2016年7月10日日曜日

スウェーデンの学校の現状を変える組合の案

 昨日の「スウェーデンの教員組合の組合長のインタビューより」の続きです。記事には、スウェーデンの学校の現状を変えるための4つの明確な案が提案されていました。

1、教育面で指導力を発揮できるように、校長にさらに時間を与える。

 スウェーデンの学校の校長は、教員の指導や授業の向上といった教育面で指導力を発揮するような時間は、はっきり言ってありません。管理職の仕事は、いかに経済的な予算をしっかりと守って学校運営をするかにあり、日々の仕事は、

学校の運営、特に経済面
学校の建物に関する問題
教員などの職員の確保
法律面の問題対応

などがあり、これらを他の人材が行うことによって、校長が本来の校長職である学校の運営、教育に関わることが重要であると。その通りであると思います。校長が授業をみにくるなんて、学期に1回あるかないかです。うちの学校は副校長がいるので、副校長は会議には出ることが時々あるけど、校長は姿を見せない。。。電話の対応や日々起こる問題の対応で手いっぱいの模様。ここは確かに改善の余地ありで、コミューンの教育委員会に当たる部署からもう少し、援助があってもいい気がします。


2、社会的教育員を増やし、教員の仕事をへらす。

 おそらく、今後、スウェーデンで注目される教育に関わる仕事の一つが、この「社会的教育員」と直訳したけど、「Socialpedagog」と呼ばれる職業です。もう一つの注目される仕事は、先生のアシスタント。生徒のアシスタントはいるけど、今後は先生のアシスタントが増えると思います。

 この社会的教育員は、生徒の社会性を育てる役割をする先生で、担任と生徒の健康に関わるチームの橋渡しとなって、様々な問題解決に尽力していくことになります。現在は、この部分を担任や、有能な特別支援教育専門員が行っており、授業以外の仕事として、生徒の面々によっては、かなり時間を取られます。グレーゾーンの子が一人でもいれば、先生は結構大変で、ソーシャルな面を見てくれる教育者が、例えば休み時間などに、適切に子供達のちょっとしたケンカなどに対応してくれて、その後の処理もしてくれたり、ケンカにならないように改善してくれたりしたら、いじめや不登校など、いろんな問題が少しずつ改善されていくように思います。


3、先生のアシスタントの導入。

 上記に書きましたが、先生のアシスタントが今後増えていくと思います。教員が日々行っている仕事の一部を補う役割で、仕事の内容としては、

用紙の記入や情報の共有
コピー
パソコンなどIT関係の準備や手配

などで、事務に近いのですが、学校の事務員さんと先生の間みたいな感じでしょうか。今後は、増えると思う職業です。


4、生徒の健康チームの改善。

 スウェーデンの学校には、「Elevhälsoteam」という「生徒の健康チーム」の設定が義務付けられています。このチームの役割を改善、活性化させることは、私もとても重要であると思います。チームには、各専門家が揃っており、今回の案では、コミューンに特別な学校のチームを設ける必要性があると。学校関係の部署と福祉に関する部署が合同でチームを結成し、学校の生徒の健康チームと協力して、特に予防面で対策していくことが重要であるとあります。

 この部分は、学校検査局も力を入れて見て回っているようで、今後徐々に改善と予想されます。



 どの案も、実現されると良いと思われるものばかりです。今後少しずつ変わっていくことによって、教員になり、さらに続けていってくれる人が増え、スウェーデンの学校がさらに良いものとなっていくと良いと思います。



読んだ新聞の記事:Återupprätta Sverige som kunskapsnation, DN, annons från lärarförbundet, 2016-07

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