2012年2月26日日曜日

小中学生の留年制度とスウェーデンの教育の考え方

日曜日の夕方です。久しぶりに友人とその子ども、主人とのんびりとした午後をし、お茶の時間を持ちました。ゆっくりした時間を大切にしたいと改めて思ったものです。

 さて、今日はまず、大阪の橋下市長から出た、小中学生の留年検討に関して書きたいと思います。お恥ずかしながら、私、橋下市長のことをしったのは、2ヶ月前。友人とランチをしていて、彼女に教えてもらったのです。それまでは、まったく知りませんでした。彼女の情報から、いろいろネットで情報を収集し、今に至ります。そして、今週だったかにニュースで読んだ、留年検討の話。私の第一印象は、

 スウェーデン型の教育思想に近づくか。。。

というものでした。私のブログを読んでくださっている方ならば、たびたび書いているこの内容、またかになるかもしれませんが、ご了承を。。。

 スウェーデンの教育のあり方は、下を救うというと分かりやすいかと思います。国民全員にある程度の基礎的な学力を与えることを目標としている教育であり、中学校の成績で一定の教科で不可がつくと高校進学に影響が出て、高校入学準備コースのようなところに進学することになる場合もあります。繰り返しになりますが、
すべての子どもが最低でも可(今年度から成績はABCDEになっており、Fが不可)をとる
社会を担っていくための最低限の能力を誰もが持っている

ということを国が目指した教育を施しており、これは、社会資本主義とも呼ばれるスウェーデン社会のシステムを維持していくための大きな基盤になっているのだと思います。

 このため、スウェーデンの教育では、どちらかというと、下に目を向ける傾向があり、現政府になってからは、能力がある子どもにも同様に最大限伸びる権利があるという主張がされ、エリートコースが作られるなど、できる子に対する対策もされてきました。が、現場は、この不可を少なくすることに躍起になっている傾向があります。
 
 スウェーデンには、飛び級制度もあるので、能力のある子どもは、学年を超えていくことも可能です。結構そんな話をきくので、珍しくないように思います。
 じゃあ、留年はあるのかというと、あるようでないような。。。調べていないのですが、制度上では留年は可能であると思います。でも、あんまり聞きません。その昔はわりと聞いたとも聞きました。スウェーデンの場合は、カリキュラム上の到達目標が6年生9年生となっており、内容のほうも、1年から3年、4年から6年、7年から9年という風にわかれていて、その学年ごとで細かく決められていないために、留年もそんなに簡単ではないのです。

 その学年で留年をさせようとおもうと、その学年の到達目標やカリキュラムなど細かく決まっていて、それに対してかなり詳しい判断を教師がすることになり、それはとても大変なことであると思います。
 この点が、スウェーデンは、大雑把です。大雑把と書くと聞こえが悪いですが、この国にはあっていて、田舎の学校などでは、複式で教えている場合も多いスウェーデン。そうなると、こういったカリキュラムは悪くないです。
 ここまで書けば分かるとおり、現状では、留年となると高校入学を留年する場合が一番多いのではないかと思います。
 ただ、その学年の内容を明らかに学習し切れていない子どもに対する手立ては、しっかりしており、そういった子どもたちには、改善にむけたプログラムが作られます。これを作成するのはいろいろ手順があり大変なんですけど、とりあえず、それで決まった対策案を行うことになっています。これによって、できる限り多くの子どもたちに最低限の教育を保障しようと努力しているのです。

 で、橋下市長の留年検討に関する意見にあった、
義務教育で本当に必要なのは、きちんと目標レベルに達するまで面倒を見ること
は、スウェーデンの教育のあり方に近づく考えであると思ったのです。現状での実現は、問題が多くあり、特に現場の混乱は相当なものであると思うので、実現は難しいにしても、日本の教育を考えるひとつの案ではあると思いました。
私自身、スウェーデンの、この教育のあり方には抵抗があり、なかなか理解が追いつきませんでした。やっと最近になり、そのよさが少し、本当に少し見えたところです。それまでは、日本のような教育のほうがよいのではないかと思っていました。なので、今後、この話がどの方向に進んでいくのか大変興味があります。