2013年10月13日日曜日

スウェーデンの学校給食

昨日も今日も秋晴れの気持ちのいい日でした。家のなかでひなたぼっこしながら昼寝という極上の贅沢を味わった週末です。木曜日と金曜日は大学の登校日だったので、とても充実した忙しい時間を過ごしました。今回の課題で出したレポートの書き方がいまいちだったということがわかり、「そうか、そういうことか。」と思いました。一応マスターレベルになっているので、論文の書き方などとても厳しいです。慰めですが、スウェーデン人の方でも同じ間違えをしていると安心している自分がいます。今のところ、なんとかついていけているのでよしとしましょう。
 
 さて、今日は久しぶりに新聞の記事から、スウェーデンの学校給食について書こうと思います。まず、スウェーデンの学校給食の特徴をあげていこうとおもいます。
1、無料であること
これ、重要なんです。新聞によれば、学校のランチを無料で提供しているのは、スウェーデン、フィンランド、そしてエストニアのみとなっています。お隣の国、ノルウェーとデンマークは無料ではありません。デンマークは学校に行く(行かせる)義務ではなく、授業を受ける義務となっており、ホームスクールが可能なことでも有名であり、そうなるとランチの無料提供というのは考えにあがらないのだろうと思います。ノルウェーは、ランチ持参という話を聞いていて、移民でわたってきた子どもが変わったランチを持っていって恥ずかしい思いをしたというような話を聞きます。
無料であることはとても重要な点で、スウェーデンがおそらく誇りとしていることであると感じます。豊かな北欧のスウェーデンというイメージが強いのですが、貧困が問題となっており、学校で出される給食が1日の唯一の暖かいご飯だったという話を良く聞きます。すべての子どもに最低限の生活を保障する一面を今でも担っている給食というのは大変考えさせられるところです。
2、ランチの時間が10時半から12時過ぎ
ランチルームで食べるため、ランチの時間にものすごく差があります。低学年のクラスは、実に10時20分頃から食べ始め、高学年になると12時過ぎというのも珍しくありません。このランチの時間を10時半以前にしないこと、11時をめどにすることという一応の目安はあるのですが、多くのところが守っていないのが現状です。早い子どもは6時半頃に学校に来て7時に学童で朝食をとり、途中で果物を一つ食べて、10時半にランチ。14時頃に間食を学童でとり、(簡単なサンドイッチやヨーグルトなど)家庭で夕食を18時頃とるとなります。このランチの時間に関しては、いろいろ問題があるのが事実です。
また、ランチの時間を区切っているので、最低でも20分は子どもにあたるようにと決まりがあります。うちみたいな田舎の学校だとそんなに大きくないし、ランチルームも余裕があるので、10時20分に食べ始めれば、各クラス30分は時間があります。が、ストックホルムの街中の学校などではそれも難しいとも。急いで食べるのも良くないし、子ども同士のもめ事も増えるような気がします。
よく聞くもう一つの問題が、遅い時間に給食を食べると、メニューによっては残っていないという問題。とっておいてくれればいいのにとも思うのですが、よく聞きます。ミートボールなど子どもの好きなものだと「一人いくつまで」と書いてあってもやっぱりなくなるとか。

3、エコロジーな食品を使う決まり
住んでいる場所の近くでとれた食材だとか、環境に良い食品、食品添加物の少ない食品などにつくマークがあり、そういった食品を最低でも25%含むようにという決まりがあります。新聞ではこの25%は少ないのではないかとありましたが、現実的な数字を目標にしているのだとストックホルムの学校関係のトップであるロッタ・エードホルムさんが答えていました。
幼稚園でも今の学校でも確かに話題にあがります。全体のどのくらいがそういったエコを意識した体に良い食品となっているかというのは数字で示されます。でも、からくりがあるなあと思うのは、25%くらいだと牛乳だけはKravというマークのはいったものにしてしまえば、かなり数値が良くなるのです。牛乳以外のものを多少意識すれば達成されるような数字であれば、もっとパーセンテージを上げてもいいのじゃないかと思ったことがあります。

4、子どもの意見を取り入れる
給食について話し合う会をもったり、子どもの好きなメニューを投票に基づいてランチのメニューにするなど、子どもの意見を取り入れる活動が各学校で行われています。これ自体は珍しいことでも何でもないと思ったのですが、やっていない学校もあるのかもしれないと思いました。

新聞記事の主旨は、環境党がストックホルムの学校給食を問題視したもので、上記の内容以外に、ストックホルムの学校の約半分が調理室をもっておらず、給食を学校で調理していないのも問題だとありました。この問題は、私がストックホルム市内で働いていたときからあがっていて、それがもう6年ほど前。少しずつ改善はされているのだろうけど、建物不足のひどいストックホルムではなかなか難しのも現状かと。
給食にお金を最もかけているのは、ストックホルム県内では、スンドビーバリイ(Sundbyberg)スウェーデン国内では、ドロテエーア (Drotea )とありました。最もかけていないのはストックホルム県内では、ウップランドーブロー(Upplands-bro)スウェーデン国内では、オートビーダバリイ(Åtvidaberg)とありました。

スウェーデンの給食は日本の給食に比べれば劣り、食文化の面で見ても日本に勝てる国はなかなかないだろうとも思います。それでも、それなりに信念を持ち、無料で提供し、なんとかしていこうと努力しているスウェーデンには、見習うことが多いようにも思います。時々、日本の学校給食はなんで無料にしないのだろうかと思います。なんででしょうか。お時間のある方、是非、コメントをのこしてくださればと思います。
読んだ新聞記事:Skolmaten blir valfråga i Stockholm DN 20131009