2011年11月11日金曜日

スウェーデン青年の大きな不満

先日いただいたコメントの中に書かれていた内容が、興味深いものだったので、私が思うところを書きたいと思います。コメントを下さったパンダ民さん、ありがとう!
 コメントの内容はこちら。書き込まれた記事はこちらですので、興味のある方はどうぞ!
こちらのお話と関連性があるかは分かりませんが、あるバラエティ番組で街角インタビューされたスウェーデン人の青年が「もう絶対国には戻りたくない!」と個人的理由というより、自国への不満爆発といった感じで答えていました。
北欧は福祉や教育など国民をケアする制度は万全だというイメージがあるので、問題は当然あるにしても、こういった大きな不満感は意外な感じがしたのですが、スウェーデンではまた事情が違うのでしょうか?
質問は来日&滞在理由などの軽いものでした。レポーターが絶句してしまった為、詳細は分かりませんが、気になって思わず書き込んでしまいました。

 この北欧に対するイメージは、一般的なものであると思います。北欧といっても、各国によって事情が大きく違います。私はスウェーデンのことしかわからないので、ここからは、スウェーデンということで理解していただけるとよいかと思います。私から見るスウェーデンの若者たちは、格差が広がっており、そのおかれた状況によっては、大きな不満がたまっても仕方がないかなあと思います。ニュースなどでよく取り上げられる問題がこちら。
若者の失業率の高さ
若いということは、経験があまりないということですが、経験重視、労働者の権利が強いスウェーデンでは、若者はなかなか仕事が見つかりません。大学進学率が50%をきっているスウェーデンでは、若者の半分以上が高校卒業後に仕事を探していることになるのですが、15歳から24歳までの若者の失業率は実に25%を超えています。4人に1人が仕事が見つからない状態ということで、かなり深刻です。
昨日も若者が「活動資金」というような名目のお金を政府からもらっている%がものすごく増えていると。これは、老人の年金のようなお金で、若者の年金と考えてもいいと思う。そうなると、そうやって「働かない若者」「働けない若者」が増えている現状をどうするかということが問題になるわけで、なんとか、若者を税金をもらう側から、払う側にしようという対策が立てられるようです。
日本とは異なり、基本的に18になれば、成人とみなされ、できるならば、独り立ちして一人で暮らしたい若者なんですが、実際には仕事がなければ、アパートも借りられず、不満はたまっていくばかり。これが大きな要因で次々と問題が。。。たとえば、
高い税金
仕事がない、あってもあまり高いお給料ではない、もしくは、短期の職業であったり、パーセンテージの低い仕事であったり。。。それでも、高い税金からは逃れられません。お給料の約30%が税金になり、また、外で食事をすれば、25%、買い物をすれば、約12%。税金だらけです。
悪い住宅事情
 仕事がなければ、お金がないということでアパートを借りることも難しいです。それに加えて、ストックホルムなどの都市では若者向けの安いアパートやワンルームのアパートなどが不足しており、自立することが難しいのが現状です。学生であっても、アパートがないために、実家にすんでいたり、間借りをしたりして苦労している若者が大勢います。

 このインタビューに答えた青年の本当のところはわからないけれど、私から見てもスウェーデンの若者たちの置かれている状況は満足のいくものではないように思います。自立を促される個人社会で、その自立が成り立たない場合、その不満はものすごいものがあるんではないかと思っています。日本やほかの国も似たものかもしれないなあと思いつつ、また、若いころは多少なりとも自国を批判的にみるものかもしれないなあとも思いつつ、書いています。

 北欧スウェーデンにあった福祉や教育に対するイメージはおそらく、70年代から80年代あたりのもので、その後、移民の増加にともない縮小の限りを尽くしている現在では、スウェーデン人たちでさえ、古きよき時代を思うような目でみているので、今となっては、そんなイメージはないと思ってもらったほうがいいと思うのです。税金で運営されている施設などは、削減削減をたどりひどいものです。連日ニュースをにぎわしているのが、ストックホルム近郊にある老人ホームの話。障害者の施設にいたっても同様。これからどうなるんだろうかと思うばかりです。

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