。

 インタビュー形式で書かれていた中で次に気になったのが、免許を持った教員を採用することがたいへん難しいという話。こちらでは、学校ごとの採用になるので、校長などが採用に関わりますが、募集をかけてもその資格にあった人を採用するのは至難とか。私の学校も今年は教員2名アシスタント4名新規に採用しなくていけなくて、大変でした。教員免許を持っていても教員として働いていない人もある一定数いるし、学生の中でも教員になってもいいけど、ならないという人が多くいるらしい。そういう人たちの理由としては、お給料が低いことと仕事量が多いこと。

 この2点ですが、確かにそうなんですよね。教員のお給料がすごく低いとは思いませんが、教員になるために大学に通う年数とその後のお給料という面から見ると安いと思います。私と同じ資格を持った人の場合、実に大学に5年半から8年ほどは通っており、最初の免許を取ってから一度現場に出なくてはなりません。これだけの時間をかけるということは、それだけ学生のローンも払っているということで、そう思うと安いと思います。仕事量に関しては、先生特有の問題でもあると思います。どこまでやっても終わりがないというか。でも、確かにここ数年の改革でお仕事量増えていると思います。


 そんなところに焦点を置いた組合の案を、次に紹介したいと思います。



 読んだ新聞の記事:Återupprätta Sverige som kunskapsnation, DN, annons från lärarförbundet, 2016-07

 

2 件のコメント:

  1. れい子さん、ドイツに住んでいる「さかなスープ」
    のえりかです。はじめまして!
    デンマークのゆうちゃんがれい子さんの事とブログを紹介してくれました。
    教師として、スウェーデンで働くのは並大抵の事ではないですよね。夏休み、ゆっくりと過ごして下さい。
    過去の記事も沢山、読みました。スウェーデンの学校、教育、子どもたちのことの事を沢山、伝えてくれてありがとうございます。福祉と教育の国、スウェーデンの事をこれからも学ばせて下さい。
    リンクも、貼らさせてもらいました。
    よろしくお願いします。

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  2. エリカさん 初めまして。コメントをありがとうございました。メールの方も返事をしましたが、届きましたでしょうか。ブログのリンクを私も貼らせてもらいました。ブログを読んでくださってありがとうございます。私も時々訪問させていただきます!よろしくおねがしいます。

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コメントをありがとうございます。